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あ行のことわざ

【あ】からはじまることわざ

ああ言えばこう言う 愛出ずる者は愛返り、福往く者は福来たる
愛多き者は即ち法立たず 愛多ければ憎しみ至る
愛、屋烏に及ぶ 匕首に鍔を打ったよう
挨拶は時の氏神 愛して而も其悪を知り、憎みて而も其善を知る
愛想尽かしは金から起きる 愛想も小想も尽き果てる
相対の事はこちゃ知らぬ 開いた口が塞がらない
開いた口へ牡丹餅 愛立てないは祖母育ち
相手変われど主変わらず 相手のさする功名
相手のない喧嘩はできぬ 相手見てからの喧嘩声
愛は小出しにせよ 愛は憎しみの始めなり
相惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ 逢い戻りは鴨の味
会うは別れの始め 合うも不思議、合わぬも不思議
敢えて後れたるに非ず、馬進まざればなり 敢えて主とならずして客となる
敢えて天下の先とならず 逢えば五厘の損がいく
仰いで天に愧じず 青柿が熟柿弔う
青田から飯になるまで水加減 青田と赤子はほめられぬ
青菜に塩 青菜は男に見せな
青海苔の答礼に太太神楽を打つ 青は藍より出でて藍より青し
青葉は目の薬 青表紙を叩いた者にはかなわぬ
煽りを食う 赤い信女が子を孕む
赤犬が狐を追う 足掻きが取れない
明き所には王法あり、暗き方には神明あり 赤子のうちは七国七里の者に似る
赤子の手を捻る 赤子は泣き泣き育つ
赤子を裸にしたよう 暁知らずの宵枕
上がって三代、下がって三代 垢で死んだ者はない
飽かぬは君の御諚 垢も身の内
明るけりゃ月夜だと思う 垢を洗って痕を求む
秋荒れ半作 秋風が立つ
秋魳は嫁に食わすな 秋高く馬肥ゆ
空き樽は音が高い 顎の雫、口に入らぬ
商い三年 商い上手の仕入れ下手
商いは牛の涎 商いは数でこなせ
商いは門門 商いは本にあり
秋茄子は嫁に食わすな 秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる
秋の稲妻は千石増す 秋の入り日と年寄りは、だんだん落ち目が早くなる
秋の扇 秋の鹿は笛に寄る
秋の空は七度半変わる 秋の日と娘の子はくれぬようでくれる
秋の日は釣瓶落とし 秋の夕焼け鎌を研げ
秋葉山から火事 秋日和半作
空家で声嗄らす 空き家の雪隠でこえなし
諦めは心の養生 呆れが礼に来る
商人と屏風は曲がらねば立たぬ 商人に系図なし
商人の嘘は神もお許し 商人の子は算盤の音で目をさます
商人の空誓文 商人の空値
商人の元値 商人は木の葉も錦に飾る
商人は損していつか倉が建つ 商人は損と原価で暮らす
悪衣悪食を恥ずる者は、未だ与に議るに足らず 悪縁契り深し
灰汁が抜ける 悪言の玉は磨き難し
悪言は口より出ださず、苟語は耳に留めず 悪妻は百年の不作
悪事千里を行く 悪事千里を走る
悪事身に返る 悪獣もなおその類を思う
悪、小なるを以て之を為すこと勿れ 悪性の気よし
悪女の賢者ぶり 悪女の深情け
悪女は鏡を疎む 悪銭身につかず
悪に従うは崩るるが如し 悪に強ければ善にも強し
悪人あればこそ善人も顕れる 悪人には友多し
悪人の友を捨てて善人の敵を招け 悪人は善人の仇
悪人は、我が造りしものに捕らえらる 悪の裏は善
悪の易ぶるや火の原を燎くが如し 悪の報いは針の先
悪は一旦の事なり 欠伸を一緒にすれば三日従兄弟
悪法もまた法なり 胡坐で川
挙ぐることは鴻毛の如く、取ることは拾遺の如し 悪を長じて悛めずんば、従って自ら及ばん
悪を為すも刑に近づく無し 悪を見ること、農夫の努めて草を去るが如し
揚げ足を取る 上げ膳据え膳
開けて悔しき玉手箱 阿衡の佐
阿漕が浦に引く網 顎で背中を掻く
顎振り三年 朝雨に傘要らず
朝雨は女の腕まくり 朝雨博奕裸の基
浅い川も深く渡れ 朝謡は貧乏の相
朝起き千両夜起き百両 朝起きは三文の徳
朝顔の花一時 朝駆けの駄賃
朝雷に川渡りすな 麻殻に目鼻をつけたよう
朝神主夕坊主 朝ぎりは日中晴れ
朝曇りに驚く者は所帯持ちが悪い 朝曇りは晴れ、夕曇りは雨
朝曇り昼日照り 朝酒は門田を売っても飲め
朝、霜が降りないときは雨 浅瀬に仇波
朝題目に宵念仏 朝茶は七里帰っても飲め
明後日紺屋に今晩鍛冶屋 朝露が降りると晴れ
朝鳶が鳴けば隣七軒出でがならぬ 朝鳶に蓑を着よ、夕鳶に笠をぬげ
朝虹は雨、夕虹は晴れ 朝虹はその日の洪水
朝寝朝酒は貧乏のもと 朝寝好きの夜田打ち
朝寝八石の損 朝の果物は金
朝の来ない夜はない 麻の中の蓬
朝のぴっかり姑の笑い 朝の一時は晩の二時に当たる
朝腹に茶漬け 朝日が西から出る
朝比奈と首引き 朝風呂丹前長火鉢
浅みに鯉 薊の花も一盛り
朝飯前のお茶漬け 朝焼けは雨、夕焼けは晴れ
朝焼けはその日の洪水 朝油断の夕かがみ
麻を荷って金を捨てる 海驢の番
悪しき人に順って避けざれば、繋げる犬の柱を廻るが如し 足寒ければ心を傷る
朝に紅顔有りて夕べには白骨と為る 朝に其の事を忘るれば、夕べに其の功を失う
朝には富児の門を扣き、暮には肥馬の塵に随う 朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり
朝に夕べを謀らず 明日は明日の風が吹く
明日夕べに及ばず 足駄を履いて首ったけ
足駄を履く 味無い物の煮え太り
足の跡はつかぬが筆の跡は残る 足の裏の飯粒をこそげる
足下から鳥が立つ 足下の鳥は逃げる
足を重ねて立ち、目を仄てて見る 足を削りて履に適せしむ
足を知らずして靴を為る 足を万里の流れに濯う
明日ありと思う心の仇桜 飛鳥川の淵瀬
預かり物は半分の主 小豆の豆腐
明日食う塩辛に今日から水を飲む 明日知らぬ世
明日の事を言えば鬼が笑う 明日の百より今日の五十
明日はまだ手つかず 東男に京女
あずり貧乏人宝 汗出でて背を沾す
畦から行くも田から行くも同じ 遊びに師なし
あだし野の露、鳥辺野の煙 当たった者の、ふの悪さ
当たって砕けろ 寇に兵を藉し、盗に糧を齎す
徒花に実は生らぬ 頭押さえりゃ尻上がる
頭が動けば尾も動く 頭隠して尻隠さず
頭から火が付く 頭剃るより心を剃れ
頭でっかち尻つぼみ 頭の上の蠅を追え
頭の黒い鼠 頭の濡れぬ思案
頭禿げても浮気は止まぬ 仇も情けも我が身より出る
新しい畳でも叩けばごみが出る 新しい酒は新しい革袋に盛れ
当たらずと雖も遠からず 当たらぬ蜂には刺されぬ
当たる罰は薦着ても当たる 当たるも八卦、当たらぬも八卦
あちら立てればこちらが立たぬ 彼方を立てれば此方が立たず
遏雲の曲 悪貨は良貨を駆逐する
圧巻 熱けれども悪木の陰に憩わず
暑さ寒さも彼岸まで 暑さ忘れて陰忘る
あったら口に風邪ひかす 有って地獄、無くて極楽
有っても苦労、無くても苦労 熱火、子に払う
羹に懲りて膾を吹く 当て事は向こうから外れる
当て事と越中褌は向こうから外れる 後足で砂をかける
跡追う子に引かれる 後から剝げる正月言葉
後の雁が先になる 後の喧嘩先でする
後の祭り 後は野となれ山となれ
後腹が病める 後へも先へも行かぬ
迹を滅せんと欲して雪中を走る 穴があったら入りたい
穴蔵で雷聞く 侮る葛に倒さる
彼方を祝えば此方の怨み 穴の端を覗く
穴の狢を値段する 穴を掘って言い入る
姉女房は身代の薬 姉は菅笠、妹は日傘
あの声で蜥蜴食らうか時鳥 あの世千日、この世一日
訐きて以て直と為す者を悪む 痘痕も靨
家鴨の鴨の気位 危ない事は怪我のうち
危ない所に登らねば熟柿は食えぬ 危ない橋も一度は渡れ
危ない橋を渡る 虻蜂取らず
虻もたからず 虻も取らず蜂に刺される
油紙に水を注ぐよう 油紙へ火の付いたよう
脂に画き氷に鏤む 油を以て火を救う
油を以て油煙を落とす 阿呆の一徹
雨上がりの薬缶照り 甘い粉にむせる
甘い物に蟻がつく 雨垂れ石を穿つ
雨垂れは三途の川 雨夜の月
余り寒さに風を入る 余り茶に福あり
余り円きはまろび易し 阿弥陀も銭で光る
網、呑舟の魚を漏らす 網無くして淵にのぞむな
網にかかった魚 網にかかるは雑魚ばかり
網の目から手 網の目に風たまらず
網の目にさえ恋風がたまる 黄牛に腹突かれる
雨が降ろうが槍が降ろうが 雨、塊を破らず
飴で餅 飴と鞭
雨に濡れて露恐ろしからず 雨の降る日は天気が悪い
雨の夜にも星 雨は花の父母
雨晴れて笠を忘る 雨降って地固まる
雨を冒して韮を剪る 飴をしゃぶらせる
飴を舐らせて口をむしる 危うきこと朝露の如し
危うきこと累卵の如し 危うきを見て命を致す
怪しきを見て怪しまざれば、怪しみ却って破る 過ちては改むるに憚ること勿れ
過ちて改めざる是を過ちと謂う 過ちては則ち改むるに憚ること勿れ
過ちの功名 過ちは好む所にあり
過ちを文る 過ちを観て斯に仁を知る
過つは人の性、許すは神の心 荒馬の轡は前から
嵐の後には凪がくる 嵐の前の静けさ
新たに沐する者は必ず冠を弾く 蟻集まって樹を揺るがす
蟻が鯛なら芋虫ゃ鯨 有りそうで無いのが金、無さそうで有るのが借金
有りての厭い、亡くての偲び 蟻の穴から堤も崩れる
蟻の思いも天に届く 蟻の熊野参り
蟻の塔を組む如し 蟻の這い出る隙もない
蟻は蹴る能わず、針は呑む能わず 蟻も軍勢
歩く足には泥がつく 有る手からこぼれる
ある時はありがあり、ない時は梨もない 有る時は米の飯
有る時払いの催促無し 有るは厭なり、思うは成らず
有るは借銭、無いは金 淡きを食らい薄きを着る
合わせ物は離れ物 慌てる蟹は穴へ入れぬ
慌てる乞食は貰いが少ない 阿波に吹く風は讃岐にも吹く
合わぬ蓋あれば合う蓋あり 阿波の着倒れ、伊予の食い倒れ
粟一粒は汗一粒 鮟鱇の待ち食い
あんころ餅で尻を叩かれる 暗室を欺かず
晏子の御 暗礁に乗り上げる
鞍上人なく鞍下馬なし 案じるより念じろ
案ずるより産むが易し 安石出でずんば蒼生を如何せん
暗中的を射る 安に居て危を思う
暗夜の礫 闇を以て疵を見る

【い】からはじまることわざ

帷幄の臣 威あって猛からず
いい後は悪い 言い勝ち功名
異域の鬼となる 言いたいことは明日言え
意到りて筆随う 言うた損より言わぬ損が少ない
謂う勿れ、今日学ばずして来日有りと 言うは易く行うは難し
家売れば釘の価 家柄より芋茎
家其の所に足る者は、聖人に従わず 家に諫むる子あれば、其の家必ず正し
家に杖つく 家に無くてならぬものは上がり框と女房
家に鼠、国に盗人 家に弊帚有り、之を千金に享る
家の高いより床の高いがよい 家は弱かれ主は強かれ
家貧しくして親老ゆれば禄を択ばずして仕う 家貧しくして孝子顕る
家を移して妻を忘る 毬栗も内から割れる
鋳掛け屋の天秤棒 怒りには則ち理を思い、危うきには義を忘れず
怒りは逆徳なり、兵は凶器なり、争いは末節なり 怒りは敵と思え
怒りを遷さず 怒れる拳笑顔に当たらず
生き馬の目を抜く 勢いを以て交わる者は勢い傾けば即ち絶ゆ
行き掛けの駄賃 生きた空もない
生きての恨み死しての嘆き 憤りを発して食を忘る
生き二両に死に五両 息の香の臭きは主知らず
行きはよいよい帰りは怖い 生き身は死に身
戦を見て矢を矧ぐ 生簀の鯉
意見三両、堪忍五両 意見と餅はつくほど練れる
懿公鶴を好む 諍い果てての契り
いざ鎌倉 砂長じて巌となる
砂に黄金、泥に蓮 砂を集めて塔を積む
井渫えて食われず 石臼を箸に刺す
石が浮かんで木の葉が沈む 石が流れて木の葉が沈む
石蟹の穴へ海蟹は入らず 石車に乗っても口車に乗るな
石地蔵に蜂 石、玉をつつみて山輝く
石で手を詰める 石に裃
石に灸 石に口漱ぎ流れに枕す
石に錠 石に立つ矢
石に花咲く 石に布団は着せられず
石に枕し流れに漱ぐ 石に耳あり
石の上にも三年 石の物言う世の中
石橋を叩いて渡る 石部金吉鉄兜
医者が取るか坊主が取るか 医者寒からず儒者寒し
医者上手にかかり下手 医者知者福者
医者と味噌は古いほどよい 医者の薬も匙加減
医者の自脈効き目なし 医者の不養生
石破れ天驚く 衣食足りて礼節を知る
石を抱きて淵に入る 衣、新を経ずんば何に由りて故ならん
鶍の嘴の食い違い 居ずば出会え
出雲の神より恵比寿の紙 出ずる息の入るをも待つべからず
何れ菖蒲か杜若 伊勢へ七度、熊野へ三度
葦巣の悔い 居候置いて合わず居て合わず
居候三杯目にはそっと出し 居候の三杯目
急がば高火 急がば回れ
急ぎの文は静かに書け 磯際で船を破る
磯の鮑の片思い 痛い上の針
衣帯を解かず 板倉殿の冷え炬燵
板子一枚下は地獄 痛し痒し
鼬になり貂になり 鼬の最後っ屁
鼬の無き間の貂誇り 鼬の道切り
痛む上に塩を塗る 一悪を以て其の善を忘れず
一瓜実に二丸顔 一運二腰三拍子
一翳眼にあれば空華乱墜す 一淵には両鮫ならず
一押し二金三男 一髪、二化粧、三衣装
一芸は道に通ずる 一合取っても武士は武士
一言既に出ずれば駟馬も追い難し 一日敵を縦せば数世の患い
一日作さざれば一日食らわず 一日作さざれば百日食らわず
一日の長 一日再び晨なり難し
一時の懈怠は一生の懈怠 一字の師
一樹の陰一河の流れも他生の縁 一場の春夢
一善を廃すれば衆善衰う 一種二肥三作り
一度あることは二度ある 一と言うたら二と悟れ
一度死ねば二度死なぬ 一度はままよ二度はよし
一度焼けた山は二度は焼けぬ 一無かるべからず、二あるべからず
一難去ってまた一難 一に看病二に薬
市に帰するが如し 一日一字を学べば三百六十字
一日之を暴めて十日之を寒す 一日猿楽に鼻を欠く
一日の計は朝にあり 一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪引く
一に養生二に介抱 市に禍を買う
一人虚を伝うれば万人実を伝う 一人の斉語、衆楚のかまびすしきに耐えず
一人善く射れば百夫決拾す 一念岩をも通す
一念天に通ず 一年の計は元旦にあり
一農耕さざれば民或は之が為に飢う 一の裏は六
一馬の奔る、一毛の動かざるは無し 一番風呂は馬鹿が入る
一引き二才三学問 一姫二太郎
一富士二鷹三茄子 一枚の紙にも裏表
一目の網は以て鳥を得べからず 逸物の鷹も放さねば捕らず
一も取らず二も取らず 一文惜しみの百知らず
一文高の世の中 一葉落ちて天下の秋を知る
一葉目を蔽えば泰山を見ず 一利を興すは一害を除くに如かず
一輪咲いても花は花 一を聞いて十を知る
一を知りて二を知らず 一を以て万を知る
一家の富貴は千家の怨み 一家を機杼す
一饋に十度立つ 一簣の功
一挙手一投足 一簣を以て江河を障う
一薫一蕕十年なお臭あり 一鶏鳴けば万鶏歌う
一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ 一行失すれば百行共に傾く
一災おこれば二災おこる 一死一生乃ち交情を知る
一将功成りて万骨枯る 一生添うとは男の習い
一升徳利に二升は入らぬ 一升の餅に五升の取粉
一寸先は闇 一寸の光陰軽んずべからず
一寸延びれば尋延びる 一寸の虫にも五分の魂
一銭を笑う者は一銭に泣く 一簞の食一瓢の飲
一籌を輸す 一朝の怒りに其の身を忘る
一丁字を識らず 一擲乾坤を賭す
一滴舌上に通じて、大海の塩味を知る 一天万乗の君
一頭地を抜く 一敗地に塗れる
一杯は人酒を飲む、二杯は酒酒を飲む、三杯は酒人を飲む 一髪千鈞を引く
一飯の徳も必ず償い、睚眦の怨みも必ず報ゆ 一斑を見て全豹を卜す
一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う 一匹の鯨に七浦賑わう
溢美の言 一夫関に当たれば万夫も開くなし
一夫耕さざれば天下其の飢を受く 一片の雲も日を蔽う
鷸蚌の争い いつまでもあると思うな親と金
いつも月夜に米の飯 いつも柳の下に泥鰌は居らぬ
乙夜の覧 佚を以て労を待つ
井戸から火の出たよう 従兄弟同士は鴨の味
愛しき子には旅をさせよ 井戸の端の童
猗頓の富 居ない者貧乏
田舎に京あり 田舎の学問より京の昼寝
稲荷の前の昼盗人 井に坐して天を見る
古を以て今を制する者は事の変に達せず 犬一代に狸一匹
戌亥の夕立と伯母御の牡丹餅は来ぬためし無し 犬が西向きゃ尾は東
鷸蚌の争い 犬と猿
犬に肴の番 犬になるなら大家の犬になれ
犬にも食わせず棚にも置かず 犬に論語
犬の一年は三日 犬の尾を食うて回る
犬の川端歩き 犬の逃げ吠え
犬は人に付き猫は家に付く 犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ
犬骨折って鷹の餌食 犬も歩けば棒に当たる
犬も食わない 犬も朋輩鷹も朋輩
稲は実るにつけて俯き、侍は出世につけて仰向く 稲は実るにつけて俯き、侍は出世につけて仰向く
豕を抱いて臭きを知らず 猪も七代目には豕になる
命あっての物種 命あれば海月も骨に会う
命長ければ恥多し 命長ければ蓬莱に会う
命に過ぎたる宝なし 命の洗濯
命は義によりて軽し 命は槿花の露の如し
命は鴻毛より軽し 命は宝の宝
命は風前の灯の如し 命は法の宝
命より名を惜しむ 井の中の蛙大海を知らず
祈るより稼げ 医は仁術
衣は新に如くはなく、人は故に如くはなし 衣鉢を継ぐ
衣は帛を重ねず 茨垣を裸身で潜る
茨に棘あり 茨の中にも三年の辛抱
渭浜の器 韋編三度絶つ
移木の信 居仏が立ち仏を使う
今泣いた烏がもう笑う 今の甘葛、後の鼻面
今の情けは後の仇 今参り二十日
今際の念仏誰も唱える 芋頭でも頭は頭
芋茎で足を突く 芋の煮えたも御存じない
芋虫でもつつけば動く 倚門の望
いやいや三杯 卑しむ金木で目を突く
厭と頭を縦に振る いらつは恋の癖
いらぬお世話の蒲焼き いらぬ物も三年たてば用に立つ
伊蘭の林に交われども赤栴檀の香は失せず 入り日よければ明日天気
入り船あれば出船あり 入るを量りて出ずるを為す
入れ物と人はある物使え 色男金と力はなかりけり
色気と痔の気の無い者はない 色気より食い気
色の白いは七難隠す 色は思案の外
色を見て灰汁をさせ 鰯網で鯨捕る
鰯の頭も信心から 鰯の頭をせんより鯛の尾に付け
言わぬが花 言わぬ事は聞こえぬ
言わぬは言うにまさる 韋を佩びて以て己を緩くす
衣を解き食を推す 夷を以て夷を制す
因果の小車 殷鑑遠からず
印形は首と釣り替え 咽喉右臂の地
引導を渡す 陰徳あれば必ず陽報あり
陰徳は末代の宝

