この記事では、人間関係に関することわざを、様々なカテゴリーに分けて意味付きで五十音順に掲載しました。
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親と子供
家貧しくして孝子顕る(いえまずしくしてこうしあらわる)
逆境に陥ったときにはじめて、それを助けるものが現れる。貧しい家の子どもは親を助けて働かなくてはならないので、その親孝行ぶりが目立って世間の人にもはっきりわかるという意味。豊かな家だと親孝行な子どもがいても、そうした善行を示すことができない。
一姫二太郎(いちひめにたろう)
一人目の子供は女、二人目の子供は男であるのが理想的だという意味。
いつまでもあると思うな親と金(いつまでもあるとおもうなおやとかね)
独立と倹約を心がけよという戒め。
生みの親より育ての親(うみのおやよりそだてのおや)
生んでくれた親より、養育してくれた親のほうがありがたいということ。生みの恩より育ての恩。
瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるになすびはならぬ)
平凡な親からは非凡な子供は生まれない。血統は争えないこととしていう。
老いては子に従え(おいてはこにしたがえ)
年をとってからは、何事も子に任せて従ったほうがよいということ。
親思う心にまさる親心(おやおもうこころにまさるおやごころ)
子供が親を思う気持ちよりも、親が子供を思う愛情のほうがずっと深いというたとえ。
親子は一世、夫婦は二世、主従は三世(おやこはいっせ、ふうふはにせ、しゅじゅうはさんぜ)
親子の関係は現世だけのこと、夫婦の関係は前世と現世もしくは現世と来世の二世に渡ることで、主従の関係は前世と現世と来世の三世に渡るほど深いものだというたとえ。
親の心子知らず(おやのこころこしらず)
子供は親の気持ちをちっとも理解せず、勝手な振る舞いをすること。
また、実際に親になってみなければ、親の気持ちというものは理解できないという意味。
親の光は七光(おやのひかりはななひかり)
本人にはそれほどの力はないのに、親の威光のおかげで得をするということ。
親はなくとも子は育つ(おやはなくともこはそだつ)
世の中のことは、そう心配したものではない。というたとえ。
親馬鹿子馬鹿(おやばかこばか)
自分の子どもを愛し可愛がるあまり客観的に子どもを見ることができず、子どもの愚かさ加減に気づかない。また、子どもはこどもで親の行き過ぎた愛情に甘え慣れ、悪行を働くということ。
蛙の子は蛙(かえるのこはかえる)
親が凡人であれば、親に似た子供も凡人にしかならないというように、子どもの才能や能力は親に似るということのたとえ。
可愛い子には旅をさせよ(かわいいこにはたびをさせよ)
子どもが可愛かったら、辛い旅の経験をさせて世の中の苦労を体験させるのがよいということ。
犬馬の養い(けんばのやしない)
敬う気持ちなどなく、親をただ養っているというたとえ。
孝行のしたい時分に親はなし(こうこうのしたいじぶんにおやはなし)
親の気持ちを理解できるような歳になって孝行したいと思っても、そのときには親はない。
生きているうちに親孝行すれば良かったと悔やむという意味。
骨肉相食む(こつにくあいはむ)
肉親どうしが争う。
子供の喧嘩に親が出る(こどものけんかにおやがでる)
大人げない振る舞いをしたり、余計な口出しをするなという意味。
子は鎹(こはかすがい)
鎹は材木をつなぎとめる器具であるが、夫婦の間で同じ働きをして、夫婦の仲をつなぎとめるのは子どもだということ。
子は三界の首枷(こはさんがいのくびかせ)
親は子に対する愛情に引かされて、一生自由を束縛されるというたとえ。
子を持って知る親の恩(こをもってしるおやのおん)
子を持って、育てる苦労をしてみると、はじめて親から受けた恩が実感できて感謝するという意味。
獅子の子落とし(ししのこおとし)
自分の子供にわざと苦しいことをさせて、その能力を試し鍛え、立派な人間に育てようとすることのたとえ。
児孫のために美田を買わず(じそんのためにびでんをかわず)
子孫のために財産を残すと、かえって良い結果にならないことから、そうしないこと。
掌中の珠(しょうちゅうのたま)
最愛の子など大事なもののたとえ。
小さく生んで大きく育てる(ちいさくうんでおおきくそだてる)
ものごとは小さく始めて、だんだんと大きく育てることが着実でよいというたとえ。
血で血を洗う(ちでちをあらう)
①殺傷に対して、殺傷で応じる。
②肉親同士が争う。
血は水よりも濃い(ちはみずよりもこい)
血筋は争われず、他人よりも血縁の人とのつながりの方が強い。
蝶よ花よ(ちょうよはなよ)
子をいつくしみ愛するさまをいう。
鳶が鷹を生む(とびがたかをうむ)
ごく普通の平凡な親から、優れた子供が生まれる事。
盗人を捕らえて見れば我が子なり(ぬすびとをとらえてみればわがこなり)
盗人を捕らえたら意外にも自分の子だったということで、事が意外なために処置に困るたとえ。さらに、親しい者でも油断してはならないという意味もある。
這えば立て立てば歩めの親心(はえばたてたてばあゆめのおやごころ)
赤ん坊が這いはじめれば早く立たないかと思い、立てば早く歩まないかと期待する。子どもの成長を望む親の心情をいったもの。
風樹の嘆(ふうじゅのたん)
親孝行をしようと思い立った時には、すでに親は亡くなり孝養をつくすことができないなげき。
焼け野の雉夜の鶴(やけののきぎすよるのつる)
親が子を思う切ない心のたとえ。
家族
秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな)
秋にできるなすは美味しいから嫁には食べさせるなという、姑(しゅうとめ)から嫁への意地悪なことば。また、秋なすを食べると体が冷えて毒だから嫁には食べさせるなという、姑から嫁への思いやりのことばともいわれている。
帰心矢の如し(きしんやのごとし)
家や故郷に早く帰りたい思いは、矢のように真直ぐにとんで行きたいほどである。
兄弟は他人の始まり(きょうだいはたにんのはじまり)
兄弟は血縁とはいっても親子とは違い、情愛も薄く他人のようになってゆく。
骨肉相食む(こつにくあいはむ)
肉親どうしがたがいに争う。
児孫のために美田を買わず(じそんのためにびでんをかわず)
子孫のために財産を残すと、かえって良い結果にならないことから、そうしないこと。
総領の甚六(そうりょうのじんろく)
長男や長女は、大事に育てられたので、弟妹よりもお人好しでおろかだ。
血で血を洗う(ちでちをあらう)
・殺傷(さっしょう)に対して、殺傷で応じることのたとえ。
・親子兄弟、肉親同士など、血のつながっている者どうしが流血の争いをすることのたとえ。
・悪事に対して、悪事に対処することのたとえ。
血は水よりも濃い(ちはみずよりもこい)
血縁者(けつえんしゃ)の絆(きずな)は、どんなに親しい他人との関係よりも深く強いものであるというたとえ。また、血は争えないということ。
