【一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く】の意味と使い方や例文!語源由来は?(類義語)

一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く

【ことわざ】
一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く

【読み方】
いちにほめられにににくまれさんにほれられしにかぜひく

【意味】
くしゃみ一回は誰かに褒められ、二回は憎まれ、三回は惚れられ、四回は風邪を引いたしるしだという、くしゃみの回数に意味をつけた言い伝え。

ことわざ博士
「一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く」は、くしゃみと噂を結びつける俗信を、調子よく並べたことわざなんだよ。
助手ねこ
実際の診断ではなく、くしゃみをした人をからかったり、体調を気づかったりする場面に用いるニャン。

【類義語】
・一誹り二笑い三惚れ四風邪(いちそしりにわらいさんほれしかぜ)
・噂をされると嚔が出る(うわさをされるとくしゃみがでる)

「一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く」の語源・由来

ことわざを深掘り

「一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く」は、くしゃみの回数に意味をあてはめたことわざです。一回ならよい噂、二回なら悪い噂、三回なら恋の噂、四回なら本当の風邪、というように、体に起こる小さな変化を、人の評判や思いと結びつけています。

この考えの根には、「くしゃみが出るのは、どこかで誰かが自分のことを言っているからだ」という古い俗信があります。中国では、『詩経(しきょう)』に、くしゃみを人の噂と結びつける古い考えがあり、くしゃみが出れば誰かが噂していると受け取る見方が伝わっていました。

日本でも、くしゃみは古くから、ただの生理現象としてだけでなく、人の思いや霊的なものと結びつけて考えられました。『万葉集』(8世紀後半成立、奈良時代)には、くしゃみを恋人が自分を思っているしるしと見る歌があり、上代には、くしゃみが恋の前兆として受け取られることもありました。

一方で、くしゃみは不吉なもの、命にかかわるものとしても恐れられました。『徒然草(つれづれぐさ)』(14世紀前半ごろ成立、吉田兼好著)第47段には、くしゃみをした時に「くさめ」と唱えないと死んでしまうと信じる老尼の話が出てきます。ここでは、くしゃみをすると魂が外へ出て寿命が縮むと考え、それを防ぐ言葉として「くさめ」を唱える習慣がうかがえます。

「くしゃみ」と噂を結びつける発想は、時代を経るうちに、より軽く、遊び心のある言い方へと変わっていきました。「一誹り二笑い三惚れ四風邪」のように、一回から四回までを順に数え、悪口、笑い、恋、風邪へと分ける形もあります。これと同じ型の変化として、「一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く」という形が広まりました。

このことわざには、地域や資料によって、少しずつ異なる形があります。「一ほめられ二笑はれ三そしられ四風引く」のような言い方や、「一つ褒められ、二つ憎まれ、三つ惚れられ、四つ風邪をひく」に近い形もあります。どの形でも、くしゃみの回数に人の噂や思いを結びつけ、最後に「風邪」という実際の体調の心配へ落とすところが共通しています。

「四に風邪引く」が最後に置かれているため、このことわざは、単なる恋や噂の言い伝えだけでは終わりません。三回までは人の評判や思いとして楽しげに受け取り、四回になると、さすがに体調が悪いのではないかと見るところに、生活の実感があります。

現在では、このことわざは、本気で病気を判断するための言葉ではなく、くしゃみをした人に対する軽い声かけとして使われます。くしゃみをした相手を少しからかいながらも、最後には「風邪ではないかな」と気づかう、昔の俗信が残ったやわらかなことわざです。

「一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く」の使い方

健太
はっくしょん! さっきから三回もくしゃみが出たよ。
ともこ
三回なら、一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引くで、誰かに惚れられているのかもね!
健太
えっ、本当かな? でも、鼻も少しむずむずするんだ。
ともこ
四回目が出る前に、手を洗って、温かくしておいたほうがいいよ!

「一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く」の例文

例文
  • 友人が二回続けてくしゃみをしたので、一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引くと言って笑い合った。
  • 一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引くというが、四回もくしゃみをした弟には早めに休ませた。
  • 寒い体育館でくしゃみが止まらない友人を見て、一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引くを思い出した。
  • 祖母は、くしゃみをした私に一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引くと言って、上着を貸してくれた。
  • 一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引くは、くしゃみの回数に意味をつけた昔ながらのことわざである。
  • 教室で三回くしゃみをした健太は、一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引くだと友だちにからかわれた。

主な参考文献
・新村出編『広辞苑 第六版』岩波書店、2008年。
・平凡社編『改訂新版 世界大百科事典』平凡社、2006年。
・佐竹秀雄・武田勝昭・伊藤高雄編、北村孝一監修『故事俗信ことわざ大辞典 第二版』小学館、2012年。
・現代言語研究会著『日本語を使いさばく故事ことわざの辞典』あすとろ出版、2007年。
・『詩経』。
・『万葉集』8世紀後半成立。
・吉田兼好『徒然草』14世紀前半ごろ成立。




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