ヨーロッパ各国には、長い歴史を持ち、多様な文化が息づく土地柄から、さまざまなことわざが生まれています。
古来から伝わるこれらのことわざは、時代を超えて人々の知恵や人生観を映し出し、言語や文化の違いを越えて多くの人々に共感を与えています。
今回の記事では、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなど、ヨーロッパ各国から厳選したことわざをご紹介します。この記事を読めば、あなたもヨーロッパの叡智に触れ、人生の様々な場面で役立つ言葉を手に入れることができます。
さあ、ヨーロッパのことわざの世界へ、一緒に旅を始めましょう。
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目次
「あ行」のヨーロッパのことわざ意味付き
アヒルの背に水(オランダ)
どんな酷い目にあっても、顔色を変えることなく、平気なこと。または無神経なこと。図太いことのたとえとして使われる。
言うこととすることの間には、海が横たわっている(イタリア)
口で言うのはたやすいけれども、それを実行することはむずかしい。
一番ひどいのは負け戦、次にひどいのが勝ち戦(イギリス)
どちらに転んでも、戦争ほど悪いことは存在しない。
いちばん悪い車輪がいちばんひどくきしむ(ドイツ)
役立たずな人ほど、不平不満を口にする。
一足の靴に両足を入れるな(イタリア)
二人の恋人を同じ場所に招くな。
一歩一歩で人は遠くへ行く(フランス)
どんなに大きな事業でも、まずは手近なことの実行から始まるということ。何事も一歩一歩着実に進めることが大切だということ。
一本の髪の毛でさえ影をつくる(ドイツ)
どんな弱小なものにも、それ相応の意地や考えがあるのだから、ばかにしてはいけないということ。
犬と狼のあいだ(フランス)
向こうにいるのが犬なのか狼なのか判別できない夕暮れ時。たそがれどき。
ウサギは思わぬところから飛び出す(スペイン)
思いがけないようなことがおこること。また、冗談のつもりだったことが、現実に起こること。
うそをつくのが好きな者は盗むのも好き(ブルガリア)
嘘をついてはならないという戒め。
美しい娘は、顔に持参金をもっている(ドイツ)
娘の美しい顔立ちが、彼女の持参金の価値をさらに高める。
美しいものが美しいのではない、好きなものが美しいのだ(イタリア)
他人の評判や意見よりも、自分の好みに誠実に従うことが大切だ。
馬が彼を振り落としたが、彼はすみれの茂みに落ちた(ドイツ)
時には不幸な出来事が、意外にも幸運を引き寄せることがある。
馬がないなら、驢馬を使えばよい(オランダ)
他にも様々な方法が存在する。
馬の駆け出し、ロバのへたばり(スペイン)
初めの勢いが盛んであるが、終わりにかけて力が衰えることの例え。
牡牛を捕まえるには角をつかめ(フランス)
危険を冒さなければ大きな利益や成功は得られないということ。
狼の話をすると、尻尾が見える(フランス)
ある人の噂をすると当人がそこに現れるものだ。
お前を大好きな人が、お前を泣かせる(スペイン)
親は、子どもを手元においてあまやかさずに、世間に出して苦労をさせたほうがよいということ。
おもりをつけた足で歩く(スペイン)
とても用心深く、物事を行うたとえ。
親の愛は子に注がれ、見返りはない(フランス)
子供は親の気持ちをちっとも理解せず、勝手な振る舞いをすること。また、実際に親になってみなければ、親の気持ちというものは理解できないという意味。
女と布地はロウソクの光で見てはいけない(イタリア)
女性は夜の暗がりで見るとき、遠くから見るとき、笠かぶった顔をのぞいて見るときなどは、はっきりと見えないため実際より美しく見えるということ。
女は教会で聖女、街では天使、家では悪魔(フランス)
女性の気まぐれさを表現することわざ。
「か行」のヨーロッパのことわざ意味付き
賢いほうが譲る(ドイツ)
賢明な人は些細なことで争いを起こさない。
危険を冒さない者は海を渡れない(スペイン)
危険を冒さなければ大きな利益や成功は得られないということ。
教会に近づけば近づくほど神より遠ざかる(イギリス)
表面的な信仰は真の信仰とは言えない。
今日の卵は明日の鶏に勝る(イタリア)
目の前にある小さな確実な利益を得る方が、将来の大きな利益よりも良い選択である。
クジラの尻尾よりイワシの頭になる方がまし(スペイン)
大きなもので最下位よりも、小さなものでトップに立つ方が望ましい。
