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【今の情けは後の仇】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語・対義語・英語)

今の情けは後の仇

【ことわざ】
今の情けは後の仇

【読み方】
いまのなさけはのちのあだ

【意味】
その場かぎりの安易な同情や手助けが、あとになって相手のためにならず、かえって害になること。

ことわざ博士
今すぐ困っている人を楽にしても、その人が自分で考えたり努力したりする機会を失わせる場合をいうんだよ。
助手ねこ
親切そのものを否定する言葉ではなく、相手の先々まで考えない助け方を戒める場面で用いるニャン。

【英語】
・misplaced kindness(見当違いの親切、ありがた迷惑)
・be cruel to be kind(相手のために、あえて厳しくする)

【類義語】
・情けが仇(なさけがあだ)
・情けも過ぐれば仇となる(なさけもすぐればあだとなる)

【対義語】
・情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)

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「今の情けは後の仇」の語源・由来

ことわざを深掘り

「今の情けは後の仇」は、「今」と「後」を向かい合わせにし、その場の親切があとで害に変わることを表すことわざです。「情け」は他人をいたわる心や思いやりを指し、「仇」は害をなすもの、危害を指します。

このことわざの根には、日本語の「なさけ」をめぐる考え方があります。なさけは、他人に向けるあわれみや思いやりなど、人としてのあたたかい心づかいを表す言葉として用いられてきました。

一方で、なさけは、常によい結果だけを生むものとして受け止められていたわけではありません。「世は情け」「情けは人の為ならず」のように、人を助ける心を重んじる言い方がある一方で、「今の情けは後の仇」「情けも過ぐれば仇となる」のように、行き過ぎた情けを戒める言い方も並んで伝わっています。

この表現に近い古い形として、「今日の情は明日の仇」があります。『国性爺後日合戦』(1717年・江戸時代中期、近松門左衛門作)には、「昨日の味方は今日の敵、けふの情はあすのあた」という一節が出てきます。

ただし、「今日の情は明日の仇」は、人の心がその時々の利害や感情で変わりやすいことを表す言い方です。現在の「今の情けは後の仇」がいう、安易な手助けが相手のためにならないという意味とは、重なる部分をもちながら、少し焦点が異なります。

それでも、「情」と「仇」を時間の流れの中で対にする形は、後の言い方を理解する手がかりになります。「今日」と「明日」、「今」と「後」という対比によって、目の前ではよく見えるものが、時間をおくと反対の結果になるという考えが、短く強く伝わります。

「情」と「仇」の結びつきを、相手のためにならない結果としてはっきり示す言い方に「情が仇」があります。この言い方は、好意をもってしたことが、かえって相手のためにならない結果になることを表します。

「情が仇」は、歌舞伎『与話情浮名横櫛』(1853年・江戸時代後期、三世瀬川如皐作)の名ぜりふでも広く知られました。そこでは「しがねえ恋の情が仇」という形で、恋の情が思いがけない災いにつながる場面に使われています。

「今の情けは後の仇」は、この「情けが仇になる」という考えに、「今」と「後」という時間の対比を加えた言い方です。そのため、目の前の苦しさをただ取り除くことが、あとで相手の自立や成長を妨げる場合を、特に分かりやすく表します。

表記の面では、「情」は「なさけ」と読み、「情け」と送り仮名を添えて表す形が、現代では分かりやすくなっています。また、「仇」は古く「あた」とも読まれましたが、現代のこのことわざでは「あだ」と読む形が一般的です。

このことわざは、親切をしてはいけないという意味ではありません。相手を助けるときには、その場の安心だけでなく、あとで相手が困らないか、力を失わせないかまで考えることが大切だと教えています。

「今の情けは後の仇」の使い方

健太
給食当番を忘れた友だちの分まで、毎回ぼくが全部やってあげているんだ。
ともこ
それは親切だけど、このままだと友だちが自分の係を覚えないかもしれないよ。
健太
たしかに、先生にも、また健太に頼めばいいと思っているみたいだと言われたよ……。
ともこ
今の情けは後の仇にならないように、今日は一緒に手順を確認してあげよう。
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「今の情けは後の仇」の例文

例文
  • 宿題を忘れた弟のために毎回代わりに答えを書けば、今の情けは後の仇になる。
  • 新人の失敗を上司がすべて隠してしまうと、本人が仕事を覚えず、今の情けは後の仇となる。
  • 子どもが忘れ物をするたびに親が学校へ届け続けるのは、今の情けは後の仇になりかねない。
  • 友人の借金を理由も聞かずに何度も肩代わりすれば、今の情けは後の仇という結果を招く。
  • 選手の体力不足を心配して練習を甘くしすぎると、大会本番で今の情けは後の仇になる。
  • 相手を思って厳しい注意を避け続けたことが、結局は今の情けは後の仇となった。

主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・松村明監修、小学館大辞泉編集部編『大辞泉 第二版』小学館、2012年。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・平凡社編『世界大百科事典』平凡社。
・近松門左衛門『国性爺後日合戦』1717年。
・三世瀬川如皐『与話情浮名横櫛』1853年。





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