【風が吹けば桶屋がもうかる】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

風が吹けば桶屋が儲かる

【ことわざ】
風が吹けば桶屋が儲かる

【読み方】
かぜがふけばおけやがもうかる

【意味】
ある出来事がきっかけとなって、思いもよらないところに影響が及ぶこと。また、あてにならない期待をすることのたとえ。

ことわざ博士
風が吹けば桶屋が儲かるは、原因と結果が何段階も離れている場合に使うことわざだよ。
助手ねこ
直接関係がなさそうな出来事を無理につなぐ理屈を、少し皮肉って言う場面にも用いるニャン。

【英語】
・chain reaction.(次々に原因と結果がつながって起こる連鎖反応)
・the butterfly effect.(小さな変化が、遠く大きな影響につながるという考え)

【類義語】
・大風が吹けば桶屋が喜ぶ(おおかぜがふけばおけやがよろこぶ)

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「風が吹けば桶屋が儲かる」の語源・由来

ことわざを深掘り

「風が吹けば桶屋が儲かる」は、強い風から始まるいくつもの出来事の連なりをもとにしたことわざです。風が吹くことと桶屋の利益とは、すぐには結びつかないため、遠回りな因果関係を表す言い方になっています。

もとの筋立てでは、風が吹くと土ぼこりが立ち、そのほこりが目に入って目の不自由な人が増える、と考えます。その人たちが三味線で生計を立てようとするため、三味線の需要が増える、という流れに進みます。

三味線には猫の皮が用いられるため、三味線が多く必要になれば、猫の皮の需要も増えます。猫が減ると鼠が増え、鼠が桶をかじるため、桶を買い直す人が増え、桶屋が儲かる、というつながりです。

この話の古い形としては、『世間学者気質(せけんがくしゃかたぎ)』(1768年・江戸時代中期、無跡散人著)に近い内容が出てきます。この作品は、江戸時代の小説の一つで、学者ぶった人物や世の中の考え方を風刺する性格をもつ作品です。

ただし、その古い段階では、現在のように「桶屋」が中心ではありませんでした。『世間学者気質』では、風から土ぼこり、目の不自由な人、三味線、猫、鼠へと話が進み、最後は鼠が「箱の類」をかじるため、「箱屋」がよさそうだという発想につながっています。

つまり、今よく知られる「桶屋」は、古い形では「箱屋」や、木製品を作る職人に近い形で出てきたと考えられます。桶も箱も木で作られる身近な生活道具であり、鼠にかじられて買い替えが必要になるものとして、後に「桶屋」の形へまとまっていったと見られます。

同じ系統の話は、『笑話出思録』、『巷談奇叢』、『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』二編下にも見えます。これらでも、現在の「桶屋」ではなく、「箱屋」または「指物師」に近い形が用いられていると記録されています。

『東海道中膝栗毛』では、蒲原(かんばら)の木賃宿(きちんやど)で、弥次さん・喜多さんと同じ宿に泊まった男の身の上話として、この筋に近い話が語られます。そこでも儲かるのは「桶屋」ではなく「箱屋」であり、現在の定まった形に至る前の姿を伝えています。

このことわざは、はじめから厳密な理屈を示す言葉ではありません。むしろ、いくつもの出来事を大きく回り道させて結びつけるところに、おかしみと風刺があります。

現在では、思いがけないところへ影響が及ぶという意味で使うほか、確率の低い因果関係を無理につなげるような理屈を皮肉る場合にも使われます。遠く離れた原因と結果を考えるおもしろさと、あてにならない期待への注意とが、同時にこめられたことわざです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の使い方

健太
明日の雨で運動会が中止になったら、土曜日の勉強会もなくなるかな?
ともこ
それはちょっとつながりが遠すぎるよ。風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話じゃない?
健太
たしかに、雨から勉強会まで無理に結びつけすぎたかも……。
ともこ
まずは先生の連絡を待とう。考えるのはそれからでいいよ!
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「風が吹けば桶屋が儲かる」の例文

例文
  • 新しい駅ができれば文房具店の売上も上がるという話は、風が吹けば桶屋が儲かるのように聞こえる。
  • 小さな流行が別の業界まで影響することもあり、まさに風が吹けば桶屋が儲かるだ。
  • 父は、物価の変化が近所の店にも響くのは風が吹けば桶屋が儲かるに近いと言った。
  • 友人の予想は面白いが、風が吹けば桶屋が儲かるで、少し無理がある。
  • 学校の行事が延期になったことから地域の店が忙しくなるとは、風が吹けば桶屋が儲かるのような話だ。
  • 風が吹けば桶屋が儲かるといっても、原因と結果を結びつけるには確かな説明が必要だ。

主な参考文献
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・三省堂編修所編『三省堂故事ことわざ・慣用句辞典 第二版』三省堂、2010年。
・博文館編輯局校訂『気質全集』博文館、1895年。
・無跡散人『世間学者気質』1768年。
・十返舎一九『東海道中膝栗毛』1802〜1822年。


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