中国のことわざは、独特の形式や表現力を持ち、時にはユーモアを交えながら、人生の教訓や智慧を伝えています。
この記事では、その意味や背景を含めた有名な中国のことわざ一覧を五十音順にご紹介します。
これらのことわざを通じて、中国の文化や哲学の一端を垣間見ることができるでしょう。さあ、中国の古来の知恵に触れながら、日本と中国の文化の共通点や違いを探求してみましょう。
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目次
「あ行」の中国のことわざ意味付き
足元に千の道筋あり、丸木橋にこだわるな
一つの目的や一つの手法にこだわらず、柔軟な考え方を持とう。
イタチがニワトリに新年の挨拶をする
悪意のある思考を持ちつつ、表面上は友好的に対応すること。
一事を経ざれば、一智に長ぜず
自分で実際に体験しない限り、その領域の知識や理解を深めることは難しい。
一度蛇に噛まれると、十年たっても縄まで怖い
一度の失敗で教訓を得て、過剰なほど慎重に行動すること。
一日やれば一日分の成果を得て、一日さぼれば十日分の損をする
継続は成功の鍵であり、地道な努力を続けることで、いずれ目標を達成できるということ。
一文惜しみの百知らず
目の前の些細なことに囚われることで、大きな利益を逃してしまうこと。
一丈八尺の灯台は遠くを照らすが近くは照らさない
自分自身や近しい事柄については、逆に気づきづらいということ。
一手の打ち違いで、碁の全局が負けてしまう
たった一つのミスで、それまでの努力が一瞬で無駄になってしまうこと。
牛に向かって琴を弾く
どんな注意や意見を受けても、全く耳を貸さず、その効果が感じられないこと。
美しい花を牛の糞に挿す
見た目や身分が釣り合わない状況の例えとして、容姿に劣る男性が美しい女性と結婚すること。
馬の善し悪しは鞍にあらず、人の善し悪しは衣にあらず
良い馬には鞍は関係なく、人の良し悪しも着ている服には関係ないということ。
瓜を植えれば瓜を得、豆を植えれば豆を得る
良い行動には必ず良い結果が伴い、悪い行動には悪い結果がついてくるという考え。
縁あれば千里も来たりて相逢い、縁なければ対面すれども相逢わず
運命のつながりがあれば、たとえ遠く離れていても出会うことができるが、縁がなければ近くにいてもすれ違ってしまうということ。
遠水は近火を救わず、遠親は近隣に如かず
遠くにある水は近くの火を消すことができず、遠くにいる親戚は近くの隣人に劣るという意味。つまり、身近な支えが重要だということ。
遠慮なければ近憂あり
遠い将来のことも考慮しなければ、近い未来に問題が生じるということ。
大いに屈するものは、必ず大いに伸びる
人生には苦楽が共存し、どちらかに一方的に偏ることはないという意味。つまり、苦難があれば喜びもあるということ。
老いてはますます壮んにして、窮すれば当に堅なるべし
年を重ねても意気込みが強くなり、困難な状況においては、より堅固な信念と志を持つべきだということ。
幼い時に針を盗めば、成長して人の金銭を盗む
子供の頃の悪い習慣は、若いうちに改善しなければ、大人になってから修正が難しくなるということ。
和尚は逃げても、寺は逃げない
失敗してもまだ希望が存在するという意味。
「か行」の中国のことわざ意味付き
瓦全よりは玉砕を選ぶ
つまらないものとして安全に生きるよりも、むしろ価値あるものとして堂々と散ることを選択するという意味。
金があれば幽霊にも臼をひかせられる
世の中の問題は、お金があればほとんど解決できるという考え方。
ガマガエルが白鳥の肉を食いたがる
自分の立場や能力を認識せず、無理なことを試みる様子。
下問を恥じず
年齢や地位が下の人から学ぶことを恥ずかしいと感じないという態度。
借りた物を約束通りに返せば、次に借りることは難しくない
些細なことであっても、物を借りる際に信用を損なわないよう注意するべきであるという意味。
