『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』講談社より出版。詳細はコチラ!

【阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ

【ことわざ】
阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ

【読み方】
あわのきだおれ、いよのくいだおれ

【意味】
阿波の人は衣服に、伊予の人は飲食にお金をかける気風があるということ。地域によって、人々の好みやお金のかけどころが異なることを表す。

ことわざ博士
「阿波」は現在の徳島県域にあたる旧国名、「伊予」は現在の愛媛県域にあたる旧国名だよ。
助手ねこ
「着倒れ」は衣類に金をかけて財産をなくすこと、「食い倒れ」は飲食にぜいたくして貧しくなることをいうニャン。

【類義語】
・京の着倒れ、大阪の食い倒れ(きょうのきだおれ、おおさかのくいだおれ)

【スポンサーリンク】

「阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ」の語源・由来

ことわざを深掘り

「阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ」は、中国の古い故事から生まれた言葉ではなく、旧国名を用いて土地ごとの気風を対比することわざです。阿波は現在の徳島県域、伊予は現在の愛媛県域にあたる名で、四国の隣り合う土地を並べ、衣服と飲食という生活の好みの違いを短く言い表しています。

このことわざの土台には、「着倒れ」「食い倒れ」という言い方があります。「着倒れ」は、衣類に金をかけて財産をなくすことを表し、「食い倒れ」は、飲食にぜいたくして貧しくなることを表します。ここでの「倒れ」は、文字どおり倒れることではなく、ある物事に金を使いすぎて、身代を傾けるほどになるという意味で使われています。

「食倒れ」は、江戸時代前期の俳諧句集『西鶴大矢数(さいかくおおやかず)』(1681年・江戸時代前期、井原西鶴作)に「喰倒」という形の古い用例が出てきます。そこでは、飲食にかかわるぜいたくや身代を失うことを連想させる言葉として使われ、のちの「食い倒れ」の意味につながる使い方がうかがえます。

一方、「京の着倒れ」は、『東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)』(1802〜1809年・江戸時代後期、十返舎一九作)七編に、「商人のよき衣きたるは他国に異にして、京の着だをれの名は、ますます西陣の織元より出」と出てきます。これは、京都の商人が他国と異なるほどよい衣服を着ることを、西陣の織物の名声と結びつけて「京の着だをれ」という名を述べる場面です。

やがて「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」のように、二つの土地を並べ、それぞれが何に金をかけるかを比べる型が広まりました。この型では、京都は衣装、大阪は食べ物というように、土地の特色を少し大げさに言い、生活文化の違いを印象深く表します。

「阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ」も、その同じ型に属する言い方です。「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」と同じく、二つの地名を対比して、人々の好みや金の使いどころの違いを示すものとして挙げられています。ほかにも「尾張の着倒れ美濃の系図倒れ」など、各地の土地柄を言い分ける形がありました。

四国の言い方としては、「土佐の食い倒れ、阿波の着倒れ、伊予の建て倒れ」「土佐の食い倒れ、阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ」などの形も伝わります。伊予については「建て倒れ」と「食い倒れ」の両方が並ぶことがあり、土地柄を表す言葉が一つだけに固定されず、地域の見方や文脈によって言い分けられてきたことが分かります。

したがって、このことわざは、阿波や伊予の人すべてを決めつける言葉ではありません。衣服を重んじる土地、飲食を楽しむ土地という形で、地域ごとの生活文化や価値観の違いをおもしろく対比した表現として受け取るのがふさわしい言葉です。

「阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ」の使い方

ともこ
徳島のおばあちゃんから、すごく綺麗な藍色で染められた素敵な着物が届いたんだ!
健太
わあ、本当にかっこいいね!愛媛のおじいちゃんからは、美味しそうなミカンやゼリーがたくさん届いたよ。
ともこ
そういえば、阿波の着倒れ、伊予の食い倒れって言葉があるのを本で読んだことがあるよ。
健太
なるほど、それぞれの地域の特徴が、届いた贈り物にもぴったり表れているんだね!
【スポンサーリンク】

「阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ」の例文

例文
  • 阿波の着倒れ、伊予の食い倒れというように、土地によって重んじるものは異なる。
  • 四国の文化を調べる中で、阿波の着倒れ、伊予の食い倒れということわざを知った。
  • 阿波の着倒れ、伊予の食い倒れは、衣服と飲食への関心を地域ごとに対比した言葉だ。
  • 旅行の計画を立てながら、祖父は阿波の着倒れ、伊予の食い倒れという昔の言い方を教えてくれた。
  • 阿波の着倒れ、伊予の食い倒れを例に、地域の特色を一言で表すことわざについて発表した。
  • 阿波の着倒れ、伊予の食い倒れという表現は、生活文化の違いを少し大げさに言い表している。

主な参考文献
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・愛媛県史編さん委員会編『愛媛県史 民俗 下』愛媛県、1984年。
・井原西鶴『西鶴大矢数』1681年。
・十返舎一九『東海道中膝栗毛』1802〜1809年。





『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』(講談社)発売中♪

マンガでわかる ことわざ図鑑

◆試験に出ることわざを網羅
ことわざは小学、中学、高校、大学、さらに就職試験の問題になっています。ことわざの試験対策としてもオススメの一冊。

◆マンガで楽しみながらことわざを知る! 憶える!
本書では、マンガで楽しくわかりやすくことわざを解説し、記憶に定着させます。