【ことわざ】
縁の下の力持ち
【読み方】
えんのしたのちからもち
【意味】
人の目に付かない所で、誰かのために苦労をしたり努力をしたりする事や、そのような人を意味します。
【語源・由来】
聖徳太子が建立したことで知られる大阪の四天王寺で、経供養で披露された「椽(えん)の下の舞」が由来とされます。
この舞は昭和40年代になるまで非公開でした。
つまり、観客が見ていない舞のために、舞い手は努力して練習を重ねたのです。
このことから、陰で努力することや、苦労することを指す言葉になりました。
時代を経てもっと解りやすくするために、「椽の下」を同じ発音の「縁の下」に、「舞」は「力持ち」に、変化していきました。
このため由来も現在では、家の下の土台は外から見えないけど人知れずしっかり家を支えている、という内容に変化しました。
「大阪いろはかるた」の中の「ゑ」です。
「上方いろはかるた」では「ゑ」は「椽の下の舞」になっています。
「椽の下」とは、木造建築の「垂木(たるき)」と呼ばれる軒先のような部分の事です。
【類義語】
・縁の下の掃除番
・縁の下の舞
・陰の松の奉公
・簀の子の下の舞
・内助の功
・闇の独り舞い
【英語訳】
・Unsung hero.
・Backseat player.
・Thankless job.
・Play second fiddle.
・Unthankful task.
・One catches the hare and another eat it.
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「縁の下の力持ち」の使い方

縁下の力持ちって、言い換えると、ものすごい地味な人みたいで何か嫌だな。

そうね、でも表舞台に立つ人をフォローしたり、下準備してあげたりする人がいないと、役者を活かすことはできないわ。

そっか~、そうだよね~。

そうよ。縁の下の力持ちって、必要不可欠な、とても価値のある存在よ。役者しかいなかったら、ドラマも映画も作れないもの。
「縁の下の力持ち」の例文
- どんなに能力の高い人気のあるスポーツ選手でも、縁の下の力持ちという存在がいなければ、その力をフルに発揮することはできないだろう。
- 我が社がここまで成長できたのは、優秀な人材があってこそだが、それ以上に、縁の下の力持ちとなり陰で支えてくれた多くの社員がいたからこそだ。
- 長い間、売れない小説家を続けていましたが、今回直木賞を受賞できたことは、縁の下の力持ちとなり家庭を支えてくれた妻の存在があったからです。
- 僕の奥さんは縁の下の力持ちだ。いつも僕を支えてくれる。