【ことわざ】
恒産無くして恒心無し
【読み方】
こうさんなくしてこうしんなし
【意味】
一定の職業がなかったり、物質面の安定がなかったりすると、正しく落ちついた心を持つことはできないというたとえ。
【語源・由来】
「孟子(もうし)・梁恵王上」に、
「恒産無くして恒心有る者は、惟(た)だ士のみを能くするを為す。民の若(ごと)きは則(すなわ)ち恒産無ければ、因りて恒心無し」
一定の生業がなくても、安定した道徳を持つことができるのは、学問を修養することのできた士だけである。
一般の民は暮らしが安定しなければ、安定した道徳心を持つことができない。
と、ある。
そこで、孟子は斉(せい)の宣王に対して、「政治の根本は人民に職を与えて、生活の安定をはかることだと説いている。
「孟子・縢文公(とうぶんこう)」には、
「恒産有る者は恒心あり。恒心無きものは恒心無し」とある。
【類義語】
・衣食足りて礼節を知る(いしょくたりてれいせつをしる)
【対義語】
–
【英語訳】
From hand to mouth will never make a worthy man.
「恒産無くして恒心無し」の使い方

昨日、久しぶりに叔父さんが遊びに来たんだ。

お仕事を探していたのよね。

やっと仕事が決まったと報告をしていたよ。お父さんが、恒産無くして恒心無しだから、仕事が決まって安心したと話していたよ。

そうね。生活が安定するということは、とても大切なことね。
「恒産無くして恒心無し」の例文
- 恒産無くして恒心無しというけれど、失業率が高くなると治安の維持も難しくなることがある。
- 生活を安定させるためには、やはり仕事が大切だと思う。恒産無くして恒心無しというだろう。
- みんなが安心して暮らすためには、恒産無くして恒心無しということを心に留めて、まずは安定した収入のある就職先を見つけよう。
- 恒産無くして恒心無しというのだから、まずは仕事を探してはどうかと提案された。
- 忙しい毎日も大変だけれど、恒産無くして恒心無しだ。生活を安定させることは、精神を安定させることにもつながる。
まとめ
恒産無くして恒心無しというように、経済や物質面が安定してこそ、精神面も安定するのではないでしょうか。
まずは生活が安定するように努めたいものですね。