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【雉も鳴かずば撃たれまい】の意味と使い方や例文(語源由来・類義語・英語訳)

雉も鳴かずば撃たれまい

「雉も鳴かずば撃たれまい」の意味(語源由来・類義語・英語訳)

意味

【ことわざ】
雉も鳴かずば撃たれまい

「雉も鳴かずば打たれまい」「雉も鳴かずば射たれまい」「鳴かずば雉も撃たれまい」「鳥も鳴かずば撃たれまい」と表すこともあります。

【読み方】
きじもなかずばうたれまい

【意味】
言わなくてよいことを言ってしまったために、よくないことがおこるということ。

「鳴かずば」=鳴かなければ。「撃たれまい」=うたれないだろう。
ことわざ博士
「雉も鳴かずば撃たれまい」という言葉は、余計なことを言わなければ、トラブルを避けることができる、という意味があるんだ。

雉が鳴かなければ、その存在に気付かれず安全にいられるように、人も余計なことを言わない方が安全だということを示しているんだよ。

助手ねこ
ああ、それは「余計なこと言わずに、おとなしくしてれば、トラブルに巻き込まれん」ってことやな。

要するに、話さなきゃ、バレへん、ってわけや。不必要な発言は控えた方がいいってことを教えてくれるんやね。

【語源由来】
雉は鳴かなければ居所を知られないが、一声鳴けば、雉の声は高いのですぐに所在を知られ、あっさりと猟師に仕留められてしまうことから。

【類義語】
・蛙は口から呑まれる
・口は善悪の門
・口は禍の門
・口は災いの元
・三寸の舌に五尺の身を亡ぼす
・舌は禍の根
・多言は身を害す
・物言えば唇寒し秋の風
・病は口より入り禍は口より出ず
・禍は口から

【英語訳】
・Quietness is best, as the fox said when he bit the cook’s head off.

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「雉も鳴かずば撃たれまい」の解説

カンタン!解説
解説

「雉も鳴かずば撃たれまい」ということわざは、日本の昔話、特に石川県の民話「あずきまんま」からきているんだよ。

この話では、「お千代」という名前の女の子が登場するんだ。お千代は病気になってしまったけど、ずっと「あずきまんま」(これは赤飯のことだよ)が食べたくて、父親はそれを盗んできてあげたんだ。お千代は赤飯を食べて元気になったけど、そのことが原因で父親が「人柱」にされてしまったの。これは神に無事を祈るために、生きた人を土に埋めるという昔の風習で、たいていは悪事を働いた人が選ばれるんだよ。

お千代は自分のせいで父親が人柱になったことをすごく悔やんで、その後ずっと無口になってしまったんだ。それからある日、猟師が鳴いていたキジ(雉)を撃つことがあって、お千代はそこで「キジよ、お前も鳴かなければ撃たれなかったろうに」と言ったんだ。

そういうわけで、「雉も鳴かずば撃たれまい」の言葉は、無用に目立たない方が無事でいられる、という意味を含むようになったんだよ。お千代の悲しい経験から、人々はこの教訓を得て、自分自身の行動に注意を払うようになったんだ。

「雉も鳴かずば撃たれまい」の使い方

ともこ
健太くんったら、またこの前先生に怒られていたでしょう。
健太
どうしても授業中眠くなってしまって、先生に「眠いから寝かせてください」って言っちゃってね。
ともこ
なんでわざわざそんな事を言うの?雉も鳴かずば撃たれまいというじゃない。
健太
だって、どうしても眠たくなっちゃったんだよ。もしかしたら寝かせてくれるかもと思ったのが間違いだったよ。
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「雉も鳴かずば撃たれまい」の例文

例文
  1. 雉も鳴かずば撃たれまいのに、わざわざ機嫌の悪い彼女にそんなこというなんて、どうかしてる。
  2. よけいなことを言ったら、わざわいをひきよせてしまう。雉も鳴かずば撃たれまいと言うじゃないか。
  3. 雉も鳴かずば撃たれまいから、今は黙っていた方が良い。
  4. 生徒会長にともこちゃんを推せんしたら、「健太くんが一緒にやってくれるならいいよ。」と言うので、ぼくも生徒会に入ることになってしまった。雉も鳴かずば撃たれまいだ。次はおとなしくしていよう。

「雉も鳴かずば撃たれまい」の文学作品などの用例

きゃッと、のけぞってぶっ倒れる刑事。そのとき貫一は、はっきり見た――彼の放った一弾は、刑事の右腕に命中し、そして二の腕あたりからもぎとって、すっとばしてしまったことを。「ざまあ見やがれ。雉も鳴かずば撃たれめえ。腕を一本放しちまえば、あとは出血多量で極楽へ急行だよ。じゃあ刑事さん、あばよ」(海野十三の奇賊悲願より)

一口メモ

一口メモ

信州の民話「雉も鳴かずば」はこのことわざと関係があると考えられています。

ある村に昔母を河の氾濫のせいで亡くしてしまった貧しい父と娘がおりました。娘は重い病にかかっていましたが、ある日娘に赤飯を食べたいとねだられ、用意できない父は地主の倉から少しの米と小豆を盗みます。赤飯を食べ、元気を取り戻した娘はその喜びを歌ってしまいます。

ある日また河が氾濫するため人柱を立てることになりました。誰を人柱に選ぶ相談があった際、娘の歌をたまたま聞いていた百姓が盗みに気づき父を人柱にすることにします。村人に連れられ、帰らぬ人となった父を思い、自分の歌を責め泣き続けた娘は、ついに一言も言葉を話さなくなります。

幾年が経ち、ある猟師が雉の鳴き声を聞き、仕留めた獲物のところへ近寄ったところ、そこには大人になった娘の姿がありました。彼女は「雉よ、お前も鳴かなければ、撃たれないで済んだものを」と言い残し、冷たくなった雉を抱いてその場を去ったといいます。





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