亭主の好きな赤烏帽子(ていしゅのすきなあかえぼし)
一家の主人の好むものは、たとえ笑われるような異様な物事でも、家族はこれに従うものであるとのこと。
伝家の宝刀(でんかのほうとう)
いよいよという時以外にはみだりに使用しない、とっておきの物・手段など。
遠くの親戚より近くの他人(とおくのしんせきよりちかくのたにん)
いざというときに頼りになるのは、遠く離れて暮らす親類よりも、近所に住んでいる他人の方であるという事。
目に入れても痛くない(めにいれてもいたくない)
たいそう可愛がっているようす。可愛くてたまらないようす。可愛がっている子供や孫についていうことば。
男女・夫婦
愛想も小想も尽き果てる(あいそもこそもつきはてる)
あきれ果てて、全く好意が持てなくなる。
秋の扇(あきのおうぎ)
寵愛の衰えた女のたとえ。
秋の鹿は笛に寄る(あきのしかはふえによる)
弱点に乗じられやすいということ。
悪妻は百年の不作(あくさいはひゃくねんのふさく)
悪い妻を持つと、その悪影響は子供や孫の代まで続くということ。
悪女の深情け(あくじょのふかなさけ)
醜い女のほうが美人に比べて情が深いということ。また、ありがた迷惑の意に転用。
東男に京女(あずまおとこにきょうおんな)
男女の取り合わせとしては、たくましくて気風の良い江戸の男と、洗練されていて優しい京の女がよい。
痘痕も靨(あばたもえくぼ)
好きになるとどんな欠点でも長所に見えるということのたとえ。
磯の鮑の片思い(いそのあわびのかたおもい)
自分が一方的に相手のことを好きなこと。片思いをしゃれていうことば。
一押し二金三男(いちおしにかねさんおとこ)
女性を口説くには押しが強いことが第一条件で、金の力、男振りのよいことは第二・第三の条件である。
色気より食い気(いろけよりくいけ)
色欲より食欲を先にする。形よりも実質を取ること。
色は思案の外(いろはしあんのほか)
恋愛というものは人の理性を失わせることがあるというたとえ。
常識では予測や判断ができないことが多いということ。
馬には乗ってみよ人には添うてみよ(うまにはのってみよひとにはそうてみよ)
馬のよしあしは乗ってみなければわからず、人柄のよしあしはつきあってみなければわからない。何事も自分で直接経験してみよということ。
英雄色を好む(えいゆういろをこのむ)
英雄は、女色を好む性向がある。女色を好むことの弁護としても用いる。
鴛鴦の契り(えんおうのちぎり)
おしどりの夫婦はいつも一緒にいるということから、夫婦の仲のむつまじいたとえ。
縁は異なもの味なもの(えんはいなものあじなもの)
男女の縁はどこでどう結ばれるかわからず、不思議でおもしろいものであるということ。縁は異なもの。
男心と秋の空(おとこごころとあきのそら)
秋の天候が変わりやすいように、男性の愛情も変わりやすいというたとえ。
男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く(おとこやもめにうじがわき、おんなやもめにはながさく)
男性は妻を亡くすと、生活環境が不潔になりがちであるのに対して、夫を亡くした女性は、夫の世話をする必要がなくなり華やかになるというたとえ。
お前百までわしゃ九十九まで(おまえひゃくまでわしゃくじゅうくまで)
夫婦が仲良く、ともに長生きするように願う言葉。
親子は一世、夫婦は二世、主従は三世(おやこはいっせ、ふうふはにせ、しゅじゅうはさんぜ)
親子の関係は現世だけのこと、夫婦の関係は前世と現世もしくは現世と来世の二世に渡ることで、主従の関係は前世と現世と来世の三世に渡るほど深いものだというたとえ。
及ばぬ鯉の滝登り(およばぬこいのたきのぼり)
いくら頑張っても、目的を達成することは不可能であるということ。また、決して叶うことはない“恋”という意味で用いられる場合もある。
女心と秋の空(おんなごころとあきのそら)
年齢関係なく、女性の感情は秋の天気のようにコロコロと移ろいやすいということをたとえている。
可愛さ余って憎さ百倍(かわいさあまってにくさひゃくばい)
可愛いと思う気持ちが強ければ強いほど、いったん憎悪の念が生じると、その憎しみは可愛いと思っていた気持ちの百倍にもなるというたとえ。
四百四病の外(しひゃくしびょうのほか)
疾病とは別の病の意から、恋わずらいのこと。
秋波を送る(しゅうはをおくる)
色目を使って相手の関心をひこうとする。
駿馬痴漢を乗せて走る(しゅんめちかんをのせてはしる)
せっかくのいい馬なのに、乗っているのがつまらない男で実にもったいない、という意味から転じて、相応の相手にめぐりあえない、世の中は思うようにいかないことを表現したことば。特に、美人がつまらない男と結婚することをたとえる。
掌中の珠(しょうちゅうのたま)
最愛の子など大事なもののたとえ。
水魚の交わり(すいぎょのまじわり)
水と魚が切っても切れない関係にあるように、きわめて親密な友情や交際のたとえ。
据え膳食わぬは男の恥(すえぜんくわぬはおとこのはじ)
目の前に出された料理に手をつけないのは男の恥ということ。転じて、女性の方から積極的に誘う情事に応じないのは男として恥ずかしいという意味。
糟糠の妻(そうこうのつま)
貧しく苦しかったころから、ともに苦労をして長年連れ添ってきた妻のこと。
糟糠の妻は堂より下さず(そうこうのつまはどうよりくださず)
貧乏なときから連れ添って苦労を共にしてきた妻は、夫が立身出世した後にも家から追い出してはならない。
蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)
辛い蓼を食う虫もあるように、人の好みはさまざまである。
遠くて近きは男女の仲(とおくてちかきはだんじょのなか)
男性と女性は精神的に離れた関係だと思われているが、思っているほどそんなに離れた関係ではなく、いつの間にか互いに近づき結びついてしまうということ。
内助の功(ないじょのこう)
表舞台ではなく裏方で人を支えることをいう。また、夫を陰ながら支え、出世させたりする妻を指す。
鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす(なくせみよりもなかぬほたるがみをこがす)
自分の思っていることを全て口に出す者よりも、自分の思いをあまり口に出さない者の方が、心で深く思っているという意味。
似た者夫婦(にたものふうふ)
夫婦は、性格や趣味などが似ているものだということ。
また、性質や好みの似たものが夫婦になっているということ。
女房と畳は新しい方が良い(にょうぼうとたたみはあたらしいほうがよい)
あたらしいものは、すべて美しい
女房の妬くほど亭主もてもせず(にょうぼうのやくほどていしゅもてもせず)
女房というものはとかくやきもちをやくものだが、夫は女房が考えるほどもてないということ。
濡れぬ先こそ露をも厭え(ぬれぬさきこそつゆをもいとえ)
濡れないうちは露に濡れるのさえ嫌なものだが、いったん濡れてしまうとどんなに濡れても気にならなくなるということ。過ちを一度犯すと、何度繰り返しても平気になる、またはもっとひどいことを平気でするようになるというたとえ。
