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【魚の木に登るが如し】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

魚の木に登るが如し

【ことわざ】
魚の木に登るが如し

【読み方】
うおのきにのぼるがごとし

【意味】
本来いるべき場所を離れたために、力を発揮できず、どうすることもできないことのたとえ。魚が木に登ったような、場違いで身動きの取れない状態を表す。

ことわざ博士
「魚の木に登るが如し」は、水中でこそ自由に動ける魚を、木の上という合わない場所に置いたたとえだよ。
助手ねこ
得意な場や必要な環境を失い、本来の力を出せなくなった人や物事について用いるニャン。

【英語】
・like a fish out of water(慣れない場所で居心地が悪く、力を出せない)

【類義語】
・魚の水に離れたよう(うおのみずにはなれたよう)
・陸へ上がった河童(おかへあがったかっぱ)
・木に縁りて魚を求む(きによりてうおをもとむ)

【対義語】
・水を得た魚のよう(みずをえたうおのよう)

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「魚の木に登るが如し」の語源・由来

ことわざを深掘り

「魚の木に登るが如し」は、魚が水を離れ、木に登ったような姿をたとえにしたことわざです。魚は水の中でこそ自由に泳げますが、木の上では本来の力をまったく出せません。この具体的な取り合わせから、場所や環境を誤って、手も足も出ない状態を表すようになりました。

古い形としては、「魚木に登る」があります。この表現は、「本来の場所を離れては、手も足も出ないことのたとえ」として使われ、「うお木に登る如し」という形も伝わっています。

早い用例として重要なのは、『平家物語(へいけものがたり)』(13世紀前半ごろ成立、鎌倉時代前期、作者未詳)巻十一の言葉です。『平家物語』は、平清盛ら平家一門の栄華と没落を、源平の争乱を中心に描いた軍記物語です。

その用例には、「坂東武者は馬のうへでこそ口はきき候とも、ふないくさにはいつ調練し候べき。うをの木にのぼたるでこそ候はんずれ」とあります。これは、東国の武士は馬上では強くふるまえても、船での戦いには慣れていないため、魚が木に登ったようなものだ、という趣旨の言葉です。

この場面で大切なのは、単に「不可能なことをする」というだけではありません。陸上や馬上で力を発揮する武士が、船上という慣れない場では思うように戦えない、という対比が言葉の中心にあります。魚が水を離れて木に登るというたとえは、得意な場を失った無力さを、非常に分かりやすく示しています。

同じく魚と木の取り合わせを用いる表現に、「木に縁りて魚を求む」があります。こちらは『孟子(もうし)』梁恵王上に由来し、魚を取るために木に登るような、方法を誤った行為を表します。

ただし、「木に縁りて魚を求む」は、目的を達する方法が的外れであることに重点があります。それに対して「魚の木に登るが如し」は、魚そのものが水を離れて木に登ったように、本来の場を失って力を出せない状態に重点があります。

この違いから、「魚」と「木」という同じ材料を使っていても、表す内容が少し異なることが分かります。「魚の木に登るが如し」は、無理な場所に置かれた者の困りようを表し、「木に縁りて魚を求む」は、誤った手段で望みをかなえようとする愚かさを表します。

また、「魚の水に離れたよう」も近い表現です。こちらは、魚が水から離れたように、ただ一つの頼りを失ってどうすることもできないさまを表します。

「陸へ上がった河童」も、環境が変わったために、力のある者がまったく無力になることのたとえです。水の中で力を発揮するものが、水を離れると弱くなるという考え方は、「魚の木に登るが如し」とよく通じています。

反対に、「水を得た魚のよう」は、その人に合った場を得て、生き生きと活躍するさまを表します。魚が水の中に戻れば自由に泳げるように、ふさわしい環境を得ることで力を十分に出せるという発想です。

このように、「魚の木に登るが如し」は、魚と水、魚と木という身近な対比から生まれたことわざです。もともとの場所や条件がどれほど大切かを示し、能力は本人だけでなく、置かれる環境によっても大きく変わることを教えています。

「魚の木に登るが如し」の使い方

健太
今日の体育で、サッカー部の亮太くんが急に水泳リレーに出ることになったんだ。
ともこ
走るのは速いけれど、泳ぎは苦手だって言っていたよね?
健太
うん。プールでは思うように進めなくて、魚の木に登るが如しだったよ。
ともこ
得意な場所が変わると、力を出すのはむずかしいね。次は泳ぎが得意な人に頼もう!
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「魚の木に登るが如し」の例文

例文
  • 馬術の名人でも、急に船の操縦を任されては、魚の木に登るが如しであった。
  • 長年、研究室で働いてきた人が突然営業の最前線に立たされ、魚の木に登るが如しの状態になった。
  • 土の上では速い選手も、氷のリンクでは魚の木に登るが如しだった。
  • 都会の道路に慣れた運転手が、狭い山道で魚の木に登るが如しの苦労をした。
  • 名文を書く作家でも、専門外の機械修理では魚の木に登るが如しであった。
  • 普段は堂々と発表する生徒も、外国語だけで質問されると魚の木に登るが如しになった。

主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・『平家物語』13世紀前半ごろ成立。
・『孟子』戦国時代。
・Merriam-Webster, Merriam-Webster.com Dictionary, Merriam-Webster Incorporated.





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