ロシアは広大な国土と多様な文化を持つ国ですが、その歴史と伝統を反映した多くのことわざが存在します。
これらのことわざは、古くからの知恵や経験が詰まった短い言葉で、日常生活や人間関係、自然についての教訓を伝えています。本記事では、ロシアの有名なことわざ一覧を五十音順でご紹介します。
これらのことわざを通じて、ロシアの文化と人々の考え方に触れ、また普遍的なメッセージにも繋がる知恵を学んでいきましょう。
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目次
「あ行」のロシアのことわざ意味付き
悪魔は描かれているほど怖くない
何かをする前はあれこれと心配するが、実際にやってみると案外簡単にできるものだということ。
朝は晩より賢い
一晩寝ると、次の朝には良いアイデアが思いつくことがある。
家のゴミを外へ出すな
自分の家庭の問題を外にさらすな。
一枚目のプリンはだんごになる
物事ははじめからスムーズに進むわけではない。
犬がどこを向いても、尻尾は後ろ
悪いことや後ろめたいことをしたとき、すっかりかくしたつもりでいても、その一部が現れていること。
飢えは叔母さんではないからピロシキをくれたりしない
困難な状況に直面したときは、自分で解決策を見つけなさい。
動かぬ石の下に水は流れない
自分で行動を起こさないと、何も手に入らない。
馬は四本足でもつまづく
どんな名人でも、たまには失敗をすることがあるということ。
オオカミが怖けりゃ森へ行くな
危険を冒さなければ大きな利益や成功は得られないということ。
夫と妻とは同じ悪魔
一見別に見えても、実は同類であるという意味。多く悪人についていう。
乙女の恥じらいは閾まで
独身女性が一度結婚し、夫の家に入ると、恥じらいを忘れ、すぐに妻としての役割を担うように変わる。
贈られた馬の歯は調べない
贈り物に対して文句を言うな。
怖気づいたカラスは低木をこわがる
たった一度の失敗に懲りて、必要以上に注意深くなることを表している。
女は暖炉から飛び降りる間に七十七回考えを変える
年齢関係なく、女性の感情は秋の天気のようにコロコロと移ろいやすく、気まぐれだということ。
「か行」のロシアのことわざ意味付き
賢い嘘は愚かな真実にまさる
何かをすんなりと進めるためや、より良い結果を得るための手段として、嘘をつくのが必要なときもあるということ。
悲しみは海ではないから、すっかり飲み干せる
時間が経てば、悲しみもすっかり忘れることができる。
金持ちには仔牛ができ、貧乏人には子ができる
貧乏人にはとかく子供が多いということ。
鐘を鳴らし終わったら鐘楼に用なし
今がどうにかなれば、後はどうにでもなれということ。後のことは自分の知ったことではない、という開き直りの気持ちを表すことば。
紙は何にでも耐えられる
書物や新聞記事を盲信するな、紙にはどのようなことだって書ける。
髪も長いが、舌も長い
女性のおしゃべり好き、口の軽さを言ったもの。
かわいそうなマカールに松かさがどっと降りかかる
悪い事が起きた中で、更に悪い事が重なっておこること。
きのこだと名乗った以上はカゴに入れ
やりかけたことは、最後まで責任を完遂しよう。
きのこ饅頭を食うとも、舌は歯の奥にしまえ
不用意な発言は身を滅ぼす要因になるため、発する言葉は十分に慎むべきだという事。何気なく言った言葉が元で災難を招き、身を滅ぼすこともあるので、発言をする際には慎重にすべきだという事。
生娘は知らぬところが飾りになる
知識が過ぎる娘は敬遠される。カマトトの賛美。
キャベツスープ一杯でも立派な大人
貧しい暮らしでも、他人に頼らずに生活しているのであれば、それは立派なことである。
牛乳でやけどして水を吹く
一度の失敗から教訓を得て、過剰に慎重になること。
教会は近いが神は遠い
どれだけ信仰心が強くても、現世の教会がすぐに応えてくれるわけではない。
錐は袋に隠せない
秘密はいつか明るみに出るものだ。
金曜日の下から土曜日がはみ出る
上着の裾から下着が見える様子をからかう言葉。
屑が埃を笑う
自分の欠点には気づかないで、他人の欠点をあざ笑うことのたとえ。あざ笑うものも、笑われるものも大した違いはないということ。
熊の親切
余計なお世話。
群を率いるより群に従うがよし
どんなことでも、急ぎすぎると問題を引き起こすことがある。
けんかの後でこぶしは振り回さない
物事が終わった後に後悔をしても手遅れであるということ。
恋はお利口さんをも馬鹿にする
恋に落ちると、人は盲目になることがある。
仔牛が死に穀物が増える
身にふりかかる災難を活用して、自分に役立つものとして利用するさま。不幸なことが一転して幸福に転じるさま。
皇帝のおぼえより猟犬番のおぼえ
皇帝のおぼえが素晴らしくても、直接の上司のおぼえが悪ければ、何の役にも立たない。
皇帝の近くは死の近く
皇帝の寵愛に安心してはならないという戒め。
凍え面に吹雪
悪い事が起きた中で、更に悪い事が重なっておこること。
