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【好きこそ物の上手なれ】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

「好きこそものの上手なれ」の漫画

【ことわざ】
好きこそ物の上手なれ

【読み方】
すきこそもののじょうずなれ

【意味】
好きなことには自然と熱心に取り組むため、上達しやすいというたとえ。

ことわざ博士
好きこそ物の上手なれは、生まれつきの才能だけでなく、好きで続ける気持ちが上達を支えるという考えを表すよ。
助手ねこ
勉強、習い事、芸術、スポーツ、仕事などで、楽しみながら努力を続けて力を伸ばす場面で用いるニャン。

【英語】
・Love is the best teacher.(好きな気持ちは最良の先生である)
・Practice makes perfect.(練習を重ねれば上達する)

【類義語】
・道は好む所によって易し(みちはこのむところによってやすし)
・習うより慣れよ(ならうよりなれよ)

【対義語】
・下手の横好き(へたのよこずき)

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「好きこそ物の上手なれ」の語源・由来

ことわざを深掘り

「好きこそ物の上手なれ」は、中国の古い逸話に由来する故事成語ではなく、日本で使われてきたことわざです。好きなことには自分から心が向き、くり返し取り組むため、上達しやすいという経験則を短く言い表しています。

このことわざの「物」は、特定の品物ではなく、技芸、学問、仕事、習い事など、広く物事を指します。「上手」は、単に少しうまいというだけでなく、その道にすぐれた人、名人に近い人という意味まで含んで考えると、ことわざの力が分かりやすくなります。

形の上では、「こそ」と「なれ」が大切です。「こそ」は前の言葉を強く示す働きをもち、「なれ」は「である」にあたる古い形です。そのため、このことわざは命令の「上手になれ」ではなく、「好きであることこそが上手につながる」という意味になります。

古い用例として重要なのは、『其角十七回』(1723年・江戸時代中期)に出てくる一節です。そこには、江戸前期の俳人である宝井其角(たからいきかく)が、「器用さとけいことすきと三つのうちすきこそものの上手なりけれ」と口ずさんでいたこと、また将棋の宗匠(そうしょう:その道を教える高い立場の人)である宗桂(そうけい)も同じ狂歌を折にふれて口にしていたことが述べられています。

この一節では、「器用さ」「稽古」「好き」の三つが並べられています。器用さは生まれつきの素質、稽古はくり返し練習することです。その二つも大切ですが、好きであることがあるからこそ、稽古を続ける力が生まれ、工夫する気持ちも育つ、という考えが読み取れます。

ここで興味深いのは、この考えが俳諧(はいかい)だけでなく将棋の世界にも通じていたことです。其角のような俳人と、宗桂のような将棋の名人が同じ言葉を大切にしていたという点から、芸や技を身につけるうえで「好き」という気持ちが広く重んじられていたことが分かります。

江戸時代中期の浄瑠璃(じょうるり)・歌舞伎にも、この考えは現れます。『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』(1746年・大坂竹本座初演、初世竹田出雲・三好松洛・並木千柳・竹田小出雲合作)は、浄瑠璃およびそれに基づく歌舞伎劇で、劇中に「好きこそ物の上手」という形の表現が出てきます。

『菅原伝授手習鑑』では、手習いや芸能修業に関わる文脈でこの言葉が使われています。才能や形式だけでなく、その道を好んで励む心が、学びを深めるもとになるという考えが、芸能の世界の言葉としても受け入れられていたのです。

このように、「好きこそ物の上手なれ」は、単に「好きなら必ずうまい」と言っているのではありません。好きだからこそ続けられ、続けるからこそ上達に近づく、という流れを示しています。今はまだ上手でない人を励ます意味をもち、努力の出発点としての「好き」を大切にすることわざです。

現在でも、このことわざは、子どもから大人まで幅広い場面で使われます。絵を描くこと、楽器を弾くこと、料理、読書、スポーツ、研究など、好きで夢中になれることは、上達への道を自然に開いていくという、前向きな教えとして受け継がれています。

「好きこそ物の上手なれ」の使い方

健太
毎日、休み時間に理科室のメダカを観察していたら、卵の変化まで分かるようになってきたんだ。
ともこ
すごいね!好きこそ物の上手なれで、好きだからこそ細かいところまで見続けられるんだね。
健太
最初はただ楽しかっただけだけど、気づいたことをノートに書くうちに、観察のしかたも上手になってきたよ。
ともこ
その調子なら、自由研究でもいい発表ができそうだね。好きな気持ちを大事にして続けてみよう!
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「好きこそ物の上手なれ」の例文

好きこそ物の上手なれ
  • 妹は絵を描くことが好きで毎日続けているので、好きこそ物の上手なれで線の描き方が上達した。
  • 祖父は将棋が好きで何十年も研究を続け、好きこそ物の上手なれをそのまま表すような腕前になった。
  • 英語の歌が好きになってから発音の練習を進んでするようになり、好きこそ物の上手なれだと感じた。
  • 料理好きの兄は休日ごとに新しい料理を試し、好きこそ物の上手なれで家族を驚かせるほど上手になった。
  • 野球を心から楽しむ友人は失敗しても練習を続け、好きこそ物の上手なれという言葉にふさわしい成長を見せた。
  • 仕事で使う資料作りが好きな先輩は、好きこそ物の上手なれで見やすい図表を作る力を身につけた。

主な参考文献
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・松村明監修『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・平凡社編『百科事典マイペディア』平凡社。
・EDRDG編『JMdict』。
・『其角十七回』1723年。
・初世竹田出雲・三好松洛・並木千柳・竹田小出雲『菅原伝授手習鑑』1746年初演。





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