【う】からはじまることわざ

有為転変は世の習い 憂いも辛いも食うての上
飢えたる犬は棒を恐れず 飢えては食を択ばず
飢えに臨みて苗を植うる如し 上には上がある
上見ぬ鷲 上を下へ
烏鳶の卵毀たざれば而る後に鳳凰集まる 魚心あれば水心
魚と水 魚の木に登るが如し
魚の釜中に遊ぶが如し 魚の水を得たるが如し
魚の水を離れたよう 魚の目に水見えず、人の目に空見えず
魚は江湖に相忘る 魚は鯛
魚を争う者は濡る 魚を得て筌を忘る
うかうか三十きょろきょろ四十 羽翮肉を飛ばす
浮き沈み七度 憂き身を窶す
浮世の苦楽は壁一重 浮世は衣装七分
浮世は牛の小車 浮世は夢
浮世渡らば豆腐で渡れ 鶯鳴かせたこともある
鶯の早く鳴く年は豊年 有卦に入る
烏合の衆 雨後の筍
兎死すれば狐これを悲しむ 兎の登り坂
兎の罠に狐がかかる 兎も七日なぶれば噛み付く
兎を見て犬を放つ 牛売って牛にならず
牛追い牛に追わる 右次左次物言わず
氏無くして玉の輿 牛に経文
牛に対して琴を弾ず 牛に乗って牛を尋ねる
牛に引かれて善光寺参り 牛の歩みも千里
牛の一散 牛の小便と親の意見は長くても効かぬ
牛の角を蜂が刺す 牛は牛連れ、馬は馬連れ
蛆虫も一代 牛も千里、馬も千里
烏集の交わり 羽觴を飛ばす
氏より育ち 後ろ千両前一文
後ろに目無し 後ろの目、壁に耳
後ろ坊主の前角鬘 牛を馬に乗り換える
薄紙を剥ぐよう 臼から杵
失せたる針をば債らぬもの 嘘から出た実
嘘つきは泥棒の始まり 嘘と坊主の頭は結ったことがない
嘘にも種がいる 嘘も方便
嘘を言うと閻魔様に舌を抜かれる 嘘を言えば地獄へ行く
うだつが上がらない 歌は世につれ世は歌につれ
内閻魔の外恵比須 内兜を見透かす
内で掃除せぬ馬は外で毛を振る 内で蛤、外では蜆
内に省みて疚しからず 内に誠あれば外に形る
内の米の飯より隣の麦飯 家の中の盗人は捕まらぬ
家の前の痩せ犬 内裸でも外錦
内広がりの外すぼり 内弁慶の外地蔵
烏鳥の私情 迂直の計
訴え無きを以て貴しと為す 打つも撫でるも親の恩
移れば変わる世の習い 器と名とは以て人に仮すべからず
打てば響く 烏頭白くして馬角を生ず
独活の大木 鰻は滑っても一代鯊は跳んでも一代
自惚れと瘡気の無い者はない 兎の毛で突いたほど
鵜の真似をする烏 鵜の目鷹の目
産屋の風邪は一生つく 盂方なれば水方なり
旨い事は二度考えよ 馬逸足有りと雖も輿に閑わざれば則ち良駿と為さず
旨い物食わす人に油断すな 旨い物は小人数
旨い物は腹にたまる 旨い物は宵に食え
馬から落ちて落馬する 馬に乗るとも口車に乗るな
馬に乗るまでは牛に乗れ 馬には乗ってみよ人には添うてみよ
馬の背を分ける 馬の耳に風
馬の耳に念仏 馬は馬方
馬も買わずに鞍を買う 馬持たずに馬貸すな
馬痩せて毛長し 生まれた後の早め薬
生まれながらの長老なし 生まれぬ先の襁褓定め
馬を牛と言う 馬を牛に乗り換える
馬を得て鞭を失う 馬を崋山の陽に帰し、牛を桃林の野に放つ
馬を買わんと欲してまず牛を問う 馬を水辺につれていけても、水を飲ませることはできない
海魚腹から川魚背から 海に千年山に千年
海に千年河に千年 生みの親より育ての親
産みの苦しみ 海の物とも山の物ともつかぬ
有無相通ず 梅に鶯
梅を望んで渇きを止む 埋もれ木に花が咲く
裏には裏がある 恨み骨髄に徹す
怨み骨髄に入る 怨みに報ゆるに徳を以てす
怨みほど恩を思え 売られた喧嘩は買わねばならぬ
売り家と唐様で書く三代目 売り言葉に買い言葉
売り出し三年 瓜に爪あり爪に爪なし
瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ 瓜の蔓に茄子はならぬ
瓜二つ 売り物には花を飾れ
瓜を投じて瓊を得 漆は剝げても生地は剝げぬ
患いを救い災いを分かつ 憂え身に及びて後憂うるも及ばず
うろこ雲は雨 烏鷺の争い
浮気と乞食は止められぬ 噂をすれば影がさす
竽を好むに瑟を鼓す ウンカのもちつきは雨
雲霓の望み 運根鈍
生んだ子より抱いた子 膿んだものは潰せ
雲中の白鶴 雲泥の差
運は天に在り 運用の妙は一心に存す
運を待つは死を待つに等し

【え】からはじまることわざ

栄華有る者は必ず憔悴あり 嬰児の貝を以て巨海を測る
潁水に耳を洗う 詠雪の才
穎脱して出ず 盈満の咎
英雄色を好む 英雄人を欺く
得難きは時、会い難きは友 益者三楽、損者三楽
益者三友、損者三友 易者身の上知らず
えぐい渋いも味のうち 靨は七難隠す
えせ侍の刀いじり えせ者の空笑い
枝、本より大なれば必ず披く 得たり賢し
枝を伐って根を枯らす 枝を矯めて花を散らす
越鶏は鵠卵を伏する能わず 越俎の罪
越人は越に安んじ、楚人は楚に安んず 越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く
得手に鼻突く 得手に帆を揚げる
江戸中の白壁は皆旦那 江戸っ子の往き大名帰り乞食
江戸っ子は五月の鯉の吹流し 江戸っ子は宵越しの銭は持たぬ
江戸の敵を長崎で討つ 江戸は八百八町、大阪は八百八橋
江戸べらぼうに京どすえ 絵に描いた餅
柄の無い所に柄をすげる 榎の実はならばなれ、木は椋の木
海老跳れども川を出でず 海老で鯛を釣る
栄耀の餅の皮 選んで粕を掴む
縁あれば千里を隔てても会い易し 宴安は酖毒
焔焔に滅せずんば炎炎を若何せん 鴛鴦の契り
煙霞の痼疾 轅下の駒
猿猴が月を取る 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
塩車の憾み 遠親は近隣に如かず
遠水近火を救わず 円石を千仞の山に転ず
偃鼠河に飲むも満腹に過ぎず 淵中の魚を知る者は不祥なり
縁と命は繋がれぬ 縁と浮世は末を待て
縁なき衆生は度し難し 炎に付き寒に棄つ
縁に連るれば唐の物を食う 炎に趨り熱に付く
縁の切れ目は子で繋ぐ 縁の下の鍬使い
縁の下の筍 縁の下の力持ち
縁の下の舞 縁の目には霧が降る
縁は異なもの味なもの 閻魔の色事
遠慮なければ近憂あり 遠慮は無沙汰
遠慮ひだるし伊達寒し 轅を北にして楚に適く

【お】からはじまることわざ

老い木に花咲く 老い木は曲がらぬ
老いたる馬は道を忘れず 老いたるを父とせよ
追風に帆を上げる 老いては子に従え
老いてはますます壮んなるべし 老いて再び稚児になる
老いの学問 王侯将相寧んぞ種あらんや
往時渺茫として都て夢に似たり 負うた子に教えられて浅瀬を渡る
負うた子より抱いた子 負うた子を三年探す
会うた時に笠を脱げ 追う手を防げば搦め手が回る
奥に媚びんよりは寧ろ竈に媚びよ 王は十善神は九善
鸚鵡能く言えども飛鳥を離れず 往を彰らかにして来を察す
往を告げて来を知る 負えば抱かれよう
大嘘は吐くとも小嘘は吐くな 大男総身に知恵が回り兼ね
大男の殿 大風に灰を撒く
狼に衣 大河を手で堰く
大木一本倒るれば小木千本の嘆き 大きい薬缶は沸きが遅い
大きな家には大きな風 大きな魚が小さな魚を食う
大きな話より小さな現実 大木に蝉
大木の下に小木育たず 大木の下に小木育つ
多し少なし子三人 大遣いより小遣い
大所の犬となるとも小所の犬となるな 大鳥取るとて小鳥も取り損なう
大取りより小取り 大中の小中
大鍋の底は撫でても三杯 大水に飲み水なし
大鋸屑も言えば言う 大鋸屑も取柄
陸に上がった河童 置かぬ棚を探す
置かぬ棚をも探せ 起きて働く果報者
起きて半畳寝て一畳 沖な物あて
沖にも付かず磯にも付かず 屋烏の愛
屋下に屋を架す 屋上屋を架す
奥歯に衣着せる 奥歯に物が挟まる
奥山の杉のともずり お蔵に火がつく
送る月日に関守なし 屋漏に愧じず
螻蛄の水渡り 驕る平家は久しからず
奢る者は心常に貧し 驕れる者久しからず
御先棒を担ぐ 教うるは学ぶの半ば
教えの民を化するや命よりも深し 伯父が甥の草を刈る
お仕着せの長口上 遅かりし由良之助
恐れ入谷の鬼子母神 尾大なれば掉わず
煽てと畚には乗るな おたまじゃくしが蛙になる
小田原評定 落ち武者は薄の穂にも怖ず
お茶を挽く 落ちれば同じ谷川の水
夫夫たり、婦婦たり 夫の心と川の瀬は一夜に変わる
頤で蠅を追う 頤を解く
男心と秋の空 男伊達より小鍋だて
男猫が子を生む 男の目には糸を張れ、女の目には鈴を張れ
男は三年に一度笑う 男は敷居を跨げば七人の敵あり
男は辞儀に余れ 男は裸百貫
男は松、女は藤 男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く
落とし穴に落とし石を下す 落とした物は拾い徳
大人は火の子 踊り三人見手八人
同じ穴の狢 同じ羽毛の鳥は集まる
同じ釜の飯を食う 鬼が住むか蛇が住むか
鬼が出るか蛇が出るか 鬼瓦にも化粧
鬼に金棒 鬼に瘤を取られる
鬼に衣 鬼にもなれば仏にもなる
鬼の居ぬ間に洗濯 鬼の霍乱
鬼の首を取ったよう 鬼の空念仏
鬼の立てたる石の戸も情けに開く 鬼の女房に鬼神がなる
鬼の目にも涙 鬼の目にも見残し
鬼も十八番茶も出花 鬼も角折る
鬼を一車に載す 斧の柄朽つ
己達せんと欲して人を達す 己に克ち礼に復る
己に如かざる者を友とするなかれ 己の長に伐らず
己の欲する所を人に施せ 己の欲せざる所は人に施す勿れ
己を舎てて人に従う 己を責めて人を責むるな
己を虚しうす 己を以て人を度る
斧を掲げて淵に入る 斧を研いで針にする
尾羽打ち枯らす お鉢が回る
伯母の牡丹餅と乾夕立の来ぬことはない 帯に短し襷に長し
思し召しより米の飯 溺るるに及んで船を呼ぶ
溺れる者は藁をも掴む お前追従する者は必ず陰にて謗る
お前百までわしゃ九十九まで 御神酒上がらぬ神はない
思い内にあれば色外に現る 思い置きは腹の病
思い面瘡思われ面皰 思い立ったが吉日
思い半ばに過ぐ 思い邪無し
思う事言わねば腹ふくる 思う事一つ叶えばまた一つ
思うに別れて思わぬに添う 思う念力岩をも通す
思うようなら子と三人 思えば思わるる
重き馬荷に上荷打つ 重きを負い遠きを渉るときは地を択ばずして休う
表木綿の裏甲斐絹 重荷に小付け
親思いの主倒し 親思う心にまさる親心
親が親なら子も子 親が死んでも食休み
親方思いの主倒し 親方日の丸
親苦労する、その子楽する、孫乞食する 親孝行と火の用心は灰にならぬ前
親子の仲でも金銭は他人 親子は一世、夫婦は二世、主従は三世
親父と南蛮は辛いほどいい 親知らず子知らず
親擦れより友擦れ 親と子供は銭金で買われぬ
親に先立つは不孝 親に似た蛙の子
親に似ぬ子は鬼子 親には一日に三度笑って見せよ
親の甘茶が毒となる 親の意見と茄子の花は千に一つも無駄は無い
親の意見と冷や酒は後で効く 親の因果が子に報う
親の打つ拳より他人の摩るが痛い 親の奥歯で噛む子は他人が前歯で噛む
親の恩と水の恩は送られぬ 親の恩は子で送る
親の恩は子を持って知る 親の恩より義理の恩
親の心子知らず 親の十七子は知らぬ
親の脛をかじる 親の背でもただは掻かぬ
親の光は七光 親の目は贔屓目
親の物は子の物、子の物は親の物 親の欲目
親は親、子は子 親馬鹿子馬鹿
親はなくとも子は育つ 親は木綿着る子は錦着る
お山の大将 親見たけりゃ子を見ろ
親も親なり子も子なり 親より先に死ぬのは一番の親不孝
親を睨むと鮃になる 泳ぎ上手は川で死ぬ
及ばぬ鯉の滝登り 愚か者に福あり
負わず借らずに子三人 終わり良ければ全て良し
尾を塗中に曳く 尾を振る犬は叩かれず
尾を振る犬も噛むことあり 穏座の初物
女心と秋の空 女賢しくて牛売り損なう
女三人寄れば姦しい 女と坊主に余り物がない
女の足駄にて造れる笛には秋の鹿寄る 女の一念岩をも通す
女の髪の毛には大象もつながる 女の心は猫の眼
女は三界に家無し 女は目の天国、財布の煉獄、魂の地獄
恩に着る 恩の腹は切らねど情けの腹は切る
恩甚だしければ則ち怨み生ず 温良恭倹譲
恩を仇で返す 恩を以て怨みに報ず