夫婦喧嘩は犬も食わない(ふうふげんかはいぬもくわない)
夫婦喧嘩の細かい内情は知りがたいし、すぐ仲直りするものだから、他人の口出しや仲裁は無用であるということ。
覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)
一度離縁してしまった夫婦の仲は元に戻らない事。また、一度してしまった失敗は取り返しがつかないという事。
文はやりたし書く手は持たぬ(ふみはやりたしかくてはもたぬ)
恋文を書きたいが文字を書くことができず、人にたのむわけにもいかない。気をもむ意。無筆な女が嘆く言葉。
惚れた欲目(ほれたよくめ)
好きになった相手のことは、実際以上によく見てしまい、欠点まで長所に見えてしまうということ。
惚れて通えば千里も一里(ほれてかよえばせんりもいちり)
愛しい相手に会いに行く時には、どんなに遠い道のりでも苦にならないということ。
惚れた相手に対して、自分が好きですることは、どんな苦労でも苦にならないということ。
本木に勝る末木なし(もときにまさるうらきなし)
幹より立派な枝など無いという意味から、何回取りかえてみても、最初のものが一番よいということ。多くは、男女関係に使う。
元の鞘に収まる(もとのさやにおさまる)
けんかや仲たがいしていた者が、前の親しい間柄に戻る。多くは、男女の関係で用いられる。
焼け木杭に火がつく(やけぼっくいにひがつく)
一度縁が切れていた関係が、元に戻ることをいう。多くは、男女の関係に用いる。「焼け木杭」とは燃えさしの切り株や焼けた杭のこと。
落花枝に返らず、破鏡再び照らさず(らっかえだにかえらず、はきょうふたたびてらさず)
一度損なわれてしまったもとは、再び元に戻ることはないということ。
別れた夫婦や、こわれてしまった男女の仲は、二度と戻ることはないということ。
また、死んでしまった者は、二度と生き返らないということ。
落花流水の情(らっかりゅうすいのじょう)
男と女が、お互いに慕い合う気持ちがあること。
連理の枝(れんりのえだ)
男女の仲や、夫婦の仲がよいことのたとえ。
割れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)
「綴じ蓋」とは、壊れた部分を修理した蓋のこと。割れた鍋でもそれに似合う修繕した蓋があるという意味で、どんな人にもふさわしい配偶者が見つかるというたとえ。また、条件が釣り合った組み合わせがよいという意味。
友人・仲間・付き合い
愛想も小想も尽き果てる(あいそもこそもつきはてる)
あきれ果てて好意や信頼感を失うこと。
麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)
善良な人と交われば、その感化を受けて善人になる。
彼方を立てれば此方が立たぬ(あちらをたてればこちらがたたぬ)
二つの立場が対立している時、どちらか一方によくすれば他方が不満に思うし、両方によくしようと思えば自分自身が苦しくなってやりきれないということ。義理立ての場合などに使うことば。
鼬の道切り(いたちのみちきり)
行き来・交際・音信が絶えること。
犬と猿(いぬとさる)
とても仲が悪いこと。
魚と水(うおとみず)
とても親密な関係のことのたとえ。また、夫婦の仲がむつまじいこと。
魚の水を得たるが如し(うおのみずをえたるがごとし)
なくてはならぬものに巡り合えたさま。また、活躍にふさわしい時機を得て生き生きとしているさま。
牛に引かれて善光寺参り(うしにひかれてぜんこうじまいり)
思ってもいなかったことや他人の誘いによって、よいほうに導かれることのたとえ。。
牛は牛連れ、馬は馬連れ(うしはうしづれ、うまはうまづれ)
同類は自然と集まりやすいことのたとえ。また、似た者どうしが集まると、調和がとれてうまくいくことのたとえ。
馬が合う(うまがあう)
相手と気持ちが通じ合う。
梅に鶯(うめにうぐいす)
とりあせわがよいもののたとえ。
同じ穴の狢(おなじあなのむじな)
一見別に見えても、実は同類であるという意味。多く悪人についていう。
同じ釜の飯を食う(おなじかまのめしをくう)
起居を共にした親しい仲。
己に如かざる者を友とするなかれ(おのれにしかざるものをともとするなかれ)
自分より劣っている者を友としても、得るものがないというたとえ。
可愛さ余って憎さ百倍(かわいさあまってにくさひゃくばい)
可愛いと思う気持ちが強ければ強いほど、いったん憎悪の念が生じると、その憎しみは可愛いと思っていた気持ちの百倍にもなるというたとえ。
肝胆相照らす(かんたんあいてらす)
互いに心の底まで打ち明けて親しく交わること。
管鮑の交わり(かんぽうのまじわり)
お互いのことを理解して、信頼しあうこと。
利害のあるなしに関わらず、親密な交際のたとえ。
気が置けない(きがおけない)
緊張したり遠慮するなどの、気遣いの必要がなく、親しく付き合えること。
胸襟を開く(きょうきんをひらく)
思っていることをすっかり打ち明ける事。心中を隠すところなく打ち明ける事。
金石の交わり(きんせきのまじわり)
堅く破れることのない友情。金石の交。
君子の交わりは淡きこと水の如し(くんしのまじわりはあわきことみずのごとし)
教養があり物事をよくわきまえた人どうしの交際は、水のように淡々としているが長く変わることがない。
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず(くんしはわしてどうぜず、しょうじんはどうじてわせず)
立派な人、意見が一致すれば他人と協調するがむやみに同調することはない。考えの浅い人は、深く考えもせずに他人に同調するが、上手に協調することができない。
犬猿の仲(けんえんのなか)
犬と猿のように仲の悪いことのたとえ。
去る者は日々に疎し(さるものはひびにうとし)
死んだ人は、月日がたつにつれ次第(しだい)に忘れられるもの。親しかった者でも、遠ざかれば次第にその人への情が薄れるもの。
敷居が高い(しきいがたかい)
相手に迷惑をかけたり失礼なことをしたりして、その人の家に行きづらくなったり、その人に会いにくくなったりすることの例え。
親しき仲にも礼儀あり(したしきなかにもれいぎあり)
とても親しく仲の良い関係であっても、礼儀は守るべきであり大切なことであるというたとえ。
相手への心づかいを忘れてしまうと、不和のもとになるというたとえ。
蛇の道は蛇(じゃのみちはへび)
同類のことは、同類がよく知っている。
その道の人間がその社会のことに、よく通じているというたとえ。
朱に交われば赤くなる(しゅにまじわればあかくなる)
人は環境に支配されやすいので、付き合う友達によって良くも悪くもなるということのたとえ。
友達を選ぶことの大切さのたとえ。
水魚の交わり(すいぎょのまじわり)
水と魚が切っても切れない関係にあるように、きわめて親密な友情や交際のたとえ。
