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【悪獣もなおその類を思う】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

悪獣もなおその類を思う

【ことわざ】
悪獣もなおその類を思う

【読み方】
あくじゅうもなおそのるいをおもう

【意味】
荒々しい猛獣でさえ、自分と同じ仲間を思う気持ちはある。まして人には、身内や仲間を思いやる心があるはずだということ。

ことわざ博士
『悪獣もなおその類を思う』は、見た目が荒々しかったり、ふだんの態度がきびしく見えたりする相手でも、身内や仲間を大切にする心はある、ということを表すよ。人のこわそうな面だけで決めつけず、その人がだれを思って動くかを見ると、このことわざの意味がよく分かるんだ。
助手ねこ
だから、人はなおさら思いやりを忘れてはいけない、という教えとして受け取ることが多いニャン。

【英語】
・There is honour among thieves.(悪人どうしにも仲間意識はある。)
・Dog does not eat dog.(同類どうしはむやみに傷つけ合わない。)
・Birds of a feather flock together.(似たものどうしは集まりやすい。)

【類義語】
・同病相憐れむ(どうびょうあいあわれむ)
・同類相求む(どうるいあいもとむ)
・同気相求む(どうきあいもとむ)

【対義語】
・犬猿の仲(けんえんのなか)
・氷炭相容れず(ひょうたんあいいれず)
・鷸蚌の争い(いつぼうのあらそい)

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「悪獣もなおその類を思う」の語源・由来

ことわざを深掘り

このことわざは、荒々しい獣でさえ仲間を思うのだから、人にはなおさら身内や仲間を大切にする心があるはずだ、という教えを表した言い方です。まず言葉を分けて考えると、「悪獣」は乱暴で恐ろしい獣、「その類」は自分と同じ仲間を指します。

ここで大切なのは、「悪獣」がただ悪い動物というだけでなく、虎や狼のような猛獣を思わせる強い言葉だという点です。つまり、いちばん荒々しく見えるものを引き合いに出しても、なお仲間を思う心は失われない、と言おうとしているのです。

「悪獣」という言葉そのものは古くから使われていました。中世の軍記物『太平記(たいへいき)』には、「虎狼悪獣」という続き方があり、虎や狼のような恐ろしい獣をまとめて指す言葉として出てきます。

この『太平記』の用例では、敵地へ向かう危険を語る場面で、「虎狼悪獣」を恐れるような言い方が用いられています。ここからも、「悪獣」が人に害を与えうる猛獣という意味で、はっきりした重みをもつ言葉だったことが分かります。

また、室町時代前期の説話集『三国伝記(さんごくでんき)』にも「諸の悪獣」という形が出てきます。こちらでも、特別におそろしい獣をまとめて呼ぶ言葉として使われており、「悪獣」が一時的な思いつきではなく、古くから通じる表現だったことがうかがえます。

一方で、「その類を思う」という部分は、自分と同じ仲間、同じ群れ、近しい者を心にかけることを表しています。獣の世界でも、群れの仲間や自分の子を守る行動はよく知られているため、このことわざはそうした感覚を土台にして、人の生き方へ教訓を向けたのでしょう。

この言い方の特徴は、どこか一つの有名な事件や物語だけをもとにして広まったというより、古くからあった「悪獣」という強い言葉と、同類を思うという人間の観察とが結びついて、教訓的なことわざになったと考えると自然だという点にあります。

つまり、このことわざの力は、むずかしい由来話よりも、「最も荒いものにさえ仲間を思う気持ちがある」という対比の強さにあります。そこから、理性をもつ人間ならなおさら、家族や仲間を見捨ててはならないという意味が、すっと伝わる形になっています。

似た考え方は、同じ立場の者どうしが自然に心を寄せ合う、という東アジアの古いことばにも通じます。ただし、このことわざは、ただ仲間が集まるという意味ではなく、荒々しいものの中にも仲間を思う情が残っている、というところに味わいがあります。

そのため、現代では、見た目がこわい人、ふだんはきびしい人、乱暴そうに見える集団などが、身内や仲間のために動く場面に重ねて使われます。表面だけでは分からない情の深さを言い表すときに向いているのです。

また、このことわざには、単に「仲間びいき」をほめる響きだけがあるわけではありません。荒々しい獣でさえそうなのだから、人はもっと高い心で身近な人を大切にすべきだ、という静かないましめも込められています。

こうして見ると、『悪獣もなおその類を思う』は、古くからあった「悪獣」という言葉を土台にしながら、人の情けと仲間意識を教える形で受け継がれてきたことわざだといえます。意味の芯は、こわそうに見える相手の中にも仲間を思う心がある、と見抜くところにあります。

「悪獣もなおその類を思う」の使い方

健太
今日のミニバスの練習で、りょう先輩は声がすごくきびしかったのに、終わったあとで足をくじいた一年生を保健室まで背負っていったよ。
ともこ
うん。練習中はこわく見えても、チームの子が困るとすぐ助けるんだね。仲間を大事にしているのが、行いでよく分かるよ。
健太
そういうのを見ると、悪獣もなおその類を思うって言葉を思い出すなあ。人はなおさら、仲間にやさしくしたいよ!
ともこ
ほんとうだね。強い言い方だけで決めつけないで、その人がだれを助けるかを見るのが大切なんだね。わたしたちも、けがをした友だちの荷物を持ってあげよう。
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「悪獣もなおその類を思う」の例文

例文
  1. 荒っぽいことで知られる武将でも家臣を命がけで守る姿を見ると、悪獣もなおその類を思うという言葉が浮かぶ。
  2. きびしい父が、熱を出した子のために一晩中看病した様子は、悪獣もなおその類を思うというたとえに重なる。
  3. 口数の少ない監督が、敗れて泣く選手一人ひとりに声をかける場面は、悪獣もなおその類を思うの一例である。
  4. ふだん近寄りがたい職人が、弟子の失敗を自分の責任として引き受けたので、悪獣もなおその類を思うと言いたくなった。
  5. 争いの多い地域でも、災害の夜に住民どうしが助け合う姿には、悪獣もなおその類を思うという教えが通っている。
  6. 厳しい性格で知られる社長が、長年働く社員の家族の急病にすぐ支援を申し出た話は、悪獣もなおその類を思うという表現にふさわしい。




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