【ことわざ】
まな板の鯉
【読み方】
まないたのこい
【意味】
自分の力ではどうすることもできず、相手の思うままになるしかない様、また、そのような運命にあることのたとえ。
【語源由来】
まな板(俎)という言葉は、平安時代中期の辞書である「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に出てきます。中国の「俎(ソ)」、和名は「末奈以太(まないた)」としています。昔の日本では魚・野菜を含めて「な」と呼び、魚だけを「まな」と呼んだそうです。その「まな」を調理するための「板」ということから「まな板」とされたとの説もあります。昔は4本の脚付きのものが多く使われていましたが、室町時代になり様々な料理の流派が興り、流派別にいろんな「まな板」が登場したと言われています。
【類義語】
似たような意味合いの表現で「運を天に任せる(うんをてんにまかせる)」、「万策が尽きる(ばんさくがつきる)」があります。
【英語訳】
Like carp on the cutting board.(公式の英語訳はありません。英語を母国語とする方々が理解しやすい英語訳の例です。)
「まな板の鯉」の使い方
「まな板の鯉」の例文
- 努力はつくしたが目標は達成できななった。明日はまな板の鯉と同じ、何を言われても耐えるしかない。
- まな板の鯉にはなりたくない。なんとかしなければならない。
- 所詮(しょせん)我々はまな板の鯉じゃないか。じたばたするのは止めよう。
- いくらなんでもまな板の鯉になってしまっては、元も子もない。挽回(ばんかい)するための方策を考えよう。
まとめ
「まな板」に関することばで「俎上に載せる(そじょうにのせる」というものがあります。これからどうするかという方針案、ものごとの考え方などについて議論にして、忌憚(きたん)のない意見をもらうことを意味しています。「まな板の鯉」になるよりは「俎上に載せる」方がいいでしょう。同じ「まな板」でも使い方次第です。