断金の交わり(だんきんのまじわり)
堅い友情で結ばれた、とても親しい交わりのこと。
断琴の交わり(だんきんのまじわり)
自分のことを理解してくれていた、親友を失くした悲しみということ。
竹馬の友(ちくばのとも)
ともに竹馬に乗って遊んだ幼い時の友。おさなともだち。
智に働けば角が立つ(ちにはたらけばかどがたつ)
理知的に動こうとすれば人間関係がぎすぎすして穏やかに暮らしづらくなる。
同舟相救う(どうしゅうあいすくう)
平素仲の悪い者でも、危急の場合には、互いに助け合うことをいう。また、境遇や利害を同じくするものが互いに助け合うこと。
同病相憐れむ(どうびょうあいあわれむ)
同じ苦痛を受けているものは、互いに理解し合い同情する念が深い。
遠くの親戚より近くの他人(とおくのしんせきよりちかくのたにん)
いざというときに頼りになるのは、遠くの親類より近くの他人である。
盗人を捕らえて見れば我が子なり(ぬすびとをとらえてみればわがこなり)
盗人を捕らえたら意外にも自分の子だったということで、事が意外なために処置に困るたとえ。さらに、親しい者でも油断してはならないという意味もある。
莫逆の友(ばくぎゃくのとも)
互いに争うことのない、親しい間柄。親しい友人。
武士は相身互い(ぶしはあいみたがい)
武士同士は同じ立場にあるから、互いに思いやりをもって助け合うべきであるということ。
刎頸の交わり(ふんけいのまじわり)
「刎頚」とは、首をはねることで、その友人のためなら首をはねられても悔いはないと思うほどの、親しい交わりの事。
きわめて親密な付き合いの事。
水と油(みずとあぶら)
二つのものが調和しないこと。互いに気が合わず打ち解けないことのたとえ。
水は方円の器に随う(みずはほうえんのうつわにしたがう)
人は置かれている環境や、つきあっている友人しだいで、良くも悪くもなるというたとえ。
目高も魚の内(めだかもととのうち)
どんなに取るに足らないものでも、仲間にはちがいないということ。
類は友を呼ぶ(るいはともをよぶ)
同類は自然に集まるものだということ。
または、志の同じ者はお互いを引き寄せるという意味。
和して同ぜず(わしてどうぜず)
人と争わず仲良くするが、自分の意見はしっかり守っていてむやみに人に同調したりしないという意味。
和を以て貴しとなす(わをもってとうとしとなす)
人々が仲良く、和合して事を行うのが最も尊いという意味。
団結・通じ合う
阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)
「阿吽」とは吐く息と吸う息のことで、二人以上が一緒にある物事をする時のお互いの微妙な調子の合い具合。
馬が合う(うまがあう)
気持がよく合い、行動を共にしやすい。相性が良い。
三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)
凡人(ぼんじん)がひとりで考えても、良い考えや案は浮かばないが、三人集まって相談することで、文殊菩薩という知恵を司る神様のようなよい知恵が出るということ。
蛇の道は蛇(じゃのみちはへび)
同類のことは、同類がよく知っている。
その道の人間がその社会のことに、よく通じているというたとえ。
人生意気に感ず(じんせいいきにかんず)
人間は金銭や名誉のためにではなく、人の心意気に感じて仕事をするものだ。
同舟相救う(どうしゅうあいすくう)
たとえ敵同士でも見ず知らずの者同士であっても、危険にさらされれば利害をひとしくする者同士となり、互いに助け合うものだということ。
莫逆の友(ばくぎゃくのとも)
互いに争うことのない、親しい間柄。親しい友人。
武士は相身互い(ぶしはあいみたがい)
同じ立場にある者は、互いに思いやり助け合わなければいけないという事。また、そのように助け合う間柄の事。助け合う気持ちが大事だという事。
目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう)
情をこめた目つきは、口で話す以上に強く相手の心を捉える。
目は心の鏡(めはこころのかがみ)
目はその人の心の中を映し出す鏡である。目を見れば、その人の心のようすがわかることのたとえ。
六馬和せざれば造父も以て遠きを致す能わず(りくばわせざればぞうほももってとおきをいたすあたわず)
何事でも、ひとりひとりが心をひとつにして、協力しなければ、成し遂げることはできないということ。
和を以て貴しとなす(わをもってとうとしとなす)
人々が仲良く、和合して事を行うのが最も尊いという意味。
世話・手助け
頭の上の蠅を追え(あたまのうえのはえをおえ)
人の世話を焼くよりも、まずは自分のことをきちんとしなさいという教え。
火中の栗を拾う(かちゅうのくりをひろう)
自分ではなく他人の利益のために、そそのかされ危険をおかし、酷い目にあうことのたとえ。
窮鳥懐に入れば猟師も殺さず(きゅうちょうふところにいればりょうしもころさず)
追いつめられて逃げ場を失った人が救いを求めてくれば、見殺しにするわけにはいかない。
捨てる神あれば拾う神あり(すてるかみあればひろうかみあり)
一方で見捨てる人がいるかと思うと、他方で救ってくれる人がいる。世間は広く、世の中はさまざまだから、くよくよすることはない。
敵に塩を送る(てきにしおをおくる)
争っている相手が苦しんでいるときに、争いとは関係ないところについては利用しない、困ってたら支援することもあることのたとえ。
遠くの親戚より近くの他人(とおくのしんせきよりちかくのたにん)
いざというときに頼りになるのは、遠く離れて暮らす親類よりも、近所に住んでいる他人の方であるという事。
内助の功(ないじょのこう)
表舞台ではなく裏方で人を支えることをいう。また、夫を陰ながら支え、出世させたりする妻を指す。
情けが仇(なさけがあだ)
他人に対し、少なからずの情けや好意を持ってしまったことが逆に良くない結果を招くという意味。
贔屓の引き倒し(ひいきのひきだおし)
気に入っている人を、より引き立てようと力を入れすぎ、引き倒してしまうということが由来。
老婆心(ろうばしん)
度をこして、必要以上に世話を焼いたり心配したりすること。おせっかいのこと。
渡る世間に鬼はなし(わたるせけんにおにはなし)
この世の中には、鬼のように冷たい人ばかりではなく、思いやりのある優しい人も必ずいる。
縁・絶縁
会うは別れの始め(あうはわかれのはじめ)
どんな大事な人との出会いであっても、人は生かされている限り、必ず死から逃れることはできないので、出会いがあれば、必ず別れがやってくる。別れがあるからこそ、人の出会いは財産になっていく事もあるので、その人と過ごす時間を大切にしなければという意味もある。
縁は異なもの味なもの(えんはいなものあじなもの)
男女の縁は不思議でおもしろいものであるということ。
金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)
金銭によって成り立った関係は金が尽きれば絶えてしまう意。
