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【親の恩と水の恩は送られぬ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

親の恩と水の恩は送られぬ

【ことわざ】
親の恩と水の恩は送られぬ

【読み方】
おやのおんとみずのおんはおくられぬ

【意味】
親から受けた恩と、水から受ける恩恵とは、どちらもすべてを返しきれないほど大きいということ。

ことわざ博士
「送る」は、ここでは恩返しをする、恩に報いるという意味だよ。
助手ねこ
親への感謝を忘れず、命や暮らしを支える水を大切にするよう説く場面で用いるニャン。

【類義語】
・父母の恩は山よりも高く海よりも深し(ふぼのおんはやまよりもたかくうみよりもふかし)

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「親の恩と水の恩は送られぬ」の語源・由来

ことわざを深掘り

「親の恩と水の恩は送られぬ」は、人が生きていくうえで欠かすことのできない二つの恵みを並べたことわざです。親から受ける養育や愛情と、毎日の命や暮らしを支える水とは、どれほど感謝しても、完全には返しきれないほど大きいと説いています。

親の恩をはかり知れないものとする考えは、古くから人々の教えに取り入れられてきました。『童子教(どうじきょう)』(鎌倉時代後期成立)には、父の恩は山より高く、母の徳は海より深いという趣旨の言葉があり、親の恩の大きさを山や海にたとえています。

このことわざの「送る」は、荷物などを届けるという意味ではありません。古い日本語では、恩返しや償いを果たすことも「送る」といい、室町時代末期から近世初頭の幸若舞曲(こうわかぶきょく)『大臣』には、「恩をぞ送らせ給ふ」とあります。後の『三日月於専(みかづきおせん)』(1824年・江戸時代後期)にも、「何時か御恩を送らうか」という用例があります。

ことわざとほぼ同じ形は、江戸時代後期に富士山の行者として修行した妙心法師が書き残した原本に出てきます。そこには、「一 滴のみづも大切に致すべし 親の恩と水の恩は送られぬものと相心得べし」とあります。一滴の水も大切にし、親と水から受けた恩には報いきれないものと心得なさい、という教えです。

この一節は、命あるものをむやみに殺さないこと、人の物を取らないこと、賭け事をしないことなど、日々の行いを戒める言葉の中に記されています。そのため、このことわざは、単に親や水を褒める表現ではなく、受けている恩を自覚し、行動によって大切に扱うよう求める生活上の教えでした。

妙心法師の原本の後部には、文化十二年(1815)三月二十九日の年記があります。少なくとも江戸時代後期には、「親の恩」と「水の恩」を並べ、どちらも返しきれないほど大きいとする言い方が、信仰や暮らしの戒めとして用いられていたことが分かります。

後には、「親と水の恩は送られぬ」や「親の恩は送っても水の恩は送られぬ」という形も伝わりました。後者は、親の恩に報いることはできても、すべての命を支える水の恩にはとても報いきれないとして、水のありがたさをいっそう強く表した言い方です。

「送られぬ」といっても、恩返しをしなくてよいという意味ではありません。返しきれないほどの恩だからこそ、親を敬い、水を無駄にせず、その恵みを受けていることへの感謝を、日々の行動に表すよう教えることわざです。

「親の恩と水の恩は送られぬ」の使い方

健太
毎日使っている水道の水って、どこから来てどれくらいありがたいものなのか考えたことある?
ともこ
あまり深く考えたことはなかったけれど、水が使えないとご飯も作れないし生活できないよね。
健太
おじいちゃんが、親の恩と水の恩は送られぬと言って、親の愛情と水の恵みはどんなに感謝しても返しきれないものなんだと教えてくれたよ!
ともこ
本当にそうだね。当たり前と思わずに、どちらも大切にして感謝の気持ちを持ち続けなきゃね。
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「親の恩と水の恩は送られぬ」の例文

例文
  • 親の恩と水の恩は送られぬという教えを胸に、両親への感謝と節水を心掛けた。
  • 祖父は蛇口を閉め忘れた孫に、親の恩と水の恩は送られぬと静かに言い聞かせた。
  • 親の恩と水の恩は送られぬという言葉から、当たり前に受けている恵みの大きさを学んだ。
  • 長い干ばつを経験した村人は、親の恩と水の恩は送られぬということわざを身にしみて理解した。
  • 一人暮らしを始めた彼は、親の恩と水の恩は送られぬと気付き、両親と日々の水に感謝した。
  • 親の恩と水の恩は送られぬとは、返しきれないほど大きな恵みを粗末にしないよう戒めることわざである。

主な参考文献

・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・吉田幸平「美濃のミイラ信仰―白山大権現横蔵寺の妙心上人のミイラと伝承・伝播における信仰形態」『石川県白山自然保護センター研究報告』第6集、1980年。
・『童子教』鎌倉時代後期成立。
・『大臣』室町時代末期から近世初頭。
・『三日月於専』1824年。





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