心は心に便りを伝える
無言のうちに心が通じ合うこと。考えていることが言葉を言わずにお互いが理解しあう間柄のこと。
言葉から実行まで百の区間あり
口で言うのはたやすいけれども、それを実行することはむずかしい。
ごみは家の外に持ち出すものではない
家庭内の問題や恥ずかしいことは、外部に公開すべきでない。
子守が七人いると子どもに目が届かない
指図する人が多すぎると、方針が統一できずに、物事がうまく運ばないこと。
肥しは神様をも欺く
平生から事に備えて準備をしておけば、何の心配もなくなるということ。
「さ行」のロシアのことわざ意味付き
最初のブリヌィはだんごになる
物事は、人に教わるよりも自分で直接体験してゆく方が身につくということ。
魚に泳ぎを教えるな
その道を知り尽くしている相手に、不必要なことを教えることのたとえ。
魚のいないところではザリガニも魚
本当にその分野の優れた人がいないところでは、少し詳しいだけであたかもその分野の専門家のように威張り、偉そうにする人を意味する。
魚は頭から腐る
組織は上層部の劣化から崩壊が始まる。
雑草の育ちは早い
人に憎まれるような人ほど、世渡り上手で、世間では出世したり成功したりする。厚かましい人は嫌われるけど長生きできるという意味です。人に憎まれるくらいの方が、世の中上手くいくという例えです。
仕事は熊ではないから森に逃げない
何事もあわててやると失敗することが多いので、落ち着いて行動しようということ。
舌の上でははちみつ、でも心の中は氷
言葉で良いことを言っているが、心の内では反対のことを思っている。
七度測って一度で裁て
服を作る際には、何度も注意深く寸法を測り、その後裁断せよということ。
七人の乳母では子供に目が届かない
七人の乳母がいると、お互いに他人任せになり、誰も子供の世話を真剣にする気にならない。
七人の子が母一人を心配する以上に、一人の母は七人の子を心配する
子供は親の気持ちをちっとも理解せず、勝手な振る舞いをすること。また、実際に親になってみなければ、親の気持ちというものは理解できないという意味。
自分の舌は自分の敵
不用意な発言は身を滅ぼす要因になるため、発する言葉は十分に慎むべきだという事。何気なく言った言葉が元で災難を招き、身を滅ぼすこともあるので、発言をする際には慎重にすべきだという事。
自分の巣穴ではネズミもライオン気取り
本当にその分野の優れた人がいないところでは、少し詳しいだけであたかもその分野の専門家のように威張り、偉そうにする人を意味する。
冗談に真実あること多し
初めは嘘のつもりで言ったことが、結果として本当になってしまうこと。
雀を大砲で撃つなかれ
過剰な手段を使うことを例える表現。
急いては人に笑われる
急いでいる時は、少しぐらい危険でも近道をしたくなるが、遠回りでも安全な道を行ったほうが結局は早いことが多いということ。急ぐ仕事はかえって丁寧に、確実なやり方でやれという意味でも使われる。
背丈はイワンと同じで知恵は馬鹿と同じ
図体ばかりが大きくて、中身が伴わず、何の役にも立たない人のこと。見かけだおしの人を指していう。
「た行」のロシアのことわざ意味付き
尋ねたくらいで鼻はぶたれない
わからないことがあれば尋ねよう。困ったときは人に助けを求めよう。
他人の口にスカーフはかぶせられない
世間の噂は防ぎきれない。
他人の橇には乗るな
自分と身分が違う仲間に無理して合わせることは避けるべきだ。
壺と釜は仲間じゃない
二つのものを比べたら、あまりにちがっていることのたとえ。
釣り好きは遠くからでも釣り好きが分かる
同類は自然に集まるものだということ。または、志の同じ者はお互いを引き寄せるという意味。
手が手を洗う
右手と左手が互いに洗い合い、どちらも綺麗になる。これは仲間同士がお互いの不正を守り、悪事が露見しないようにする意味。
出来すぎは不作に劣る
農作物が豊作になると、価格が下がる。
どこに倒れるか知っていたらそこに藁を敷いておいたのに
すでにしてしまったことを、後から悔やんでもどうにもならないということ。また、取り返しがつかないので、最初からよく考えて行動しようというときにも使う。
年を取った馬は畝を崩さない
年長者の丁寧な仕事ぶりを称賛する言葉。
どんな賢者にも抜けたところがかなりある
どんな名人でも、まちがえることがあるということ。
「な行」のロシアのことわざ意味付き
夏にソリを用意し、冬に荷馬車を用意せよ
何かあっても困らないように、しっかり用意しておくことが大切だということ。
生半可な知識は害しかない
十分に身に付いていない知識や技術、少しばかりの知識や技術に頼ると、逆に大きな失敗をするという意味。
肉でも魚でもない
海のものとも山のものとも分からない。
荷車から落ちた物は失せた物
一度したことは、もはや取り返しがつかないことのたとえ。
二頭の熊は同じ巣穴では暮らせない
二人の有能な人がいると、対立は避けられない。
盗人の帽子は燃えあがる