駿馬痴漢を乗せて走る(しゅんめちかんをのせてはしる)
せっかくのいい馬なのに、乗っているのがつまらない男で実にもったいない、という意味から転じて、相応の相手にめぐりあえない、世の中は思うようにいかないことを表現したことば。特に、美人がつまらない男と結婚することをたとえる。
千里の馬も伯楽に逢わず(せんりのうまもはくらくにあわず)
いつの時代にも優秀な人はいるが、その才能を見抜いて能力を発揮させることができる人はなかなかいないということ。
袖振り合うも多生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)
どんなささいなことでも、偶然に起こっていることではなく、前世からの因縁によるものだから、道で見知らぬ人と袖が振れあうようなことでも、大切にせよというたとえ。
旅は道連れ世は情け(たびはみちづれよはなさけ)
旅では道連れ同士が助け合い、世渡りでは互いに同情をもって仲良くやるのがよい。
覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず)
一度離縁してしまった夫婦の仲は元に戻らない事。また、一度してしまった失敗は取り返しがつかないという事。
落花枝に返らず、破鏡再び照らさず(らっかえだにかえらず、はきょうふたたびてらさず)
一度損なわれてしまったもとは、再び元に戻ることはないということ。
別れた夫婦や、こわれてしまった男女の仲は、二度と戻ることはないということ。
また、死んでしまった者は、二度と生き返らないということ。
年長・年少
一日の長(いちじつのちょう)
少し年長であること。また、知識・経験・技能などが少しすぐれていること。
老いたる馬は道を忘れず(おいたるうまはみちをわすれず)
経験豊かな人は物事のやり方をよく心得ている。
負うた子に教えられて浅瀬を渡る(おうたこにおしえられてあさせをわたる)
時には、自分よりも年下の者や未熟な者から教えられることがあることのたとえ。
亀の甲より年の功(かめのこうよりとしのこう)
年長者の長年培ってきた知恵や経験は貴重であるということ。
騏驎も老いては駑馬に劣る(きりんもおいてはどばにおとる)
どんなに優れた人でも、年をとってしまうと働きがにぶくなり、ふつうの人にも及ばなくなるというたとえ。
後生畏るべし(こうせいおそるべし)
若い人はさまざまな可能性を秘めている。
自分よりも若いからといって、侮れないだけでなく、恐れなければならない存在だというたとえ。
年寄りの冷や水(としよりのひやみず)
高齢者なのに不相応な、危ないことや差し出た振る舞いをする事。自分の年齢も考えずに無茶をすることは健康に良くないという事。
昔千里も今一里(むかしせんりもいまいちり)
優れた人物も年を取れば能力が凡人にも劣るということ。
老馬の智(ろうばのち)
経験を積んで、物事に練達した知恵。また、老馬にも教えを乞うほどの謙虚さが必要であるということ。
六十の手習い(ろくじゅうのてならい)
60歳になって初めて習字を習うこと。晩学のたとえ。
若い時の苦労は買ってでもせよ(わかいときのくろうはかってでもせよ)
若いときの苦労は自分を鍛えてくれて将来役立つ貴重な経験が出来ることから、自から求めてしたほうがよいということ。また、ほかの人が辛いと思うこと事、嫌がることを進んでやることで自らを錬磨(れんま)できるという意味です。
若気の至り(わかげのいたり)
若さに任せて無分別な行動をしてしまうこと。また、その結果。
師弟・敬服
青は藍より出でて藍より青し(あおはあいよりいでてあいよりあおし)
教えを受けた弟子が、先生よりもすぐれた人になることのたとえ。
居候三杯目にはそっと出し(いそうろうさんばいめにはそっとだし)
居候している身では三杯めのおかわりは遠慮がちになるということ。
一目置く(いちもくおく)
相手を自分より優れたひととしてうやまって一歩譲ることのたとえ。
親子は一世、夫婦は二世、主従は三世(おやこはいっせ、ふうふはにせ、しゅじゅうはさんぜ)
親子のつながりは現世だけのことであり、夫婦は現世だけでなく来世にもつながり、主従は過去・現世・来世のつながりがあるということ。
親の心子知らず(おやのこころこしらず)
子供は親の気持ちをちっとも理解せず、勝手な振る舞いをすること。
また、実際に親になってみなければ、親の気持ちというものは理解できないという意味。
驥尾に付す(きびにふす)
後進者がすぐれた先達につき従って、事を成しとげたり功を立てたりすること。
犬馬の心(けんばのこころ)
主君に対して、命じられるままに惜しみなく忠節を尽くすことのたとえ。
臣下が忠義心をへりくだる。
犬馬の労(けんばのろう)
人のために、犬や馬のように私心なく、ひたすら尽くして働くこと。へりくだって言うことば。
後塵を拝する(こうじんをはいする)
人に先を越されて、おくれを取ることのたとえ。
また、人のあとにつき従うこと。
三顧の礼(さんこのれい)
地位ある人や目上の人が、何度も足を運んで、賢人(けんじん)に礼を尽くして仕事を引き受けてもらうために頼み込むこと。
三尺下がって師の影を踏まず(さんじゃくさがってしのかげをふまず)
先生につき従ってゆくときには、先生を敬う心がけを忘れずに、先生から三尺下がって歩き、先生の影を踏むようなことがあってはならないよう説いたことば。弟子は先生を敬い、礼儀を尽くすようにしなさいという教え。
親しき仲にも礼儀あり(したしきなかにもれいぎあり)
とても親しく仲の良い関係であっても、礼儀は守るべきであり大切なことであるというたとえ。
相手への心づかいを忘れてしまうと、不和のもとになるというたとえ。
釈迦に説法(しゃかにせっぽう)
その道を知り尽くしている相手に、不必要なことを教えることのたとえ。
出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)
弟子が師よりもすぐれた才能をあらわすたとえ。
忠臣は二君に仕えず(ちゅうしんはにくんにつかえず)
心から忠義(ちゅうぎ)を尽くす臣下(しんか)というものは、その生涯で一人の主君にしか仕えないということ。
長い物には巻かれろ(ながいものにはまかれろ)
自分よりも権力が上である者には逆らわず、おとなしく従っておいたほうが物事がうまく進むということ。
顰みに倣う(ひそみにならう)
善し悪しも考えずに、やたらに人のまねをする。また、他人にならって物事をするのを謙遜していう言葉。
任せる・おもねる
上げ膳据え膳(あげぜんすえぜん)
全て人にやってもらい、自分ではなにもしないことのたとえ。
また、非常に優遇すること。
朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随う(あしたにはふじのもんをたたき、ゆうべにはひばのちりにしたがう)
富貴権門に取り入ろうとお追従する人のたとえ。
魚心あれば水心(うおごころあればみずごころ)
相手が好きになってくれたら、こちらもそれに応ずる準備があるということ。
