【ことわざ】
借り着より洗い着
【読み方】
かりぎよりあらいぎ
【意味】
人に頼って見栄を張るよりも、自分の力で質素に生活するほうがよいというたとえ。人の美しい服を借りるより、自分の着物を洗濯して着るほうがよいという意から。


【英語】
・Better simple self-reliance than borrowed luxury.(借り物のぜいたくより、質素な自立のほうがよい)
【類義語】
・人の物より自分の物(ひとのものよりじぶんのもの)
【対義語】
・隣の芝生は青い(となりのしばふはあおい)
「借り着より洗い着」の語源・由来
「借り着より洗い着」は、日常の衣服をたとえとして、暮らし方の心構えを表したことわざです。ここでいう「借り着」は人から借りた美しい服、「洗い着」は洗濯して着る自分の着物を指します。
このことわざは、服の美しさそのものだけを比べる言葉ではありません。人から借りた立派な服で外見をよく見せるより、質素でも自分の持ち物を清潔にして身につけるほうがよい、という考えを表します。
衣服は、人の見た目やその人への印象にかかわりやすいものです。そのため、衣服を使ったことわざには、外見、身分、心構え、暮らしぶりを表すものが多くあります。
「借り着より洗い着」も、そうした衣服のたとえを用いた言い方の一つです。衣服を借りて飾ることを、他人の力に頼って見栄を張ることに重ねています。
古い表記に近い形では、「借着より洗着」と、送り仮名を省いた形でも使われています。この形では、「借着」と「洗着」を対にして並べ、短く力強いことわざらしい調子を作っています。
「借着より洗着」は、衣服に関することわざの一つとして、「人にたよってぜい沢するより貧しくても自立がよい」という意味で扱われています。つまり、服の話を借りながら、生活のあり方を説いているのです。
また、このことわざでは、「洗いざらしでも自分の着物のほうが着心地がよい」という感覚も大切です。借り物は見た目がよくても気をつかいますが、自分のものには、安心して使えるよさがあります。
この考えは、「人の物より自分の物」という言い方にも通じます。他人の物がどれほどよく見えても、自分の物には自分の暮らしに合う価値がある、という点で意味が近いことわざです。
現在の形では、「借り着より洗い着」と送り仮名を付けて書くのが一般的です。読み方は「かりぎよりあらいぎ」で、意味は、人に頼って見栄を張るより、自分の力で質素に暮らすことを大切にする、という教えです。
このことわざは、ぜいたくをすべて否定する言葉ではありません。借り物で自分を大きく見せるより、身の丈に合ったものを整えて使うほうが、心も生活も落ち着くという知恵を伝えています。
「借り着より洗い着」の使い方




「借り着より洗い着」の例文
- 発表会で高価な服を借りるより、借り着より洗い着で手持ちの服をきちんと整えた。
- 人の援助に頼ってぜいたくに暮らすより、借り着より洗い着で身の丈に合った生活を選んだ。
- 友人の持ち物ばかり借りて自慢する姿に、借り着より洗い着という言葉を思い出した。
- 新しい道具を無理に借り集めるより、借り着より洗い着で自分の道具を大切に使った。
- 親の援助で見栄を張る生活をやめ、借り着より洗い着の気持ちで一人暮らしを始めた。
- 会社の開店準備では、派手な飾りを借りるより、借り着より洗い着でできる範囲を丁寧に整えた。
主な参考文献
・北村孝一編『ことわざを知る辞典』小学館、2018年。
・現代言語研究会著『日本語を使いさばく 故事ことわざの辞典』あすとろ出版、2007年。
・熨斗秀夫「衣に関わりのあることわざについて」『繊維製品消費科学』第24巻第2号、日本繊維製品消費科学会、1983年。























