【女三人寄れば姦しい】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・英語)

女三人寄れば姦しい

【ことわざ】
女三人寄れば姦しい

【読み方】
おんなさんにんよればかしましい

【意味】
女性はおしゃべりで、三人も集まると非常にやかましくなるというたとえ。

ことわざ博士
女性一般をおしゃべりだと決めつける古い見方を含む表現だよ。
助手ねこ
にぎやかに話す女性の集まりを評する場面で使われてきたが、現代では相手を傷つけないよう注意を要するニャン。

【英語】
・Three women make a market(女性が三人集まると、市場のように騒がしくなる)

【類義語】
・女三人寄れば囲炉裏の灰飛ぶ(おんなさんにんよればいろりのはいとぶ)
・女三人寄ると富士の山でも言い崩す(おんなさんにんよるとふじのやまでもいいくずす)

「女三人寄れば姦しい」の語源・由来

ことわざを深掘り

「女三人寄れば姦しい」は、「姦」という漢字の形を利用して作られたことわざです。「姦」は「女」という字を三つ組み合わせた形をしており、日本語では「かしましい」と読んで、声や音がやかましいことを表します。そこから、女性が三人集まればおしゃべりが盛んになり、騒がしくなるという言葉遊びが生まれました。

ただし、「かしましい」という言葉そのものは、このことわざよりもはるかに古くから使われています。『落窪物語(おちくぼものがたり)』(10世紀後半成立・平安時代)には、「あなかしまし」とあり、すでに、やかましい、騒がしいという意味で用いられています。この段階では、女性三人の話とは結びついておらず、人の声や物音が耳障りな様子を広く表す形容詞でした。

平安時代末期に橘忠兼が編んだ『色葉字類抄(いろはじるいしょう)』(1144〜1181年ごろ成立)には、「かしまし」を表す漢字の一つとして「姦」が記されています。つまり、古くからあった日本語の「かしまし」に、後から「姦」という漢字が当てられていたことが分かります。

「姦」という漢字には、本来、よこしま、みだら、悪賢いなどの意味があります。「女」が三つあるために、「女性が集まって騒がしい」という意味の漢字が作られたわけではありません。日本で「姦」を「かしましい」と読むことと、その文字が「女」三つでできていることを重ねて、このことわざが作られたのです。

江戸時代後期のことわざ集『譬喩尽(たとえづくし)』(1786年序・江戸時代後期、松葉軒東井編)には、このことわざが収められています。『譬喩尽』は、ことわざをはじめ、流行した言葉や方言、歌などを広く集めた書物です。このころには、漢字の形を使った機知のある言い回しとして、すでに人々の間に広まっていたと考えられます。

明治39年に刊行された藤井乙男の『俗諺論(ぞくげんろん)』には、「女三人よれば姦しい」と、現在とほぼ同じ形で記されています。「寄れば」が「よれば」と仮名で書かれているだけで、言葉の組み立てや意味は、現在のものと変わりません。

昭和10〜11年の高見順『故旧忘れ得べき』では、男性四人が昔話や知人の近況をにぎやかに語り合う場面で、このことわざを踏まえた表現が使われています。女性についてのことわざを男性の集まりに重ねることで、男性たちも女性以上に騒がしいという面白さを生み出しています。このような用例からも、昭和初期には広く知られた表現になっていたことが分かります。

「おなご三人寄れば姦しい」という形もあります。「おなご」は女性を表す古い言い方で、「女三人寄れば姦しい」と意味は同じです。また、「女三人寄れば囲炉裏の灰飛ぶ」など、女性が集まると話が盛り上がり、その勢いで囲炉裏の灰まで舞い上がるという、似た発想のことわざも伝わっています。

このことわざには、漢字の形を巧みに使った面白さがある一方で、「女性は男性よりもおしゃべりで騒がしい」と一まとめにする昔の見方も含まれています。現在では、女性の性質を決めつけるために使うのではなく、文字遊びから生まれた古いことわざとして、その時代の考え方とともに理解することが大切です。

「女三人寄れば姦しい」の使い方

健太
休みの日の教室で静かに本を読もうと思っていたのに、隣のテーブルで女の子たちが楽しそうに話しているね。
ともこ
あはは、さっきまで二人だったんだけど、もう一人加わっておすすめの本について盛り上がっているの!
健太
なるほど、女性が三人集まると一気に賑やかになるというから、まさに女三人寄れば姦しいだね。
ともこ
ふふっ、お邪魔にならないように、私たちもあちらの学習スペースへ移動して集中しようか!

「女三人寄れば姦しい」の例文

例文
  • 母と叔母と姉の話がいつまでも尽きず、祖父は女三人寄れば姦しいと苦笑した。
  • 隣の部屋からにぎやかな話し声が聞こえ、父は女三人寄れば姦しいとはこのことだと言った。
  • 小説では、女三人寄れば姦しいという言葉どおり、三姉妹の会話が朝まで続いた。
  • 国語の授業で、女三人寄れば姦しいが漢字の形を利用したことわざだと学んだ。
  • 女三人寄れば姦しいという表現には、女性を一まとめにする昔の見方が含まれている。
  • 資料館では、女三人寄れば姦しいを取り上げ、ことわざと昔の男女観との関係を紹介していた。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・W. Carew Hazlitt『English Proverbs and Proverbial Phrases』J. R. Smith、1869年。
・『落窪物語』10世紀後半成立。
・橘忠兼『色葉字類抄』1144〜1181年ごろ成立。
・松葉軒東井編『譬喩尽』1786年序、1799年ごろまで増補。
・藤井乙男『俗諺論 全』冨山房、1906年。
・高見順『故旧忘れ得べき』1935〜1936年。




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