傷が治ると痛さを忘れる
どんな苦痛や苦労も過ぎ去れば忘れがちであり、また、困難な時に受けた支援や恩人を楽な状況になると簡単に忘れてしまうということ。
君と一夕話、読むに勝る十年の書
あなたとの一晩での会話は、自分が10年間で得た読書の知識よりも価値があるという意味。
口は風、筆は跡
口頭での約束は信頼性が低いが、書面に記されたものは最も確かな証拠となるということ。
君子は他人の美を奪わない
他人が努力して得た成果を横取りし、自分の功績として主張することは許されないという意味。
けんかしなければ友だちになれない
争いや困難があった後で、以前よりも良い関係に進展すること。
恋人の目には西施が見える
好意を持つと、相手の欠点さえも長所のように見えるということ。
江山改め易く、本性移し難し
自然の景色は変わりやすいが、人の性格は容易には変えられないという意味。
香油を売る女性が水で髪をすく
商売で忙しく、自分自身のことに時間を割く余裕がない状況を表す。
毫厘の差は千里のあやまり
最初は些細な違いに見えても、後には大きな誤りに発展することがあるという意味。
子は母の醜きことを嫌わず、犬は家貧しきことを嫌わず
子供は母親が容姿に劣っていても気にしないし、飼い犬も主人の家が貧しくても気にしないということ。つまり、愛情は容姿や財産に影響されないという意味。
「さ行」の中国のことわざ意味付き
酒は知己に逢えば千杯も少なし、話が合わねば半句も多し
親しい友人と会えば、たくさん話しても飽きずに楽しいが、相性の悪い人とはほんの少し話すだけで疲れるという意味。
三歳が八十歳を決める
子供の頃の性格は、年齢を重ねても基本的に変わらないという考え。
三人の皮職人は一人の諸葛亮に匹敵する
一般的な人でも、三人が集まって話し合うことで、優れた知恵が生まれるという意味。諸葛亮は『三国志』の英雄。
三人寄れば無責任
人数が増えるほど、個々人が自分の責任を取る意識が低くなるということ。
児孫おのずと児孫の福あり、児孫のために馬牛となるなかれ
子孫には独自の人生と幸せがあるため、彼らの将来のために過度に働く必要はないという意味。
秀才は門を出でずして、天下のことを知るにあたう
秀才は家にいても、世界のことを理解することができる。つまり、書物は知識の貯蔵庫であるという意味。
食後に百歩歩けば九十九まで生きられる
食事の後にゆっくりと歩くことで、健康を維持できるという意味。
死んだ子は賢く、逃した魚は大きい
手に入れられなかったものは、悔しさから実際よりも魅力的に感じるということ。
雀小さしといえども、肝胆すべて倶わる
雀のように小さな体であっても、五臓六腑はすべて備わっている。
既に出したる一言は、駟馬も追い難し
一度口に出した言葉は、たとえ強力な手段を使っても取り消すことができないという意味。
ズボンを脱いで屁をひる
余分な労力や手間をかけること。
千軍は得やすきも、一将は求め難し
多くの兵士を集めることは比較的簡単だが、優れた将軍を見つけることは困難であるという意味。
千里の道のりも足元から始まる
どんなに大きな事業でも、まずは身近なことから始めるということ。物事を一歩ずつ確実に進めることが重要であるという意味。
曹操の話をすれば曹操が現れる
誰かの噂をしていると、その人が偶然現れることがあるという意味。
「た行」の中国のことわざ意味付き
大工が多すぎると歪んだ家が建つ
多くの人が指示を出すと、統一された方向性が得られず、物事がスムーズに進まない状況が生じること。
大処着眼、小処着手
物事や問題を全体的な視点で捉え、まずは小さな部分から取り組むべきだという意味。
単絲は線と成らず、独木は林と成らず
一本の繊維だけでは糸にならず、一本の木だけでは森にはならない。同様に、人間も一人では大きなことは成し遂げられない。
小さいときに針を盗めば、大きくなると金を盗む
