【ことわざ】
一字の師
【読み方】
いちじのし
【意味】
一つの字を教えてくれた師。詩文を添削してくれたり適切な使い方を指導してくれた人への敬称。
【語源・由来】
「五代史補」から。中国の唐の詩人鄭谷は、訪ねてきた僧侶の斉己の示した「早梅」と題する詩に「数枝開く」という詩句を「一枝開く」と直した。斉己は頭を下げ鄭谷に「私の一字の師」と言ったという故事から。
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「一字の師」の使い方
健太くん。今挨拶していたのはだれ?
一字の師だよ。大恩ある先生だよ。
へえー。あれが健太くの小論文能力を急上昇させた噂の先生ね。
先生がいなかったら、今ごろ希望する学校に入学できていなかったよ。
「一字の師」の例文
- 僕の読書感想文を添削してくれた先生を一字の師と仰ぐ。
- 添削してくれたおかげで直木賞を受賞することができたので、それ以来彼のことを一字の師と呼んでいる。
- 一字の師の熱心な指導のおかげで、記述式解答が得意になり合格切符を手に入れることができた。
- あの先生は、嫌な顔をせず丁寧に指導してくれた一字の師だ。
- 赤ペン先生を一字の師と思っている人は少なくない。
「一字の師」の文学作品などの用例
支那人は古来「一字の師」と言うことを言います。詩は一字の妥当を欠いても、神韻を伝えることは出来ませんから、その一字を安からしめる人を「一字の師」と称するのであります。(芥川龍之介の文芸鑑賞講座より)