『淮南子』(えなんじ、又はわいなんし)は、前漢時代に淮南王劉安(紀元前179年 – 紀元前122年)が多数の学者を集めて編纂させた思想書です。
原文は内書21編、外書33編から成るとされていますが、現存しているのは内書の21編のみです。
この著作は、道家思想を基盤としつつ、儒家、法家、陰陽家の思想も取り入れており、一般的には雑家の書として分類されます。
内容は、治乱興亡、天文、地形、古代中国人の宇宙観など、多岐にわたる知識を総合し、全体を道家思想で統一・体系化しようとしたものです。
また、注釈として後漢の高誘による『淮南鴻烈解』や許慎による『淮南鴻烈間詁』が存在します。
『淮南子』は、前漢初期の道家思想を理解する上で重要な文献として、後世の学問や文化に大きな影響を与えました。