か行のことわざ

【か】からはじまることわざ

飼い犬に手を噛まれる 飼い養う犬も主を知る
貝殻で海を干す 会稽の恥
骸骨を乞う 解語の花
睚眥の怨み 害心ある者妨害あり
灰燼に帰す 海賊が山賊の罪をあげる
咳唾珠を成す 書いた物が物を言う
海棠眠り未だ足らず 快刀乱麻を断つ
快犢車を破る 飼い鳥を刺す如し
甲斐無き星が夜を明かす 櫂は三年櫓は三月
凱風南よりして彼の棘心を吹く 隗より始めよ
怪力乱神を語らず 偕老同穴
回禄の災い 階を釈てて天に登る
買うは貰うに勝る 替え着なしの晴れ着なし
カエサルの物はカエサルに 蛙の願立て
蛙の行列 蛙の子は蛙
蛙の面に水 蛙は口から呑まるる
顔色をうかがう 顔から火が出る
顔で笑って心で泣く 顔に泥を塗る
顔に似ぬ心 顔を合わせる
顔を立てる 嬶天下に空っ風
河海は細流を択ばず 蚊がうすづけば雨が降る
下学して上達す 踵で頭痛を病む
鏡明らかなれば則ち塵垢止まらず かがみ女に反り男
鏡は女の魂 掛かるも引くも折による
河漢の言 柿が赤くなれば医者は青くなる
垣堅くして犬入らず 餓鬼に苧殻
牆に耳あり 垣根と諍いは一人でならぬ
鍵の穴から天を覗く 餓鬼の断食
餓鬼の花争い 餓鬼の目に水見えず
餓鬼も人数 蝸牛角上の争い
火牛の計 柿を盗んで核を隠さず
学者と大木は俄にできぬ 学者の取った天下なし
学者の不身持ち 隠すより現る
客星帝座を犯す 下愚の性移るべからず
学の前に書来る 学は及ばざるが如くす
学若し成らずんば死すとも帰らず 学問に王道なし
学問に近道なし 楽屋から火を出す
楽屋で声を嗄らす 獲麟
隠れたるより見るるはなし 隠れての信は現れての徳
家鶏を賤しみて野雉を愛す 駆け馬に鞭
駆けつけ三杯 陰で糸を引く
陰では殿の事も言う 陰に居て枝を折る
陰になり日向になり 影の形に随うが如し
影も無いのに犬は吠えぬ 陽炎、稲妻、水の月
影を畏れ迹を悪む 嘉肴ありと雖も食らわざればその旨きを知らず
画工闘牛の尾を誤って牧童に笑わる 籠で水汲む
駕籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人 風穴を開ける
風上にも置けない 風下に笊
傘と提灯は戻らぬつもりで貸せ 嵩に懸かる
風見の烏 火事あとの釘拾い
火事あとの火の用心 貸し借りは他人
賢い人には友がない 貸した物は忘れぬが借りたものは忘れる
火事と喧嘩は江戸の花 和氏の璧
鹿島立ち 華胥の国に遊ぶ
家書万金に抵る 頭を懸け股を刺す
歌人は居ながらにして名所を知る 鎹思案
霞に千鳥 苛政は虎よりも猛し
河清を俟つ 風、条を鳴らさず
風が吹けば桶屋が儲かる 稼ぎ男に繰り女
稼ぐに追いつく貧乏なし 稼ぐに追い抜く貧乏神
風に順いて呼ぶ 風にそよぐ葦
風の吹き回し 風の前の塵
風の耳を過ぐるが如し 風、破窓を射て灯火滅し易し
風は吹けども山は動ぜず 風邪は万病の元
風吹かぬ間の花 風吹けば木安からず
堅い石から火が出る 堅い木は折れる
敵の家でも口を濡らせ 敵の前より借金の前
難きを先にして獲るを後にす 片口聞いて公事を分くるな
形は生めども心は生まぬ 片手で錐は揉まれぬ
刀折れ矢尽きる 刀は武士の魂
刀を売りて子牛を買う 片棒を担ぐ
片山曇れば片山日照る 語り下手の聞き上手
花中の鶯舌は花ならずして芳し 火中の栗を拾う
勝ちを千里の外に決す 餓えて死ぬは一人、飲んで死ぬは千人
鰹節と砥石の借入れはない 鰹節を猫に預ける
渇して井を穿つ 渇しても盗泉の水を飲まず
渇すれども盗泉の水を飲まず 渇すれども盗泉の水を飲まず
勝った自慢は負けての後悔 勝って兜の緒を締めよ
河童に塩を誂える 河童に水練
河童の川流れ 河童の寒稽古
河童の屁 刮目して相待つべし
勝つも負けるも時の運 活を入れる
褐を被て玉を懐く 勝てば官軍、負ければ賊軍
糧を捨てて船を沈む 糧を敵に借る
瓜田に履を納れず 臥榻の側、豈に他人の鼾睡を容れんや
河東の獅子吼 門松は冥土の旅の一里塚
家内喧嘩は貧乏の種蒔き 鼎足を折り公の餗を覆す
鼎の軽重を問う 鼎の沸くが如し
鼎を扛ぐ 悲しい時は身一つ
悲しみは生別離より悲しきは莫し 彼方によければ此方の恨み
鉄鎚の川流れ 叶わぬ恋に心を尽くすより犬猫を飼え
叶わぬ時には親を出せ 叶わぬ時の神頼み
蟹の念仏 蟹の横這い
蟹は甲羅に似せて穴を掘る 科に盈ちて後進む
鐘鋳るまでの土鋳型 金請けするとも人請けするな
金が言わせる旦那 金が唸る
金が敵 金が金を儲ける
金が子を生む 金が物を言う
金さえあれば飛ぶ鳥も落ちる 金で面を張る
金に飽かす 金に糸目を付けない
鐘の音がよく聞こえると雨 金の切れ目が縁の切れ目
金の鎖も引けば切れる 金の光は阿弥陀ほど
金の光は七光 金の棒にも縋ってみよ
金の草鞋で探す 金の草鞋で尋ねる
金は命の親、命の敵 金は浮き物
金は片行き 金は三欠くに溜まる
金は天下の回り物 金は湧き物
金儲けと死に病に易い事なし 鐘も撞木の当たり柄
金持ち金を使わず 金持ち喧嘩せず
金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い 金持ちの貧乏人、貧乏人の金持ち
鉦や太鼓で捜す 金を貸せば友を失う
蛾の火に赴くが如し 貨の悖りて入る者は亦悖りて出ず
蚊柱立てば雨 寡は衆に敵せず
稼は老農に如かず、圃は老圃に如かず 黴が生える
禍福己による 禍福は糾える縄の如し
禍福は門なし唯人の招く所なり 兜を脱ぐ
株を守りて兎を待つ 画餅に帰す
壁に馬を乗りかける 壁に耳あり障子に目あり
壁の穴は壁で塞げ 壁を穿ちて書を読む
果報は寝て待て 竈将軍
蝦蟆は日夜鳴けども人之を聴かず 噛み合う犬は呼び難し
上清ければ下濁らず 紙子着て川へ入る
上、材を求むれば臣は木を残う 神様にも祝詞
裃を着た盗人 紙漉きの手鼻
剃刀と奉公人は使いよう 剃刀の刃渡り
雷が鳴ると梅雨が明ける 上に居て驕らざれば高くして危うからず
上に交わりて諂わず、下に交わりて驕らず 上の好む所、下これよりも甚だし
神の神庫も梯のままに 神は非礼を受けず
神は見通し 神へも物は申しがら
髪結い髪結わず 上を学ぶ下
噛む馬はしまいまで噛む 亀の甲より年の功
亀の年を鶴が羨む 鴨集まって動ずれば雷となる
鴨が葱を背負って来る 賀茂川の水
可もなく不可もなし 鴨の水掻き
鴨を打って鴛鴦を驚かす 下問を恥じず
瑕瑜相揜わず 痒い所に手が届く
粥腹も一時 空馬に怪我なし
烏の頭の白くなる 烏の行水
烏の雌雄 烏羽の文字
烏は百度洗っても鷺にはならぬ 烏は鵜に使う
烏を鷺 唐へ投げ金
唐物商いは千里一跳ね 借り着より洗い着
借りて借り得貸して貸し損 借りてきた猫
狩人罠にかかる 画竜点睛を欠く
河梁の別れ 借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔
借りる八合、済す一升 枯れ木に花
枯れ木も山の賑わい 彼も一時、此も一時
彼を知り己を知れば百戦殆うからず 彼を知り己を知れば百戦して殆うからず
餓狼の庖厨を守る如し 夏炉は湿を炙り、冬扇は火を翣ぐ
可愛い子には旅をさせよ 可愛可愛は憎いの裏
可愛さ余って憎さ百倍 皮一枚剥げば美人も髑髏
乾き田に水 川口で船を破る
川越して宿を取れ 川立ちは川で果てる
川中には立てど人中には立たれず 川に水運ぶ
川の石星となる 河は委蛇を以ての故に能く遠し
皮引けば身が付く 皮一重
川向かいの喧嘩 土器の欠けも用あり
瓦は磨いても玉にはならぬ 瓦も磨けば玉となる
皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る 蚊を殺すにはその馬を撃たず
蚊をして山を負わしむ 可を見て進み難を知りて退く
棺桶に片足を突っ込む 冠蓋相望む
考える葦 勧学院の雀は蒙求を囀る
頷下の珠 關關たる雎鳩は河の洲に在り
寒九の雨 緩急宜しきを得る
眼光紙背に徹す 函谷関の鶏鳴
閑古鳥が鳴く 紈袴は餓死せず、儒冠は多く身を誤る
間然する所無し 癇癪持ちの事破り
雁書 勘定合って銭足らず
寒松千丈の節 感心上手の行い下手
韓信の股くぐり 甘井先に竭く
間然するところなし 肝胆相照らす
邯鄲の歩み 邯鄲の夢
肝胆も楚越なり 肝胆を砕く
肝胆を披く 管中に豹を見る
眼中の釘 眼中人なし
干天の慈雨 勘当に科なく赦免に忠なし
甘棠の愛 関東の食い倒れ上方の着倒れ
雁捕る罠に鶴 姦無きを以て吠えざるの狗を畜うべからず
艱難汝を玉にす 寒に帷子、土用に布子
簡にして要を得る 感に堪えない
堪忍の忍の字が百貫する 堪忍は一生の宝
堪忍袋の緒が切れる 肝脳、地に塗る
旱魃に飢饉なし 旱魃に水
間髪を入れず 汗馬の労
雁は八百、矢は三本 雁は八百、矢は三文
看板倒れ 看板に偽りあり
看板に偽りなし 管豹の一斑
完膚無きまで 完膚無し
完璧 管鮑の交わり
冠古けれども沓に履かず 冠敝ると雖も必ず首に加う
雁も鳩も食わねば知れぬ 歓楽極まりて哀情多し
眼裏に塵あって三界窄し 冠履は同じく蔵めず
冠履を貴んで頭足を忘る 韓盧を馳せて蹇兎を逐う
棺を蓋いて事定まる 管を以て天を窺う

【き】からはじまることわざ

聞いて極楽見て地獄 驥、塩車に服す
既往は咎めず 棄灰の刑
奇貨居くべし 気が置けない
気が利き過ぎて間が抜ける 気が気でない
葵藿の志 木株にも物着せよ
木から落ちた猿 雉子の頓使い
聞き上手の話下手 聞き取り法問
危急存亡の秋 忌諱に触れる
騏驥の跼躅するは駑馬の安歩に如かず 騏驥も一躍に十歩すること能わず
聞くと見るとは大違い 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
聞くは気の毒、見るは目の毒 聞くは法楽
聞けば聞き腹 旗鼓相当たる
騎虎の勢い 箕山の節
木七竹八塀十郎 雉の隠れ
幾事密ならざれば則ち害成る 雉も鳴かずば撃たれまい
貴珠は賤蚌より出ず 机上の空論
雉を食えば三年の古傷も出る 疑心暗鬼を生ず
鬼神は邪無し 帰心矢の如し
傷口に塩 疵に玉
傷持つ足の下り坂 鬼籍に入る
機先を制する 驥足を展ぶ
汚く稼いで清く暮らせ 北に近ければ南に遠い
北枕に寝るな 来る者は拒むこと勿れ、去る者は追うこと勿れ
来る者は日日に親し 騎竹の年
吉事門を出でず 機知の巧有れば必ず機知の敗有り
羈鳥旧林を恋い池魚故淵を思う 吉凶は糾える縄の如し
吉凶は人によりて日によらず 橘中の楽
啄木鳥の子は卵から頷く 狐が下手の射る矢を恐る
狐之を埋めて狐之を搰く 狐死して兎泣く
狐死して丘に首す 狐其の尾を濡らす
狐と狸 狐と狸の化かし合い
狐七化け狸は八化け 狐の子は面白
狐の嫁入り 狐を馬に乗せたよう
木強ければ則ち折る 来て見れば、さほどでもなし富士の山
木、縄に従えば則ち正し 木に竹を接ぐ
機に臨み変に応ず 木に餅がなる
木に縁りて魚を求む 機に縁りて法を説け
杵で当たり杓子で当たる 昨日の襤褸今日の錦
昨日の敵は今日の友 昨日の友は今日の仇
昨日の淵は今日の瀬 昨日は今日の昔
昨日は人の身、今日は我が身 昨日は嫁、今日は姑
気の利いた化け物は引っ込む時分 茸採った山は忘れられない
木の長きを求むる者は必ず其の根本を固くす 木登りは木で果てる
木の股から生まれる 木の実は木の本
驥は一日にして千里なるも、駑馬も十駕すれば之に及ぶ 機は得難くして失い易し
木は木、金は金 木は規に依って直く人は人に依って賢し
貴は驕と期せずして驕自ずから来る 気は心
義は泰山より重く、命は鴻毛より軽し 耆婆、扁鵲でもいかぬ
驥尾に付す 木仏金仏石仏
季布の一諾 危邦に入らず乱邦に居らず
跬歩して休まざれば跛鼈も千里 君射れば則ち臣決す
君飾らざれば臣敬わず 君君たらずと雖も臣以て臣たらざるべからず
君君たり臣臣たり 君、臣を択ぶのみに非ず、臣も亦君を択ぶ
君に事えて数すれば斯に辱めらる 君辱めらるれば臣死す
気脈を通じる 鬼面、人を嚇す
木もと竹うら 鬼門金神我より祟る
客と白鷺は立ったが見事 客の朝起き
杞憂 久闊を叙する
九牛の一毛 急行に善歩無し
窮寇は追うこと勿れ 朽索の六馬を馭するが如し
丘山は曳くきを積みて高きを為す 九死に一生を得る
牛首を懸けて馬肉を売る 牛耳を執る
九仞の功を一簣に虧く 窮すれば通ず
九層の台は累土より起こる 窮鼠猫を噛む
窮鳥懐に入れば猟師も殺さず 牛鼎の意
牛蹄の涔には尺の鯉無し 朽木は雕るべからず
窮余の一策 笈を負う
裘を反して薪を負う 今日あって明日ない身
胸襟を開く 郷原は徳の賊
僥倖は性を伐つの斧なり 強将の下に弱卒無し
兄弟は他人の始まり 兄弟は両の手
強弩の極魯縞を穿つ能わず 恭なれば則ち患に遠ざかる
京に田舎あり 京の着倒れ、大阪の食い倒れ
堯の子堯ならず 今日の情けは明日の仇
今日の後に今日はなし 今日の一針明日の十針
京の夢大阪の夢 業は勤むるに精しく嬉しむに荒む
今日は人の上、明日は我が身の上 器用貧乏人宝
狂夫の言も聖人之を択る 狂夫の楽しみは智者の哀しみ
経も読まずに布施を取る 狂瀾を既倒に廻らす
恭、礼に近づけば恥辱に遠ざかる 旭日昇天の勢い
玉石倶に焚く 玉斧を乞う
魚豕の惑い 虚舟舟に触るとも人怒らず
曲肱の楽しみ 虚にして往き実にして帰る
虚に拠り影を博たしむ 居は気を移す
魚腹に葬らる 漁夫の利
清水の舞台から飛び降りる 虚名久しく立たず
嫌いは知らぬの唐名 綺羅星の如く
切り株にも衣装 義理と褌欠かされぬ
義理張るより頰張れ 桐一葉
器量より気前 麒麟児
麒麟の躓き 騏驎も老いては駑馬に劣る
切る手遅かれ 綺麗な花は山に咲く
軌を一にする 驥を睎うの馬も亦驥の乗なり
驥をして鼠を捕らしむ 義を見てせざるは勇無きなり
木を見て森を見ず 槿花一日の栄
巾幗の贈 金言耳に逆らう
金谷の酒数 琴瑟相和す
琴瑟調わず 錦上に花を添える
錦上花を添う 金石の交わり
琴線に触れる 禁断の木の実
禽鳥、百を数うると雖も一鶴に如かず 金的を射止める
金湯の固きも粟に非ざれば守らず 金時の火事見舞い
金の卵を産む鵞鳥を殺すな 金の茶釜の七つもあるよう
勤勉は成功の母 金蘭の契り
金を炊ぎ玉を饌す 金を攫む者は人を見ず
奇を衒う

【く】からはじまることわざ

苦あれば楽あり 食いつく犬は吠えつかぬ
食い物と念仏は一口ずつ 食い物のあるのに鉄砲汁
空谷の跫音 食うことは今日食い、言うことは明日言え
食うた餅より心持ち 食うに倒れず病むに倒れる
食うべき折に食わざるは粮なき者となる 食おうとて痩せる
釘の裏を返す 釘の曲がりは鉄鎚で直せ
釘を刺す 公家にも襤褸
公家の位倒れ 苦言は薬なり、甘言は疾なり
愚公山を移す 臭い物に蠅たかる
臭い物に蓋をする 臭い者身知らず
草木も靡く 草木も眠る丑三つ時
草腐しの雨は七日続く 腐っても鯛
草の根を分けて探す 草葉の陰で喜ぶ
楔を打ち込む 楔を以て楔を抜く
腐り縄に馬を繋ぐ 腐り縄にも取り所
草、囹圄に満つ 腐れ縁は離れず
腐れ木は柱と成らず 草を打って蛇を驚かす
櫛が通りにくいときは雨 孔子の倒れ
櫛の歯が欠けたよう 櫛の歯を挽く
九尺二間に戸が一枚 孔雀は羽ゆえ人に捕らる
愚者の百行より知者の居眠り 鯨に鯱
鯨も魚、白魚も魚 楠の木分限、梅の木分限
薬あればとて毒を好むべからず 薬にしたくも無い
薬の灸は身に熱く、毒な酒は甘い 薬人を殺さず、医師人を殺す
薬も過ぎれば毒となる 薬より養生
癖ある馬に能あり 癖ある馬に乗りあり
虞芮の訴え 癖なき馬は行かず
曲者の空笑い 下り坂に腰を押す
管を巻く 口あれば京へ上る
口あれば食い、肩あれば着る 口が動けば手が止む
口から出れば世間 口先の裃
口自慢の仕事下手 口叩きの手足らず
口でけなして心で褒める 口では大阪の城も建つ
口と財布は締めるが得 蛇の口裂け
口に甘いは腹に毒 口に栄耀、身に奢り
口に地代は出ない 口に使われる
口に糊する 口には関所がない
口に蜜あり腹に剣あり 口は口、心は心
嘴が黄色い 嘴を入れる
口は重宝 口は閉じておけ、目は開けておけ
口は虎、舌は剣 口は禍の門
口は災いの元 唇亡びて歯寒し
口弁慶 口も八丁手も八丁
狗猪も其の余を食わず 靴新しと雖も冠となさず
沓の蟻、冠を嫌う 轡の音にも目をさます
靴を度りて足を削る 衢道を行く者は至らず
苦肉の策 国大なりと雖も戦いを好めば必ず亡ぶ
国に入ってはまず禁を問え 国に盗人、家に鼠
国乱れて忠臣現る 国破れて山河あり
苦杯を嘗める 九は病、五七は雨に四つ旱、六つ八つならば風と知るべし
首斬る罪人にも三日の日延べあり 首縊りの足を引く
首振り三年ころ八年 九百九十九匹の鼻欠け猿、満足な一匹の猿を笑う
頸を延べ踵を挙ぐ 窪い所に水溜まる
雲となり雨となる 雲に梯
雲に汁 蜘蛛の子を散らす
蜘蛛の巣で石を吊る 蜘蛛は大風の吹く前に巣をたたむ
雲は竜に従い風は虎に従う 雲を霞と
雲を掴む 雲を掴んで鼻をかむ
供養より施行 食らえどもその味わいを知らず
鞍掛け馬の稽古 暗がりから牛
暗がりに鬼を繋ぐ 暗がりの渋面
暗がりの恥を明るみへ出す 苦楽は生涯の道連れ
水母の風向かい 水母の行列
水母の骨 暗闇の鉄砲
暗闇の頬被り 苦しい時には親を出せ
苦しい時の神頼み 車の両輪
車は海へ舟は山 車は三寸の楔を以て千里を駆くる
車を馬の前に置く 車を借る者は之を馳せ、衣を借る者は之を被る
紅は園生に植えても隠れなし 暮れぬ先の提灯
黒い雲が出ると雨 黒犬に嚙まれて灰汁の垂れ滓に怖じる
食わず嫌い 食わず貧楽高枕
食わせておいて扨と言い 食わぬ飯が髭に付く
食わぬ犬をけしかける 食わぬ殺生
鍬を担げた乞食は来ない 愚を守る
群蟻腥羶に付く 群軽軸を折る
群犬怪しむ所に吠ゆ 君子危うきに近寄らず
君子行いを以て言い、小人舌を以て言う 君子重からざれば則ち威あらず
群して党せず 君子蕩蕩として小人戚戚たり
君子に三戒あり 君子に三楽あり
君子に二言なし 君子の交わりは淡きこと水の如し
君子の交わりは淡きこと水の若し 君子は憂えず懼れず
君子は屋漏に恥じず 君子は下問を恥じず
君子は器ならず 君子は義に喩り、小人は利に喩る
君子は言に訥にして行に敏ならんと欲す 君子は諸を己に求め、小人は諸を人に求む
君子は三端を避く 君子は死するに衣冠を脱がず
君子は人の美を成して、人の悪を成さず 君子は独りを慎む
君子は豹変す 君子は交わり絶ゆとも悪声を出ださず
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず 軍者ひだるし儒者寒し
葷酒山門に入るを許さず 軍は和にあって衆にあらず
薫は香を以て自ら焼く 君命に受けざる所あり
群盲象を評す 軍門に降る
薫蕕は器を同じくせず 群羊を駆って猛虎を攻む