口に苦いものは胃にやさしい(フランス)
役に立つような忠告は、聞くのがつらいものだということ。
口を閉じていれば蠅すら入らない(スペイン)
不用意な発言は身を滅ぼす要因になるため、発する言葉は十分に慎むべきだという事。何気なく言った言葉が元で災難を招き、身を滅ぼすこともあるので、発言をする際には慎重にすべきだという事。
煙は美人の方へ流れる(イギリス)
無心の煙でさえ美女に惹かれる。なおさら人間の男性はその魅力に抗い難い。
恋のない一生は、夏のない一年(スウェーデン)
北欧の人々にとって貴重な夏のように、恋愛は人生において大切な存在である。
恋人にささやく言葉は、風や急流に書きつけるのがよい(イタリア)
後で読み返したら恥ずかしいことばかりだろうと思われるので、紙に書き留めない方が良い。
傲慢は転落の前に来る(ドイツ)
高慢な人は、つまずきや失敗により転落しやすい。
こそ泥は牢屋に入れられ、大泥棒は出世する(イタリア)
汚職が明るみに出た際、いつも小さな役割の人が捕まりやすい。一方、大物は陰でうまく逃れていることが多い。
言葉で話すより行動の方が多くを語る(ドイツ)
言葉よりも行動が重要である。
子供はいないが、名前は付けている(スペイン)
実際にまだ自分の物になっていない、手に入るかどうかもわからない不確かなものや利益に期待をかけて、計画を練る事。
困れば悪魔はハエを食べる(ドイツ)
さし迫った苦痛を回避するためには、ほかのことを犠牲にしてもしかたない。大きなことをするためには、小さな犠牲には構っていられない、小さなことはどうでもいいというたとえ。
転ぶのが恥ではなく、起き上がらないのが恥(ドイツ)
誰でも失敗することはある。大切なのは、その後どのように対処するかだ。
困窮は祈ることを教える(ドイツ)
普段は信仰心をもたないものが、病気や災難などにあって苦しいときにだけ、神に祈ってあてにすること。
「さ行」のヨーロッパのことわざ意味付き
最後に笑う者が最もよく笑う(フランス)
最後に勝利を手にする者こそ、真の勝者である。
財産は眠っているうちにやって来る(フランス)
幸福というものは人の力ではどうすることもできないから、やるべきことをやったら、自然に身を任せ気長に待つことが良いということ。
猿は高く登れば登るほどお尻を見せる(ドイツ)
猿が木に高く登れば尻が見えるように、地位が上がり突然偉くなった卑しい人は、すぐに本性が露わになることがある。
幸せを知るのに、人は若すぎることもなければ、老いすぎていることもない(イタリア)
年齢に関係なく、幸せな恋愛を経験することはできる。
時間は最良の説教者である(ドイツ)
時間が経つことで、多くの問題が解決される。
仕事は仕事、酒は酒(ドイツ)
仕事と遊びは、バランス良く区別しよう。
死者は噛みつかず(ギリシャ)
死者は噓をつかないということ。
思想に関税はかからない(ドイツ)
どんな思考があろうと、誰もが考えることだけは自由である。
冗談がしばしば本当になる(ドイツ)
思いがけないようなことがおこること。また、冗談のつもりだったことが、現実に起こること。
食後のからし(イギリス)
おそすぎて役に立たないことのたとえ。
知らないことが恥ではなく、質問しないことが恥(トルコ)
自分の知らないことはそのままにせず、積極的に聞いたほうが良いという意味。
空き腹に堅いパンはなく、ソースもいらない(スペイン)
空腹時に食べる物は、どんな物でもおいしく感じるということ。食事だけでなく、欲しい物について選り好みできない場合のたとえにも使う。
「た行」のヨーロッパのことわざ意味付き
高い木はたくさんの風をとらえる(オランダ)
高い地位にいる人は、多くの責任を背負うことになる。
楽しい人には草も花、いじけた人には花も草(フィンランド)
楽天的な人には退屈なものも魅力的に映るが、悲観的な人には魅力的なものも面白くなく感じられる。
食べていると食欲がわく(ドイツ)
手に入れるほど、さらに欲望が増す。
玉子一つ与えて牛一頭を得る(フランス)
あまりお金をかけたり苦労したりせず、大きく得をすること。
誰と付き合っているかを言えば、君の正体がわかる(スペイン)
人は環境に支配されやすいので、付き合う友達によって良くも悪くもなるということ。
短気は絶望の母(イタリア)
すぐにいらいらして短気を起こすと、喧嘩をしたり、あぶない目にあったりして、結局は短気を起こした本人が損をするという事。
チェスが終われば、王様も歩兵も同じ箱に帰る(イタリア)
