【ことわざ】
断腸の思い
【読み方】
だんちょうのおもい
【意味】
はらわたが千切れてしまうほどに、深く悲しいことのたとえ。
【語源・由来】
「世説新語(せせつしんご)」黜免(ちゅつめん)より出典。
「桓公(かんこう)蜀(しょく)に入り、三峡の中に至る。部伍(ぶご)の中に猨子(えんし)を得る者あり。其(そ)の母岸に縁(よ)りて哀合し、行くこと百余里にして去らず。遂に跳りて船に上り、至れば便即(すなわ)ち絶ゆ。其の腸中を破り視れば、腸皆寸寸に絶えたり。」
中国、晋(しん)の武将桓温(かんおん)が蜀へ行こうとして、舟で三峡(長江中流の大渓谷で、古来航行の難所)を通った時に、従者が猿のこどもを捕らえて舟に乗せた。母猿は悲しい鳴き声をあげながら、岸に沿ってどこまでも追いかけてきて、百里以上ついてきたけれどあきらめようとせずに、ついに舟に飛び乗ってきた。しかし、途端に息絶えてしまった。そこでその腹を裂いてみると、悲しさのあまりに腸がずたずたにちぎれていたということに基づいている。
【類義語】
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【対義語】
–
【英語訳】
To eat one’s heart out.
To eat one’s heart out with grief.
Heartbreak. Heartbreaking grief.
「断腸の思い」の使い方

昨日、叔母さんが遊びに来たけれど、ずっと泣いていたんだ。

なにか悲しいことがあったの?

事情があって、子供と離れて暮らすことにしたと話していたよ。

それは、断腸の思いね。
「断腸の思い」の例文
- 断腸の思いで、娘と離れて暮らすことにした。
- 断腸の思いだけれど、母を施設へお願いすることにした。
- 断腸の思いで、故郷を離れることを決めた。
まとめ
悲しい思いをすることもあるかもしれませんが、断腸の思いというほどの深い悲しみは、できれば体験したくないですね。