【け】からはじまることわざ

形影相同じ 形影相弔う
形影相伴う 傾蓋故の如し
謦咳に接する 芸が身を助けるほどの不仕合わせ
蛍火を以て須弥を焼く 挂冠
桂玉の艱 荊棘の道
鶏群の一鶴 醯鶏甕裏の天
鶏犬相聞こゆ 鶏犬雲に吠ゆる
傾国 蟪蛄春秋を識らず
鶏口となるも牛後となるなかれ 稽古に神変あり
荊妻 敬して遠ざける
経師は遇い易く人師は遇い難し 慶者堂に在り弔者閭に在り
軽車の熟路に付くが若し 芸術は長く人生は短し
傾城 傾城買いの糠味噌汁
蛍雪の功 軽諾は必ず信寡し
兄たり難く弟たり難し 兄弟牆に鬩げども外その務りを禦ぐ
兄弟は手足なり 涇は渭を以て濁る
刑は軽きを厭わず 刑は刑無きを期す
芸は道によって賢し 芸は身の仇
芸は身を助ける 桂馬の高上がり
桂林の一枝、昆山の片玉 鶏肋
怪我と弁当は自分持ち 怪我の功名
逆鱗に触れる 下戸の肴荒らし
下戸の建てた蔵はない 下戸の手剛
下戸は上戸の被官 袈裟と衣は心に着よ
下種と鷹とに餌を飼え 下衆の後知恵
下種の一寸、のろまの三寸、馬鹿の開けっ放し 下衆の勘繰り
下種の口に戸は立てられぬ 下種の逆恨み
下種の謗り食い 下種の話は糞で収まる
下駄も阿弥陀も同じ木の切れ 下駄を預ける
血気盛りに神祟らず 結構毛だらけ猫灰だらけ
結構は阿呆の唐名 月旦評
桀の犬尭に吠ゆ 褻にも晴れにも歌一首
外法成就の者は子孫に伝わらず 外法の下り坂
煙る座敷には居られるが、睨む座敷には居られぬ 外面如菩薩内心如夜叉
螻蛄才 螻蛄腹立てれば鶫喜ぶ
蹴る馬も乗り手次第 毛を謹みて貌を失う
毛を吹いて疵を求む 犬猿の仲
蒹葭玉樹に倚る 喧嘩過ぎての空威張り
喧嘩過ぎての棒乳切り 喧嘩にかぶる笠はない
厳家には桿虜無し 懸河の弁
喧嘩は降り物 喧嘩両成敗
原憲の貧 涓涓塞がざれば終に江河となる
現在の甘露は未来の鉄丸 賢者ひだるし伊達寒し
剣術十年、槍三年 賢人は危うきを見ず
健全なる精神は健全なる身体に宿る 犬兎の争い
剣は一人の敵学ぶに足らず 言は簡を尊ぶ
堅白同異の弁 犬馬の心
犬馬の養い 犬馬の歯
犬馬の労 倹以て廉を助くべし
言悖りて出ずる者は亦悖りて入る 倹より奢に入るは易く奢より倹に入るは難し
黔驢の技 賢路を妨ぐ
堅を被り鋭を執る 剣を使う者は剣で死ぬ
賢を見ては斉しからんことを思う

【こ】からはじまることわざ

小家から火を出す 御意見五両、堪忍十両
恋路は縁のもの 恋いた程飽いた
濃い茶目の毒気の薬 恋と願いはよくせよ
恋に師匠なし 恋に上下の隔てなし
鯉の滝登り 鯉の一跳ね
恋の道には女が賢しい 恋の山には孔子の倒れ
恋は曲者 恋は思案の外
恋は仕勝ち 恋をするより徳をしろ
五噫を歌う 紅一点
光陰に関守なし 光陰矢の如し
後悔先に立たず 口角泡を飛ばす
溝壑に塡まる 高閣に束ぬ
江河の溢は三日に過ぎず 合歓の木は槐の木
好機逸すべからず 剛毅木訥仁に近し
好客三年店を変えず、好店三年客を変えず 孔丘盗跖倶に塵埃
孝経で親の頭を打つ 肯綮に中る
攻撃は最大の防御 膏血を絞る
巧言簧の如し、顔之厚し 好言は口よりし、莠言も口よりす
巧言令色鮮し仁 孝行のしたい時分に親はなし
鴻鵠一挙千里、恃む所は六翮のみ 後顧の憂い
功罪相半ばする 功妻常に拙夫に伴うて眠る
巧詐は拙誠に如かず 恒産無きものは恒心無し
恒産無くして恒心無し 高山の巓には美木なし
嚆矢 口耳四寸の学
膠漆の交わり 孔子に論語
香餌の下必ず死魚あり 好事魔多し
孔子も時に会わず 好事も無きには如かず
好事門を出でず悪事千里を行く 巧者は余り有り拙者は足らず
膏燭は明を以て自ら鑠す 好事を行いて前程を問う勿れ
項斯を説く 工人数業を変うればその功を失う
荒神の火傷 後塵を拝する
後生畏るべし 孔席暖まらず墨突黔まず
浩然の気 黄泉の客
鴻漸の翼 黄泉の路上老少無し
碁打ちに時なし 巧遅は拙速に如かず
口中の雌黄 皇天親無く惟徳を是輔く
口頭の交わり 狡兎死して走狗烹らる
功成り名遂げて身退くは天の道なり 功成り名遂げる
江南の橘、江北に植えれば枳となる 郷に入っては郷に従え
甲の薬は乙の毒 剛の者に矢が立たぬ
孝は妻子に衰う 孝は百行の本
公は明を生ず 膏は明を以て焚かる
甲張り強くして家押し倒す 觥飯も壺飧に及ばず
高飛の鳥も美食に死す 好物に祟りなし
弘法にも筆の誤り 合抱の木も毫末より生ず
弘法筆を選ばず 高木に縁りて四方を望む
濠濮の間の想い 高木は風に折らる
合浦の珠還る 高慢は出世の行き止まり
厚味寔に腊毒 鴻毛を以て炉炭の上に燎く
蝙蝠も鳥のうち 紺屋の明後日
紺屋の白袴 甲羅を経る
毫釐の差は千里の謬り 蛟竜雲雨を得
亢竜悔いあり 紅炉上一点の雪
行を省みる者は其の過ちを引かず 鉤を窃む者は誅せられ、国を窃む者は諸侯となる
公を以て私を滅す 声無きに聴き形無きに視る
声なくして人を呼ぶ 小男の腕立て
小男の総身の知恵も知れたもの 氷は水より出でて水より寒し
氷を叩いて火を求む 五月蕨は嫁に食わせるな
呉下の阿蒙 古稀
御器も持たぬ乞食 狐裘して羔袖す
呉牛月に喘ぐ 狐丘の誡め
狐裘弊ると雖も補うに黄狗の皮を以てすべからず 故郷へ錦を飾る
故郷忘じ難し 枯魚河を過ぎて泣く
鼓琴の悲しみ 黒牛白犢を生む
告朔の餼羊 鵠は浴せずして白し
黒白を弁ぜず 極楽願わんより地獄作るな
極楽の入り口で念仏を売る 鵠を刻して鶩に類す
こけた上を踏まれる 虎穴に入らずんば虎子を得ず
虚仮の一心 後家の踏ん張り
後家花咲かす 股肱の臣
後光より台座が高つく 糊口を凌ぐ
虎口を脱する 虎口を逃れて竜穴に入る
寒えたる者は裋褐を利とす ここばかりに日は照らぬ
粉米も噛めば甘くなる 心ここに在らざれば視れども見えず
志ある者は事竟に成る 志は木の葉に包む
志は満たすべからず 心に笠着て暮らせ
心の仇は心 心の鬼が身を責める
心の駒に手綱ゆるすな 心は小ならんことを欲し志は大ならんことを欲す
心は二つ身は一つ 心広く体胖なり
心程の世を経る 心安いは不和の基
心を鬼にする 此処を先途と
乞食に朱椀 乞食に貧乏なし
乞食にも門出 乞食にも三つの理屈
乞食の朝謡 乞食の大連れ
乞食の系図話 乞食の断食
乞食も場所 乞食を三日すれば忘れられぬ
五十歩百歩 小姑一人は鬼千匹に向かう
五十なれば五十の縁あり 五十にして四十九年の非を知る
五十にして天命を知る 五重塔も下から組む
孤掌鳴らし難し 後生願いの六性悪
後生は徳の余り 胡椒丸呑み
後生より今生が大事 小食は長生きのしるし
御所内裏の事も陰では言う 御所の御成りはすわすわ半時
古人の糟粕 五臓六腑に沁みわたる
鼯鼠五技にして窮す 去年の暦
子宝脛が細る 炬燵で河豚汁
壺中の天 胡蝶の夢
凝っては思案に能わず 骨肉相食む
骨肉の親 木っ端を拾うて材木を流す
コップの中の嵐 碁で勝つ者は将棋で負ける
子で子にならぬ時鳥 碁で負けたら将棋で勝て
事ある時は仏の足を戴く 事が延びれば尾鰭が付く
事志と違う 尽く書を信ずれば則ち書なきに如かず
琴柱に膠す 言伝は荷にならぬ
事無きを得る 事に敏にして言に慎む
言葉多きは品少なし 言葉に物はいらぬ
言葉の下に骨を消す 言葉は国の手形
言葉は心の使い 言葉は身の文
事は密を以って成り、語は泄を以て敗る 五斗米のために腰を折る
子供川端火の用心 子供叱るな来た道じゃ、老人笑うな行く道じゃ
子供好きは子供が知る 子供の喧嘩親構わず
子供の喧嘩に親が出る 子供は教え殺せ、馬は飼い殺せ
子供は親の背中を見て育つ 子供は風の子
小鳥を捕らえて大鳥を逃がす 子無しに子を呉れるな
小鍋は直に熱くなる 子に黄金満籯を遺すは一経に如かず
子に過ぎたる宝なし 子にすることを親にせよ
子に引かるる親心 小糠三合あるならば入り婿すな
この親にしてこの子あり 子の心親知らず
此の父有りて斯にこの子有り 斯の人にして斯の疾あり
子は有るも嘆き、無きも嘆き 子は生むも心までは生まぬ
子は親を映す鏡 子は鎹
琥珀は腐芥を取らず 子は三界の首枷
胡馬北風に依り、越鳥南枝に巣くう 小判で面張る
虎豹豈犬羊の欺きを受けんや 小袋と小娘は思ったよりいりが多い
小舟の宵ごしらえ 瘤の上の腫れ物
小坊主一人に天狗八人 枯木栄を発す
枯木死灰花開く 古墓犂かれて田と為り、松柏摧かれて薪と為る
子ほど喜ばせにくいものはなく親ほど喜ばせやすいものはない 孤父の戈を以て牛矢を钃す
子煩悩に子なし 五本の指で切るにも切られぬ
小股取っても勝つが本 小股の切れ上がった
駒の朝走り 独楽の舞い倒れ
鱓でも尾頭つき ごまめの歯軋り
胡麻をする 小娘と小袋は油断がならぬ
虚無僧に尺八 小村の犬は人を噛む
米食った犬が叩かれずに糠食った犬が叩かれる 米の飯と天道様は何処へ行っても付いて回る
米の飯に骨 米屋は三度目にかえよ
米を数えて炊ぐ 子持ち二人扶持
子持ちの腹に宿無しが居る 子養わんと欲すれども親待たず
子故の闇 五両で帯買うて三両でくける
惟日も足らず 此もまた人の子なり
之を言う者罪無く之を聞く者以て戒むるに足る 之を奪わんと将欲すれば必ず固く之を与う
之を知る者は之を好む者に如かず 之を亡地に投じて然る後に存す
之を用うれば則ち虎となり用いざれば則ち鼠となる 転がる石には苔が生えぬ
頃は三月、夜は九月 転ばぬ先の杖
転べば糞の上 衣の袖から鎧が見える
衣は新しきに若くは莫く、人は故きに若くは莫し 衣ばかりで和尚はできぬ
衣を染めんより心を染めよ 転んでもただでは起きぬ
コロンブスの卵 碁を打つより田を打て
子を知ること父に若くは莫し 子を捨てる藪はあれど親を捨てる藪なし
子を見ること親に如かず 子を持って知る親の恩
子を持てば七十五度泣く 崑山玉を出だし麗水金を生ず
崑山の下、玉を以て鳥を抵つ 権者にも失念
根性に似せて家を作る 今度と化け物見たことない
蒟蒻で石垣を築く 蒟蒻と学者は田舎が良い
蒟蒻の幽霊 権兵衛が種まきゃ烏がほじくる
金輪際の玉も拾えば尽きる

さ行のことわざ

【さ】からはじまることわざ

才余りありて識足らず 塞翁が馬
綵衣親を娯しましむ 才覚の花散り
歳寒の松柏 細工は流流仕上げを御覧じろ
歳月人を待たず 細行を矜まざれば、終に大徳を累わす
才子才に倒れる 宰相とならずんば則ち良医となれ
采薪の憂い 財少なければ悲しみ少なし
彩ずる仏の鼻を欠く 材大なれば用を為し難し
災難なら畳の上でも死ぬ 財に臨みては苟くも得んとすること母れ
賽の河原 采配を振る
賽は投げられた 財布の底と心の底は人に見せるな
財布の紐を首に掛けるよりは心にかけよ 財宝は地獄の家苞
才も不才も、亦各其の子と言う 豺狼路に当たる、安んぞ狐狸を問わん
福は眥に盈たず、禍は世に溢る 財を先にして礼を後にすれば民利す
財を積む千万なるも薄伎身に在るに如かず 竿竹で星を打つ
竿の先の鈴 棹は三年櫓は三月
境に入りては禁を問う 魚は海に幾らでもいる
魚は上臈に焼かせよ、餅は下種に焼かせよ 魚は殿様に焼かせよ、餅は乞食に焼かせよ
坂に車 酒外れはせぬもの
酒屋へ三里、豆腐屋へ二里 左官の垣根
先勝ちは糞勝ち 先立つ物は金
鷺と烏 先の雁より手前の雀
鷺を烏と言いくるめる 先んずれば人を制す
策士策に溺れる 桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿
桜三月、菖蒲は五月 桜は花に顕る
酒入れば舌出ず 酒買って尻切られる
酒極まって乱となる 酒と朝寝は貧乏の近道
酒と産には懲りた者がない 酒なくて何の己が桜かな
酒に別腸あり 酒の徳孤ならず必ず隣あり
酒の中に真あり 酒飲み本性違わず
酒は憂いの玉箒 酒は燗、肴は刺身、酌は髱
酒は古酒、女は年増 酒は三献に限る
酒は諸悪の基 酒は天の美禄
酒は猶兵のごとし 酒は飲むとも飲まるるな
酒は飲むべし飲むべからず 酒は百毒の長
酒は百薬の長 酒は本心をあらわす
酒はやめても酔いざめの水はやめられぬ 酒を嗜む勿れ、狂薬にして佳味に非ず
雑魚の魚交じり 雑魚も魚鰭
笹の葉に鈴 囁き千里
座して食らえば山も空し 匙の先より口の先
砂上の楼閣 匙を投げる
左遷 座禅組むより肥やし汲め
沙汰の限り 左袒
沙中の偶語 五月の鯉で口ばかり
薩摩守 鯖の生き腐り
鯖を読む 様に様を付ける
寒さ小便ひだるさ欠伸 鞘走りより口走り
左右を顧みて他を言う 皿嘗めた猫が科を負う
皿に桃を盛る 去り跡へは往くとも死に跡へは行くな
猿が魚釣る 猿が仏を笑う
猿知恵 猿に烏帽子
猿に絵馬 猿に木登り
猿の尻笑い 猿の水練、魚の木登り
猿の空蝨 猿の人真似
猿は人間に毛が三筋足らぬ 猿も木から落ちる
去る者は追わず来る者は拒まず 去る者は日日に疎し
猿を柙中に置けば則ち豚と同じからしむ 触らぬ神に祟りなし
触り三百 座を見て皿をねぶれ
座を見て法を説け 山雨来らんと欲して風楼に満つ
三界に家無し 三界の火宅
三槐を植う 三軍も師を奪うべきなり、匹夫も志を奪うべからざるなり
三顧の礼 三国一
山谷処を易う 三五の十八
三歳の翁百歳の童子 三日向顔せざればその心測り難し
三日書を読まざれば語言味無し 三矢の教え
三尺下がって師の影を踏まず 三舎を避く
三十にして立つ 三十の尻括り
三十振袖四十島田 三十六計逃げるに如かず
算術者の不身代 山椒は小粒でもぴりりと辛い
山椒目の毒腹薬 讒臣国を乱し妬婦家を破る
三寸の轄 三寸の舌に五尺の身を亡ぼす
三寸の舌を掉う 三寸の見直し
三寸俎板を見抜く 三代続けば末代続く
山中の賊を破るは易く心中の賊を破るは難し 山中暦日なし
三度の火事より一度の後家 三度の飢餓に遇うとも一度の戦に遇うな
三度の飯も強し柔らかし 三度目の正直
三人行えば必ず我が師あり 三人子持ちは笑うて暮らす
三人知れば世界中 三人旅の一人乞食
三人虎を成す 三人寄れば金をも溶かす
三人寄れば公界 三人寄れば文殊の知恵
三年園を窺わず 三年たてば三つになる
三年父の道を改むること無きは孝と謂うべし 三年勤め学ばんよりは三年師を選ぶべし
三年飛ばず鳴かず 三釜の養
三遍回って煙草にしょ 秋刀魚が出ると按摩が引っ込む
山門から喧嘩見る 三余
算用十八、手六十 山路が笛
算を乱す

