【ことわざ】
知らぬ顔の半兵衛
【読み方】
しらぬかおのはんべえ
【意味】
何もかも知っているのに、とぼけて知らないふりをすること。または、そうする人。
【語源・由来】
「半兵衛」は竹中重治、通称竹中半兵衛のこと。前田利家が信長の意をうけ美濃の武将・竹中重治を調略するために接近。重治の娘・千里と仲良くなって彼女を介して重治に話を持ちかけようとしたが、重治はそれを見抜いており、あえて知らぬ顔を決め込んみ。これを利用し利家から織田方の兵力などの情報を聞きだして、結果、織田勢を撃退してしまったという逸話より。
【類義語】
半兵衛を決める
知らぬ干瓢猫の糞
【対義語】
ー
【英語訳】
to feign ignorance
「知らぬ顔の半兵衛」の使い方

健太くん、私の机の上のクッキー知らない?

うーん?知らないよ。もぐもぐ。

健太くん?知らぬ顔の半兵衛を決め込もうとしている?口の中にクッキーが入っているようだけど。

えっ?何?半兵衛?もぐもぐ。
「知らぬ顔の半兵衛」の例文
- エビフライをつまみ食いしたのは誰かと母に聞かれたので「知らないなあ。猫じゃない?」と知らぬ顔の半兵衛を決め込んだ。
- 健太くんが逃げているようだったので、匿ったあと、追いかけてきた人にそんな人はこちらに来ていないと知らぬ顔の半兵衛を決め込んだ。
- 本当は彼と知り合いだったが、知らぬ顔の半兵衛で初めて会ったようなふりをした。
- 指名手配犯の写真に知っている顔を見つけてしまったが、知らぬ顔の半兵衛を決め込んだ。
まとめ
羽柴秀吉が竹中重治を伴って出陣したが、秀吉は全軍に退却を命じたにもかかわらず、重治だけはこれに従おうとしなかった。重治は自らの手勢千人を陣地に残したため、秀吉はこの行いを責めるが重治は知らぬ顔で平然と軍律違反をやってのける。しかし、これが幸いとなって重治の残した手勢が勝利に導く要因となったため秀吉は一転してこれを称えた。という逸話もあり、知らぬ顔の半兵衛という間の抜けたような慣用句に似合わないとてもすごい人物であるが、実在するかは不明瞭といわれている。