小さなものを盗む子供は、大人になったときに金を盗む泥棒になるというたとえ。
梅雨を過ぎてから蓑笠を買う
物事が終わってから後悔しても、すでに手遅れであるということ。
手が動いていれば貧乏にならない
一生懸命に働いて堅実に収入を得ることで、貧困に陥ることは避けられるという意味。
鉄の杵も磨き続ければ針になる
どんなに困難な状況でも、忍耐強く努力し続けることで、最終的に報われるという教え。
天下の興亡、匹夫も責あり
国家の繁栄や衰退には、国民一人ひとりにも責任がある。
天に難き事なし、ただ心ある人を恐る
困難を恐れる必要はない。決意があれば、乗り越えられる。
天に不測の風雲、人に不意の禍福は常なり
たとえ近い将来であっても、未来の出来事を完全に予測することは誰にもできないということ。
天の外に天があり、人の上に人がある
空の上にはもっと高い空があり、人間の中にもさらに優秀な人が存在する。どんな立場にも、さらに高いレベルがあるということ。
当局者は迷い、傍観者は清し
当事者ではない第三者の方が、状況や利益・損失などをより正確に評価できることがある。
遠くの水は近くの火事を消せない
緊急時に頼るべきは、遠くに住む親戚よりも、近くに住んでいる他人であるという意味。
徳ある者、必ず言あり
徳がある人は、必ず優れた言葉遣いをする。
読書はすべからく用意すべし、一字は千金にも値す
集中して読書をし、一字も見落とさないように丁寧に読むべきだ。時には、一つ一つの文字や言葉が大変価値があることもある。
年寄りの言うことを聞かないと、見る間に損をする
多年の知恵や経験を積み重ねたものは、非常に価値があると言える。
どの家にも読めないお経がある
各家庭には、他人には語れない独自の悩みや苦労が存在する。
友はかげで君を褒め、敵は面と向かって君を褒める
真の友人を選択することが重要であり、つまらない人との交流は避けるべきだ。
「な行」の中国のことわざ意味付き
鼠の糞が一粒でも釜の中に落ちれば、お粥のすべてが台無しになる
有害な要素は、たとえ小さくても全体を損なうことがあるということを理解しなければならない。
能ある者は労多し
能力があるがゆえに、世間から求められることが多く、忙しく苦労することがある。
「は行」の中国のことわざ意味付き
早起きは三つよいことがあり、遅起きは三つ慌てることがある
早起きをすれば、なにかしらよいことがある。
春に種をまかなければ秋に収穫できない
何も行動せずに、良い結果を手に入れようとしてもそれは達成できない。
晴れた日に曇りの日の備えをし、豊年に凶年の備えをする
予期せぬ事態に対処できるように、十分な準備をしておくことが重要であるということ。
万巻の書を読み、万里の道を行く
知識を豊かにするためには、数多くの本を読み、広範囲の経験を積むことが必要だ。
日ごろ良心に恥じることなければ、夜中に門を叩かれても驚かない
普段から誠実に振る舞うことで、いつも心が安らかに過ごすことができる。
久しき別れは新婚に勝る
長い間離れていた夫婦が再び共に暮らし始めると、新婚当時よりもずっと深い喜びを感じるものだ。
人に傷を負わせなくても、言葉が人を傷つける
不用意な発言は自分を破滅させる原因となることがあるため、言葉を慎重に選ぶべきである。軽い言葉が災いを招くこともあるので、発言する際は注意して行動すべきだ。
人に千日の好みなく、花に百日の紅なし
人はいつまでも運に恵まれるわけではなく、同様に花も永遠に咲き続けることはない。
人は衣装、馬は鞍
身なりを整えることで、誰であっても見た目が立派に映るという例え。
人はおとなしいと他人になめられ、馬はおとなしければ人に使われる
あまりにも控えめすぎると、逆に不利益を被ることがある。
人は高いところを目指し、水は低いところへ流れる
常に目標に向けて努力を続けることが重要である。
人は有名になることを怖れ、豚は太ることを怖れる
