「嚢中の錐」の意味(語源由来・出典・類義語・英語訳)
【ことわざ】
嚢中の錐
【読み方】
のうちゅうのきり
【意味】
優れた人物は目立つということ。
これは、「自分の能力に自信を持って、そのチャンスを待とう」っていう励ましやね。才能っていうのは、隠そうとしても結局は光を放つもんなんやな。
【語源・由来】
嚢(袋)の中に錐(先がとがっていて、穴をあける道具)を入れておくと、必ずとがった先端が嚢を突き破って外に出ることから。
【出典】
「史記・平原君伝」に「夫れ賢士の世に処るや、たとえば嚢中の錐に処るが若し」とあるのに基づく。
【類義語】
・錐の嚢中に処るが如し
・錐、嚢を通す
・紅は園生に植えても隠れなし
【英語訳】
cream rises to the top
Talent will out (will show itself).
You can’t hide talent (ability).
a drill in a bag (will always poke through)
「嚢中の錐」の解説
「嚢中の錐」という言葉は、「史記」の平原君伝に由来する故事成語で、文字通りには「袋の中の錐(きり)」という意味だけど、その本当の意味は「優れた人はどんなに隠れていても、その才能が自然と表に現れ、周りの人々に認められる」ということを表しているんだよ。
錐(きり)は先がとがっている道具で、袋の中に入れてもその鋭い先端が袋を突き破って外に出てしまうことから、この故事成語が生まれたんだ。これは、本当に優れた才能や能力を持っている人は、どんなに控えめにしていても、その才能が自然と人々の目に触れるようになるという意味が込められているんだね。
「錐の嚢中に処るが若し」とも表現され、これは同じく、隠れた才能はやがて必ず認められるということを示しているよ。この言葉は、どんなに競争が激しい環境にあっても、本当に価値のある能力や成果は隠れたままではいられないという希望を与えてくれるメッセージでもあるんだ。だから、自分の才能に自信を持って、謙虚に努力し続けることが大切だってことを教えてくれているんだよ。
「嚢中の錐」の使い方
「嚢中の錐」の例文
- 入社当時から、嚢中の錐と評されていた彼は、評判通り、あの若さでもう部長の肩書を背負っている。
- オリンピックの短距離で活躍した彼は、子供の頃から嚢中の錐で、鬼ごっこではだれも彼を捕まえることができなかった。
- アイススケートで有名な彼女は、幼稚園の頃のスケート教室でも嚢中の錐で、ずば抜けた才能で目立っていた。
- 彼女のかわいさは、嚢中の錐で、わざわざ、遠方からスカウトの人が来るほどだった。
- 彼の頭の良さは、嚢中の錐で、錐の先どころか、持ち手の棒まで突き出るくらいの才能で、小学生にして大学生と議論ができた。