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【馬に乗るとも口車に乗るな】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

馬に乗るとも口車に乗るな

【ことわざ】
馬に乗るとも口車に乗るな

【読み方】
うまにのるともくちぐるまにのるな

【意味】
うまい話や巧みな言葉にうっかり乗ると、だまされてひどい目にあうため、軽々しく信じてはならないという戒め。

ことわざ博士
「口車」は、口先だけの巧みな言い回しで、人をだまし誘うことを指すよ。
助手ねこ
都合のよすぎる誘い、もうけ話、強くすすめられる話などを、よく考えずに信じそうな場面で用いるニャン。

【英語】
・Don’t fall for smooth talk(口先のうまい言葉にだまされるな)

【類義語】
・石車に乗っても口車に乗るな(いしぐるまにのってもくちぐるまにのるな)
・煽てと畚には乗るな(おだてともっこにはのるな)
・煽てと畚には乗り易い(おだてともっこにはのりやすい)

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「馬に乗るとも口車に乗るな」の語源・由来

ことわざを深掘り

「馬に乗るとも口車に乗るな」は、「馬に乗る」と「口車に乗る」を掛け合わせたことわざです。前半では実際に馬に乗ることを言い、後半では人の巧みな言葉にだまされることを言っています。

「馬」は、古くから農耕・運送・乗用などに用いられてきた家畜です。人を背に乗せて進む動物として暮らしに関わってきたため、「馬に乗る」という言い方は、まず具体的な乗馬の動作を表します。

「乗る」という言葉には、動物の背などの上にいて、あやつって進む意味があります。『万葉集』(8世紀後半成立、奈良時代)にも、馬に鞍を置いて乗ることを表す古い用例が出ています。

一方、「口車」は本当の車ではありません。口先だけで巧みに言いまわし、人をだましたり誘ったりすることを、車になぞらえた表現です。

「口車」という言葉については、うまく言いまわすことを「車」にたとえたものとする考えがあります。また、欺くことを「のせる」と言うところから生まれたとする説もあります。

江戸時代前期の雑俳(ざっぱい)『もみぢ笠』(1702年)には、「重ひもの・五欲をはこぶ口ぐるま」という用例があります。ここでは「口ぐるま」が、人の欲や心の動きを運ぶもののように表され、言葉を「車」に見立てる発想がよく分かります。

「口車に乗る」という形では、江戸時代後期の人情本(にんじょうぼん)『郭の花笠』(1836年)に、「彼等が口車に、ふわと乗ったるお浅が身の上」という用例があります。人情本は、江戸後期から明治初期にかけて行われた小説の一種で、町人の恋愛や人情の葛藤などを描きました。

この用例では、「口車に乗る」が、相手の巧みな言葉にふと乗せられてしまう意味で使われています。現在の「言葉巧みに言われてだまされる」という意味と、かなり近い使い方です。

さらに、「口に乗る」という近い言い方にも、相手の言葉にだまされて言う通りにする意味があります。内田魯庵の『くれの廿八日』(1898年)には、「口に乗った」という形で、うっかりだまされたことを表す用例があります。

このことわざは、「馬に乗る」ことよりも、「口車に乗る」ことの方を強く戒める形になっています。実際の乗馬よりも、うまい話に乗せられて判断を誤ることのほうが危ない、という教えを短く言い表しています。

同じ発想をもつ言い方に、「石車に乗っても口車に乗るな」があります。「石車に乗る」は、小石を踏んで足を取られて転ぶことを表し、転ぶような失敗よりも、人のうまい言葉にだまされることを警戒せよという意味につながります。

また、「煽てと畚には乗るな」「煽てと畚には乗り易い」も、人にほめられたり甘い言葉をかけられたりすると、その気になって失敗しやすいという戒めです。これらの類義語と同じく、「馬に乗るとも口車に乗るな」も、相手の言葉だけで動かず、自分で確かめて考える大切さを伝えることわざです。

「馬に乗るとも口車に乗るな」の使い方

健太
公園で知らないお兄さんに、明日までならすごいカードを半額で売るって言われたんだ。
ともこ
それ、あやしいよ。馬に乗るとも口車に乗るなって言うでしょう?
健太
たしかに、急がせる言い方がちょっと変だった。買う前に家の人に相談するよ。
ともこ
うん! うまい話ほど、いったん止まって考えた方がいいよ。
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「馬に乗るとも口車に乗るな」の例文

例文
  • 馬に乗るとも口車に乗るなというから、もうけ話を聞いてもすぐには返事をしなかった。
  • 友人に強くすすめられた商品だったが、馬に乗るとも口車に乗るなと思い、よく調べてから決めた。
  • 馬に乗るとも口車に乗るなを忘れて、都合のよい約束を信じた結果、時間を無駄にした。
  • 知らない相手からの甘い誘いには、馬に乗るとも口車に乗るなという用心が必要だ。
  • 父は、安すぎる契約書を見て、馬に乗るとも口車に乗るなと家族に注意した。
  • 馬に乗るとも口車に乗るなという言葉どおり、ほめ言葉に浮かれず、相手の目的を冷静に考えた。

主な参考文献
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・馬場俊臣「『馬』に関することわざ : 『馬』をどう捉えてきたか」『札幌国語研究』第20号、北海道教育大学国語国文学会・札幌、2015年。
・Oxford University Press『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』。
・Cambridge University Press『Cambridge Dictionary』。





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