【し】からはじまることわざ

慈ある父も益なき子は愛せず 思案の案の字が百貫する
時雨の化 塩辛を食おうとて水を飲む
仕置き場の巾着切り 塩にて淵を埋む如し
塩を売れば手が辛くなる 四海波静か
死灰復燃ゆ 四海を家とす
志学 四角な座敷を丸く掃く
歯牙にも掛けない 鹿の角を蜂が刺す
歯牙の間に置くに足らず 鹿待つところの狸
鹿見て矢を矧ぐ 自家薬籠中の物
鹿を逐う者は兎を顧みず 鹿を追う者は山を見ず
鹿を指して馬と為す 鎡基ありといえども時を待つに如かず
敷居が高い 色即是空、空即是色
児戯に類す 至貴は爵を待たず
死棋腹中に勝着あり 自彊息まず
色欲は命を削る斧 しくじるは稽古のため
至言は言を去る 至言は耳に忤う
子貢が多言も顔子の一黙には如かず 地獄極楽は心にあり
地獄で仏に会ったよう 地獄にも知る人
地獄の一丁目 地獄の釜の蓋も開く
地獄の沙汰も金次第 地獄は壁一重
地獄耳 地獄も住家
仕事は多勢旨い物は小勢 獅子吼
しし食った報い 獅子屈中に異獣なし
獅子身中の虫 事実は小説よりも奇なり
死して義ならざるは勇に非ざるなり 死しての千年より生きての一日
死して後已む 死しての長者より生きての貧人
獅子に牡丹 死屍に鞭打つ
獅子の子落とし 四時の序、功を成す者は去る
榻の端書 獅子は小虫を食わんとてもまず勢いをなす
蜆貝で海を量る 蜆千より法螺貝一つ
獅子も頭の使いがら 磁石鉄を吸うとも石を吸わず
磁石に針 四十過ぎての道楽と七つ下がって降る雨は止みそうで止まぬ
四十にして惑わず 私淑
辞譲の心は礼の端なり 師匠は鐘の如し
爾汝の交わり 四時を貫きて柯を改め葉を易えず
地震雷火事親父 地震の時は竹薮に逃げろ
沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり 死生命あり
咫尺を弁せず 時節の梅花春風を待たず
死せる孔明、生ける仲達を走らす 地蔵は言わぬが我言うな
士族の商法 児孫自ずから児孫の計あり
児孫のために美田を買わず 下いびりの上諂い
舌三寸に胸三寸 親しき仲に垣をせよ
親しき仲にも礼儀あり 親しき仲は遠くなる
下地は好きなり御意はよし 滴り積もりて淵となる
下にも置かない 舌の剣は命を断つ
舌の根の乾かぬうち じたばたしても鶏は跣足
舌は禍の根 舌を巻く
地団駄を踏む 七細工八貧乏
七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず 七人の子はなすとも女に心許すな
七年の病に三年の艾を求む 至知は幾ならず
七歩の才 七夜のうちの風邪は一生つく
死中に活を求める 四鳥の別れ
鷙鳥百を累ぬるも一鶚に如かず 日月に私照無し
日月は地に墜ちず 日月逝けり歳我と与ならず
疾行には善迹無し 膠漆の契り
十時上がりに傘離すな 十字架を背負う
十指に余る 七珍万宝の随一は人の命と人の誠
質的張りて弓矢至る 知って知らざれ
知って問うは礼なり 室に怒りて市に色す
室に入りて矛を操る 失敗は成功の基
実は嘘の奥にあり 十把一絡げ
疾風に勁草を知る 尻尾を出す
尻尾を巻く 疾雷耳を掩うに及ばず
地頭に法なし 市道の交わり
舐犢の愛 至徳を論ずる者は俗に和せず
子と袍を同じくせん 品川海苔は伊豆の磯餅
死なぬ子三人皆孝行 死なぬものなら子一人、減らぬものなら金百両
慈なるが故に能く勇なり 士に一定の論あり
死に牛に芥かける 死に馬が屁をこく
死に馬に鍼を刺す 死にがけの念仏
死に花を咲かせる 詩に別才あり
死に水を取る 死に別れより生き別れ
死人に口無し 死人に妄語
死ぬ死ぬと言う者に死んだ例なし 死ぬほど楽はない
死ぬ者貧乏 死ぬる子は眉目よし
死ねば死に損、生くれば生き得 鎬を削る
駟の隙を過ぐるが如し 死は或いは泰山より重く或いは鴻毛より軽し
芝居は無筆の早学問 士は己を知る者のために死す
驟戦えば則ち民罷れ、驟勝てば主驕る 死馬の骨を買う
四百四病の外 四百四病より貧の苦しみ
痺れを切らす 渋柿が熟柿に成り上がる
渋柿の長持ち 自分で蒔いた種は自分で刈らねばならぬ
自分の子には目口が開かぬ 自分の盆の窪は見えず
耳聞は目見に如かず 慈母に敗子あり
糸麻有りと雖も菅蒯を棄つること無かれ 自慢高慢馬鹿のうち
自慢の糞は犬も食わぬ 自慢は知恵の行き止まり
死命を制する 駟も舌に及ばず
霜を履んで堅氷至る 麝あれば香し
社未だ屋せず 蛇が出そうで蚊も出ぬ
釈迦に宗旨なし 釈迦に説法
杓子は耳掻きにならず 鵲巣風の起こる所を知る
尺の木も必ず節目有り寸の玉も必ず瑕瓋あり 尺も短き所あり寸も長き所あり
尺を枉げて尋を直くす 麝香は臍故命をとらるる
車軸を流す 社稷の臣
社鼠の患い 鯱立ちも芸のうち
爝火微なりと雖も卒に能く野を燎く 弱冠
借金は身上の薬 斜に構える
蛇の道は蛇 蛇は寸にして人を呑む
娑婆で見た弥次郎 しゃべる者に知る者無し
しゃべる者は半人足 沙弥から長老
沙弥から長老にはなれぬ 邪を禁ずるに邪を以てす
舎を道辺に作れば三年にして成らず 炙を欲する色
醜夷に在りて争わず 十囲の木始め生じて蘖なれば足掻いて絶つべし
十月の投げ木 衆寡敵せず
習慣は自然の若し 習慣は第二の天性なり
十行倶に下る 衆曲は直を容れず
獣窮まれば即ち噛む 衆愚の諤諤たるは一賢の唯唯には如かず
衆口金を鑠かす 衆口は禍福の門
衆之を悪むも必ず察す 十七八は藪力
宗旨の争い釈迦の恥 主従は三世
衆少多きを成す 衆心城を成す
修身斉家治国平天下 終身善を為し一言則ち之を破る
終身路を譲るも百歩を枉げず 衆草と伍す
舟中も敵国 衆怒犯し難し
十読は一写に如かず 衆と好みを同じくすれば成らざるなし
舅の物で相婿もてなす 姑の仇を嫁が討つ
姑の十七見た者がない 姑の三日誉め
主と病には勝たれず 柔なるも亦茹わず剛なるも亦吐かず
十年一剣を磨く 十年の計は樹を植えるにあり
重箱で味噌をする 重箱に鍋蓋
重箱に煮染め 重箱の隅をつつく
十八の後家は立つが四十後家は立たぬ 秋波を送る
愁眉を開く 十分はこぼれる
重宝を抱く者は以て夜行せず 十目の視る所、十手の指さす所
十文が油をとぼして五文の夜なべせよ 柔能く剛を制す
衆力功あり 充閭の慶
獣を得て人を失う 雌雄を決する
湿を悪みて下きに居る 臭を万載に遺す
菽水の歓 菽麦を弁ぜず
祝融の災い 豎子の名を成す
主将の法は務めて英雄の心を攬る 手足処を異にす
手足を措く所なし 出家の念仏嫌い
出藍の誉れ 朱に交われば赤くなる
朱買臣五十富貴 須弥山と丈競べ
順境は友を作り、逆境は友を試す 春秋高し
春秋に富む 春秋の筆法
春宵一刻値千金 駿足長阪を思う
春氷を渉るが如し 春風の中に坐するが如し
春眠暁を覚えず 駿馬痴漢を乗せて走る
春蘭秋菊倶に廃すべからず 上医は国を医す
小異を捨てて大同に就く 城下の盟
傷弓の鳥 常着よしの晴れ着なし
葉公の竜 上交諂わず下交驕らず
しょう事なしの米の飯 上戸に餅下戸に酒
上戸の手弱 上戸は毒を知らず下戸は薬を知らず
常山の舌 常山の蛇勢
正直の頭に神宿る 正直の儲けは身につく
正直は阿呆の異名 正直は一生の宝
正直貧乏横着栄耀 正直者が馬鹿を見る
小事に拘わりて大事を忘るな 小忍びざれば則ち大謀を乱る
小事は大事 勝者の用うる所は敗者の棋なり
掌上に運らす 蕭牆の患い
霄壌の差 猩猩は血を惜しむ、犀は角を惜しむ
猩猩能く言えども禽獣を離れず 小事を軽んずる勿れ
小人閑居して不善をなす 小人窮すればここに濫す
小人の過つや必ず文る 小人の腹は満ち易し
小人の交わりは甘きこと醴の如し 小人の勇
小人は始め有りて終わり無し 小水石を穿つ
小水の魚 誦数以て之を貫く
上手な嘘より下手な実意 上手の手から水が漏れる
上手の猫が爪を隠す 上手はあれど名人はなし
上手は下手の手本、下手は上手の手本 上手昔より上手ならず
小節を規る者は栄名を成す能わず 少壮にして努力せずんば老大にして乃ち傷悲せん
上知と下愚とは移らず 笑中に刀あり
掌中の珠 小忠は大忠の賊
小恥を悪む者は大功を立つる能わず 小敵と見て侮る勿れ
少年老い易く学成り難し 少年に学ばざれば老後に知らず
少年よ大志を抱け 上の上は下の下を知る、下の下は上の上を知らず
小の虫を殺して大の虫を助ける 賞は厚くし罰は薄くすべし
商売は草の種 商売は道によりて賢し
情張りは棒の下 焦眉の急
勝負は時の運 城府を設けず
小弁は義を害す 正法に不思議なし
章甫履に薦く 章甫を資して越に適く
将門に必ず将あり、相門に必ず相あり 証文の出し遅れ
小利は大利の残い 鷦鷯深林に巣くうも一枝に過ぎず
蕉鹿の夢 将を射んと欲すれば先ず馬を射よ
鐘を聞いて日と為す 小を捨てて大に就く
升を以て石を量る 杵臼の交わり
食牛の気 食後の一睡万病円
食指が動く 食前方丈一飽に過ぎず
食なき者は職を選ばず 職人貧乏人宝
燭を秉りて夜遊ぶ 女子と小人は養い難し
初心忘るべからず 助長
蜀犬日に吠ゆ 書は言を尽くさず、言は意を尽くさず
黍離の嘆 書を校するは塵を払うが如し
書を以て御を為す者は馬の情を尽くさず 精げの中の籾
知らざるを知らずと為せ、是知るなり 知らずば人に問え
知らずば人真似 知らぬ顔の半兵衛
知らぬが秘密 知らぬが仏
知らぬが仏、見ぬが秘事 知らぬ京物語
知らぬ呉服商売より知った小糠商い 知らぬは亭主ばかりなり
知らぬ仏より馴染みの鬼 知らぬ道も銭が教える
白羽の矢が立つ 蝨は頭に処りて黒し
芝蘭の室に入る如し 尻馬に乗る
尻から抜ける 尻が割れる
尻切れとんぼ 尻毛を抜く
知りて知らざれ 尻に火が付く
尻に帆かける 尻も結ばぬ糸
知ることの艱きに非ず、行うこと惟艱し 知る人に縄を掛ける
知る者は言わず言う者は知らず 汁を啜って同罪
次郎にも太郎にも足りぬ 白き糸の染まんことを悲しむ
吝ん坊の柿の種 仕を致す
詩を作るより田を作れ 深淵に臨んで薄氷を履むが如し
人間到る処青山あり 真金は鍍せず
信言は美ならず、美言は信ならず 人口に膾炙する
沈香も焚かず屁もひらず 人後に落ちない
人後に落つ 仁者は憂えず
仁者は盛衰を以て節を改めず 仁者は敵なし
仁者は山を楽しむ 浸潤の譖り
人事を尽くして天命を待つ 信心過ぎて極楽を通り越す
人心の同じからざるは其の面の如し 人心は山川より険し
信心は徳の余り 信心も欲から
薪水の労 人生意気に感ず
人生七十古来稀なり 人生字を識るは憂患の始め
人生朝露の如し 進退窮まる
身体髪膚これを父母に受く 死んだ子の年を数える
死んだ子は賢い 死んだ者の因果
心胆を寒からしめる 人中の騏驥
沈丁花は枯れても芳し 死んでからの医者話
死んで花実が咲くものか 心頭を滅却すれば火もまた涼し
信、豚魚に及ぶ 信なき亀は甲を破る
仁なれば則ち栄え不仁なれば則ち辱めらる 真の闇より無闇が怖い
親は泣き寄り他人は食い寄り 心腹の疾
神仏混淆火事掛合い 辛抱する木に金がなる
辛抱は金、挽臼は石 迅雷耳を掩うに暇あらず
薪燎を積むが如し 針縷に順う者は帷幕を成す

【す】からはじまることわざ

粋が川へはまる 水火の争い
粋が身を食う 水火も辞せず
水火を通ぜず 水火を踏む
炊臼の夢 垂拱して天下治まる
垂鏡私無し 水魚の交わり
推敲 水行して蛟竜を避けざるは漁夫の勇なり
箠策繁く用うるは遠きを致すの御に非ず 随珠を以て雀を弾く
水晶の削り屑 水晶は塵を受けず
水晶を灰汁で磨いたよう 垂涎
垂涎の的 好いた水仙好かれた柳
好いた同士は泣いても連れる 水中に火を求む
水道の水で産湯を使う 錐刀を以て太山を堕つ
随徳寺をきめる 翠は羽を以て自ら残う
推輓 水泡に帰す
騅逝かず 酸いも甘いも噛み分ける
垂簾の政 数奇
数寄を凝らす 数行並び下る
末始終より今の三十 据え膳食わぬは男の恥
末大なれば必ず折る 末の露、本の雫
姿は俗性を現す 姿は作り物
好かぬは得せぬの唐名 好きこそ物の上手なれ
過ぎたるは猶及ばざるが如し 好きには身をやつす
空き腹にまずい物無し 隙間風は冷たい
頭巾と見せて頬冠り ずくなしの大だくみ
木菟引きが木菟に引かれる 好く道より破る
優れて良き物は優れて悪し 少しきを救わざれば大破に及ぶ
杜撰 進を知りて退くを知らず
雀海に入りて蛤となる 雀脅して鶴失う
スズメが朝からさえずるのは晴れ 雀の上の鷹猫の下の鼠
雀の巣も構うに溜まる 雀の千声鶴の一声
雀の角 雀の涙
雀原へ礫 雀百まで踊り忘れず
鼈が時をつくる 捨て石になる
捨て子は世に出る 捨て子も村のはごくみ
捨てる神あれば拾う神あり 捨てる子も軒の下
砂の底から玉が出る 砂原は三里行けば二里戻る
砂を噛むよう 脛一本腕一本
脛に傷持つ 脛者の苦笑い
素引きの精兵 全ての道はローマに通ず
滑り道とお経は早い方がよい 図星を指す
すまじきものは宮仕え 住まば都
速やかならんと欲すれば則ち達せず 住むばかりの名所
住めば都 相撲に勝って勝負に負ける
相撲に負けて妻の面張る 擂粉木で重箱洗う
擂粉木で腹を切る 駿河の富士と一里塚
するは一時名は末代 寸陰を惜しむ
寸膠は黄河の濁を治する能わず 寸鉄人を刺す
寸にして之を度れば丈に至りて必ず差う 寸の金を切ることなし
寸を詘げて尺を伸ぶ 寸を進まずして尺を退く

【せ】からはじまることわざ

性相近し習い相遠し 井蛙の見
井蛙は以て海を語るべからず 生ある者は死あり
青雲の志 青雲の交わり
精衛海を塡む 西王母が桃
青眼 正鵠を失わず
枘鑿相容れず 青山骨を埋むべし
西施江を愛し嫫母鏡を棄つ 西施にも醜なる所有り
成事は説かず 済勝の具
精神一到何事か成らざらん 聖人に夢無し
聖人は尺璧を貴ばずして寸陰を重んず 清濁併せ呑む
成竹を胸中に得 井中星を視れば視るところ数星に過ぎず
急いては事を仕損じる 青天の霹靂
盛徳の士は乱世に疏んぜらる 性に率う、之を道と謂う
盛年重ねて来らず 生年百に満たざるに、常に千歳の憂いを懐く
生は難く死は易し 生は寄なり死は帰なり
清白を子孫に遺す 性は猶湍水のごとし
清風故人来る 青蠅白を染む
成立の難きは天に升るが如し 声涙倶に下る
精を得て麤を忘る 生を重んずれば則ち利を軽んず
生を偸む 生を視ること死の如し
堰かれて募る恋の情 積悪の家には必ず余殃あり
尺蚓堤を穿てば能く一邑を漂わす 積羽舟を沈む
赤手を以て江河を障う 赤縄
石上に五穀を生ぜず 析薪を負う
赤心を推して人の腹中に置く 積善の家には必ず余慶あり
石鼠五能一技を成さず 積土山を成す
席の暖まる暇もない 跖の狗尭に吠ゆ
咳払いも男の法 赤貧洗うが如し
鶺鴒原に在り、兄弟難を急にす 世間知らずの高枕
世間は張物 世間は広いようで狭い
世人交わりを結ぶに黄金を須う 背筋が寒くなる
世帯仏法腹念仏 切匙で腹を切る
折角 尺蠖の屈するは伸びんがため
石火光中此の身を寄す 折檻
節季の風邪は買ってもひけ 積毀骨を銷す
節供倒しは薬礼になる 席巻
世故に長ける 雪上霜を加う
節制は最良の薬 雪駄の裏に灸
雪駄の土用干し 雪中の松柏
雪中の筍 雪隠で饅頭
雪隠の錠前 雪泥の鴻爪
切ない時の神頼み せつない時は親
窃鈇の疑い 節を折る
拙を守る 背中に眼はない
銭ある時は鬼をも使う 銭あれば木仏も面を返す
銭無き男は帆の無き舟の如し 銭無しの市立ち
銭は足無くして走る 銭は馬鹿かくし
背に腹は代えられぬ 銭儲けと死に病に徒はない
銭持たずの団子選り 瀬のわきは渦
狭家の長刀 是非は道によって賢し
狭き門より入れ 蝉は七日の寿命
蝉雪を知らず 瀬を踏んで淵を知る
善悪の報いは影の形に随うが若し 善悪は水波の如し
善悪は友による 善悪は友を見よ
善因悪果を招く 川淵深くして魚鼈之に帰し、山林茂れば禽獣之に帰す
千貫のかたに編笠一蓋 千鈞の重きを鳥卵の上に垂る
千鈞の重み 千金の裘は一狐の腋に非ず
千金の子は市に死せず 千金の子は坐して堂に垂せず
千鈞の弩は鼷鼠の為に機を発たず 千鈞の弩を以て癰を潰す
千金は死せず百金は刑せられず 千鈞も船を得ば即ち浮かぶ
千金を買う市あれど一文字を買う店なし 千軒あれば共過ぎ
善言は布帛よりも暖かし 千石取れば万石羨む
千石万石も米五合 詮索物、目の前にあり
前事の忘れざるは後事の師なり 千雀万鳩鷂と仇を為す
前車の覆るは後車の戒め 前車の轍を踏む
善者は弁ならず、弁者は善ならず 千畳敷に寝ても一畳
善書は紙筆を選ばず 千緒万端、遺漏あることなし
前人木を植えて後人涼を得 先生と言われるほどの馬鹿でなし
泉石煙霞の病 戦戦慄慄日に一日慎め
川沢汙を納れ山藪疾を蔵す 栴檀の林に入る者は染めざるに衣自ずから芳し
栴檀は双葉より芳し 船頭多くして船山に上る
船頭のそら急ぎ 千日に刈った萱一日に亡ぼす
千日の旱魃に一日の洪水 千日の勤学より一時の名匠
善に強い者は悪にも強い 善には善の報い、悪には悪の報い
先入主となる 千人心を同じうすれば則ち千人の力を得
善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや 仙人の千年、蜻蛉の一時
千人の諾諾は一士の諤諤に如かず 千人の指さす所病無くして死す
善の裏は悪 千の倉より子は宝
善敗己に由る 善は急げ
善は失うべからず、悪は長ずべからず 浅は与に深を測るに足らず
善馬の肉を食らいて酒を飲まざれば人を傷う 鱣は蛇に似たり、蚕は蠋に似たり
膳部揃うて箸を取れ 先鞭をつける
千万人と雖も吾往かん 千三つ
善も積まざれば以て名を成すに足らず 前門の虎後門の狼
千羊の皮は一狐の腋に如かず 千里駕を命ず
千里眼 千里行を留めず
千里の馬も伯楽に逢わず 千里の馬も蹴躓く
千里の行も足下より始まる 千里の堤も蟻の穴から
千里の道も一歩から 千里の道も一歩より起こる
千里一跳ね 千慮の一失
善を責むるは朋友の道なり

