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【魚の水を得たるが如し】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・対義語・英語)

魚の水を得たるが如し

【故事成語】
魚の水を得たるが如し

【読み方】
うおのみずをえたるがごとし

【意味】
離れられないほど親密な関係のたとえ。また、苦しい境地を脱し、自分にふさわしい場を得て大いに活躍すること。

ことわざ博士
「魚の水を得たるが如し」は、水を得た魚が生き生きと泳ぐ姿を、人間関係や活躍の場に重ねた表現だよ。
助手ねこ
よい相手や得意な環境に恵まれ、それまで以上に力を発揮する場面で用いるニャン。

【英語】
・in one’s element(自分に合った場所や状況で、心地よく力を発揮している)

【類義語】
・水を得た魚のよう(みずをえたうおのよう)
・水魚の交わり(すいぎょのまじわり)
・魚と水(うおとみず)

【対義語】
・魚の木に登るが如し(うおのきにのぼるがごとし)
・水と油(みずとあぶら)

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「魚の水を得たるが如し」の故事

故事成語を深掘り

「魚の水を得たるが如し」は、魚が水を得て生き生きと泳ぐ姿を、人が大切な相手やふさわしい環境を得た状態にたとえた故事成語です。水がなければ魚が本来の力を出せないように、人もよい相手や場を得ることで、大きく力を発揮できるという考えを表します。

この表現の背景には、中国の歴史書『三国志(さんごくし)』(西晋、陳寿撰)「蜀志・諸葛亮伝」に出てくる劉備と諸葛亮の話があります。『三国志』は、魏・蜀・呉の三国が争った時代を記した史書です。

当時、劉備(りゅうび)は新野にいて、乱れた天下の中で自分を助けてくれる優れた人物を求めていました。徐庶は劉備に、諸葛孔明(しょかつこうめい)は臥龍(がりょう)と呼ぶにふさわしい人物であり、呼びつけるのではなく、自分から訪ねるべきだとすすめました。

劉備は諸葛亮のもとを三度訪ね、ついに会うことができました。諸葛亮は、荊州と益州をおさえ、孫権と結び、曹操に対抗するという大きな方策を説きました。

劉備はその策をよいものとして受け入れ、諸葛亮との親しさを日に日に深めていきました。ところが、古くから劉備に従っていた関羽(かんう)や張飛(ちょうひ)たちは、諸葛亮が急に重んじられることを快く思いませんでした。

そこで劉備は、「孤之有孔明,猶魚之有水也。願諸君勿復言」と言いました。これは、「私に孔明がいるのは、魚に水があるようなものだ。どうか、もうこのことを言わないでほしい」という意味です。

この言葉では、諸葛亮が単なる親しい友人ではなく、劉備にとって政治や軍略を進めるうえで欠かせない存在として描かれています。魚にとって水が生きる場であるように、劉備にとって諸葛亮は、力を発揮するために必要な相手だったのです。

この故事から、「水魚の交わり」という表現も生まれました。「水魚の交わり」は、水と魚との切り離せない関係のように、非常に親しい交わりを表します。

「魚の水を得たるが如し」は、この故事の発想を受けながら、二つの意味をもつようになりました。一つは、劉備と諸葛亮のような、離れがたい親密な関係です。もう一つは、水を得た魚が自由に泳ぐように、苦しい状態を抜け出して大いに活躍することです。

日本の古い用例としては、『太平記(たいへいき)』(14世紀後半成立、南北朝時代、作者未詳)巻二十六に「吉野の君も、魚の水を得たる如く叡慮を令悦」とあります。『太平記』は、南北朝の内乱を描いた軍記物語です。

この場面では、楠木正行らの働きによって、吉野の君が魚の水を得たように喜んだ、という流れで使われています。ここでは、親密な交情だけでなく、頼もしい支えを得て心が晴れ、勢いづくという意味が強く出ています。

後には、「水を得た魚のよう」という形も広く使われるようになりました。この形は、自分の得意な領域や活躍の場を得て、生き生きとするたとえとして用いられます。

現在の「魚の水を得たるが如し」は、古典的で改まった言い方です。大切な相手に出会ったとき、または自分に合った場を得て急に力を発揮し始めたときに、その変化を品よく表すことができます。

「魚の水を得たるが如し」の使い方

健太
放課後の理科クラブで、美咲さんが顕微鏡を使った観察係になったんだ。
ともこ
美咲さん、細かい観察が得意だよね。休み時間も葉っぱの模様を見ていたよ!
健太
うん。観察係になったら、魚の水を得たるが如しで、次々に発見をまとめていたよ。
ともこ
ぴったりの役目をもらうと、こんなに力が出るんだね。
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「魚の水を得たるが如し」の例文

例文
  • 新しい研究室に移った彼は、魚の水を得たるが如しの働きぶりを見せた。
  • よい指導者に出会った選手は、魚の水を得たるが如しで才能を伸ばした。
  • 文章を書く仕事を任されてから、彼女は魚の水を得たるが如しに活躍した。
  • 長く協力できる相手を得た二人は、魚の水を得たるが如しの関係を築いた。
  • 経験を生かせる部署に移った社員は、魚の水を得たるが如しで成果を上げた。
  • 合唱部で伴奏を担当した彼は、魚の水を得たるが如しに生き生きとしていた。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・陳寿撰、裴松之注『三国志』西晋。
・『太平記』14世紀後半成立。
・Merriam-Webster, Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster Incorporated.





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