【ことわざ】
芋虫でもつつけば動く
【読み方】
いもむしでもつつけばうごく
【意味】
催促すれば、少しは効果があるということ。待っているだけでは進まない物事も、働きかければ動き出すことのたとえ。


【英語】
・give someone a prod(人にひと押しして行動を促す)
・prod someone into action(人を促して行動させる)
【類義語】
・尻を叩く(しりをたたく)
・発破を掛ける(はっぱをかける)
【対義語】
・暖簾に腕押し(のれんにうでおし)
・糠に釘(ぬかにくぎ)
「芋虫でもつつけば動く」の語源・由来
「芋虫」は、蝶や蛾の幼虫のうち、毛のないものの総称です。とくに、サツマイモの葉につくスズメガ類の幼虫をいうこともあります。
芋虫は、人や鳥のようにすばやく動く生き物ではありません。静かにじっとしている姿から、「なかなか動かないもの」のたとえに用いられやすい存在です。
「つつく」は、指や棒などで軽く何度も突くことを表します。また、相手に働きかけて、行動を促す意味にもつながります。
「動く」は、体が活動したり、何らかの働きや反応を示したりすることを表します。このことわざでは、じっとしていた相手や物事が、働きかけによって反応を示すという意味で使われています。
このことわざは、じっとしている芋虫でも、軽くつつけば動き出すという身近な観察からできた言い方です。そこから、人も物事も、ただ待っているだけでは進まないことがあり、声をかけたり催促したりすれば、少しは変化が生まれるという意味に広がりました。
「催促」は、物事を早くするように促すことを表します。「芋虫でもつつけば動く」の「つつく」は、文字どおり軽く突くことから、人に声をかけ、返事や行動を促すことへと意味が移っています。
この言葉の面白さは、相手を強く責めるのではなく、芋虫を軽くつつくような小さな働きかけにも意味がある、と表している点です。何もしなければ止まったままでも、少し働きかければ状況は動くという経験則が、短い形にまとめられています。
一方で、このことわざは、相手を急がせることを何でもよいこととして勧める言葉ではありません。相手や場面を見て、必要なときに適度に促すことの効き目をいう表現です。
表記は「芋虫でもつつけば動く」が一般的ですが、「つつく」は漢字で「突く」と書くこともできます。ただし、ことわざとしては、やわらかい動作を表す「つつく」のひらがな表記が、意味を伝えやすい形です。
現在では、返事をくれない相手、なかなか決めない人、進まない仕事などに対して使いやすいことわざです。待つだけでなく、声をかける、期限を伝える、確認する、といった小さな行動が、物事を進める力になることを表します。
「芋虫でもつつけば動く」の使い方




「芋虫でもつつけば動く」の例文
- 提出が遅れている資料は、担当者に一度連絡すれば進むかもしれず、芋虫でもつつけば動くと言える。
- 文化祭の準備が止まっていた班も、係が声をかけると作業を始め、芋虫でもつつけば動くものだと思った。
- 返事を待つだけでは会議の日程が決まらないため、芋虫でもつつけば動くと考えて確認の電話を入れた。
- 片づけを先延ばしにしていた弟も、母に時間を決められると動き出し、芋虫でもつつけば動くという様子だった。
- 地域の清掃活動は参加者が少なかったが、班長が一軒ずつ声をかけると人数が増え、芋虫でもつつけば動く結果となった。
- 取引先からの返答が止まっていたので、芋虫でもつつけば動くと思い、失礼のない文面で再度連絡した。
主な参考文献
・小学館国語辞典編集部編『デジタル大辞泉』小学館。
・小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005〜2006年。
・Oxford University Press『Oxford Advanced Learner’s Dictionary』online edition。























