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【氏より育ち】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語・対義語・英語)

氏より育ち

「氏より育ち」の意味(語源由来・類義語・対義語・英語)

意味

【ことわざ】
氏より育ち

【読み方】
うじよりそだち

【意味】
氏素性のよさより子供から大人になる間の環境やしつけ、教育の方が、人間の形成に大きな影響を与える。

ことわざ博士
「氏より育ち」ということわざは、家柄や身分よりも、どのような環境で育ったか、どのような教育を受けたかが、人の成長に大きな影響を与えるという意味があるんだよ。
助手ねこ
そやな、それはつまり、どこの家の出身や身分よりも、どういうところで育って、どういうしつけを受けたかが人間の性格や行動に大きく関わってくるってことやな。

つまり、人間は育った環境や教育で大きく変わるんやな。これは、いい環境で、いい教育を受けることの大切さを教えてくれてるんやな。

【語源由来】
先祖代々の家柄や家系よりも、成長の過程でどのようなしつけをされたか、教育を受けたか、また本人の努力によって、人間が出来上がっていくという考え方が由来です。
「上方いろはかるた」の中の「う」です。

「氏」とは、家の名称であり、先祖代々引き継がれるもので、家系を表します。

【類義語】
・人は氏より育ち
・生まれつきより育ちが第一
・兎角育ちは恥しきもの
・育ちは育ち

【対義語】
・氏素性とは恥しきもの
・氏素性は争われぬ
・上知と下愚とは移らず
・瓜の蔓にはなすびはならぬ
・蛙の子は蛙

【英語訳】
Birth is much, but breeding is more.(生まれも大事だが、育ちはもっと大事である)

声:音読さん

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「氏より育ち」の解説

カンタン!解説
解説

「氏より育ち」っていうことわざは、家の名前や家のランクよりも、どんな場所でどう育ったか、どんな教育を受けたかが、人がどうなるかにもっと影響するっていう意味なんだよ。

例えばね、大きな家に生まれたけど、ちゃんとした教育を受けなかった人と、小さな家に生まれたけど、しっかりとした教育を受けて育った人がいたら、後者の人のほうが立派な人間になる可能性が高いってことを教えているんだ。

つまり、「氏より育ち」っていうのは、人がどんな人間になるかは、生まれた家の名前や地位よりも、どんな環境でどう育てられたかがもっと重要だっていうことを伝えているんだよね。

「氏より育ち」の使い方

健太
昨日僕の行ってるバイト先にね、先祖が有名な戦国武将だって自慢する子が新しくバイトに入ってきたんだ。
ともこ
あらあら、入ってくるなりご先祖自慢?
健太
そうなんだよ。全然仕事しないでしゃべってばっかりでさ。全然ダメだよ。
ともこ
氏より育ちって言うけど、ちゃんと仕事しないんじゃダメよね。ご先祖様も泣くわ。
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「氏より育ち」の例文

例文
  1.  氏より育ちということわざがあるように、貧乏な家に生まれても、親がちゃんとしつけをしていて、本人も努力していれば、優れた人間に成長できるのだよ。
  2.  金持ちの家に生まれても、良い人間に育つとは限らない。昔から言われていることだが、氏より育ちで、その逆もある。
  3.  氏より育ちと言うように、家柄が良くても親がちゃんとしつけをしていないと、大きくなってから恥知らずな人間になってしまう。特に会社勤めをするようになると、周りに迷惑をかけるようになるものだ。
  4.  私の勤めているレストランに、某大企業の社長の息子がやってきた。だけど、大きな声でしゃべりまくり、くちゃくちゃと音を立てながら食事をしている。いったいこの息子とやらはどんな育て方をされたのだろうか。氏より育ちというが、ちゃんとしたしつけをされていないと、こんな大人になるんだなと思った。

「氏より育ち」の文学作品などの用例

播州赤穂の山屋といえば大阪までも響いていた立派な塩の製造業。そこの娘とあるからはなるほど行儀もよいはずじゃ。氏より育ちとは云うけれど、やはり氏がよくなければどことなく品が落ちるものじゃ。(国枝史郎の赤格子九郎右衛門の娘より)

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「氏より育ち」を深掘り

深掘り

「氏より育ち」ということわざは、人の性格や人格は生まれながらの家系や遺伝よりも、その後の育ちや環境、教育が大きく影響するという意味を持っています。

しかし、近年の研究からは、人間の性格や人格形成に関して、遺伝的要因と環境的要因の双方が影響を及ぼしていることが示唆されています。

ワシントン大学医学部のロバート・クロニンジャー率いる研究チームは、遺伝的要因が人のパーソナリティーにも大きく影響を及ぼしていることを明らかにしています。

彼の「気質理論」によれば、遺伝子構造は、脳内の神経伝達物質の働きに影響を与え、これが人の性格形成にも関与しているとされています。

具体的には、ドーパミンやセロトニン、ノルエピネフリンといった神経伝達物質が、好奇心や心の安定、興奮の度合いなど、人の性格の多くの側面に影響を及ぼしているというのです。

一方で、クロニンジャーは人の性格形成には、遺伝的要因だけでなく、幼年期の経験や社会的環境、経済的状況など、後天的な要因も大きく関与しているとも指摘しています。彼はこれを「性格」と称して、自己志向性や協調性、自己超越性といった、後天的要因によって形成される側面を示しています。

さらに、ミネソタ大学のボーチャードらの双生児研究も興味深い。彼らは、別々の環境で育った双子が、多くの場合で似たような性格や癖を持つことを発見しました。これは、遺伝的要因が性格形成に非常に大きな影響を持っていることを示しています。

しかし、私たちが目の当たりにする多くの性格診断や自己分析は、非常にあやふやなものであり、バーナム効果という心理学の現象を通して、多くの人が一般的な言葉を自分に特有のものとして捉えがちであることも示されています。

結論として、人間の性格や人格は、生まれ持った遺伝的要因と、その後の環境や教育という後天的要因の両方が影響して形成されることが科学的にも示されています。

したがって、「氏より育ち」ということわざが一概に正しいわけではないが、環境や教育の影響は無視できないことも確かです。

参考文献
このことわざ、科学的に立証されているんです | 堀田 秀吾


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