【ことわざ】
一度あることは二度ある
【読み方】
いちどあることはにどある
【意味】
物事が一度起こると、同じようなことが続いて起こるということ。繰り返し起こりそうな出来事に注意を促す言葉。


【英語】
・When it rains, it pours(悪いことが起こると、ほかの悪いことも重なりやすい)
・It never rains but it pours(悪いことは一つだけでなく重なって起こりやすい)
【類義語】
・二度あることは三度ある(にどあることはさんどある)
・一災起これば二災起こる(いっさいおこればにさいおこる)
【対義語】
・三度目の正直(さんどめのしょうじき)
「一度あることは二度ある」の語源・由来
「一度あることは二度ある」は、「一度」と「二度」という数の順序を使い、一回起こったことは、同じ形でもう一回起こりやすいととらえることわざです。現在の意味では、物事が一度起こると同じようなことが続いて起こることを表します。
この言葉のもとにあるのは、昔から生活の中で重んじられてきた「繰り返しへの用心」です。一回だけなら偶然に見える出来事でも、同じ原因が残っていれば再び起こります。たとえば、戸締まりを忘れた、道具の点検をしなかった、連絡を確認しなかったという失敗は、原因を直さなければ、似た形でまた起こりやすいものです。
近い形のことわざに「二度あることは三度ある」があります。この表現は、同じようなことが二度続けて起きたとき、近くもう一度繰り返されると警戒する言葉です。『驪山比翼塚(めぐろやまひよくずか)』(1779年・江戸時代後期の浄瑠璃)には、「二度あることは三度めの、己と報ふお主の罪」という形が出てきます。ここでは、同じような出来事がさらに続くという不吉な予感を強める言い方として使われています。
また、「一災起これば二災起こる」という近いことわざもあります。『心中万年草(しんじゅうまんねんそう)』(1710年・江戸時代前期、近松門左衛門作の人形浄瑠璃)には、「一さいおこれば二さいおこる」という形が出てきます。この言葉は、一度災難が起こると、それに伴って別の災難を呼び起こし、悪いことが重なるという意味です。
このような周辺の言い方からも分かるように、「一度あることは二度ある」は、ただ出来事がまた起こると述べるだけの言葉ではありません。前に起きた出来事を手がかりにして、同じ失敗や災いを繰り返さないようにするための戒めとして使われます。
一方で、似た数のことわざでも「三度目の正直」は反対の発想をもっています。最初や二度目はうまくいかなくても、三度目には期待どおりの結果になるという意味で、繰り返しを警戒する「一度あることは二度ある」とは、受け止め方が異なります。
したがって、「一度あることは二度ある」は、同じことが必ず起こると決めつける言葉ではなく、前の出来事から原因を考え、早めに備えるための言葉です。とくに、失敗や事故のあとに「同じことをまた起こさないようにしよう」と注意を促す場面で、自然に用いられます。
「一度あることは二度ある」の使い方




「一度あることは二度ある」の例文
- 一度あることは二度あるというから、鍵をかけ忘れた日は、出かける前の確認を家族で決めた。
- 前にも同じ場所で転んだので、一度あることは二度あると思い、雨の日は遠回りして通った。
- 連絡ミスで試合時間を間違えたため、一度あることは二度あると考えて、次からは全員で予定表を見直した。
- 機械の小さな異音を放っておくと、一度あることは二度あるというように、また同じ不具合が起こりかねない。
- 友人との約束を一度忘れたなら、一度あることは二度あると受け止め、前日に確認のメモを作るべきだ。
- 一度あることは二度あるという戒めを胸に、避難訓練のあとで家の防災袋も点検した。
主な参考文献
・日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典 第二版』小学館、2000〜2002年。
・松村明監修『デジタル大辞泉』小学館。
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・近松門左衛門『心中万年草』1710年。
・日外アソシエーツ編『歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典』日外アソシエーツ、2004年。
・Merriam-Webster, Inc.『Merriam-Webster.com Dictionary』。























