この記事では、季節に関することわざを、意味付きで50音順に掲載しました。
衣(着ること)・食(食べること)・住(住むこと)に関することわざは、衣・食・住のことわざ一覧をご覧ください。
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目次
「あ行」の季節を表すことわざ
秋荒れ半作(あきあれはんさく)
秋の収穫期に天候が荒れると、作物の収穫は半減するということ。
秋風が立つ(あきかぜがたつ)
男女の愛がさめるという意味。「秋」と「飽き」とをかけていう。
秋高く馬肥ゆ(あきたかくうまこゆ)
空が澄みわたって、高く晴れ上がった秋の日のたとえ。気温も高すぎず低すぎず過ごしやすく、食べ物の収穫の時期になって食欲も増すので、馬が肥えてたくましくなるということ。また、新鮮な食物が豊富な時期なので、人も健康になるということ。
秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな)
秋にできるなすは美味しいから嫁には食べさせるなという、姑(しゅうとめ)から嫁への意地悪なことば。また、秋なすを食べると体が冷えて毒だから嫁には食べさせるなという、姑から嫁への思いやりのことばともいわれている。
秋の扇(あきのおうぎ)
寵愛の衰えた女のたとえ。
秋の鹿は笛に寄る(あきのしかはふえによる)
弱点に乗じられやすいということ。
秋の日は釣瓶落とし(あきのひはつるべおとし)
秋の日暮れはとても早いというたとえ。
秋の夕焼け鎌を研げ(あきのゆうやけかまをとげ)
夕焼けになった翌日は晴れるので、鎌を研いで草刈りや稲刈りに備えよということ。
暑さ寒さも彼岸まで(あつささむさもひがんまで)
彼岸を過ぎれば、暑さや寒さは落ち着き、過ごしやすい日々になるということ。
一年の計は元旦にあり(いちねんのけいはがんたんにあり)
一年の計画はその年の初めに立てておくのがよい。
一葉落ちて天下の秋を知る(いちようおちててんかのあきをしる)
落葉が早い青桐の葉が1枚落ちるのを見て、秋の来たことを知るように、前兆によって後に来るものを予知することができる。
梅一輪一輪ずつの暖かさ(うめいちりんいちりんずつのあたたかさ)
日ごとに春めいてくることをいう。梅のつぼみが一輪ほころび、また一輪ほころび、 それにつれて少しずつ暖かくなってくる。松尾芭蕉の弟子服部嵐雪の句。
江戸っ子は五月の鯉の吹き流し(えどっこはさつきのこいのふきながし)
鯉のぼりは空洞なので、口から勢いよく入った風が全部吹き抜ける。この様子を、口は悪いが腹の中はさっぱりした江戸っ子にたとえたことば。また、口先の威勢よさに反して胆力がないという意味もある。
男心と秋の空(おとこごころとあきのそら)
秋の天候が変わりやすいように、男性の愛情も変わりやすいというたとえ。
女心と秋の空(おんなごころとあきのそら)
年齢関係なく、女性の感情は秋の天気のようにコロコロと移ろいやすいということをたとえている。
「か行」の季節を表すことわざ
門松は冥土の旅の一里塚(かどまつはめいどのたびのいちりづか)
めでたい門松も、それを立てるたびに年を重ねるから、次第に死に近づく標示ともみられるということ。正月は冥土の旅の一里塚ともいう。
危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき)
危険が目の前に迫り、生き残れるか滅びるかというような岐路にたたされていること。
木七竹八塀十郎(きしちたけはちへいじゅうろう)
木は七月に、竹は八月に切るのがよく、塀は十月に土を塗るのがよいということ。これを人名のように語調をととのえたもの。
「さ行」の季節を表すことわざ
秋波を送る(しゅうはをおくる)
色目を使って相手の関心をひこうとする。
春秋に富む(しゅんじゅうにとむ)
歳月を豊富に持っているということで、年が若く、将来があることをいう。
春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)
花は香り、月はおぼろな春の夜の一時は、まことに趣が深く、千金にも換えがたい。
春眠暁を覚えず(しゅんみんあかつきをおぼえず)
春の気候は暑くも寒くもなく快適な眠りがむさぼれるが、夜が短くて、夜が明けたのも知らずに熟睡してしまうという意味。
「た行」の季節を表すことわざ
天高く馬肥ゆる秋(てんたかくうまこゆるあき)
秋は空が澄みわたって高く晴れ、馬は肥えてたくましくなるという意で、秋の好時節をいう。
田鼠化して鶉となる(でんそかしてうずらとなる)
モグラがウズラになる。七十二候の一つで、陰暦三月の第二候をいう。
灯火親しむべし(とうかしたしむべし)
秋になると涼しくなり、夜も長くなるので、灯の下で読書するのに適しているということ。
冬至冬中冬始め(とうじふゆなかふゆはじめ)
冬至は暦の上では冬の真ん中だが、実際は冬至から本格的に寒くなり、これから冬が始まるように感じられるということ。
飛んで火に入る夏の虫(とんでひにいるなつのむし)
自ら危険や災難に進んで、飛び込んでいく事。自らを滅ぼすような禍の中に進んで身を投じる事。
「な行」の季節を表すことわざ
怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)
人々が働いているときは怠けているものに限って、人々が休んでいるときに働き出し、あたかも自分は働き者のように周囲に思わせる者をいう。
「は行」の季節を表すことわざ
春の晩飯後三里(はるのばんめしあとさんり)
春は日が長く、晩飯を食べたあとでも三里の道を歩けるということ。春の日が長いことのたとえ。
冬来たりなば春遠からじ(ふゆきたりなばはるとおからじ)
辛い時期を乗り越えれば、よい時期は必ず来るということ。
盆と正月が一緒に来たよう(ぼんとしょうがつがいっしょにきたよう)
非常にいそがしいこと。また、うれしいことや楽しいことが重なるということ。
「ま行」の季節を表すことわざ
実るほど頭の下がる稲穂かな(みのるほどあたまのさがるいなほかな)
すぐれた人物ほど、謙虚になるものだというたとえ。
六日の菖蒲十日の菊(むいかのあやめとおかのきく)
時期に遅れて役に立たないということ。
物言えば唇寒し秋の風(ものいえばくちびるさむしあきのかぜ)
人の欠点、短所などの悪口やよけいなことを言ったりすると思いがけない災難を招くことになるから慎(つつし)んだほうがよいということ。
物には時節(ものにはじせつ)
何事にも時機というものがあり、時機を外せば思うようには成功しないということ。状況判断が大切との戒めでもある。
「や行」の季節を表すことわざ
世の中は三日見ぬ間の桜かな(よのなかはみっかみぬまのさくらかな)
世の中は実に転変の激しいものであるの意。
「わ行」の季節を表すことわざ
我が物と思えば軽し笠の雪(わがものとおもえばかろしかさのゆき)
頭にかぶった笠に積もる雪も、自分の物だと思えば軽く感じる。苦しいことも自分の利益になると思えばそれほど気にならないという意味。