【ことわざ】
塵も積もれば山となる
【読み方】
ちりもつもればやまとなる
【意味】
塵のように小さなことやわずかなことでも、積もり積もれば山のように大きなことになる事から、疎かにしてはいけないという事。
【語源・由来】
摩訶般若波羅蜜経(般若経典の一つである、『二万五千頌般若経』を漢訳したもの)をインド仏教の僧・龍樹がさらに註釈した書『大智度論』の94巻より、「譬如積微塵成山難可得移動」という記述から。
【類義語】
・雨垂れ石を穿つ
・砂長じて巌となる
・一文銭も小判の端
・丘山は曳くきを積みて高きを為す
・九層の台は累土より起こる
・滴り積もりて淵となる
・積羽舟を沈む
・小さな流れも大河となる
・点滴石を穿つ
【対義語】
・座して食らえば山も空し
【英語訳】
・Many drops make a shower.(たくさんの水滴が雨を作っている)
・Little and often fills the purse.(少しずつでも頻繁に続ければ財布が膨れる)
・Light gains make heavy purses.(ささやかな利益も、積み重なれば重い財布になる)
・Every little bit counts.(少しずつが価値がある)
「塵も積もれば山となるだから、毎日掃除をしよう」と「塵」を「つまらないもの・ごみ」の意味で用いるのは誤りなので、注意が必要です。
また「塵も積もれば」を「ごみも積もれば」というのは誤りなので、注意が必要です。
「塵も積もれば山となる」の使い方
「塵も積もれば山となる」の例文
- この内職は、一件あたりの単価は安いが、塵も積もれば山となると思い頑張る。
- 塵も積もれば山となるので、地道に毎日勉強を続けるべきである。
- たとえ1円安いだけでも、塵も積もれば山となるので、無駄なく節約する。
- 小さな節約をしても、毎日積み立てることで、塵も積もれば山となります。
- 誰でも最初は未熟なものですが、少しずつ勉強や努力を積み重ねていけば、塵も積もれば山となるでしょう。
まとめ
「塵も積もれば山となる」とは、どんなにわずかな物事であっても、積もり積もれば大きな物事になるという意味です。
塵は、ごみのことではなくて、わずかな量を表しています。
わずかな量でも、積もり積もればたまって、山のように大きくなることから、こつこつ努力することの大切さを教えています。
「塵も積もれば山となる」のように、山にまつわることわざは沢山あります。
【山にまつわることわざの一例】
- 山高きが故に貴からず
- 枯れ木も山のにぎわい
- あとは野となれ山となれ
- 山の芋が鰻になる
- 船頭多くして船山に上る
日本は国土の六割以上が山なので、どこに住んでいる人にとっても山は身近な存在ですね。