【そ】からはじまることわざ

創痍未だ瘳えず 滄海の遺珠
滄海の一粟 滄海変じて桑田となる
喪家の狗 宗祇の蚊屋
創業は易く守成は難し 叢軽軸を折る
象牙の塔 糟糠にだに飽かざる者は梁肉を務めず
糟糠の妻 糟糠の妻は堂より下さず
宋襄の仁 曽参人を殺す
甑中塵を生ず 桑中の喜び
滄海変じて桑田となる 象の牙を見て乃ち其の牛より大なるを知る
然うは問屋が卸さない 象は歯有りて以て其の身を焚かる
双璧 桑蓬の志
桑麻の交 草莽の臣
蒼蠅驥尾に付して千里を致す 草履履き際で仕損じる
総領の十五は貧乏の世盛り 総領の甚六
倉廩実ちて囹圄空し 倉廩実ちて礼節を知る
葬礼帰りの医者話 滄浪の水清まば以て我が纓を濯う可し
甑を落として顧みず 蔵を慢するには盗を誨え、容を治るは淫を誨う
楚王細腰を好み宮中に餓人有り 粟有れども食わざれば餓えに益無し
惻隠の心は仁の端なり 惻隠の情
即時一杯の酒 賊に兵を借す
賊の後の棒乳切り木 粟の枇有るが若し
粟を給すること多くして馬痩す 粟を量りて春く
鼠穴を治めて里閭を壊る 底に底あり
底もあり蓋もあり 底を突く
楚囚其の冠を纓す 俎上に載せる
俎上の魚 俎上の魚江海に移る
謗りを止むるは身を修むるに如くは莫し 粗相が御意に叶う
そっと申せばぎゃっと申す 袖から火事
袖から手を出すも嫌い 袖の上の玉の砕けたよう
袖の下に回る子は打たれぬ 袖は長くとも手は伸ばされぬ
袖引き煙草に押し付け茶 袖振り合うも多生の縁
外愛嬌の内そんぶり 外堀を埋める
外襤褸の内錦 備えあれば憂いなし
備わらんことを一人に求むるなかれ 其の君発を好めば其の臣抉拾す
其の樹を陰とする者は其の枝を折らず 其の誼を正し其の利を謀らず
其の子を知らざれば其の友を視よ 其の進むこと鋭き者は其の退くこと速やかなり
其の地に非ざれば之を樹うれども生ぜず その手は桑名の焼き蛤
其の疾きこと風の如く、其の徐なること林の如し 其の本を揣らずして其の末を斉しゅうす
其の身正しければ令せずして行わる 其の道に非ざれば則ち一箪の食も人に受くべからず
側杖を食う 楚人弓を遺れて楚人之を得
楚人好く楚語を説く 空念仏も三合どまり
反りが合わない そろそろ行けば田も濁る
算盤で錠が開く 添わぬうちが花
損して得取れ 損して恥かく
蹲鴟を悪鳥と為す 蹲鴟を羊と為す
損せぬ人に儲けなし 損と元値で蔵を建て

た行のことわざ

【た】からはじまることわざ

大隠は朝市に隠る 大怨を和するも必ず余怨有り
大恩は報ぜず 大海の一滴
大海は芥を択ばず 大海を手で塞ぐ
大海を耳搔きで測る 大廈成りて燕雀相駕す
大廈の材は一丘の木に非ず 大家後無し
大廈の将に倒れんとするは一木の支うる所に非ず 大寒にして後衣裘を求む
大旱の雲霓を望むが若し 対岸の火事
大姦は忠に似たり 大義親を滅す
大吉は凶に還る 大疑は大悟の基
大魚は小池に棲まず 大工の掘っ立て
大軍に関所なし 大軍の後には必ず凶年あり
大弦急なれば小弦絶ゆ 大賢は愚なるが如し
乃公出でずんば蒼生を如何せん 大巧は巧術無し
大行は細謹を顧みず 大孝は終身父母を慕う
大巧は拙なるが若し 太公望
大巧を天下に建つる者は必ず先ず閨門の内を修む 大功を成す者は衆に謀らず
大功を論ずる者は小過を録せず 大黒柱と腕押し
大黒柱を蟻がせせる 大国を治むるは小鮮を烹るが若くす
太鼓判を押す 醍醐味
太鼓も撥の当たりよう 太鼓を打てば鉦が外れる
大根卸しに医者いらず 大根を正宗で切る
泰山頽れ梁木壊る 泰山卵を圧す
太山に登りて天下を小とす 太山の高きは一石に非ず
泰山の安きに置く 太山は土壌を譲らず
泰山前に崩るるとも色変せず 大山鳴動して鼠一匹
太山を挟みて以て北海を越ゆ 大事小に化し小事無に化す
大事の中に小事なし 大事の前の小事
大事は小事より顕る 大樹の下に美草なし
大匠に代わりて斲る者は其の手を傷けざる有ること希なり 大匠は斲らず
大匠は拙工の為に縄墨を改廃せず 大上は徳を立つる有り
大丈夫の一言は駟馬も走らず 大人は大耳
大人は虎変す 大人は赤子の心を失わず
太盛は守り難し 大声里耳に入らず
大体に従う者は大人と為る 大地に槌
大智は愚の如し 大椿の寿
大敵と見て恐れず、小敵と見て侮らず 大道廃れて仁義あり
大徳は小怨を滅ぼす 鯛なくば狗母魚
鯛の尾より鰯の頭 代馬越を思わず
大は小を兼ねる 大病に薬なし
太平象無し 太平の百石は戦場の千石
大弁は訥なるが若し 大木は倒れても地に付かず
大名の下は以て久しく居り難し 鯛も一人はうまからず
鯛も鮃も食うた者が知る 大勇は怯なるが如し
大勇は勇ならず 大欲は無欲に似たり
内裏様も食わにゃ立たぬ 大漁の明日
太牢の滋味 大惑なる者は終身解らず
朶雲 倒るる所に土を掴む
斃れて後已む 高い舟借りて安い小魚釣る
高が知れている 高きに登るは必ず低きよりす
抱かされば負ぶさる 鷹匠の子は鳩を馴らす
高嶺の花 高嶺の花を羨むより足下の豆を拾え
鷹のない国では雀が鷹をする 鷹の前の雀
鷹は飢えても穂を摘まず 鷹は水に入れて芸無し、鶉は山にありて能無し
高飛車 高飛車に出る
鷹骨折って旦那の餌食 高みの見物
財多ければ身を守るにまどし 宝の持ち腐れ
宝の山に入りながら空しく帰る 宝は身の差し合わせ
高を括る 鷹を養う如し
薪を抱きて火を救う 薪を積むが如く後に来る者上に在り
薪を均しくして火を施せば火は燥に就く 他弓挽く莫れ
沢庵の重しに茶袋 濁酒も茶よりは勝る
鐸は声を以て自ら毀る たくらだ猫の隣歩き
沢を竭くし藪を焚く 宅を卜せず隣を卜す
多芸は無芸 竹に雀
竹に花咲けば凶年 筍の親勝り
竹屋の火事 竹槍は切られても矢張り元の竹
竹を割ったよう 多言なれば数窮す
多言は一黙に如かず 多言は身を害す
蛸に骨なし海月に目なし 蛸は身を食う
他山の石 他山の石以て玉を攻むべし
出すことは舌を出すのも嫌い 多勢に無勢
多勢を頼む群鴉 蛇足
戦い勝ちて将驕り卒惰る者は敗る 戦いて勝つは易く勝ちを守るは難し
戦う雀人を恐れず 叩かれた夜は寝やすい
叩き止めば食い止む 叩く人の按摩を取る
叩けば埃が出る 叩けよさらば開かれん
惟好鬚を称するのみ 多々益々弁ず
畳の上の怪我 畳の上の水練
只より高いものはない ただより安いものは無い
立ち臼で目を突く 立ち仏が居仏を使う
駄賃馬に唐鞍 田作りも魚のうち
田作る道は農に問え 達者万貫目
達人は大観す 立っている者は親でも使え
尊い寺は門から 脱兎の如し
立つ鳥跡を濁さず 手綱を引き締める
立つより返事 立て板に水
蓼食う虫も好き好き 盾に取る
伊達の薄着 伊達の素足も無いから起こる
縦のものを横にもしない 盾の両面を見よ
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花 譬えに嘘なし坊主に毛なし
たとえ火の中水の底 喩えを引きて義を失う
炭団に目鼻 棚から落ちた達磨
棚から牡丹餅 掌を反す
掌を指す 谿陜き者は速やかに涸る
谷の枯木は高けれど峰の小松に影ささず 他人の空似
他人の念仏で極楽詣り 他人の正目
他人の疝気を頭痛に病む 他人の飯には骨がある
他人の飯は白い 他人の飯を食う
他人の飯を食わねば親の恩は知れぬ 他人は時の花
狸が人に化かされる 狸から上前
狸寝入り 田の事すれば畑が荒れる
楽しみ尽きて悲しみ来る 楽しみて淫せず
楽しみて後憂え有る者は聖人は為さず 楽しみに沈む者は憂えに反る
頼み難きは人心 頼む木の下に雨漏る
頼むと頼まれては犬も木へ上る 頼めば越後から米搗きにも来る
頼めば鬼も人食わず 田走るより畔走れ
旅の犬が尾をすぼめる 旅の恥は掻き捨て
足袋は姉を履け雪駄は妹を履け 旅は憂いもの辛いもの
旅は道連れ世は情け 足袋屋の看板
他聞を憚る 食べてすぐ寝ると牛になる
多弁能なし 玉ある淵は岸破れず
卵に目鼻 卵の殻で海を渡る
卵を盗む者は牛も盗む 卵を見て時夜を求む
卵を以て石に投ず 騙すに手なし
たまたま事をすれば雄猿が孕む 玉簾と薦垂れ
玉となって砕くとも瓦となって全からじ 玉に瑕
たまに出る子は風に会う 玉の輿に乗る
玉の杯底なきが如し 玉琢かざれば器を成さず
玉磨かざれば光なし 玉山に在りて草木潤う
黙り虫壁を通す 玉を攻むるに石を以てす
玉を食らい桂を炊ぐ 玉を転がす
玉を衒いて石を賈る 民の口を防ぐは川を防ぐよりも甚だし
民の声は神の声 民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず
民は三に生ず 民を貴しと為す
民を使うに時を以てす 惰眠を貪る
矯めつ眇めつ 矯めるなら若木のうち
駄目を押す 田もやろ畔もやろ
便りのないのは良い便り 盥半切りを笑う
誑しが誑しに誑される 足らず余らず子三人
足ることを知る 足るを知る者は富む
足るを知れば辱められず 誰か烏の雌雄を知らん
田を作るより畔を作れ 弾劾
弾丸黒子の地 断機の戒め
談義の場の嫁謗り 短気は損気
断金の交わり 断琴の交わり
端倪すべからず 短綆は以て深井の泉を汲むべからず
団子隠そうより跡隠せ 男子家を出ずれば七人の敵あり
単糸線を成さず 丹漆文らず
断じて行えば鬼神も之を避く 男子の一言金鉄の如し
男女椸枷を同じくせず 男女功を貿え相資りて業をなす
男女七歳にして席を同じうせず 丹精を込める
儋石の儲え 断腸の思い
胆斗の如し 旦那の喧嘩は槍持ちから
単なれば折れ易く、衆なれば則ち摧け難し 丹の蔵する所の者は赤し
澹泊の士は必ず濃艶の者の疑う所となる 胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す
丹は磨く可くして赤きを奪う可からず 短兵急
断末魔 短を捨て長を取る
弾を執りて鳥を招く

【ち】からはじまることわざ

小さく生んで大きく育てる 小さくとも針は呑まれぬ
地位は人を作る 知音
智慧ありと雖も勢いに乗ずるに如かず 知恵出でて大偽あり
知恵多ければ憤り多し 知恵と力は重荷にならぬ
知恵ない神に知恵つける 知恵は小出しにせよ
知恵は真珠に優れり 知恵は万代の宝
地が傾いて舞が舞われぬ 近きを釈てて遠きを謀る者は労して功無し
近きを以て遠きを知る 近づく神に罰当たる
近火で手をあぶる 近惚れの早飽き
近道は遠道 力山を抜き気は世を蓋う
池魚の殃 池魚を畜う者は必ず猵獺を去る
竹馬の友 竹林の七賢
稚児殺す如し 知者の辺の童は習わぬ経を読む
知者は博からず 知者は惑わず勇者は懼れず
知者は水を楽しむ 知者も千慮に必ず一矢有り、愚者も千慮に必ず一得有り
知小にして謀大なり 治人有れど治法無し
痴人の前に夢を説く 馳走終わらば油断すな
父厳かに子孝あり 父父たらずと雖も子は以て子たらざるべからず
父父たり子子たり 父の恩は山よりも高く母の恩は海よりも深し
父は子の為に隠し、子は父の為に隠す 蜘蛛が網を張りて鳳凰を待つ
血で血を洗う 血となり肉となる
痴ならず聾ならざれば姑公と成らず 治に居て乱を忘れず
地に倒るる者は地によりて立つ 智に働けば角が立つ
血の筋は七代 智は疑わしきを闕くより大なるは莫し
智は員ならんことを欲し、行は方ならんことを欲す 智は愚を責めず
智は人を知るより難きは莫し 血は水よりも濃い
智は目の如し、百歩の外を見て睫を見る能わず 智は以て非を飾るに足る
血道を上げる 血も涙もない
茶殻も肥になる 茶茶を入れる
茶腹も一時 茶屋の餅も強いねば食えぬ
茶碗を投げば綿で抱えよ 中原に鹿を逐う
忠言耳に逆らう 中心疑う者は其の辞枝る
忠臣は国を去るも其の名を潔くせず 忠臣は二君に仕えず
中道にして廃す 忠ならんとすれば孝ならず、孝ならんとすれば忠ならず
中流の砥柱 寵愛昂じて尼になす
朝霞門を出でず、暮霞千里を行く 長鋏帰らんか、食に魚無し
朝菌は晦朔を知らず 長鯨の百川を吸えるが如し
鳥雀枝の深きに聚まる 長者富に飽かず
長者に子無し 長者に二代なし
長者の万灯より貧者の一灯 長袖よく舞い多銭よく買う
長所は短所 長蛇を逸す
提灯に釣鐘 提灯ほどの火が降る
提灯持ち 提灯持ち足下暗し
提灯持ち川へはまる 提灯持ちは先に立て
提灯を持つ 町人の刀好み
長範があて飲み 掉尾の勇を奮う
掉尾を飾る 長鞭馬腹に及ばず
頂門の一針 長夜の飲
長幼の序 蝶よ花よ
頂礼昂じて尼になる 長老になるも沙弥を経る
直躬父を証す 直なること弦の如きは道辺に死し、曲れること鉤の如きは反て侯に封ぜらる
直は曲を輔けず 直木まず伐らる
ちょっと来いに油断すな ちょっと嘗めたが身の詰まり
塵も積もれば山となる 塵も箔屋の塵
塵を結んでも志 血湧き肉躍る
治を未だ乱れざるに制す 地を易うれば皆然り
智を使い勇を使い貪を使い愚を使う 治を為すは多言に在らず
地を掃う 智を増す者は悲しみを増す
血を以て血を洗う 鎮守の沼にも蛇は棲む
陳陳相因る 沈黙は金
珍を識る者は必ず濁水の明珠を拾う 鴆を飲みて渇を止む

【つ】からはじまることわざ

追従も世渡り 朔日毎に餅は食えぬ
搗いた餅より心持ち 痛処に針錐を下す
つうと言えばかあ 杖とも柱とも頼む
杖に縋るとも人に縋るな 杖の下に回る犬は打たれぬ
杖を挙げて犬を呼ぶ 使う者は使われる
使っている鍬は光る 冢に剣を掛く
搗き臼で茶漬け 月と鼈
月に一鶏を攘み以て来年を待つ 月に叢雲花に風
月の影取る猿 月の前の灯火
月は惜しまれて入り桜は散るをめでたしとす 月日変われば気も変わる
月満つれば則ち虧く 月雪花は一度に眺められず
月夜に釜を抜かれる 月夜に背中炙る
月夜に提灯 月夜に提灯も外聞
月夜の蟹 月夜も十五日、闇夜も十五日
月を指せば指を認む 付け焼刃
付け焼き刃はなまり易い 辻褄を合わせる
拙く行うは巧みに言うに勝る 土一升に金一升
槌で庭掃く 土に灸
土の穴を掘りて言う事だに漏る 土仏の水遊び
突っ掛け者の人もたれ 鼓を鳴らして攻む
夙に興き夜に寝ぬ 繋ぎ馬に鞭を打つ
綱渡りより世渡り 常が大事
角ある者には上歯なし 角突き合わせる
角を折る 角を出す
角を矯めて牛を殺す 唾で矢を矧ぐ
ツバメが低く飛ぶと雨 燕の幕上に巣くうがごとし
壺の中では火は燃えぬ 躓く石も縁の端
妻の言うに向こう山も動く 罪無くして配所の月を見る
罪の疑わしきは惟れ軽くし、功の疑わしきは惟れ重くす 罪を憎んで人を憎まず
旋毛を曲げる 爪で拾って箕で零す
爪に火を灯す 爪の垢ほど
爪の垢を煎じて飲む 面の皮が厚い
面の皮の千枚張り 面の皮を剥ぐ
梅雨に降らぬと土用に降る 梅雨の雷は晴れ近し
釣り合わぬは不縁の基 釣り落とした魚は大きい
釣りして綱せず 剣の刃を渡る
鶴九皐に鳴き声天に聞こゆ 弦無き弓に羽抜け鳥
鶴に騎りて揚州に上る 鶴の粟、蟻の塔
鶴の脛も切るべからず 鶴の一声
鶴は枯れ木に巣をくわず 鶴は千年、亀は万年
釣瓶縄井桁を断つ 連れがあれば三里回らん

