【ことわざ】
尻馬に乗る
【読み方】
しりうまにのる
【意味】
誰かが乗った馬の後方、尻の上あたりに便乗するように、他人の言うことや行うことに無批判に同調するたとえ。
【語源・由来】
他人が乗っている馬の尻のところに乗るの意味から。
【類義語】
・尻馬に乗れば落ちる
・付和雷同
【英語訳】
to follow the lead of others
A fool laughs when others laugh.
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「尻馬に乗る」の使い方
健太くん、何を怒っているの?
友達が先生の尻馬に乗って、僕のやったことを注意するもんだから、許せなくって。
それは嫌な目にあったわね。いくら健太くんが悪くても、先生が注意しているならば、尻馬に乗るべきじゃないわね。
そうでしょう?
「尻馬に乗る」の例文
- 僕もほかの連中の尻馬に乗って彼を罵ってしまったから同罪だ。
- イギリスに行こうと思い立ったが、尻馬に乗って、母と父も行きたいと言い出したので一緒に行った。
- 有名なアナリストがあの銀行が危ないと言ったので、尻馬に乗って複数のマスコミが記事に書き立てた。
- 先生の言葉の尻馬に乗って、しきりにともこちゃんは自分の思い付きの正しさを主張した。
- 私は、彼の陳腐な釈明にカチンときて、友人の尻馬に乗って、彼を責め立てた。
「尻馬に乗る」の文学作品などの用例
近ごろはやるベルグソンでもオイケンでもみんな向こうの人がとやかく言うので、日本人もその尻馬に乗ってさわぐのです。(夏目漱石の私の個人主義より)
まとめ
尻馬はふたりで乗るときの後部のこと、または先を行く馬の後ろに付く馬を言う。尻馬に乗るとは、他人任せな行動のたとえである。尻馬に乗る行為は、先見性を持たない凡人にとっては何かを成すときに手っ取り早いやり方だが、乗る馬の信頼性、安全性は十分に調査しなければならない。ずる賢い馬の尻に乗ると、凡人の尻馬に乗りたがる心理を利用し、しばらく乗っているとやがて大失敗する馬に乗せられたり、置いてきぼりをくらわされることになるのだから。