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【負うた子に教えられて浅瀬を渡る】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」の漫画

【ことわざ】
負うた子に教えられて浅瀬を渡る

【読み方】
おうたこにおしえられてあさせをわたる

【意味】
自分より年少または未熟と思われる者から、思いがけず物事を教わることもあるというたとえ。

ことわざ博士
負うた子に教えられて浅瀬を渡るは、年齢や経験だけで人の知恵を決めつけてはいけないという考えを表すよ。
助手ねこ
年下の人、初心者、立場の低い人の気づきによって、年長者や経験者が大切なことを学ぶ場面に用いるニャン。

【英語】
・Out of the mouths of babes.(幼い者の口から、思いがけず賢い言葉が出る)

【類義語】
・負うた子に教えられる(おうたこにおしえられる)
・三つ子の教えで浅瀬を渡る(みつごのおしえであさせをわたる)
・愚者も一得(ぐしゃもいっとく)

【対義語】
・亀の甲より年の功(かめのこうよりとしのこう)

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「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」の語源・由来

ことわざを深掘り

「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」は、大人が子どもを背負って川を渡る場面をもとにしたことわざです。「負うた子」とは、背中に背負った子どものことです。背負われている子どもは、自分の足で川を渡っているわけではありませんが、大人より高い位置から水の流れや川底を見て、浅い所を教えることができます。

このたとえで大切なのは、力や経験のある人が、いつも正しいとは限らないという点です。川を歩く力は大人にありますが、浅瀬を見つける助けになるのは、背中にいる子どもの視点です。つまり、年下の人、経験の浅い人、ふだん教えられる側にいる人にも、その人だからこそ気づける知恵がある、という考えが込められています。

古い用例として、狂言の『内沙汰(うちざた)』(室町時代末期〜近世初期)に、「おふた子におしへられてあさい瀬(セ)を渡ると云が此事じゃ」という形が出てきます。ここでは、現在の表記とは少し違い、「おふた子」「あさい瀬」という形で書かれていますが、背負った子に浅い瀬を教えられて渡るという中心の考えは、今のことわざと同じです。

『内沙汰』は狂言の演目で、正規の訴訟にせず内々で事を処理するという意味の「内沙汰」を題にした作品です。狂言は、会話を中心に人間のおかしみや生活の知恵を描く芸能であり、このことわざも、かたい教訓としてではなく、日常のやりとりの中で相手に気づかされる場面に合う言い方として伝わってきました。

このことわざには、同じ発想をもつ言い方として「三つ子に習って浅瀬を渡る」もあります。「三つ子」は幼い子どもを表し、この形でも、未熟に見える者から物を習うことがあるという意味になります。『北条氏直時代諺留』(1599年ごろ)には「三つ子に習てあさき瀬をわたる」という用例があり、子どもや未熟な者に教えられるという考えが、早くから浅瀬を渡るたとえと結びついていたことが分かります。

後には、「負うた子に教えられる」という短い形でも使われるようになりました。この短い形は、「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」と同じ意味を表します。長い形は、川を渡る情景まで目に浮かぶ言い方で、短い形は、日常会話の中で扱いやすい形といえます。

近代以降の文章にも、このことわざの考えは受け継がれています。羽仁もと子『教育三十年』(1950年)には、自分を甘やかしていることに気づかない子どもの姿を見て、自分自身も同じだったと気づく場面で、「負うた子供に浅瀬を教えられたのである」という用例があります。ここでは、本当に川を渡る話ではなく、年下の者の姿から自分の問題に気づくという意味で使われています。

「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」は、年長者や経験者を軽んじる言葉ではありません。経験を積んだ人には経験の強みがあり、それを尊ぶ考えは「亀の甲より年の功」や「老馬の智」に表れています。一方、このことわざは、経験の多い人でも、立場や視点が違う相手から学ぶことがあると教えます。

そのため、このことわざは、相手が子どもだから、後輩だから、初心者だからといって意見を退けない心を育てる言葉です。自分より下に見える相手にも、こちらには見えていない「浅瀬」が見えていることがあります。そこに気づく謙虚さが、このことわざの現在の意味につながっています。

「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」の使い方

健太
タブレットで理科の観察記録をまとめたいのに、写真を表に入れる方法が分からないんだ。
ともこ
一年生の弟が、昨日それを使って絵日記を作っていたよ。画面の右上にある小さな印を押すんだって!
健太
本当だ、できた!年下の子に教わるなんて、負うた子に教えられて浅瀬を渡るだね。
ともこ
年が下でも、得意なことはあるよね!
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「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」の例文

負うた子に教えられて浅瀬を渡るのイラスト
  • 負うた子に教えられて浅瀬を渡るで、父は小学生の娘にスマートフォンの写真整理を教わった。
  • 経験豊かな店長が新人の一言で陳列の間違いに気づき、負うた子に教えられて浅瀬を渡る思いをした。
  • 負うた子に教えられて浅瀬を渡るというように、先生は児童の素朴な疑問から授業の説明不足に気づいた。
  • 祖父は孫から熱中症対策の新しい知識を聞き、負うた子に教えられて浅瀬を渡ることもあると感心した。
  • 部活動の主将は一年生の提案で練習の危険な点を直し、負うた子に教えられて浅瀬を渡る経験をした。
  • 負うた子に教えられて浅瀬を渡るのだから、年下の意見でも内容をよく聞く姿勢が大切だ。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・『波形本狂言・内沙汰』室町時代末期〜近世初期。
・『北条氏直時代諺留』1599年ごろ。
・羽仁もと子『教育三十年』1950年。





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