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【彼を知り己を知れば百戦殆うからず】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・英語)

彼を知り己を知れば百戦殆うからず

【故事成語】
彼を知り己を知れば百戦殆うからず

【読み方】
かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず

【意味】
相手の情勢と自分の情勢をよく知っていれば、何度戦っても危険な目にあわず、敗れることがないという意味。相手と自分の優劣や長所短所を客観的に知る大切さをいう。

ことわざ博士
戦いだけでなく、試合、仕事、人間関係などで、相手と自分を冷静に比べて考える大切さを表すんだよ。
助手ねこ
思い込みだけで動かず、相手の力や状況、自分の弱点や準備を見きわめる場面で用いるニャン。

【英語】
・If you know the enemy and know yourself, you need not fear the result of a hundred battles.(敵を知り自分を知れば、百戦の結果を恐れる必要はない)

【類義語】
・彼を知り己を知らば百戦殆うからず(かれをしりおのれをしらばひゃくせんあやうからず)

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「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の故事

故事成語を深掘り

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」は、中国の兵法書『孫子』に由来する故事成語です。『孫子』は、中国戦国時代の兵法書で、1巻13編からなり、呉の孫武の著といわれますが、成立年代は未詳です。

この言葉は、『孫子』の「謀攻」に出てきます。「謀攻」とは、力まかせに戦うのではなく、計略や判断によって相手をおさえることを説く篇です。

「謀攻」では、敵の国や軍をこわして勝つより、なるべく損なわずにおさえることを上策とします。百戦百勝であっても最上ではなく、戦わずに相手の兵を屈服させることこそ最上である、という考えが述べられています。

その流れの中で、城を攻めることは、やむを得ない最後の手段として語られます。城攻めには長い準備が必要で、兵を大きく失っても城を落とせない危険があるためです。

さらに、すぐれた用兵者は、戦わずに相手の兵を屈服させ、長い戦いをせずに勝つと述べられます。兵力が多いとき、同じくらいのとき、劣っているときなど、相手と自分の条件を見て戦い方を変える考えも示されています。

そのあとに、勝利を知るための五つの条件が挙げられます。戦うべきときと戦ってはいけないときを知ること、人数の多い少ないに応じて用いること、上下の心がそろうこと、準備して相手の不備を待つこと、能力のある将が余計な干渉を受けないことです。

このような考えを受けて、「故曰:知彼知己,百戰不殆;不知彼而知己,一勝一負;不知彼,不知己,每戰必敗」とあります。相手を知り、自分を知っていれば百戦しても危うくなく、相手を知らず自分だけを知っていれば勝ち負けが半々、相手も自分も知らなければ戦うたびに必ず敗れる、という意味です。

ここでいう「彼」は、敵や相手を指します。「己」は自分、または自分の側を指し、単なる気持ちではなく、力、弱点、状況、準備などを含めて考える言葉です。

「殆うからず」の「殆」は、ここでは危険な状態におちいらない、敗れる危険がないという意味につながります。そのため、この故事成語は「何度戦っても必ず勝つ」と単純に言うより、危険を避け、負けにくい状態をつくるための知恵として読むのがふさわしい言葉です。

日本語では、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」や「彼を知り己を知らば百戦殆うからず」などの形でも用いられてきました。いずれも、『孫子』の「知彼知己,百戰不殆」をもとにした言い方です。

近代以後の文章にも、この考え方は戦争だけでなく、相手と自分を見きわめる心構えとして使われています。たとえば、昭和17年の文章には、敵を知ると同時に己を知らなければならない、という趣旨でこの表現が用いられています。

現在では、試合、受験、仕事、交渉などにも広く用いられます。相手を軽く見ず、自分を過信せず、両方をよく知って準備することが、成功に近づく道であるという教えとして受け継がれています。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の使い方

健太
来週のミニバスケットボールの試合、相手のチームがすごく強いらしくて今から心配だなあ……。
ともこ
相手チームの過去の試合動画があるから、みんなで一緒に見て特徴を分析しようよ。
健太
そうだね、相手の得意なプレーが分かれば、僕たちの守り方も工夫できるもんね!
ともこ
彼を知り己を知れば百戦殆うからずと言うし、自分たちの弱点も直して試合に挑もう。
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「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の例文

例文
  • 決勝戦の前に相手チームの特徴と自分たちの弱点を確認するのは、彼を知り己を知れば百戦殆うからずという考えにかなっている。
  • 受験勉強では、出題傾向だけでなく自分の苦手分野も知ることが大切で、彼を知り己を知れば百戦殆うからずといえる。
  • 新しい店を開く前に、客層と自社の強みを調べるのは、彼を知り己を知れば百戦殆うからずの実践である。
  • 相手の意見をよく聞き、自分の主張の弱い点も整理してから話し合う姿勢は、彼を知り己を知れば百戦殆うからずに通じる。
  • 試合に勝つには勢いだけでは足りず、彼を知り己を知れば百戦殆うからずの心構えで作戦を立てる必要がある。
  • 交渉の前に相手の希望と自分たちの条件を冷静に比べたことで、彼を知り己を知れば百戦殆うからずという言葉の重みを感じた。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・相原茂編『講談社中日辞典 第三版』講談社、2010年。
・『孫子兵法』。
・Sun Tzu, translated by Lionel Giles, 『The Art of War』, 1910.





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