『論語』(ろんご)は、儒教の経典で、孔子とその門弟たちの言行を記録した書物です。
この文献は、儒教の根本文献として、20編から成り立っており、孔子とその弟子たちの問答や孔子の日常の行動、高弟の言葉などが収められています。
内容は孔子の教えやその個性豊かな弟子たちの勉学の様子を反映し、実践的な倫理や人物像、道徳説の樹立に関する苦心が伺えます。
『論語』の成立や編纂については諸説ありますが、孔子の孫弟子以後の時代に編集されたと考えられています。さらに、前漢時代には異なるテキストが存在し、それらが校定されて、現在の『論語』が定まったとされています。
名称『論語』が定着したのは前漢の宣帝・元帝の頃からで、この書名の由来については確定した定説は存在しないものの、古い記録として班固の『漢書』に言及があります。
この経典は、古くから広く読まれ、儒教入門書として知識人だけでなく、一般の市民や農民にも普及していました。
後代には、多くの注釈書が書かれ、中でも宋の朱子の『論語集注』が特に広く知られています。日本にも『論語』は古くから伝わり、多くの日本人による注釈書が存在します。