【ことわざ】
頭押さえりゃ尻上がる
【読み方】
あたまおさえりゃしりあがる
【意味】
一方がうまくいけば、もう一方がうまくいかなくなり、両方を同時にうまく整えるのは難しいというたとえ。


【英語】
・You can’t have it both ways(両方のよいところを同時には取れない)
【類義語】
・あちら立てればこちらが立たぬ(あちらたてればこちらがたたぬ)
【対義語】
・一石二鳥(いっせきにちょう)
・一挙両得(いっきょりょうとく)
「頭押さえりゃ尻上がる」の語源・由来
「頭押さえりゃ尻上がる」は、何かの一端を押さえると、反対側が上がってしまうという身近な動きから生まれたことわざです。頭を押さえれば尻が持ち上がるように、一方をよくしようとすると、もう一方に不都合が出るという意味へ広がっています。
このことわざの中心にあるのは、古い人物の逸話ではなく、目で見て分かる動きにもとづく比喩です。「頭」と「尻」は、からだや物の両端を思わせる言葉であり、片方だけを押さえて全体を思い通りにすることの難しさを、たいへん短い形で表しています。
「押さえりゃ」は、「押さえれば」をくだけた形にした言い方です。そのため、このことわざには、日常の会話の中で使いやすい口調があります。ただし、意味は軽い冗談だけに限られず、二つの条件が互いにぶつかる場面をとらえる、はっきりした経験則として用いられます。
意味の近い表現には、「あちら立てればこちらが立たぬ」があります。こちらも、一方の立場をよくすると、もう一方の立場が悪くなり、両方を同時に立てにくいことをいうことわざです。「頭押さえりゃ尻上がる」は、これをさらに物の動きで見せるように表した言い方といえます。
反対の発想としては、「一石二鳥」や「一挙両得」があります。これらは、一つの行動で二つの利益や効果を得ることを表すため、「頭押さえりゃ尻上がる」が示す「片方をよくすると、もう片方がうまくいかない」という関係とは向きが異なります。
現在の使い方では、勉強と遊び、費用と安全、速さと正確さなど、二つの望みを同時にかなえにくい場面で使われます。単に「失敗した」という意味ではなく、片方を整えると別の片方にしわ寄せが出るという、両立の難しさを言い表すことわざです。
「頭押さえりゃ尻上がる」の使い方




「頭押さえりゃ尻上がる」の例文
- 遠足の弁当を豪華にすると荷物が重くなり、頭押さえりゃ尻上がるという結果になった。
- 家計の節約で照明を減らしすぎると部屋が暗くなり、頭押さえりゃ尻上がるになる。
- 発表資料を細かく直したら練習時間が足りなくなり、頭押さえりゃ尻上がると感じた。
- 会社が納期を早めると確認の時間が削られ、頭押さえりゃ尻上がるの問題が出た。
- 友人全員の都合に合わせようとしたら集合時間が決まらず、頭押さえりゃ尻上がるだった。
- 安い自転車を選んだら修理代がかさみ、頭押さえりゃ尻上がるになった。
主な参考文献
・公益財団法人日本漢字能力検定協会『漢字ペディア』。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・小学館『デジタル大辞泉』小学館。
・HarperCollins Publishers『Collins COBUILD Advanced Learner’s Dictionary』HarperCollins Publishers。























