「裏をかく」の意味(語源由来)
【慣用句】
裏をかく
【読み方】
うらをかく
【意味】
予想外の行動に出て相手を出し抜く。
相手が何を考えてるか見抜いて、その逆の行動をとることで、相手を驚かせて、自分の勝ちにするんや。でも、あんまり相手を出し抜くばっかりやと、信用なくすから注意が必要やな。
【語源由来】
昔の戦で、矢や槍などが、それを通すはずのない鎧や盾を貫いて、裏側まで届くことをいった言葉。鎧が万全であれば貫かれることはないが、不備があれば思わぬ不覚をとることになる。裏をかくということはすなわち、相手の油断をつくということになる。
「裏をかく」の解説
「裏をかく」っていう表現は、相手が予想もしていないような行動をして、そのすきをついて自分が勝ったり、一歩先を行ったりすることを言うんだよ。
この「裏をかく」っていう言葉の由来は、戦国時代にあるんだよ。その時代、兵士は自分を守るために鎧を着て戦ってたんだ。そして、この「裏をかく」っていう言葉は、その鎧に関係する言葉から生まれたんだよ。
当時、戦闘中に、敵の槍が鎧の裏側(つまり背中側)にまで突き刺さることを、「うらかく」と言ったんだ。「かく」っていうのは「掻く」を意味していて、つまり、鎧の裏側にまで傷をつけるっていうことなんだね。
だから、鎧がしっかりしてれば、自分を守ることができるはずだよね。でも、もし鎧にちょっとした穴があったりすると、そこを敵に攻撃されると、裏側にまで突き通して致命傷を負うことになるんだ。
このことから、「相手が油断してるときに、その隙をついて攻撃する」という意味が生まれたんだよ。そしてそれが、今の「裏をかく」という言葉になったんだね。だから、「裏をかく」っていうのは、相手が予想もしてないような行動をして、そのすきを突いて、自分が勝つとか、一歩先に進むということを表しているんだよ。
「裏をかく」の使い方
「裏をかく」の例文
- 勝負はいかにして敵の裏をかくかで決まるものだと思っている。
- 敵が裏をかくつもりで何かをしかけてくれば、さらにこちらが裏をかくだけのことなのだから冷静に対処せよ。
- 裏をかいたつもりが相手の思惑にはまって負けてしまった。
- 必要なことは相手のもくろみに気づかぬふりをして、その裏をかくことである。
- 平成の怪盗ルパンと言われている彼は常識的な捜査方法の裏をかくような変装とか潜伏の術を心得ているんだ。
「裏をかく」の文学作品などの用例
井村は、坑内で、自分等が、どれだけ危険に身をさらしているか、それを検査官に見せ付てやろうとしたことが、全く裏をかかれてしまったことを感じた。(黒島伝治の土鼠と落盤より)