【て】からはじまることわざ

棣鄂の情 鄭家の奴は詩をうたう
庭訓 庭訓三月四書大学
亭主元気で留守がいい 亭主三杯客一杯
亭主の好きな赤烏帽子 亭主の好きを客へ出す
貞女は両夫に見えず 泥酔
鼎足して居る 泥中の蓮
丁寧も時による 筳は以て屋を持すべからず
羝羊藩に触る 手が空けば口が開く
手書きあれども文書きなし 手加減の独り舌打ち
敵国外患無き者は国恒に亡ぶ 敵国破れて謀臣滅ぶ
敵に糧 敵に塩を送る
敵に味方あり、味方に敵あり 敵は仮す可からず時は失う可からず
敵は本能寺にあり 敵もさるもの引っ掻くもの
溺を拯うに石を錘す 敵を見て旗を巻く
手ぐすねを引く 手功より目功
梃子でも動かない 手塩に掛ける
手品するにも種がいる 弟子は師匠の半減
手酌五合、髱一升 手千両
手出し十層倍 鉄杵を磨く
涅すれども緇まず 鉄中の錚錚
鉄桶水を漏らさず 鉄は熱いうちに打て
轍鮒の急 鉄面皮
鉄物は敵の末にも貸せ 鉄砲玉の使い
鉄を点じて金と成す 轍を踏む
手でする事を足でする 蝸牛が日和を知る
手鍋下げても 手習いは坂に車を押す如し
手に汗を握る 手に据えた鷹を逸らしたよう
手に万鈞を提げて而る後に多力見る 手の裏を返す
手の舞い足の踏む所を知らず 手の奴足の乗り物
出日拝む者はあっても、入り日拝む者なし 手八丁口八丁
出船あれば入船あり 出船に船頭待たず
出船によい風は入り船に悪い 手前味噌で塩が辛い
手前味噌を並べる 手飯で力持ち
手も足も出ない 出物腫れ物所嫌わず
寺から里 寺から出れば坊主
寺に勝った太鼓 寺にも葬式
寺の隣にも鬼が棲む 出る息入る息を待たず
出る杭は打たれる 出る船の纜を引く
手六十 手を替え品を替え
手を返す 手を拱く
手を出して火傷する 手を翻せば雲と作り手を覆せば雨となる
天淵の差 天涯比隣の若し
天下取っても二合半 天下の憂いに先だちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ
天下の大事は必ず細より作る 天下の難事は必ず易きより作る
伝家の宝刀 天下は回り持ち
天から降ったか地から湧いたか 天から横に降る雨はない
天機泄らすべからず 天狗の飛び損ない
天句践を空しゅうすること莫れ、時に范蠡無きにしも非ず 天行は健なり
天災は忘れた頃にやってくる 天定まって亦能く人を破る
天子に戯言無し 天井一日、底百日
天上天下唯我独尊 天知る地知る我知る人知る
天水桶に竜 天水桶の孑孑
椽大の筆 天高く馬肥ゆる秋
天地は万物の逆旅 天地を動かし鬼神を感ぜしむ
点滴石を穿つ 天道畏るべし
天道様と米の飯はどこへも付いて回る 天道是か非か
天道は親無し 天道は善に福し淫に禍す
天道人を殺さず 貂なき森の鼬
天に口あり地に耳あり 天に口なし、人を以て言わしむ
天に順う者は存し、天に逆らうものは滅ぶ 天に跼り地に蹐す
天に唾する 貂になり兎になり
天に二日無く土に二王無し 天に風雨、人に疾病
天、二物を与えず 天に眼
天に三日の晴れなし 天に耳無しと雖も之を聞くに人を以てす
天に向かって唾を吐く 天の与うるに取らざれば反ってその咎を受く
天の支うる所は壊る可からず 天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず
天の作せる孼は猶違くべきも、自ら作せる孼は逭るべからず 天の配剤
天の美禄 天馬空を行く
天は二物を与えず 天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず
天は自ら助くる者を助く 田父の功
天網恢恢疎にして漏らさず 天を恨みず人を咎めず
天を指して魚を射る

【と】からはじまることわざ

怒蛙に式す 問い声よければいらえ声よい
戸板に豆 問屋の只今
東海を踏みて死す 頭角を現す
灯火親しむべき候 灯火親しむべし
東家に食して西家に息わん 東家の丘
冬瓜の花の百一つ 堂が歪んで経が読めぬ
同気相求む 道具屋は目が利いては商売にならぬ
董狐の筆 東西南北の人
唐紙唐紙仮名で書け 同日の論にあらず
同じて和せず 冬至冬中冬始め
陶朱猗頓の富 同舟相救う
灯心で鐘を撞く 灯心で須弥山を引き寄せる
灯心で竹の根を掘る 灯心に釣り鐘
唐人の寝言 灯心を少なくして油を多くせよ
同姓娶らず 灯台下暗し
東堂の主 堂に入る
問うに落ちず語るに落ちる 堂に升りて室に入らず
堂は敬に若くは莫し 盗は主人を憎む
同美相妬み同業相仇す 刀筆の吏
問う人も無き系図物語 同病相憐れむ
豆腐で歯を痛める 豆腐に鎹
豆腐の皮を剥く 豆腐も煮れば締まる
灯明で尻を焙る 灯滅せんとして光を増す
盗も五女の門に過らず 道楽息子に妹の意見
道理に向かう刃なし 道理百遍、義理一遍
道理道を行く 桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す
桃李門に満つ 登竜門
同類相求む 蟷螂蝉を取らんと欲して黄雀の其の傍らに在るを知らず
蟷螂の斧 遠きに行くに必ず邇きよりす
遠きは花の香 遠きを知りて近きを知らず
遠く騏驥を求めて近く東隣に在るを知らず 遠くて近きは男女の仲
遠くなれば薄くなる 遠くの火事より背中の灸
遠くの親戚より近くの他人 遠くの親類より近くの他人
遠ざかる程思いが募る 十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人
十の事は十に言え 十榛の九つ空
とかく浮世は色と酒 とかく近所に事なかれ
研がずに鍛冶を恨むな 尤めて之に効う
どか儲けすればどか損する 怒気ある者も飄瓦は咎めず
時異なれば事異なり 時知らぬ山伏は夜も頭巾
研ぎ賃に身を流す 時に遇えば鼠も虎になる
時に従う者は猶火を救い亡人を追うがごとし 斎にも非時にも外れる
時の代官日の奉行 時の花を挿頭にせよ
時の用には鼻を欠け 時は得難くして失い易し
時は金なり 時を得た一針は九針の手間を省く
時を得た者は昌んに、時を失うものは亡ぶ 徳有る者は必ず言有り
独眼竜 毒気を抜かれる
読書百遍義自ずから見る 読書万巻を破る
徳に在りて険に在らず 徳に順う者は昌え、徳に逆らう者は亡ぶ
毒にも薬にもならない 徳は孤ならず必ず隣あり
徳を以て怨みに報ゆ 毒薬変じて薬となる
櫝を買いて珠を還す 毒を食らわば皿まで
得を取るより損するな 得を取るより名を取れ
毒を以て毒を制す とぐろを巻く
どこで暮らすも一生 どこの馬の骨かわからぬ
どこの烏も黒い 床の間の置き物
何処吹く風 どこへ行っても甘草の流れる川はない
所変われば品変わる 所変われば水変わる
所で吠えぬ犬はいない 所に従う絵をかく
所の神様有難からず 所の法に矢は立たぬ
土佐船の錨 年が薬
歳寒くして、然る後に松柏の彫むに後るることを知る 年問わんより世を問え
年には勝てない 年は寄れども心は寄らぬ
泥鰌の地団駄 斗筲の人
屠所の羊 年寄りと紙袋は入れねば立たぬ
年寄りと釘頭は引っ込むがよし 年寄と仏壇は置き所が無い
年寄りに新湯は毒 年寄りの言う事と牛の鞦は外れない
年寄りの達者春の雪 年寄りの冷や水
年寄りの物忘れ若い者の無分別 年寄りは家の宝
年寄れば愚に返る 渡世は八百八品
土台より二代大事 塗炭の苦しみ
蠹啄みて梁柱を剖く 突を曲げて薪を徙す
途轍もない とどのつまり
隣の火事に騒がぬ者なし 隣の白飯より内の粟飯
隣の糂粏味噌 隣の宝を数える
隣の花は赤い 隣の貧乏は鴨の味
隣の餅も食って見よ 隣は火事でも先ず一服
斗南の一人 図南の翼
戸にも口がある 殿の犬には食われ損
怒髪冠を衝く 怒髪天を衝く
鴑馬に鞭打つ 鴑馬は伯楽に会わず
鳶が鷹を生む 鳶に油揚げを攫われる
鳶の子は鷹にならず 鳶も居住まいから鷹に見える
鳶も物を見ねば舞わぬ 飛ぶ鳥の献立
飛ぶ鳥も跡を見よ 飛ぶ鳥を落とす勢い
途方に暮れる 富経業無し
富は一生の財、知は万代の財 富は屋を潤すも徳は身を潤す
富を為せば仁ならず、仁を為せば富まず 朋有り遠方より来る
友と酒は古いほどよい 虎嘯いて谷風至る
虎狼より人の口恐ろし 取らずの大関
虎に翼 捕らぬ狸の皮算用
虎の威を借る狐 虎の尾を踏む
虎の子 虎の巻
虎は飢えても死したる肉を食わず 虎は死して皮を留め人は死して名を残す
虎は千里行って千里帰る 虎は千里の藪に棲む
虎伏す野辺、鯨寄る浦 虎を描いて狗に類す
虎を野に放つ 虎を養いて患いを遺す
取らんとする者は先ず与う 取り勘定より遣い勘定
鳥窮すれば則ち啄む 鳥疲れて枝を選ばず
取り付く島もない 鳥囚われて飛ぶことを忘れず
鳥なき里の蝙蝠 鳥の鳴く音はいずくも同じ
鳥の将に死なんとするや、その鳴くこと哀し 鳥は木を択べども木は鳥を択ばず
鳥は食うとも、どり食うな 鳥は高く飛びて以て矰弋の害を避く
取り道あれば抜け道あり 鳥もちで馬を刺す
屠竜の技 取るものも取り敢えず
取るよりかばえ 操れば則ち存し舎つれば則ち亡う
取ろう取ろうで取られる 泥に酔った鮒
泥棒が縄を恨む 泥棒せぬは氏神ばかり
泥棒に追い銭 泥棒にも三分の道理
泥棒も十年 泥棒を捕らえて縄を綯う
泥を打てば面へはねる 団栗の背比べ
豚肩、豆を掩わず 呑鉤の魚は飢えを忍ばざるを嘆く
呑舟の魚 呑舟の魚は枝流に游ばず
呑舟の魚も水を失えば、則ち螻蟻に制せらる 飛んで火に入る夏の虫
とんぼが低く飛ぶと雨

な行のことわざ

【な】からはじまることわざ

名有りて実無し 無いが意見の総じまい
無いが極楽知らぬが仏 無い子では泣かで有る子に泣く
無い子では泣かれぬ 内証は火の車
内助の功 無い袖は振れない
無い知恵を絞る 泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生
泣いて育てて笑うてかかれ 泣いて馬謖を斬る
無い時の辛抱、有る時の倹約 無い名は呼ばれず
無い物食おうが人の癖 無い物は金と化け物
苗の莠有るが若し 直きに曲がれる枝
長い物には巻かれろ 長口上は欠伸の種
鳴かず飛ばず 仲立ちより逆立ち
鳴かぬ蛍が身を焦がす 仲のよいで喧嘩する
長持枕にならず 流れ川に大魚なし
流れ川を棒で打つ 流れに棹さす
流れに耳を洗う 流れる水は腐らず
流れを汲みて源を知る 泣き面に蜂
泣く子と地頭には勝てぬ 泣く子に乳
泣く子は育つ 泣く子も目を見る
鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす 無くてぞ人は恋しかりける
無くて七癖 無くて七癖有って四十八癖
泣く時は泣いて渡れ 泣く泣くも、よいほうを取る形見分け
鳴く猫は鼠を捕らぬ 鳴くまで待とう時鳥
鳴く虫は捕らえられる なけなしの無駄遣い
仲人口は半分に聞け 仲人は宵の口
仲人は草鞋千足 情けが仇
情けに刃向かう刃無し 情けの酒より酒屋の酒
情けは質に置かれず 情けは上下によるべからず
情けは人の為ならず 情けも過ぐれば仇となる
為さざるなり、能わざるに非ず 梨の皮は乞食に剝かせ、瓜の皮は大名に剝かせ
梨の礫 為す者は常に成り、行う者は常に至る
為せば成る、為さねば成らぬ何事も 名高の骨高
菜種から油まで 鉈を貸して山を伐られる
夏歌う者は冬泣く 夏沖の秋山
夏座敷と鰈は縁側がよい 納所から和尚
納豆も豆なら豆腐も豆 夏の風邪は犬も食わぬ
夏の小袖 夏の入道雲は晴れ
夏の火は嫁に焚かせよ 夏の牡丹餅犬も食わぬ
夏の虫氷を笑う 夏は日向を行け、冬は日陰を行け
七重の膝を八重に折る 七転び八起き
七皿食うて鮫臭い 七度探して人を疑え
七つ泣き別れ 七つ七里に憎まれる
七つ前は神の子 七尋の島に八尋の船を隠す
何某より金貸し 何事も縁
七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ 名主の跡は芋畑
名の勝つは恥なり 名の木も鼻につく
名のない星は宵から出る 名乗りを上げる
名は実の賓 名は体を表す
なぶれば兔も食いつく 鍋が釜を黒いと言う
鍋の鋳掛けが釣鐘を請け合ったよう 鍋の三つ足
鍋蓋で鼠を押さえたよう 鍋蓋と鼈
生木を裂く 怠け者の足から鳥が立つ
怠け者の食い急ぎ 怠け者の節句働き
生殺しの蛇に噛まれる 生兵法は大怪我のもと
生物識り川へはまる 生物識り地獄に落ちる
生酔い本性違わず 訛りは国の手形
鉛は以て刀と為す可からず 波風が立つ
波雲は雨 涙ほど早く乾くものはなし
波に千鳥 波にも磯にも着かず
蛞蝓に塩 蛞蝓の江戸行き
名よき島に木寄る 名よりも実
習い性と成る 習うは一生
習うより慣れろ 成らぬ堪忍するが堪忍
習わぬ経は読めぬ 生業は草の種
成るか成らぬか目元で知れる 鳴る神も桑原に恐る
成るは厭なり、思うは成らず 成るも成らぬも金次第
熟れて後は薄塩 慣れぬ米商いより慣れた糠商い
名を捨てて実を取る 名を竹帛に垂る
名を成す 名を盗むは貨を盗むに如かず
南華の悔い 南柯の夢
難波の葦は伊勢の浜荻 難行苦行こけの行
難産色に懲りず 南山雲起これば北山雨下る
南山の寿 汝自身を知れ
爾に出ずるものは爾に反る 南枝の悲しみ
汝の敵を愛せよ 爾は爾たり我は我たり
南人駝を夢見ず北人象を夢見ず 何でも来いに名人なし
難に臨んで遽かに兵を鋳る 南風競わず
南面して天下を聴く

【に】からはじまることわざ

似合う夫婦の鍋の蓋 似合わぬ僧の腕立て
煮え湯を飲まされる 匂い松茸味しめじ
鳰の浮き巣 二階から目薬
逃がした魚は大きい 二月の瓜
二月は逃げて走る 苦瓢にも取り柄あり
苦虫を噛み潰したよう 握り拳の素戻り
握れば拳開けば掌 握れる拳笑める面に当たらず
憎い憎いは可愛いの裏 憎き鷹へは餌を飼え
肉は腐れば虫を生じ、魚は枯るれば蠹を生ず 憎まれっ子世に憚る
逃ぐるが一の手 逃ぐるも一手
逃ぐる者道を選ばず 逃ぐるをば剛の者
肉を切らせて骨を断つ 肉を以て蟻を去る
肉を以て餓虎に委 逃げるが勝ち
二間の所で三間の槍使う 西風と夫婦喧嘩は夕限り
錦に勝る麻の細布 錦の袋に糞を包む
錦の御旗 錦を衣て郷に還る
錦を衣て昼行く 錦を衣て夜行くが如し
西と言うたら東と悟れ 西と言えば東と言う
西も東もわからない 二千里外故人の心
二足の草鞋を履く 二鼠藤を噛む
似たものは烏 似た者夫婦
似たり寄ったり 日常茶飯事
日日是好日 日計足らずして歳計余り有り
日光を見ずして結構と言うな 二進も三進も行かない
二八の涙月 似て非なるもの
煮ても焼いても食えない 二度あることは三度ある
二桃三士を殺す 二度教えて一度叱れ
二度聞いて一度もの言え 二兎を追う者は一兎をも得ず
二人口は過ぎるが一人口は過ごせない 二人心を同じくすれば其の利きこと金を断つ
似ぬ京物語 二の足を踏む
二の句が継げない 二の舞を演じる
二の矢が継げない 二八余りは人の瀬越し
二八月に思う子船に乗するな 二八月の雷に隣に行くな
二八月は船頭のあぐみ時 二匹目の泥鰌を狙う
二百十日の走り穂 二百二十日の荒れじまい
鮸膠も無い 二枚舌を使う
乳狗は虎を博ち、伏鶏は狸を博つ 入木道
女房去ったは銭百落とした心持ちがする 女房鉄砲仏法
女房と米の飯には飽かぬ 女房と畳は新しい方が良い
女房と鍋釜は古いほどよい 女房と味噌は古いほどよい
女房の妬くほど亭主もてもせず 女房は家の大黒柱
女房は変えるほど悪くなる 女房は貸すとも擂粉木は貸すな
女房は質に置いても朝酒はやめられぬ 女房は台所から貰え
女房は半身上 二卵を以て干城の将を棄つ
似るを友 俄長者は俄乞食
鶏寒うして樹に登り、鴨寒うして水に入る 鶏は三歩歩くと忘れる
鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん 鶏をして夜を司らしめ、狸をして鼠を執らしむ
任重くして道遠し 人形にも衣装
人間一生二万日 人間の皮を被る
人間は実が入れば仰向く、菩薩は実が入れば俯く 人間は病の器
人間万事金の世の中 人間万事塞翁が馬
人間一人は世の宝 人間僅か五十年
人参で行水 人参飲んで首くくる
人参よく人を活かし、よく人を殺す 忍の一字は衆妙の門