どれだけ偉大な人であろうと、地位が低い人であろうと、死に至ってはみんな同じである。人生の始まりと終わりは平等だと言える。
知恵の数より毛が多い(イギリス)
知恵が不足していることを遠回しに表す表現。
手紙には目を落とさず、金庫には手を触れず(スペイン)
疑われる可能性のあることは控えるべきである。
手の中の雀は、屋根の鳩よりもよい(ドイツ)
遠くの良いものより、身近な劣ったものの方が価値がある。
時が来れば知恵も浮かぶ(ドイツ)
今は思うようにいかなくても、あせらずに待っていれば、良いことはそのうちにやってくるということ。
閉じた口にハエは入らない(スペイン)
不用意な発言は身を滅ぼす要因になるため、発する言葉は十分に慎むべきだという事。何気なく言った言葉が元で災難を招き、身を滅ぼすこともあるので、発言をする際には慎重にすべきだという事。
隣の鶏はうちの鶏よりたくさんの卵を産む(スペイン)
他人のものは自分のものよりよく見えるということ。
どの雲にも銀の裏地がついている(イギリス)
黒い雨雲の裏が白く光るように、不運の中にも一筋の希望が存在するということ。
どんな名馬でもつまずくことがある(フランス)
どんな名人でも、まちがえることがあるということ。
「な行」のヨーロッパのことわざ意味付き
何一つ危険を冒さない者は何一つ得られない(フランス)
危険を冒さなければ大きな利益や成功は得られないということ。
鍋がやかんを黒いという(イタリア)
少しの違いはあることはあるが、本質的には同じことだという。
鍋を見下すのはフライパン(フランス)
少しの違いはあることはあるが、本質的には同じことだという。
ナポリを見て死ね(イタリア)
ナポリを見ろ、それから死ね。それほどナポリが美しい都市だということ。
馴れ馴れしさは軽蔑を生む(フランス)
とても親しく仲の良い関係であっても、礼儀は守るべきであり大切なことであるというたとえ。なれなれしくなると、それが喧嘩のもとになるので、親しいからとあまえてはいけない。
猫のように、熱いおかゆのまわりを歩く(フィンランド)
何か伝えたいことや行いたいことがあるものの、実際には物事の本質に触れず、発言や行動を控える人のこと。
眠っている海老は流される(スペイン)
気を緩めていると大きな失敗のもとになるから、油断というものはおそろしい敵と同じである、と油断することをいましめた言葉。
寝れば寝るほど、人生が減る(スペイン)
時間は有限であり、貴重である。
年齢は愚かさから守られない(ドイツ)
年を重ねた愚か者は救いようがない。
「は行」のヨーロッパのことわざ意味付き
歯が痛むところに舌が当たる(イタリア)
痛い歯に触れたくないほど舌が当たるように、触れたくないことほどうっかり口に出してしまうものだ。
バッグの中の猫が買い物をする(オランダ)
無意味なものを衝動的に購入すること。
早起きする者を神は助ける(スペイン)
早起きをすれば、なにかしらよいことがある。
光るもの必ずしも金ならず(イタリア)
見かけに惑わされるな。
人の口は袋じゃない、縛っておけない(ブルガリア)
世間の噂は防ぎきれない。
人を褒めるのは死ぬまで待て(イギリス)
人に対する評価は、対象者自身の変化や、自分の心の状態によって頻繁に変わることがある。
昼と夜だ(フランス)
二つのものを比べたら、あまりにちがっていることのたとえ。
貧乏は愛を殺す(フランス)
どんなに愛し合っている夫婦でも、貧困に陥ると愛情が揺らぐことがある。
福をもたらさぬ禍(わざわい)は無し(スペイン)
人生の苦楽はどちらかに偏ることはないということ。苦しいことがあれば楽しいことがある。
不幸は決して単独では来ない(フランス)
悪い事が起きた中で、更に悪い事が重なっておこること。
不在者は悪者扱い(イタリア)
欠席裁判のこと。
ブタにジャムを与える(フランス)
どれほど貴重なもの・高価なもの・価値のあるものでも、持ち主がそれを知らなければ何の値打ちもないことを意味します。すばらしいものを見せても、効果や反応がない事を意味することもあります。
二人が争えば第三者が喜ぶ(ドイツ)
双方が争っているすきにつけこんで、第三者が利益を横取りすること。
古い壁と新しい壁は、どうしても馬が合わない(イタリア)
世代が違うと軋みが生じがち。新しいものと古いものとがうまく調和するのはまれである。
古い鍋でこそいちばん美味しいスープができる(フランス)
長年かけて身につけた知恵や経験は、貴重であるということ。
