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【刮目して相待つべし】の意味と使い方や例文!故事は?(類義語・対義語・英語)

刮目して相待つべし

【故事成語】
刮目して相待つべし

【読み方】
かつもくしてあいまつべし

【意味】
相手が大きく成長したり変化したりしているかもしれないので、以前の印象のまま見ず、目をこすってよく見直すべきだという意味。

ことわざ博士
刮目して相待つべしは、人は短い間にも成長するものだから、相手を古い評価だけで決めつけるなという考えを表すんだよ。
助手ねこ
久しぶりに会った友人や、努力して力を伸ばした人を、改めて評価する場面で用いるニャン。

【英語】
・see someone in a new light.(人を新しい目で見る)

【類義語】
・刮目して待つべし(かつもくしてまつべし)
・後生畏るべし(こうせいおそるべし)

【対義語】
・呉下の阿蒙(ごかのあもう)

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「刮目して相待つべし」の故事

故事成語を深掘り

「刮目して相待つべし」は、中国・三国時代の呉の武将であった呂蒙(りょもう)の故事に由来します。呂蒙は後漢末から三国時代にかけて孫権に仕えた人物で、若いころは武勇にすぐれていましたが、学問の面では十分でなかったと伝わります。

この故事は、『三国志』(西晋、3世紀末、陳寿撰)の「呉書・呂蒙伝」に付けられた、南朝宋の裴松之(はいしょうし)の注に引かれた『江表伝』に出ます。『三国志』は魏・蜀・呉の三国を扱う正史で、裴松之の注は429年に成りました。

『江表伝』では、孫権が呂蒙と蔣欽に向かって、今は重い役目についているのだから、学問によって自分を広げ、役立てるべきだと諭します。呂蒙は、軍務が多く、読書をする余裕もないと答えました。

孫権はこれに対して、自分も多くの仕事を抱えながら書物を読み、歴史や兵書から大いに益を得たと述べます。経書を専門に究める学者になれというのではなく、過去の出来事を広く知ればよいのだ、と励ましたのです。

この言葉を受け、呂蒙は学問に取り組み始めます。『江表伝』には、呂蒙が志を固くして倦むことなく学び、読んで理解したところは古くからの儒者にも勝るほどであった、という趣旨の記述があります。

その後、魯粛(ろしゅく)が周瑜(しゅうゆ)のあとを受け、呂蒙のもとを訪れて語り合いました。魯粛は、呂蒙の学識が以前と大きく違うことに驚き、以前は武略だけの人だと思っていたが、今は学識が広く、もはや呉下の阿蒙ではない、と言いました。

「呉下の阿蒙」とは、呉にいたころの蒙さん、というほどの意味から、昔のままで進歩のない人、学問のない人を表す故事成語になりました。魯粛の驚きは、呂蒙が学問によって大きく成長したことを示しています。

その魯粛に対して、呂蒙は「士別三日,即更刮目相待」と答えました。これは、「立派な人物と別れて三日もたてば、改めて目をこすり、よく見直して相手に接するべきだ」という意味です。

「刮目」の「刮」は、こするという意味をもち、「刮目」は目をこすってよく見ること、注意して見ることを表します。単に見るだけでなく、前の思い込みをいったん取り払い、相手を改めて見直す意味を含みます。

この故事は、努力によって人が短い間にも変わりうることを教えています。相手を昔の姿のまま決めつけるのではなく、今の姿をよく見て評価しなければならない、という考えが「刮目して相待つべし」に込められています。

日本語では、「刮目して待つべし」や「刮目して見る」などの形でも用いられます。もとの故事の力点は、相手の成長を待ち受けることだけでなく、成長した相手に対して、こちらの見方を新しくしなければならない点にあります。

現在の「刮目して相待つべし」は、努力する人を軽く見ず、変化や成長を正しく見よ、という励ましの言葉として使われます。呂蒙の変化を見た魯粛の驚きと、その驚きに対する呂蒙の返答が、今も人の成長を語る表現として生きています。

「刮目して相待つべし」の使い方

健太
昨日のリレー練習で、前は遅かった太一くんが、一番速くバトンをつないだんだ。
ともこ
毎朝、校庭を走っていたものね。刮目して相待つべしって、こういうことだね!
健太
うん。前の印象だけで、まだ遅いと思っていた自分が恥ずかしくなったよ。
ともこ
次の大会では、今の太一くんの力をちゃんと見て作戦を考えよう!
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「刮目して相待つべし」の例文

例文
  • 半年ぶりに会った友人の上達ぶりを見て、まさに刮目して相待つべしと思った。
  • 努力を続ける人を昔の印象で決めつけるのはよくない、刮目して相待つべしだ。
  • 新人の発表は見違えるほど立派で、刮目して相待つべしという言葉がぴったりだった。
  • 以前は失敗の多かった後輩が大きな仕事を任されるまでになり、刮目して相待つべしと感じた。
  • 子どもの成長は早いものだから、親も刮目して相待つべしの気持ちを忘れてはならない。
  • 数か月の練習で演奏が別人のように変わり、刮目して相待つべしという思いで聴いた。

主な参考文献
・円満字二郎編『故事成語を知る辞典』小学館、2018年。
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・白川静『字通 普及版』平凡社、2014年。
・小学館編『日本大百科全書』小学館、1984〜1994年。
・陳寿『三国志』西晋、3世紀末。
・裴松之注『三国志注』南朝宋、429年。





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