下駄を預ける(げたをあずける)
ものごとの処理を相手にすべて任せること。
巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)
言葉を巧みにあやつり、人の気をそらさないように顔つきを和らげて、人にへつらうような人物は、仁に欠けている者が多いというたとえ。
秋波を送る(しゅうはをおくる)
色目を使って相手の関心をひこうとする。
提灯持ち(ちょうちんもち)
他人の手先に使われ、また頼まれもしないのに他人のためにその長所などを吹聴すること。また、その人。
虎の威を借る狐(とらのいをかるきつね)
有力者の権勢をかさに着ていばるつまらぬ者のこと。
顰みに倣う(ひそみにならう)
善し悪しも考えずに、やたらに人のまねをする。また、他人にならって物事をするのを謙遜していう言葉。
ミイラ取りがミイラになる(みいらとりがみいらになる)
人を連れ戻しに行った者が、連れ戻せなくてその人自身も帰ってこないことのたとえ。
人を説得にようとした者が、逆に相手に説得されてしまうことのたとえ。
柳に風(やなぎにかぜ)
柳が風になびくように、逆らわなければ災いを受けないということ。
相手に逆らわず、さらりと受け流してあしらうことのたとえ。
教育・しつけ
飴と鞭(あめとむち)
褒めるところはしっかりと褒めたり、甘やかすときはとことん甘やかすが、過ちを犯したりした場合は厳しく罰するということ。
芋の煮えたも御存じない(いものにえたもごぞんじない)
世間を知らずに育った人や、甘やかされて育った人を、からかったり、あざけたりする言葉です。
氏より育ち(うじよりそだち)
氏素性のよさより子供から大人になる間の環境やしつけ、教育の方が、人間の形成に大きな影響を与える。
内で掃除せぬ馬は外で毛を振る(うちでそうじせぬうまはそとでけをふる)
しつけをされていない子供が外に出ると、家でしつけがなされていないことがすぐに分かるということ。
また内輪だけの事と悪い習慣などを隠していても、外に出てやはり悪い癖が出るのですぐ広まってしまうこと。
負うた子に教えられて浅瀬を渡る(おうたこにおしえられてあさせをわたる)
熟練した者・賢い者・年長者であっても、自分より経験の浅い者・劣った者・未熟な者・年下の者から教わることもあるという意味です。
親はなくとも子は育つ(おやはなくともこはそだつ)
世の中のことは、そう心配したものではない。というたとえ。
親馬鹿子馬鹿(おやばかこばか)
自分の子どもを愛し可愛がるあまり客観的に子どもを見ることができず、子どもの愚かさ加減に気づかない。また、子どもはこどもで親の行き過ぎた愛情に甘え慣れ、悪行を働くということ。
可愛い子には旅をさせよ(かわいいこにはたびをさせよ)
子どもが可愛かったら、辛い旅の経験をさせて世の中の苦労を体験させるのがよいということ。
癖ある馬に乗りあり(くせあるうまにのりあり)
一癖ある者でも扱い方次第で個性を生かすことができる。
蹴る馬も乗り手次第(けるうまものりてしだい)
扱いにくい人でも対処方法はあるというたとえ。
獅子の子落とし(ししのこおとし)
自分の子供にわざと苦しいことをさせて、その能力を試し鍛え、立派な人間に育てようとすることのたとえ。
矯めるなら若木のうち(ためるならわかぎのうち)
欠点や悪い癖を矯正しようと思ったら、若いうちのほうが柔軟性があってよいということ。
蝶よ花よ(ちょうよはなよ)
親が子供をこの上なく可愛がり、大切に育てるさま。
鉄は熱いうちに打て(てつはあついうちにうて)
鉄は熱して軟らかいうちに打って鍛えるように、人も純粋な気持ちを失わない若いうちに鍛練すべきである。また、物事を行うには、それに適切な時期を失してはいけない。
十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人(とおでしんどうじゅうごでさいしはたちすぎればただのひと)
いくら幼少の頃が天才だろうと、成長してしまえばただの人になるという戒め。
泣く子は育つ(なくこはそだつ)
生まれたばかりの赤ちゃんが、力の限り声を張り上げて泣くことは元気の証であるため、健康で健やかに育つという意味。
寝る子は育つ(ねるこはそだつ)
良く眠る子供は、健康なので丈夫に育つといった意味です。
孟母三遷の教え(もうぼさんせんのおしえ)
子どもの教育のためには良い環境を選ばなければならないということ。
戒める・励ます
過ちては改むるに憚ること勿れ(あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ)
過ちを置かした時は、他人の目や己のプライドなどを全部消し去り、すぐさま改めないといけないという戒め。
殷鑑遠からず(いんかんとおからず)
失敗となる手本はすぐ近くにある。
目の前の失敗を見て、自分の戒めにするというたとえ。
引導を渡す(いんどうをわたす)
相手に仕方がないことだとあきらめさせること。
死者を葬る際に経文や法語を唱えること。
死を免れられないことや、最終的な宣言をすること。
釘を刺す(くぎをさす)
間違いのないように念を押す。
草を打って蛇を驚かす(くさをうってへびをおどろかす)
草むらを棒などで打ち、潜んでいた蛇を驚かすことで、何気なくしたことが思いがけない結果を招くこと。またある者を懲らしめることによって他の人を戒めるたとえ。
喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)
喧嘩をした者は、非がどちらにあったとしても、両方同じように処罰するというたとえ。
前車の覆るは後車の戒め(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)
前を行く車がひっくり返るのを見て後の車が注意することから、先人の失敗は後人の戒めになることのたとえ。
他山の石(たざんのいし)
他人の失敗や、誤ったり劣っている言動は、自分の為に利用する事が出来るという事。知徳を磨いたり、反省材料にする際に参考になるという事。
他山の石以て玉を攻むべし(たざんのいしもってたまをおさむべし)
他人のつまらない言動を、自分の手本にするというたとえ。
また、自分の関係ないところで起きた事柄でも、自分にとって参考になることもあるということ。
忠言耳に逆らう(ちゅうげんみみにさからう)
役にたつ忠告ほど、聞く者にとっては耳には痛烈に感じられるため、喜ばれないものだということ。また、素直に受け入れられにくいということ。
頂門の一針(ちょうもんのいっしん)
人の急所を鋭く突いた厳しい戒めのこと。
泣いて馬謖を斬る(ないてばしょくをきる)
ルールを守るためには、たとえ肉親や親しい人であろうと己の情を捨て、切り捨てないといけないという意味である。
人こそ人の鏡(ひとこそひとのかがみ)
鏡を見て自分の姿を直すのと同じで、他人の言動を見て、自分の至らないところを直すための良い手本とすべきである。
