【ことわざ】
大欲は無欲に似たり
【読み方】
たいよくはむよくににたり
「大欲」は、「だいよく」とも読む。
【意味】
大きな欲を持っている者は、目先の小さな利益には関心を示さないので、まわりの人には無欲に見えるということ。また、欲の深い者は欲張りすぎてしまい、なんの利益も得られないので、結局は欲のない者に見えるということ。
【語源・由来】
「大欲(たいよく)」とは、非常に欲が深いこと。また、欲が深い人のこと。
【類義語】
・虻蜂取らず(あぶはちとらず)
・大巧は拙なるが若し(たいこうはせつなるがごとし)
・二兎追う者は一兎も得ず(にとおうものはいっともえず)
・欲の熊鷹股裂くる(よくのくまたかまたさくる)
・大智は愚の如し(たいちはぐのごとし)
【英語】
All covet all lose.(すべてを欲しがれば、すべてを失うことになる)
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「大欲は無欲に似たり」の使い方
そんなに小さなものには、あまり興味がないよ。
あら、この当たりが出ると、小さいアメがもらえるのよ。
そんなに小さなアメじゃなくて、ぼくはもっともっと、大きくて高価なものが欲しいんだよ。
大欲は無欲に似たりだったのね。
「大欲は無欲に似たり」の例文
- 大欲は無欲に似たりというけれど、彼がそんな野心を抱いていたなんて少しも気づかなかったよ。
- 彼女は淡々と仕事を進めていたけれど、大きな利益を視野にいれていたなんて驚いた。大欲は無欲に似たりだ。
- 旅行の計画を立てていても、父はどこでもいいと話していたけれど、まさか世界一周したいと思っているなんて、大欲は無欲に似たりということだったのか。
- 大欲は無欲に似たりというから、今は事業を拡大しないでおこう。
- 彼が投資をしていて、大きく利益を上げようとして失敗したらしい。大欲は無欲に似たりということか。
まとめ
大きな欲を持っている人ほど、小さな欲には目もくれないものなのですね。
しかし、欲に惑わされて損をして、結局は無欲と同じことのようになってしまっては、とても悲しいですね。
「大欲は無欲に似たり」の文学作品などの用例
欲の深き事、常軌を逸したるところあり。玩具屋の前に立ちて、あれもいや、これもいや、それでは何がいいのだと問われて、空のお月様を指差す子供と相通うところあり。大欲は無慾にさも似たり。(太宰治の花吹雪より)