盗人が群衆に紛れていたが、言われたことにより慌てて頭に手を置いたため、その正体が明らかになった。
猫同士がけんかしている時は鼠らには気楽な時間
きびしく注意する人や、こわい人がいない間に、思いっきりくつろいで息抜きをするという意味。
猫には広すぎ犬には狭すぎる
どちらつかずで、中途半端で、何の役にも立たないたとえ。
蚤に腹を立てて毛皮の外套をかまどに投げ込む
すぐにいらいらして短気を起こすと、喧嘩をしたり、あぶない目にあったりして、結局は短気を起こした本人が損をするという事。
「は行」のロシアのことわざ意味付き
バカにものを教えるのは、死んだ人間を治療するようなものだ。
愚かな者はどうしようもない。様々な方法を試しみたものの、あきれるしかない。
肘は近くにあるのに噛めない
見た目は簡単に見えるが、実際にはできないこと。
一人の聖者なくして都は立ちゆかず、一人の義人なくして村は立ちゆかぬ
欲深い人ばかりが集まる社会は成り立たない。
一人の知恵もよいが、二人ならもっとよい
一人よりも複数人で考えるほうが、よい知恵がうかぶということ。
ひよこは秋に数えるもの
春に生まれたひよこが全て無事に育つわけではないことから、不確かなものよりも確実なものに頼るべきだという意味。
服装によって迎え、才能によって送る
最初は見た目で判断すsることが多いが、人物を理解すると才能を重視するようになる。
服に合わせて足を伸ばせ
人はそれぞれ自分に相応しい生活を送ることが大切だ。
不幸は決して単独ではやって来ない
一つの災難が過ぎて、すぐにまた次の災難が起きること。
二人が争えば三人目が喜ぶ
双方が争っているすきにつけこんで、第三者が利益を横取りすること。
他の僧院に自分の掟を持ち込んではならない
その土地に行ったら、その土地のしきたりに従うのが良いということ。新しい環境に移ったら、それに逆らわず従うべきだという教え。
乾し草の上の犬、自分で食わず他人にもやらず
犬は乾し草を食べないにもかかわらず、それを占領し、他の人を近づけないようにする。これは、物惜しみする人について言う。
「ま行」のロシアのことわざ意味付き
間違うことができたのなら直すこともできるはず
過ちを置かした時は、他人の目や己のプライドなどを全部消し去り、すぐさま改めないといけないという戒め。
密告者にまず鞭を
密告者については、最初に鞭で打ってその情報の真実性を検証するということ。
ミルクで火傷すれば水にも息を吹きかける
たった一度の失敗に懲りて、必要以上に注意深くなることを表している。
無為はあらゆる不道徳の母
人は暇になるととくなことをしない。
村じゅうから糸を一本ずつ集めれば裸ん坊にシャツを作ってやれる
互いに助け合うことの重要性を説いたもの。
鞭で斧は砕けない
権力や強者に対抗することは難しい。
無理強いで愛は得られない
強制的に相手に従わせることはできるが、そのような方法では愛情は得られない。
目が恐れても手が行う
何かをする前はあれこれと心配するが、実際にやってみると案外簡単にできるものだということ。
目から遠くなると心に近くなる
離れていると、より強く想いが募ることがある。
モスクワは涙を信じない
泣いても現実は変わらず、泣き言で同情を求めても意味がない。
貰った馬なら歯を調べぬ
馬を購入する際は、騙されて老馬を押し付けられないように歯をチェックするが、無料で手に入れた馬ならそこまで検査する必要はない。
「や行」のロシアのことわざ意味付き
屋敷を買うな、隣人を買え
立派な邸宅を持つよりも、困ったときに力を貸してくれる隣人を持つ方が安心できる。
良いことなしの悪いことなし
人間の運命や幸不幸は予測できないということのたとえ。
よい評判は横たわり、悪い評判は走る
悪い行為や評判は、たちまちに千里の遠方まで知れ渡ること。
よその僧院に自分たちの掟を持ち込むな
その土地に行ったら、その土地のしきたりに従うのが良いということ。新しい環境に移ったら、それに逆らわず従うべきだという教え。
より静かに進めば、より遠くまで行ける
急いでいるときこそ、冷静になって行動するべきである。
日本の「急がば回れ」
酔っぱらいには海も膝まで
酔っ払った人は自信に満ち、自分の能力を過剰に評価する。
酔っぱらいは醒めるが、馬鹿は醒めない
馬鹿をなおす方法はない。
「ら行」のロシアのことわざ意味付き
漁師は遠くからでも漁師がわかる
同類は自然に集まるものだということ。または、志の同じ者はお互いを引き寄せるという意味。
りんごはりんごの木の近くに落ちる
子供は親とあまり違いがないものである。
「わ行」のロシアのことわざ意味付き
私がいないところで私が結婚していた
自分が関係者であるにもかかわらず、知らない間に決定されていた事項のたとえ。
笑いは最高の薬
いつも明るくほがらかに暮らしている人の家には、自然に幸せがやってくるものだ。
悪口は襟首にはぶら下がらない
どんな悪口も無視すれば、それによる痛みや不快感は感じなくなる。