ベーコンを求めてソーセージを投げる(ドイツ)
あまりお金をかけたり苦労したりせず、大きく得をすること。
法皇さまが死ねば別のが法皇さまになる(イタリア)
全ての人事は交代可能であり、誰もが他の人と交換できないという状況は存在しない。
翻訳者は裏切り者(イタリア)
十全な翻訳は不可能である。
「ま行」のヨーロッパのことわざ意味付き
曲がって生まれた木は決してまっすぐに育たない(スペイン)
物事を行うには、それに適切な時期を失してはいけない。
まっすぐな道がいちばんよい(ドイツ)
何事においても正直に振る舞う者には神の加護があるということ。
祭りが過ぎると聖人は笑いものにされる(イタリア)
病気や災難などにあって苦しいときにだけ、あてにすること。
道連れがなければ旅に出ない方がまし(トルコ)
旅には良き仲間が必要である。
みにくい愛はない。愛の対象はつねに美しい(フランス)
好きになるとどんな欠点でも長所に見えるということのたとえ。
耳は二つで口は一つ、自分が話す二倍だけ聞け(トルコ)
人の話を熱心に聞くことは非常に大切である。
名酒は看板を要しない(イタリア)
本当に良質な酒は、わざわざ看板を出さなくてもよく売れる。
面と向かって話す者は裏切らない(イタリア)
面と向かって話す人は信用ができる。
目で見たことを心は信じる(ドイツ)
物事は、耳で何度も聞くより、一度実際に自分の目で見るほうがたしかだということ。
もらった物は高くつく(イギリス)
一時的に無料であったり極端に安価であるものは、後々になってそれ相応、もしくはそれ以上の対価を払うことになるという事。世の中は都合よく出来ているわけではないという戒め。
「や行」のヨーロッパのことわざ意味付き
やけどした猫は冷たい水を怖がる(フランス)
たった一度の失敗に懲りて、必要以上に注意深くなることを表している。
安い肉のシチューはまずい(トルコ)
安いからといって物を買っても、品質が悪かったり、使い道がなかったり、役に立たなくて、高い物を買うよりも、結局損をすることになるということ。
ヤギとキャベツの両方に気を配らねばならぬ(フランス)
仲裁は、双方が満足するように行わなければならない。
誘惑を征する最も確実な方法は、誘惑に屈することである(フランス)
欲望はこれを満足させることによってのみ支配しうる。
よいことをするのに人を選ぶな(スペイン)
良いことをするときは、相手を選ばず、見返りも期待せずに行うべきである。
良い弁護士は悪い隣人(イギリス)
有能な弁護士は、口が達者なため、近隣住民としては具合が悪い。
よく飛ぶために後ろへ下がれ(フランス)
好機を待てということ。
汚れた洗濯物は家族で洗わなければならない(フランス)
身内の問題は、他人に見せるべきではないということ。
嫁を選ぶなら土曜日に選べ(イギリス)
本当の人柄や性格を知るには、その人が普段着ている姿を見ることが大切である。
よりどり見どりはよりそこなう(イギリス)
あまり選り好みしすぎると、良い機会を逃してしまう。
「ら行」のヨーロッパのことわざ意味付き
ライオンの尻尾となるより、犬の頭にあるほうがまし(イギリス)
大きな集団の中の下にいるよりも、小さな集団の先頭に立てといういましめ。人に従属するよりも独立したほうがよいとするたとえ。
恋愛と煙は隠せない(フランス)
秘密は必ず暴かれる。
ロバにスポンジケーキ(ポルトガル)
どれほど貴重なもの・高価なもの・価値のあるものでも、持ち主がそれを知らなければ何の値打ちもないことを意味します。すばらしいものを見せても、効果や反応がない事を意味することもあります。
ローマにおいてはローマ人のようになせ(フランス)
その土地に行ったら、その土地のしきたりに従うのが良いということ。新しい環境に移ったら、それに逆らわず従うべきだという教え。
鷲は蠅をとらない(ドイツ)
鷲ともなれば、蠅がいくら周りをうるさく飛び回ろうが見向きもしない。偉大な人物は、些細なことには気を取られず、大局的な視点で物事を見ることができるということ。
私にとってはソーセージ(ドイツ)
自分自身にとっては重要でないということ。
笑いは良い血をつくる(イタリア)
いつも明るくほがらかに暮らしている人の家には、自然に幸せがやってくるものだ。
悪い知らせには翼がある(フランス/スペイン)
悪い行為や評判は、たちまちに千里の遠方まで知れ渡ること。
我々の後に大洪水あれ(フランス)
今がどうにかなれば、後はどうにでもなれということ。