「胡麻をする」の意味(語源由来)
【慣用句】
胡麻をする
【読み方】
ごまをする
【意味】
自分の利益になるように、お世辞をいったりして、その人の機嫌を取ること。
胡麻をすり鉢ですると、すり鉢のあちこちにくっつくことから、人にべたべたするという意味になった。
「胡麻をする」の解説
「胡麻をする」、つまり「ごますり」は、本当に胡麻をすり潰す行為から来ているんだよ。
ここで重要なのは、「すり鉢」と「すりこ木棒」だね。胡麻をこれらですりつぶすと、胡麻の粒が細かくなって、油がしみ出してくるんだ。それで、すり鉢の中には胡麻の香ばしい風味がたっぷりと溜まるんだよ。この様子が、ねっとりと相手に取り入る態度、つまりお世辞を言って気に入られようとする様子に似ているんだよね。だから、「胡麻をする」っていう表現ができたんだよ。
これが、江戸時代の本に書かれていた「追従するをおべっかといひしが、近世、胡麻を擦ると流行詩(はやりことば)に変名しけり」っていう文からわかるんだ。おべっかっていうのは、お世辞を言って人に気に入られるように努力することを表す言葉だったんだけど、それが時代と共に「胡麻をする」に変わったんだね。
つまり、「胡麻をする」っていうのは、胡麻をすりつぶす行為が一生懸命で根気がいることに似て、それが人に対して一生懸命努力すること、つまり、お世辞を言って好きになってもらうことにつながったんだね。
「胡麻をする」の使い方
「胡麻をする」の例文
- 犬が尻尾を振るように、胡麻をするのは格好悪い。
- 彼は胡麻をするのが上手だから、異例のスピードで出世をしたのだ。
- 「お父さん、いつもお仕事頑張ってるから肩を揉むよ」と胡麻をすって、おこづかいをもらった。
- 彼は胡麻をするのが下手で、お世辞を言っているのがバレバレだ。
- 胡麻をすってまで、先生のお気に入りになりたいのか?
- 彼は彼女に胡麻をすって仲良くなったらしい。
「胡麻をする」の文学作品などの用例
一度新技巧派と云う名が出来ると、その名をどこまでも人に押しかぶせて、それで胡麻をする時は胡麻をするし、退治する時は退治しようとするんですからな。(芥川龍之介の饒舌より)