慣用句とは何か知っていますか?
ことわざや故事成語とはどう違うかをしっかりと説明できる人はいがいに少ないと思います。


といろんな意見があるかもしれませんが、慣用句とは何か?慣用句の正しい意味や使い方はどのようなものなのか?ことわざや故事成語との違いは何なのか?
わかりやすく紹介していきます。
慣用句の意味
慣用句とは、二つ以上の語から構成され、句全体の意味が個々の語の元来の意味からは決まらないような慣用的表現。「骨を折る」「油を売る」「間髪を入れず」など。イディオム。という意味です。
ちなみに「慣用」の意味は、つかいなれること。広く一般に用いられること。「慣用に従う」「慣用されている言い方」という意味です。
例えば、よく使われる「胸が躍る」という慣用句。この慣用句は、期待や興奮などで胸がわくわくするという意味です。

というように使います。みなさんご存じかと思いますが、実際に胸が体から外れて、ひとりでに躍るわけではありません。
「胸が躍る」ように、わくわくどきどきする、楽しみだという例えです。慣用句は、文章そのままの意味ではありません。
なので、注意しないと間違った使い方をしてしまい、会話が成立しないという事態になりかねません。
例えば、慣用句の意味や用法を知らない人に向かって、


というちぐはぐな会話になってしまいます。また、話す方も慣用句の意味を正しく理解して使わないと、


と一刀両断されてしまうことになります。なので、慣用句の正しい意味を理解して使うようにしましょう。
慣用句の特徴
慣用句の意味で紹介しましたが、慣用句とは、慣用されている言い方、つまり、つかいなれること、広く一般に用いられている言い方のことです。
例えば、「親のすねをかじる」という慣用句があります。子供が一人立ちできる年齢になっても、自立しないで親に養ってもらうことです。
本当に、親のすねをかじったら、家庭内暴力だと警察に通報されてしまいますし、親のすねにがぶりとかじりついたことがある人は、ほとんどいないと思います。
慣用句とは、「親のすねをかじる」のように、使われている語句だけでは意味がわからない語句のことです。これが慣用句の特徴と言えます。
リズムが良い言葉の組あわせだったりしますが、おもに、生活に密着した親しみのある言葉が使われていることも慣用句の特徴です。
多くの人々が何気なく口にしながら何百年と使われてきた言葉が慣用句なのです。
慣用句とことわざ・古事成語の違い

と思われた方がいるかもしれません。慣用句とことわざ、そして、同じようによく使われる故事成語との違いについて調べてみましょう。
「ことわざ」とは、古くから人々に言いならわされたことば。教訓・諷刺などの意を寓した短句や秀句。「蒔かぬ種ははえぬ」の類。という意味です。
「蒔かぬ種ははえぬ」とは、努力も何もしなければ、良い結果は得られない、原因がなければ結果もないという意味です。
何かを得ようとするならば、それなりの努力が必要だという教訓を含んだ言葉です。
「ことわざ」は、慣用句のように、ある状況を例えた語句ではなく、教訓を含んだ言葉だといえると思います。
次に「故事成語」は、故事に基づいてできた語。特に、中国の故事に由来する熟語。「杞憂」「四面楚歌」など。という意味です。
慣用句は、親しみのある語句を使用したものですが、故事成語は、中国の故事に由来する語句です。なので、普段使わない言葉が使用されている分、「杞憂」と急に言われてもまったくもって何のことかわからないと思います。「憂い」という漢字があるから、なんとなく悩み事のことをいっているのかなとわかる程度だと思います。
会話で使うとかっこいいですが、慣用句のような親しみのある語句は使われていません。
まとめ
慣用句の意味を理解していただけたでしょうか。
慣用句は、ことわざや故事成語と異なり、生活に密着した親しみのある語句から成り立っています。
なので、慣用句を知れば知るほど、昔の人も同じような感覚をもって生きていたんだということがわかり、時代を超えて、昔の人々に親しみを覚えることができます。
また、「河童の川流れ」のように、河童が存在すると信じられていたんだというように、伝承について知ることもできます。
そして、慣用句を使うと、機知に富んだちょっと賢い会話になります。慣用句の正しい意味を知って、慣用句を使いこなし、会話を盛り上げてぜひ楽しんでください。
関連:慣用句一覧