「ら行」の故事成語一覧
李下に冠を正さず(りかにかんむりをたださず)
人から疑われるような、まぎらわしい行動は避けよというたとえ。
【故事】
「李下」は、スモモの木の下のこと。スモモの木の下では、冠をかぶりなおそうと手を上げないほうがよい。なぜなら、人からスモモを盗んでいるのではないかと疑われないためである。【出典】古楽府[君子行]
遼東の豕(りょうとうのいのこ)
世の中のことを知らずに、自分だけが得意になること。独りよがり。
【故事】
「後漢書(ごかんじょ)」朱浮(しゅふ)昔、遼東に住む男の家に、頭の毛が白い豚の子が生まれた。これは珍しいからと王に献上しようと思い、河東まで行ったところで豚の群れを見たら、そこの豚はみんな頭の毛が白かった。そこで男は恥ずかしくなって、こそこそ引き返してきたという故事に基づいている。
良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)
良い薬は、苦くて飲みにくい。人の忠言は聞きずらいものだが、ためになる。という事のたとえ。
【故事】
『史記(司馬遷による、中国の歴史書)』「留侯世家」より。都を占領してすっかり気の緩んだ劉邦(りゅうほう)に対して、軍師の張良(ちょうりょう)が、人の戒めを聞くよう忠告した時の言葉。