【ことわざ】
槿花一日の栄
【読み方】
きんかいちじつのえい
【意味】
木槿(ムクゲ)の花は朝開いて夕方にはしぼむ。そのはかなさを人の世の栄華のはかなさにたとえたもの。
【語源・由来】
槿花とは木槿(ムクゲ)の花のこと。
白居易の「放言」から。槿花一日自為榮。槿花は一日なるも自ずから榮と為(な)す。
【類義語】
・朝顔の花一時
・槿花一朝の夢
・花一時人一盛り
【英語訳】
Today a man, tomorrow a mouse.
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「槿花一日の栄」の使い方

あとはどうなってもいい。槿花一日の栄でもいい。この恋に身をうずめる覚悟ができたんだ!

いきなりどうしたの?健太くん?それはお芝居のセリフ?

違うよ。僕は恋をしたんだ。身分違いの恋だから反対されるかもしれない、引き裂かれるかもしれない。でも、槿の花の一瞬の美しさのように一瞬の幸せを大事に生きていきたい。

それは、それは。がんばってね。
「槿花一日の栄」の例文
- よく、槿花一日の栄というけれど、この花は朝だけの栄ではなく終日の栄である。
- 新しく始めた事業は、うまくいきそうに思われたのだが、結局、槿花一日の栄だった。
- 本能寺の変で、織田信長を打ち取った明智光秀は三日だったが、まさしく槿花一日の栄といえよう。
- 今回の粉ものブームはいつもの槿花一日の栄とは異なり、新しい日本の食として定着しそうだ。
- 江戸っ子は槿花一日の栄を好み、松樹千年の緑より旦々に新たなる朝顔を愛でた。
まとめ
平家物語の一節、祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じにもあるように、千年の樹齢を誇る松は最後には朽ちる、美しい槿の花は一日で散り落ちる。はかないからこそ美しい。永遠の美を求めようとする世の風潮を省みなくてはいけないかもしれません。