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【相手変われど主変わらず】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

相手変われど主変わらず

【ことわざ】
相手変われど主変わらず

【読み方】
あいてかわれどぬしかわらず

【意味】
相手は次々に変わっても、こちらはいつも同じで、同じことを繰り返していること。

ことわざ博士
相手変われど主変わらずは、周囲や相手が変わっているのに、本人の行動や態度に変化がないことを表すんだよ。
助手ねこ
交渉、勝負、遊び、交際などで、相手だけが入れ替わり、本人は同じことを続けている場面に用いるニャン。

【英語】
・the same old story.(いつもの変わらない話、また同じ)
・same old same old.(状況や人の行動が相変わらず同じである)

【類義語】
・同じことの繰り返し(おなじことのくりかえし)
・相手変われど手前変わらず(あいてかわれどてまえかわらず)

【対義語】
・過ちては改むるに憚ること勿れ(あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ)

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「相手変われど主変わらず」の語源・由来

ことわざを深掘り

「相手変われど主変わらず」は、相手になる人が入れ替わっても、こちら側の人は変わらず、同じことを繰り返しているという見方から生まれたことわざです。ここでいう「主」は、物事の中心となる人、またはその場で主体となっている人を指します。

「相手」は、物事をともにする一方の人、または働きかけの対象を表します。また、勝負や争いで向かい合う人、競争者という意味もあります。

古い用例では、『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』(1254年・鎌倉時代、橘成季編)に「合手」の形が出てきます。競馬の場面で、勝負で向かい合う相手を指しており、「相手」が競争や勝負の相手を表す言葉として使われていたことが分かります。

また、『米沢本沙石集』(1283年・鎌倉時代)には「御相手」の形が出てきます。ここでは、ある人と関わりをもつ相手という意味で使われ、現在の「相手」という言葉につながる広い用法が表れています。

一方、「主」は「ぬし」と読み、物事を主宰したり、所有したり、中心になったりする人を表します。古くは主人、主君、持ち主などを指す言葉でもあり、このことわざでは、入れ替わる「相手」に対して、変わらずそこにいる本人を表します。

このことわざの古い用例として重要なのは、狂歌集『吾吟我集(ごぎんわがしゅう)』(1649年・江戸時代前期、石田未得著)の序にある「はじめのあいてはかはれ共、おなじぬしはかはらぬ碁ずきなるべし」という形です。これは、碁の相手は変わっても、碁好きの本人は同じままである、という意味に読めます。

この用例では、現在の形そのものではなく、「あいてはかはれ共」「ぬしはかはらぬ」という形で表れています。相手が変わることと、本人が変わらないことを対にしており、現在の「相手変われど主変わらず」と同じ考え方がすでに示されています。

この場面に碁が関わる点も、このことわざの理解に役立ちます。勝負事や遊びでは、相手が入れ替われば場面は変わったように見えますが、本人が同じ調子で続けていれば、実際には同じことの繰り返しになります。

その後、この言い方は、勝負事だけに限らず、交渉、酒席、交際などにも広がりました。相手をする人は次々に変わっても、こちらは一向に変わらず同じことを繰り返す、という意味で用いられます。

江戸時代中期には、江島其磧の浮世草子『浮世親仁形気(うきよおやじかたぎ)』(1720年・江戸時代中期、江島其磧作)とも結びついて伝わっています。この作品は、老人の頑固さや不相応な性癖などを誇張して描いた浮世草子で、人の性癖や振る舞いの変わらなさを読むうえでも、このことわざと響き合う作品です。

「浮世草子(うきよぞうし)」は、江戸時代に上方を中心に出版された近世小説の一種で、現実の世相や庶民の暮らしを写実的に描いた文学です。その中で、人の癖や振る舞いをおもしろく描く作品群が発達し、同じことを繰り返す人間の姿も、読者に分かりやすい題材となりました。

表記としては、「相手変われど主変わらず」のほかに、「相手変われど手前変わらず」という形もあります。「主」はその場の本人を表し、「手前」は自分の側、こちら側を表すため、どちらも、相手だけが変わって本人は変わらないという骨組みを保っています。

このことわざは、単に「同じ人がいる」というだけの意味ではありません。相手や状況が変わっても、本人の行動、考え方、癖、失敗の仕方などが変わらず、同じことを繰り返しているところを指します。

現在では、毎回違う友人と遊んでいても、本人だけが同じ失敗をする場合、相手が変わっても同じ交渉のしかたを続ける場合、周囲が変わっても本人の態度が改まらない場合などに使えます。変わらないことを落ち着きとして見るのではなく、進歩や反省のなさとして見る場面に合うことわざです。

「相手変われど主変わらず」の使い方

健太
オセロの町内大会で、僕の対戦相手が次々と高学年の強い人に入れ替わっていくんだよ。
ともこ
それはすごいね、健太くんがずっと勝ち続けて席に残っているということじゃない?
健太
うん、まさに相手変われど主変わらずの状態で、自分でもびっくりしているんだ!
ともこ
日頃の練習の成果がバッチリ出たんだね、このまま最後まで勝ち進んで優勝を目指してね!
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「相手変われど主変わらず」の例文

例文
  • 練習相手を替えても同じ失敗をするなら、相手変われど主変わらずで、まず自分のやり方を見直す必要がある。
  • 担当者が毎回違っても、彼は同じ苦情を同じ調子で言い続け、相手変われど主変わらずだった。
  • 友人を替えて遊んでも、約束の時間に遅れる癖が直らないのでは、相手変われど主変わらずと言われても仕方がない。
  • 対戦相手が変わるたびに同じ作戦で負けているので、相手変われど主変わらずの状態から抜け出せていない。
  • 新しい班になっても同じ役割を人任せにするなら、相手変われど主変わらずで成長がない。
  • 取引先が変わっても説明不足で失敗するのは、相手変われど主変わらずというほかない。

主な参考文献
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・石田未得『吾吟我集』1649年。
・江島其磧『浮世親仁形気』1720年。





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