人の振り見て我が振り直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ)
他人の行いの善し悪しを見て参考にすることで、自分の行いを見直し欠点を改めるように心がけると良いというたとえ。
病は気から(やまいはきから)
病気は気の持ち方一つで悪くもよくもなるということ。
槍玉に挙げる(やりだまにあげる)
攻撃、非難の対象として責めること。「槍玉」とは、長い槍を小さな手玉のように自在にあやつることをいう。
良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)
良い薬は、苦くて飲みにくい。
人の忠言は聞きずらいものだが、ためになる。という事のたとえ。
人を使う・操る
鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
鶏の口になっても牛の尻にはなるなということで、大きな集団の中の下にいるよりも、小さな集団の先頭に立てといういましめ。人に従属するよりも独立したほうがよいとするたとえ。
魚は殿様に焼かせよ、餅は乞食に焼かせよ(さかなはとのさまにやかせよ、もちはこじきにやかせよ)
何事にも適任者がいるということ。
自家薬籠中の物(じかやくろうちゅうのもの)
自分の薬箱の中の薬のように、思い通りに使えるもの。また、自分のものとしてしっかりと身につけた知識や技術のたとえ。「自家」は自分の家、「薬籠」は薬箱。
銭ある時は鬼をも使う(ぜにあるときはおにをもつかう)
金さえあれば、たとえ恐ろしい鬼であっても思いのままに使役することができるというわけで、金の力の大きさをいったもの。
立っている者は親でも使え(たっているものはおやでもつかえ)
忙しい時や急を要する場合は、誰でも良いからそばにいる者に用事を頼むのが良いという事。
馬鹿と鋏は使いよう(ばかとはさみはつかいよう)
愚かな人でも、使い方によっては役に立つというたとえ。
また、人には能力に応じた使い方があるというたとえ。
悪口・虚勢
犬の遠吠え(いぬのとおぼえ)
臆病な人が陰で虚勢を張り、または他人を攻撃すること。
人の噂も七十五日(ひとのうわさもしちじゅうごにち)
人の噂は長く続くものではなく、七十五日もすれば忘れられてしまうというたとえ。
負け犬の遠吠え(まけいぬのとおぼえ)
臆病で弱い者が、陰でこそこそと虚勢を張って強がってみたり、威張ったりすること。
弱い者は面と向かって相手に何も言えないので、隠れて相手の悪口をいうこと。
名人は人を謗らず(めいじんはひとをそしらず)
名人ともなると、人の欠点や弱点をけなすようなことはしないということ。
物言えば唇寒し秋の風(ものいえばくちびるさむしあきのかぜ)
人の欠点、短所などの悪口やよけいなことを言ったりすると思いがけない災難を招くことになるから慎(つつし)んだほうがよいということ。
槍玉に挙げる(やりだまにあげる)
攻撃、非難の対象として責めること。「槍玉」とは、長い槍を小さな手玉のように自在にあやつることをいう。
仕返し・裏切り
後足で砂をかける(あとあしですなをかける)
今までお世話になった方や恩がある方に、最後の方で裏切った上に、大変な迷惑や被害ををかけて去ることをたとえている。
鼬の最後っ屁(いたちのさいごっぺ)
切羽詰まってに非常手段に訴えること。
江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)
意外なところで、または筋違いのことで、昔の恨みの仕返しをする。一説に「江戸の敵を長崎が打つ」。
恩を仇で返す(おんをあだでかえす)
恩を受けたのに、その人にひどいことをする。
飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる)
恩顧を与えた物から思いがけず害を受けること。
顔に泥を塗る(かおにどろをぬる)
その人の言動で他人の体面を汚すこと。恥をかかせること。
鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう)
統治者を軽んじ、これに代わって支配者になろうとする野心のあること。転じて、ある人の実力を疑ってその地位を覆そうとすることのたとえ。
獅子身中の虫(しししんちゅうのむし)
獅子の体内に寄生して恩恵を受けている虫が、獅子を死に至らしめるということで、内部にいて味方でありながら、味方に害を与えるもののたとえ。
生殺しの蛇に噛まれる(なまごろしのへびにかまれる)
蛇を完全に殺さず、危害の生ずる恐れを残すということから、災いの起きる元を断たないで、後日の大きな災禍のたねを残すこと。
煮え湯を飲まされる(にえゆをのまされる)
信用(信頼)している人や身内、気を許している人に裏切られて、酷い目に遭うことを意味します。
濡れ衣を着せる(ぬれぎぬをきせる)
無実の罪を負わされること。また、根も葉もないうわさ、とくに浮き名を立てられること。「濡れ衣」とは濡れた衣服のことで、「無実の罪」の比喩表現。
軒を貸して母屋を取られる(のきをかしておもやをとられる)
軒先だけと思って貸したのに中心部の建物まで占拠されるということで、一部を貸したために全体を取られるたとえ。好意につけ込まれてひどい目に遭うこと。
喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる)
どんな苦痛や苦労も、それが過ぎると、その苦痛も苦労も忘れてしまうという意味です。
また、苦しい時に助けてもらった恩や恩人を、楽になったら人は簡単に忘れてしまうという戒めの意味もあります。
庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)
軒先だけと思って貸したのに中心部の建物まで占拠されるということで、一部を貸したために全体を取られるたとえ。好意につけ込まれてひどい目に遭うこと。
蛇の生殺しは人を噛む(へびのなまごろしはひとをかむ)
痛めつけたまま、半死半生のままにしておいたことで、怨みを受けて害を招くということ。
災いの根源を完全に取り除かなかったことで、身に害が及ぶこと。
目には目を歯には歯を(めにはめをはにははを)
自分が受けた害と同じことをして、仕返しをすること。
勝敗
赤子の手を捻る(あかごのてをひねる)
か弱い者は、たやすく負かすことができる。容易にできることのたとえ。
一敗地に塗れる(いっぱいちにまみれる)
二度と立ち上がれないほど大敗してしまう。
鬼に金棒(おににかなぼう)
ただえさえ強い人が、何かを得たり、良い条件が加わったりして、さらに強さを増して無敵になるという意味。
会稽の恥(かいけいのはじ)
戦いや勝負ごとに負け、恥や屈辱を受けること。また、己の名誉に対する侮辱を受けること。
刀折れ矢尽きる(かたなおれやつきる)
何かと戦ったり、挑戦したりする手段や方法が無くなることをいう。
勝てば官軍、負ければ賊軍(かてばかんぐん、まければぞくぐん)
