【ことわざ】
鎮守の沼にも蛇は棲む
【読み方】
ちんじゅのぬまにもへびはすむ
【意味】
悪人はどのような場所にでもいるものだというたとえ。
【語源・由来】
語源・由来はありません。「鎮守」とは土地や施設などを守護する神のこと。また、兵士を駐屯(ちゅうとん)させて、その地を鎮(しず)め守ることです。「蛇」は「邪悪(じゃあく)なもの」をさし、神聖な場所であっても蛇のような邪悪なものが棲(す)みついているということから。
日本の古代では「蛇」は信仰の対象でした。その生命力と毒の一撃で相手を倒す力に畏怖(いふ)の念を抱いていたようです。神社や遺跡にその証拠が残っています。いつの時代からか「畏怖」よりも「嫌悪(けんお)」の方が強くなったようです。現在でも蛇を祭る神事がおこなれている神社などがあります。
【類義語】
-
【対義語】
-
【英語訳】
悪人ではありませんが、似たような表現で、厄介者(やっかいもの)について英語訳があります。 There is a black sheep in every flock.(どの群れにも黒い羊がいる。=厄介者はどこにでもいる。)
「鎮守の沼にも蛇は棲む」の使い方

登校途中にゴミ拾いしたの?

いまどきでも、なぜ道ばたにゴミを捨てる人がいるのかな。

鎮守の沼にも蛇は棲むというし、しかたないのよ。

僕たちがお手本を示すしかないね。
「鎮守の沼にも蛇は棲む」の例文
- 日本に来た観光客が落とし物をして戻って来ることに感激しています。中には戻らないことがあるようですね。鎮守の沼にも蛇は棲むのは残念なことです。
- 町中に自動販売機があることは外国人から見て異様に見えるようです。鎮守の沼にも蛇は棲むといってもまだ多くの国とべれば少ないのかもしれません。
- しっかりした企業だからといって社員全員が善人だとういことはありません。鎮守の沼にも蛇は棲むのですから人とのお付き合いには注意するように。
- 鎮守の沼にも蛇は棲むか、それでいいのではないでしょうか。全く蛇がいないのも不自然です。
まとめ
鎮守の沼にも蛇は棲むとはいうものの、どうしようもない悪人は厳罰も辞さないのが基本でしょうが、中には本意でない人もいるのでしょう。そのような人を受け入れて更生できるような寛容な心も大切ですね。