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【柿が赤くなれば医者は青くなる】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

柿が赤くなれば医者は青くなる

【ことわざ】
柿が赤くなれば医者は青くなる

【読み方】
かきがあかくなればいしゃはあおくなる

【意味】
柿が色づく晩秋は気候がよく、病人が少なくなるため、医者が仕事を失って困るというたとえ。柿の栄養の豊かさをほめる意味でも用いる。

ことわざ博士
柿の赤と、心配で青ざめる医者の顔色とを対照させた、ユーモアのある言い方だよ。
助手ねこ
秋の実りと健康の結びつきを表す場面で用い、柿を食べれば必ず病気にならないという意味には用いないニャン。

【英語】
・An apple a day keeps the doctor away.(毎日一個のりんごを食べれば医者いらず)

【類義語】
・柚が色づくと医者が青くなる(ゆずがいろづくといしゃがあおくなる

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「柿が赤くなれば医者は青くなる」の語源・由来

ことわざを深掘り

「柿が赤くなれば医者は青くなる」は、柿が色づく秋の季節と、人々の健康や医者の暮らしとを結びつけたことわざです。「柿が赤くなる」は実りの季節を表し、「医者は青くなる」は、病人が減って仕事が少なくなり、医者が困る様子を表しています。

このことわざでは、「赤」と「青」という二つの色が鮮やかな対照をなしています。「青くなる」は、心配や恐れによって顔から血の気が引き、青ざめることを表す言い方です。

ただし、「柿が赤くなれば医者は青くなる」という形が、いつ、どの土地で初めて生まれたのかは明らかではありません。古いことわざ集にも、この形の直接の出典は示されておらず、果物の色づきと医者を結びつけた一群の言い伝えの中で定着したものと考えられます。

関連する古い例として、『笑談医者気質(しょうだんいしゃかたぎ)』(1774年・江戸時代中期、永井堂亀友撰)を出典とする「柚が色付くと医者が青くなる」があります。この作品は、医者の暮らしや性質を題材とした浮世草子(うきよぞうし)で、果実の色づきと医者の仕事を結ぶ発想が、江戸時代にはすでにあったことが分かります。

柚が色づくのは、秋から冬へ向かうころです。その季節は暑さが和らいで過ごしやすくなり、病人が少なくなるため、医者が暇になって青ざめるという意味で用いられました。

明治40年(1907年)の熊代彦太郎『分類一覧俚諺全書』には、「みかんが黄色くなる季節には医者の顔が赤くなる」という異なる形が載っています。ここでは、医者の顔が青くなるのではなく、忙しさや別の感情を思わせる「赤くなる」という表現が使われています。

また、昭和11年(1936年)の細川謙二『俚諺読本』には、「枇杷が黄色くなると医者が忙はしくなる」という、反対の意味をもつ言い方もあります。果物の種類だけでなく、医者が暇になるか忙しくなるかも、土地や季節の経験によって異なっていたことが分かります。

このほかにも、「橙が赤くなれば医者が青くなる」など、柿とは異なる果物を用いた形が伝わっています。こうした異形は、初めから一つの果物に固定されていたのではなく、その土地で身近な果実や季節の特徴を当てはめながら、言い回しが広がったことを示しています。

現在の形に近い「柿が赤くなれば医者が青くなる」は、山本徳子『ことわざ東洋医学―現代に生きる養生の知恵』(1999年)にも取り上げられています。二十世紀末には、柿を用いる形が、健康に関することわざとして定着していたことが分かります。

平成20年(2008年)に作られた食育教材では、「カキが赤くなると医者が青くなる」という形を掲げ、熟した柿の栄養の豊かさを表すことわざとして紹介しています。「なれば」が「なると」に、「医者は」が「医者が」になるなど、助詞や言い回しを少し変えた形も広く使われています。

柿にはビタミンC、カロテン、食物繊維などが含まれるため、現代では、柿の栄養価をほめる言葉としても受け取られています。ただし、このことわざは、健康を願う気持ちを誇張して表したものであり、柿を食べれば病気や診察が不要になるという意味ではありません。

このように、江戸時代の「柚が色付くと医者が青くなる」という関連例を土台として、土地ごとの果物や季節感を取り込みながら、柿を用いる形が定着していきました。柿の鮮やかな赤と、仕事が減って青ざめる医者とを並べ、実りの秋の健やかさをユーモラスに表したことわざです。

「柿が赤くなれば医者は青くなる」の使い方

健太
おじいちゃんの家の柿が、今年も真っ赤になったよ!
ともこ
秋は涼しくて食べ物もおいしいね。おじいちゃんも毎朝、畑を歩いて元気そう。
健太
まさに柿が赤くなれば医者は青くなるだね。病院に行かず、ずっと元気でいてほしいな。
ともこ
うん。でも具合が悪いときは無理をしないで、きちんとお医者さんに診てもらおう!
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「柿が赤くなれば医者は青くなる」の例文

例文
  • 祖父は庭の柿を見上げ、柿が赤くなれば医者は青くなると秋の過ごしやすさを喜んだ。
  • 秋の実りで村人が元気に働く様子は、まさに柿が赤くなれば医者は青くなるという言葉どおりだ。
  • 栄養豊かな柿が店先に並ぶと、母は柿が赤くなれば医者は青くなるということわざを思い出す。
  • 地域の収穫祭では、柿が赤くなれば医者は青くなるになぞらえて、旬の食べ物と健康の話が紹介された。
  • 会社の食堂に秋の果物が並ぶと、社員たちは柿が赤くなれば医者は青くなると笑い合った。
  • 柿が赤くなれば医者は青くなるとはいうものの、体調が悪いときに診察を我慢してはならない。

主な参考文献
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・山本徳子『ことわざ東洋医学―現代に生きる養生の知恵』医道の日本社、1999年。
・岐阜県図書館「ことわざ『柿が赤くなれば医者が青くなる』の初出は何か」『レファレンス協同データベース』国立国会図書館、2011年。
・社団法人農山漁村文化協会作成『果物にまつわることわざや物語を集めてみよう!』農林水産省、2008年。
・永井堂亀友『笑談医者気質』1774年。





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