勝った方はすべて正しいとされ、負けた方はすべて悪いとされるたとえ。短く、「勝てば官軍」として使われることが多い。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)
相手の情勢や、味方の実力などをしっかり把握することで、たとえ百回戦っても負けることはないというたとえ。相手と自分の長所と短所を、はっきりと見極めることで、どんな場合にも失敗しないということ。
完膚無きまで(かんぷなきまで)
徹底的にやっつけたり、やつけられたりすること。
窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)
追いつめられた鼠は猫に食いつく。絶対絶命の窮地に追い詰められて必死になれば弱者も強者を破ることがある。
先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす)
・人よりも先に物事を実行することによって、相手を抑え、有利な立場に立つことができる。
・先手を取ることができれば、相手を圧倒し、抑えつけることができる。
・何事も、先手を取ることで成功の糸口をつかめるが、後手に回っては勝ち目がない。
三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)
困ったときは、どのような方法よりもその状況から逃げるのが最も賢明(けんめい)であるということ。
柔能く剛を制す(じゅうよくごうをせいす)
柔軟なものが、そのしなやかさでかたいものの矛先をそらし、結局は勝つことになるというたとえ。ときには、弱いものが強いものを倒すことがあるというたとえ。
雌雄を決する(しゆうをけっする)
戦って、勝敗を決める。決着をつけること。
勝負は時の運(しょうぶはときのうん)
勝つか負けるかはその時の運によるもので、強い者が必ず勝つとは限らない。
多勢に無勢(たぜいにぶぜい)
少人数で多勢に向かって、とても敵しがたいこと。
逃げるが勝ち(にげるがかち)
戦わないで逃げるのは卑怯のようだが、結局は勝利を得る道だということ。
引かれ者の小唄(ひかれもののこうた)
負けたり、失敗したにも関わらず、負け惜しみや強がりをいうことのたとえ。
追い詰められて、どうにもならないのに、強がって平気なふりをしていることのたとえ。
ペンは剣よりも強し(ぺんはけんよりもつよし)
文章によって表される思想などは、世論を動かすことができるので、武力よりも強い力を持っているということ。
負けるが勝ち(まけるがかち)
時には、あえて争わないで相手に勝ちを譲ったほうが、結果的には自分に有利となって勝利に結びつくことがあるということ。
争い
挨拶は時の氏神(あいさつはときのうじがみ)
もめ事が起きた時、仲裁人は氏神様のようにありがたいものだから、従うべきであるということ。
相手のない喧嘩はできぬ(あいてのないけんかはできぬ)
喧嘩をしかけられても相手になるなという戒め。
雨降って地固まる(あめふってじかたまる)
変事があってかえって前よりよく基礎が固まること。
馬を崋山の陽に帰し、牛を桃林の野に放つ(うまをかざんのみなみにきし、うしをとうりんのやにはなつ)
・戦争が終わり平和になるたとえ。
・再び戦争をしないたとえ。
売り言葉に買い言葉(うりことばにかいことば)
相手の乱暴な言葉に対して、いきがかり上、対抗して同じように応酬(おうしゅう)すること。
男は敷居を跨げば七人の敵あり(おとこはしきいをまたげばしちにんのてきあり)
男性が世の中で活動をしようとすると、多くの競争相手や敵に出会うというたとえ。
蝸牛角上の争い(かぎゅうかくじょうのあらそい)
小さなことで争ったり、喧嘩をしたりすること。また、家や学校などといった狭い世界の中で争うこともいう。
金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず)
金持ちは喧嘩をすれば損をすることを知っていて他人と争わない。
汗馬の労(かんばのろう)
戦場での功績のこと。
または、他人のために東奔西走する苦労のこと。
国破れて山河あり(くにやぶれてさんがあり)
内乱や戦いで国は滅び、城はもとの姿ではないが、自然はそのままだ。
国の戦乱と自然の悠久とを対比し、感慨深くいう言葉。
喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)
喧嘩をした者は、非がどちらにあったとしても、両方同じように処罰するというたとえ。
骨肉相食む(こつにくあいはむ)
肉親どうしがたがいに争う。
子供の喧嘩に親が出る(こどものけんかにおやがでる)
大人げない振る舞いをしたり、余計な口出しをするなという意味。
三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)
困ったときは、どのような方法よりもその状況から逃げるのが最も賢明(けんめい)であるということ。
鎬を削る(しのぎをけずる)
はげしく争う。
血で血を洗う(ちでちをあらう)
・殺傷(さっしょう)に対して、殺傷で応じることのたとえ。
・親子兄弟、肉親同士など、血のつながっている者どうしが流血の争いをすることのたとえ。
・悪事に対して、悪事に対処することのたとえ。
治に居て乱を忘れず(ちにいてらんをわすれず)
太平の世にあっても乱世となった場合の準備を忘れない。いつでも万一の時の用意を怠らないこと。
敵に塩を送る(てきにしおをおくる)
争っている相手が苦しんでいるときに、争いとは関係ないところについては利用しない、困ってたら支援することもあることのたとえ。
泣く子と地頭には勝てぬ(なくことじとうにはかてぬ)
自己中心的でわがままな者や自分よりも身分が上の者、権力者には逆立ちしても勝てることはできないので、無茶なことを言われようとも逆らうことなく、相手に従う手段しかないという意味。
肉を切らせて骨を断つ(にくをきらせてほねをたつ)
自分も傷つくことを覚悟して、それ以上の重傷を相手に負わせるという意味。強敵に立ち向かう時の心構え。
始めは処女の如く後は脱兎の如し(はじめはしょじょのごとくのちはだっとのごとし)
始めは処女のように弱々しく見せかけて相手を油断させ、後になると逃げ走る兎のように機敏に攻撃して相手に応じる隙を与えないこと。ぐずぐずしていた者が急に活動的になるたとえ。「脱兎」とは、逃げていくウサギのことで、非常に速いもののたとえ。
兵は神速を尊ぶ(へいはしんそくをたっとぶ)
戦争は一瞬の遅れが運命を左右するものだから、速く攻撃することが最も重要であるという事。
戦いは迅速果敢に軍隊を動かすことが何よりも大事であるという事。
目の上の瘤(めのうえのこぶ)
自分よりも地位や実力が上で、なんとしても目障りで邪魔(じゃま)になる人のこと。
竜虎相搏つ(りゅうこあいうつ)
実力の伯仲した強豪同士が相対して争うこと。
両雄並び立たず(りょうゆうならびたたず)
英雄が二人現れると、必ず争うことになってしまって、どちらか一方は倒れることになるというたとえ。