優れて目立つものは、しばしば妬まれることがある。また、自己主張が強すぎると、他人から憎まれることもある。
一人が樹を植え、万人が木陰で涼む
世間のため、万人のために働くことをすすめる諺。
人を殴っても顔を殴るな、人を罵っても弱みをあばくな
喧嘩をしても、冷静さを保ち適切な範囲内に抑えることが重要である。
火は空心を求め、人は虚心を求める
火は、並べられた薪の中心に空間があると活発に燃え上がる。同様に、人は素直で謙虚であることによって、成長を遂げることができる。
百尺竿頭に一歩を進む
努力を積み重ねること。
平時に焼香せず、臨時に仏の脚を抱く
普段は線香も供えないのに、困ったときだけ仏に助けを求めるということ。自分の都合の良い時だけ宗教や信仰に頼ることを指す。
塀に隙間あり、壁に耳あり
秘密の話をする際は、誰がどこで聞いているか分からないため、注意深く行動することが重要だという教訓。
蛇打ちて死なざれば、後患は無窮なり
蛇を打つ際には、完全に仕留めないと、後でさらなる問題が生じることがある。
堀は一度落ちれば、智恵が一つ増える
失敗もまた、価値ある経験であるということ。
「ま行」の中国のことわざ意味付き
水に近づけば魚の性を知り、山に近づけば鳥の音を識る
特定の場所や人物を深く理解したい場合、直接その場所や人物と関わることが必要である。
水の中の月を掬う
苦労ばかり多く、満足な成果が得られないこと、または叶わぬ大望を抱くことのたとえ。
路遥かにして馬の力を知り、日久しくして人の心を知る
馬は長距離を走らせることで実力が判明する。同様に、人と長く関わることでその人の良い面や悪い面が明らかになる。
三日漁をすれば二日網を干す
短期間で飽きて、どんな活動も長続きしないことや、そのような人を揶揄して言う言葉。
耳で聴くは虚なり、眼で見るは実なり
物事について、何度も聞くよりも、実際に自分の目で一度見る方が確かであるという意味。
耳になじみ目に染みていることは、学ばなくてもできるようになる
常に見聞きしているうちに、意識的に学ばなくても自然に身につくという例え。
耳を搔いて鈴を盗む
良心に反する行動を取りつつ、その事実を意識しないように心掛けること。
目に見えなければ心もわずらわされない
知ってしまうと怒りや悩みが生じるが、知らないままでいれば心が平穏でいられるということ。
明人には細かい説明は不要、響きのよい太鼓は強く打たなくてもよい
賢い人は、簡単な説明だけで状況や意味をすぐに把握できる。
門を出れば三人に譲る。老人、子供、女
弱い立場の人に対する思いやりや慈しみの心が重要であるということ。
門を閉じて車をつくる
世間知らずで独善的な行動をとっても、物事はうまく運ばないことが多い。
「や行」の中国のことわざ意味付き
山に虎がいないと猿が王様だという
真の専門家が不在の分野において、わずかに詳しいだけの人が専門家のように振る舞い、傲慢な態度を取ることを指す。
山の者は山に、水辺の者は水に頼る
ある地域に滞在する際は、その地域の慣習に従うことが望ましいということ。新しい環境に適応し、それに抵抗せず従うことが大切だという教訓。
雪の中へ石炭を送る
苦境にある人がいれば、ためらわずに支援の手を差し伸べることが大切である。
よく忍ぶ者に福あり
相手の意見や主張を辛抱強く聞くことができる人には、その忍耐に見合った幸運が訪れる。
世に悪しき父母はなし
子を思わない親はいないということ。
「ら行」の中国のことわざ意味付き
ラクダは痩せて死んでも馬より大きい
時が経過しても、状況が変わっても、価値ある人や物はそれ相応の価値があるという例え。
落花情あれども流水意なし
散る花が川の流れに惹かれるが、水は何も知らずにただ流れる。片思いで相手に伝わらない状況を表す例え。
良馬は後ろの草を食わず
良馬は、後戻りして自分の踏んだ草を食べたりしない。過去に囚われず前に進むことが大切だということ。