「毒を以て毒を制す」の意味(語源由来・類義語・対義語・英語訳)
【ことわざ】
毒を以て毒を制す
【読み方】
どくをもってどくをせいす
【意味】
この場合の毒とは、悪やそれらに関わるものを指し、悪事には悪事を、悪人には悪人を利用してそれらを滅することを意味する。
普段はよくないとされる手段や方法も、ある問題を解決するためには使うことがあるってことや。何か悪いことを克服するためには、普通じゃないやり方を使うことも許されるってことやね。
【語源・由来】
誤って毒を服用してしまった場合に、その毒に対抗できる毒を使用することから転じてきている。
【類義語】
・油を以て油煙を落とす
・夷を以て夷を制す
・楔を以て楔を抜く
・邪を禁ずるに邪を以てす
・盗人の番には盗人を使え
・火は火で治まる
・暴を以て暴に易う
【対義語】
・火で火は消えぬ
【英語訳】
・Contraries cure contraries.
・It takes a thief to catch a thief.
●Contraries cure contraries.
contraries ➡ (contraryの複数形)反対の・正反対の
cure ➡ 治療する
直訳すると、「反対物は反対物を治療する」になる。
●It takes a thief to catch a thief.
It takes~to ➡ ~するには~が必要
thief ➡ 強盗・泥棒
catch ➡ 捕まえる
直訳すると、「泥棒を捕まえるのには泥棒が要る」となる。
「毒を以て毒を制す」の解説
「毒を以て毒を制す」という表現は、ある悪を排除するために別の悪を利用するという戦術や方法を指しているんだ。この言葉は、時には問題を解決するために、似たような手段や方法を使うことが効果的であることを示しているんだよ。
この表現は、一見すると矛盾しているように見えるかもしれないけれど、実際には特定の困難な状況や問題に対処するために、同じような強力な手段を用いることが有効である場合があるということを意味しているんだね。
たとえば、政治やビジネスの世界で、競合する相手に対抗するために同様の戦術を使ったり、ある病気を治療するために強力な薬を使ったりすることがこの表現に当てはまるよ。また、自然界でも、特定の毒にはその毒を解消する効果がある別の毒が使われることがある。
「毒を以て毒を制す」という言葉は、状況に応じては通常は避けるべき手段を取ることが、実は最善の解決策になることがあるということを教えてくれるんだ。
「毒を以て毒を制す」の使い方
「毒を以て毒を制す」の例文
- 毒を以て毒を制すと言うように、詐欺師を捕まえるには詐欺師を雇え。
- 今回の事件は、服役中の強盗犯の力を借りて迅速なる事件の解決ができた。まさに、毒を以て毒を制すだ。
- 家族のためなら、毒を以て毒を制すこともいとわない。
- 毒を以て毒を制すと言うが、それで根本的な解決になるのか甚だ疑問である。