【慣用句】
大向こうを唸らせる
【読み方】
おおむこうをうならせる
【意味】
役者が、うまい芸で大向こうの観客を感嘆させる。また、一般にすぐれた技巧で多くの人々の人気を博すること。
【語源・由来】
「大向こう」は、劇場の後ろの方の、一番安いが、芝居好きの人が集まる観客席のこと。役者が優れた演技を見せて、その席の目の肥えた観客を感嘆させるという意味から。
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「大向こうを唸らせる」の使い方

昨日、有名なオペラ歌手がこの町の劇場に来る予定だったんだけど、急病で代わりの人が舞台に立ったんだ。

へえ。そんなに有名な人の代わりが務まったの?

それが、歌に非常な感情をこめ、豊かな声量で歌って、大向こうを唸らせたんだ。代役ということで帰ろうとしていた人も多かったようだけど、最終的にはものすごい喝采だったらしいよ。

へえ。その奇跡の舞台を見てみたかったわ。
「大向こうを唸らせる」の例文
- その当時、最も痛快なる芝居を打って大向こうを唸らせたのは尾崎行雄であった。
- そんな大向こうを唸らせるような一幕はなかったよ、と主演の彼は自嘲した。
- 水戸は徳川の一族でありながら、最初から徳川の根を枯らすことばかりやっているので大向こうを唸らせている。
- 彼は大向こうを唸らせて、拍手喝采を期待するような単純な性格の持ち主だったので、演出効果に気を配った。
- 神事の流鏑馬が行われたが、大向こうを唸らせるようなものにはならなかった。