【ぬ】からはじまることわざ

鵼のよう 糠に釘
抜かぬ太刀の高名 糠の中で米粒探す
糠の中にも粉米 糠船にも船頭
糠を舐りて米に及ぶ 抜き足差し足忍び足
抜き足すれば道付く 抜き差しならない
抜け駆けの功名 盗人猛猛しい
盗人が盗人に盗まれる 盗人と智者の相は同じ
盗人に追い銭 盗人には網を張れ
盗人にも三分の理 盗人にも仁義
盗人の上前を取る 盗人の逆恨み
盗人の袖ひかえ 盗人の提灯持ち
盗人の取り残しはあれど火の取り残しはなし 盗人の寝言
盗人の番には盗人を使え 盗人の隙はあれども守り手の隙なし
盗人の昼寝 盗人も戸締り
盗人を捕らえて見れば我が子なり 盗みする子は憎からで縄掛くる人が恨めしい
布は緯から男は女から 塗り箸で芋を盛る
濡れ衣を着せる 濡衣を着る
濡れ手で粟 濡れぬ先こそ露をも厭え
濡れぬ先の傘

【ね】からはじまることわざ

根浅ければ則ち末短く、本傷るれば即ち枝枯る 寧馨児
佞言は忠に似たり 佞者は賢者に似る
願ったり叶ったり 根が生える
寝首を掻く 猫が顔を洗うと雨
猫が肥えれば鰹節が痩せる 猫と庄屋に取らぬはない
猫に鰹節 猫に小判
猫に木天蓼 猫にもなれば虎にもなる
猫の魚辞退 猫の首に鈴を付ける
猫の手も借りたい 猫の額
猫の額の物を鼠が窺う 猫の前の鼠
猫の前の鼠の昼寝 猫の目
猫は三年の恩を三日で忘れる 猫は虎の心を知らず
猫糞を決め込む 猫も杓子も
猫を追うより魚をのけよ 猫を被る
ねじれた薪も真っ直ぐな炎を立てる 鼠が塩を引く
鼠窮して猫を噛み、人貧しうして盗す 鼠捕らずが駆け歩く
鼠捕る猫は爪を隠す 鼠無きを以て捕らざるの猫を養う可からず
鼠に投げんと欲して器を忌む 鼠の嫁入り
鼠は壁を忘るとも壁は鼠を忘れず 鼠は大黒天の使い
鼠は社に憑りて貴し 鼠も小六十
鼠も虎の如し 鼠を以て璞となす
寝た子を起こす 寝た間は仏
妬みはその身の仇 熱を執りて濯わず
寝ていて転んだ例なし 寝ていて人を起こすなかれ
寝ていて餅食えば目に粉が入る 寝ても覚めても
寝鳥を刺す 子に伏し寅に起きる
寝耳に水 寝耳へ水の果報
眠い煙い寒い 根も葉もない
寝る子は育つ 寝る程楽はない
寝る間が極楽 寝れば一畳起きれば半畳
根を断って葉を枯らす 根を深くし柢を固くす
年貢の納め時 年劫の兎
念者の不念 念には念を入れよ
年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず 念の過ぐるは無念

【の】からはじまることわざ

能ある鷹は爪を隠す 能書きと矮鶏の時は当てにならぬ
能書きの読めぬ所に効き目あり 能事畢る
能書筆を択ばず 嚢中の錐
嚢中の物を探るが如し 能なし犬の高吠え
能なしの口叩き 能なしの能一つ
農は政の本 軒を貸して母屋を取られる
退けば他人 退けば長者が二人
残り物には福がある 後無きを大と為す
後の千金 のっぴきならない
喉から手が出る 喉元過ぎれば熱さを忘れる
肮を搤して背を拊つ 野に伏勢ある時は帰雁列を乱る
述べて作らず 上り一日下り一時
上り坂あれば下り坂あり 上り坂より下り坂
上り知らずの下り土産 上り大名下り乞食
登れない木は仰ぎ見るな 飲まぬ酒には酔わぬ
飲まぬ酒に酔う 鑿と言えば槌
鑿に鉋の働きは無し 蚤の頭を斧で割る
蚤の小便、蚊の涙 蚤の夫婦
蚤の眼に蚊の睫 飲む打つ買う
飲むに減らで吸うに減る 飲む者は飲んで通る
野良猫の隣歩き 乗り掛かった船
糊ついでに帽子 暖簾に腕押し
暖簾に傷が付く 暖簾にもたれるよう
暖簾を下ろす 暖簾を分ける
呪うことも口から呪う 呪うに死なず
狼煙を上げる のろまの一寸、馬鹿の三寸

は行のことわざ

【は】からはじまることわざ

奪い合う物は中から取る 梅花は莟めるに香あり
肺肝を砕く 敗軍の将は兵を語らず
杯杓に勝えず 吐いた唾は呑めぬ
杯中の蛇影 掃いて捨てるほど
灰吹きから蛇が出る 肺腑を衝く
灰を飲み胃を洗う 灰を吹いて眯する無からんと欲す
枚を銜む 蠅が飛べば虻も飛ぶ
這えば立て立てば歩めの親心 馬革を以て屍を裹む
化かす化かすが化かされる 馬鹿と煙は高いところへ上る
馬鹿と鋏は使いよう 馬鹿な子ほど可愛い
馬鹿に付ける薬はない 墓に布団は着せられず
刃金が棟へ回る 馬鹿の一つ覚え
馬鹿の真似する利口者、利口の真似する馬鹿者 馬鹿は死ななきゃ治らない
測り難きは人心 謀定まりて後戦う
謀は密なるを貴ぶ 籌を帷幄の中に運らし、勝ちを千里の外に決す
謀を以て謀を討つ 掃き溜めに鶴
馬脚を現す 破鏡
破鏡重ねて照らさず、落花枝に上り難し 伯牙、琴を破る
白眼視 莫逆の友
白玉楼中の人となる 白砂は泥中に在りて之と皆黒し
拍車を掛ける 麦秀の嘆
柏舟の操 白刃前に交われば流矢を顧みず
博打と相場は死ぬまで止まぬ 博奕は色より三分濃し
伯仲の間 白鳥の歌
白頭新の如し 白髪三千丈
白馬は馬に非ず 白眉
薄氷を履むが如し 白璧の微瑕
白面の書生 莫耶を鈍しと為し鉛刀を銛しと為す
伯兪杖に泣く 伯楽の一顧
歯車が嚙み合わない 白鷺は塵土の穢れを禁ぜず
禿が三年目につかぬ 化けの皮が剥がれる
擌にかかれる鳥 箱根知らずの江戸話
箸が転んでもおかしい年頃 橋がなければ渡られぬ
恥と頭はかき次第 箸と主とは太いのへかかれ
箸に当たり棒に当たる 箸に虹梁
箸に目鼻をつけても男は男 箸にも棒にも掛からない
恥の上塗り 始めあるものは必ず終わりあり
始めが大事 始めきらめき奈良刀
始めちょろちょろ中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな 始めて俑を作る者は其れ後なからんか
始めに二度なし 始めの囁き後のどよみ
始めは処女の如く後は脱兎の如し 始め半分
始めよければ終わりよし 始めよし後悪し
始めを言わねば末が聞こえぬ 始めを原ねて終わりに反る
始めを慎みて終わりを敬む 箸も持たぬ乞食
馬上に居て之を得 箸より重いものを持たない
柱には虫入るも鋤の柄には虫入らず 走り馬の草を食うよう
走れば躓く 恥を言わねば理が聞こえぬ
恥を知らねば恥かかず 恥を知るは勇に近し
蓮の台の半座を分かつ 鯊の鉤で、はたやは釣れぬ
肌に粟を生ず 裸一貫
裸馬の捨て鞭 裸で道中はならぬ
裸で物を落とす例なし 裸百貫
畑あっての芋種 畑水練
畑に蛤 二十後家は立つが三十後家は立たぬ
働かざる者食うべからず 働けば回る
破竹の勢い 八細工七貧乏
八十の手習い 八十の三つ子
八十八夜の別れ霜 蜂の巣をつついたよう
罰は目の前 八分されても未だ二分残る
八分は足らず十分はこぼれる ばつが悪い
白駒の隙を過ぐるが如し 八卦裏返り
白虹日を貫く 八歳の翁、百歳の童
伐性の斧 這っても黒豆
発破をかける 八方塞がり
初物七十五日 初雪は目の薬
髪を簡して櫛る 破天荒
鳩が豆鉄砲を食ったよう 鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり
鳩の豆使い 鳩を憎み豆を作らぬ
花多ければ実少なし 花が見たくば吉野へござれ
端から和尚はない 鼻糞丸めて万金丹
鼻毛を抜く 鼻毛を読む
話上手の聞き下手 話し上手の口下手
話し上手の仕事下手 話し上手は聞き上手
話では腹は張らぬ 話の蓋は取らぬが秘密
話の名人は嘘の名人 話は下で果てる
話は立っても足腰立たぬ 話半分
話を絵に描いたよう 花好きの畑に花が集まる
洟垂れ小僧も次第送り 花七日
花に嵐 花に三春の約あり
花盗人は風流のうち 花の傍らの深山木
鼻の先の疣疣 花の下より鼻の下
花は折りたし梢は高し 花は桜木人は武士
花は根に帰る、鳥は古巣に帰る 花は半開、酒はほろ酔い
花は山人は里 花発いて風雨多し
鼻へ食うと長者になる 花も折らず実も取らず
花も実もある 花より団子
鼻をかめと言えば血の出るほどかむ 花を賞するに慎みて離披に至る勿れ
歯に衣着せぬ 跳ねる馬は死んでも跳ねる
歯の根が合わない 母ありて一子寒く母去りて三子寒し
母方より食い方 祖母育ちは三百安い
母の折檻より隣の人の扱いが痛い 歯亡び舌存す
蛤で海をかえる はまった後で井戸の蓋をする
浜の真砂 羽目を外す
鱧も一期、海老も一期 早い馬も千里、のろい牛も千里
早いが勝ち 早い者に上手なし
早牛も淀、遅牛も淀 早起き三両倹約五両
早起きは三文の徳 早合点の早忘れ
早かろう悪かろう 早きは宜しゅうて失あり、遅きは悪しゅうて失なし
早くて間に合わぬ鍛冶屋の向こう槌 早くて悪し大事なし、遅くて悪し猶悪し
林深ければ則ち鳥棲み、水広ければ則ち魚游ぶ 早好きの早飽き
早寝早起き病知らず 早飯早糞早算用
早飯も芸のうち はやり事は六十日
はやり目なら病み目でもよい 流行物は廃り物
はやる芝居は外題から 生ゆる山は山口から見ゆる
腹がすいてもひもじゅうない 腹が立つなら親を思い出せ
腹が減っては戦ができぬ 腹立てるより義理立てよ
腹に一物 薔薇に刺あり
腹の皮が張れば目の皮がたるむ 腹の立つように家倉建たぬ
腹の虫が治まらない 腹は借り物
腹は立て損、喧嘩は仕損 腹八分目に医者いらず
腹も身の内 腹を剖きて珠を蔵む
張り子の虎 張りつめた弓はいつか弛む
針で掘って鍬で埋める 針とる者車をとる
針の穴から天を覗く 針の筵
針は小さくても呑まれぬ 針ほどの穴から棒ほどの風がくる
針ほどの事を棒ほどに言う 針を倉に積む
針を棒に取りなす 針を以て地を刺す
春植えざれば秋実らず 春小雨夕立に秋日照り
春に三日の晴れ無し 春の晩飯後三里
春の日と継母はくれそうでくれない 春の雪と叔母の杖は怖くない
春の雪と歯抜け狼は怖くない 馬齢を重ねる
葉をかいて根を断つ 反旗を翻す
万死一生を顧みず 万事休す
万乗の君 繁盛の地に草生えず
半畳を入れる 晩食以て肉に当て、安歩して以て車に当つ
万死を出でて一生に遇う 万人心を異にすれば則ち一人の用無し
万卒は得易く一将は得難し 判で押したよう
反哺の孝 半面の識
万里一条の鉄 万緑叢中紅一点
判を貸すとも人請けするな 馬鹿があればこそ利口が引き立つ
流行り物は廃り物 腸がちぎれる
背水の陣 旗を揚げる
洟も引っ掛けない 万死に一生を得る
はこべの花が閉じると雨 白虹張れば干天
船盗人を徒歩で追う

【ひ】からはじまることわざ

贔屓の引き倒し 日出でて作し、日入りて息う
秀でて実らず 引いて発たず
ビードロを逆さまに吊るす 火打ち石、据え石にならぬ
火打ち箱に煙硝入れて昼寝する 非学者論に負けず
日陰の梨 日陰の豆も時が来ればはぜる
日暈雨傘月暈日傘 東に近ければ西に遠い
東は東、西は西 干潟の鰯
日が西から出る 飛蛾の火に赴くが如し
火が火を喚ぶ 光あるものは光あるものを友とす
光るほど鳴らぬ 引かれ者の小唄
彼岸が来れば団子を思う 日勘定では足らぬが月勘定では余る
彼岸過ぎての麦の肥料、三十過ぎての男に意見 飛脚に三里の灸
比近説ばざれば修遠を務むる無かれ 低き所に水溜まる
引く手数多 比丘尼に笄
比丘尼に髭出せ 日暮れて道遠し
日暮れて道を急ぐ 日暮れの山入り
火消しの家にも火事 鬚の塵を払う
卑下も自慢のうち 非細工の小刀減らし
膝頭で江戸へ行く 瓢で藁打つ
瓢に浮き 庇を貸して母屋を取られる
膝っ子に目薬 膝とも談合
膝枕に頬杖 罷士は伍無く罷女は家無し
秘事は睫 柄杓で海を換える
非常の人有りて非常の事有り 美女舌を破る
美女は醜婦の仇 美女は生を断つ斧
聖も時に遇わず 臂を噛む
美人に年なし 美人の終わりは猿になる
美人は言わねど隠れなし 翡翠は羽を以て自ら害わる
日西山に薄る 尾生の信
ひそかに諌めて公にほめよ 鼻息を仰ぐ
顰みに倣う 額に箭は立つとも背に箭は立たず
左団扇で暮らす 左思いに右謗り
左褄を取る 左は勝手右は得手
左前になる ひだるい時にまずい物なし
日中すれば則ち昃き、月盈つれば則ち食く 美中に刺あり
飛鳥尽きて良弓蔵され、狡兎死して走狗烹らる 飛鳥の摯つや其の首を俛す
飛鳥人に依れば自ずから憐愛を加う 匕箸を失う
美疢は悪石に如かず 筆硯を新たにする
羊虎を仮る 羊の歩み
羊の番に狼 羊を亡いて牢を補う
羊をして狼に将たらしむ 羊を以て牛に易う
筆舌に尽くし難い 匹夫罪なし、璧を懐けば其れ罪あり
匹夫の勇 匹夫も志を奪う可からず
必要は発明の母 火で火は消えぬ
日照りに不作なし 日照りの高木履
人垢は身に付かぬ 人ある中に人なし
人焉んぞ廋さんや 肘鉄砲を食わせる
人を謗るは鴨の味 人の噂も七十五日
人の口に戸は立てられぬ 人の振り見て我が振り直せ
人の褌で相撲を取る 人はパンのみにて生くるものに非ず
人は見かけによらぬもの 人を見たら泥棒と思え
人を見て法を説け 火に油を注ぐ
火の無い所に煙は立たぬ 火蓋を切る
百聞は一見に如かず 瓢箪から駒が出る
人こそ人の鏡 人酒を飲む、酒酒を飲む、酒人を飲む
人と屏風は直ぐには立たず 人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し
一花咲かせる 人を射んとせば先ず馬を射よ
人を呪わば穴二つ 百害あって一利なし
百日の説法屁一つ 貧すれば鈍する
貧乏暇なし 一筋縄では行かない
百尺竿頭に一歩を進む 人は一代名は末代
百里を行く者は九十里を半ばとす 百年河清を俟つ
肘鉄を食う 人の己を知らざるを患えず
一人口は食えぬが二人口は食える 人を以て鑑と為す
微に入り細を穿つ 髀肉の嘆
瓢簞に釣り鐘 貧乏くじを引く
貧の盗みに恋の歌 美女は命を断つ斧
東雷雨降らず 飛行機雲が立つ時は雨が近い
未の時に晴るるは雨には蓑笠を脱ぐ 日照りの朝曇り
ヒバリが高く昇ると晴れ 一人善く射れば百夫決拾す
人至って賢ければ友なし 一浦違えば七浦違う
人衆ければ天に勝つ 人食い馬にも合い口
人屑と縄屑は余らぬ 一口物に頰を焼く
人肥えたるが故に貴からず 人必ず自ら侮りて然る後に人之を侮る
人盛んにして神祟らず 一筋の矢は折るべし、十筋の矢は折り難し
一度鳴けば人を驚かす 一つ姉は買うて持て
一つよければまた二つ 人捕る亀が人に捕られる
人に受くる者は人を畏れ、人に矛うる者は人に驕る 人に勝たんと欲する者は、必ず先ず自ら勝つ
人に三怨有り 人にして古今に通ぜずんば馬牛にして襟裾するなり
人通りに草生えず 一時違えば三里の遅れ
人と煙草の善し悪しは煙となって世に知る 人その子の悪を知ることなし
人と入れ物は有り合わせ 人に善言を与うるは布帛よりも煖かなり
人に千日の好無く、花に百日の紅無し 人に事うるを知る者にして然る後に以て人を使うべし
人に七癖我が身に八癖 人には飽かぬが病に飽く
人に施しては慎みて念うこと勿れ 人に一癖
人に因りて事を為す 人の過ち我が幸せ
人の意見は四十まで 人の痛いのは三年でも辛抱する
人の一寸我が一尺 人の命は万宝の第一
人の上に吹く風は我が身にあたる 人の患いは好みて人の師と為るに在り
人の噂を言うのは鴨の味がする 人の踊る時は踊れ
人の苦楽は壁一重 人の心は九分十分
人の事は我の事 人の事より我が事
人の子の死んだより我が子の転けた 人の牛蒡で法事する
人の七難より我が十難 人の十難より我が一難
人の小過を責めず 人の背中は見ゆれど我が背中は見えぬ
人の善悪は針を袋に入れたるが如し 人の疝気を頭痛に病む
人の空言は我が空言 人の太刀で功名する
人の頼まぬ経を読む 人の短を道うこと無かれ、己の長を説くこと無かれ
人の情けは身の仇、人の辛きは身の宝 人の情けは世にある時
人の女房と枯れ木の枝ぶり 人の不幸は蜜の味
人の耳は壁につき眼は天に懸かる 人の物より自分の物
人の悪きは我が悪きなり 人は石垣、人は城
人は言わぬが我言うな 人は落ち目が大事
人は陰が大事 人は故郷を離れて貴し
人は心が百貫目 人は十歳木は一丈
人は知れぬもの 人は足るを知らざるに苦しむ
人は情けの下で立つ 人は盗人火は焼亡
人は万物の霊 人は人中、田は田中
人は見かけによらぬもの 人は眉目よりただ心
人は冥加が大事 人は悪かれ我善かれ
人一盛り 人一たびにして之を能くすれば、己之を百たびす
一村雨の雨宿り 一人口は食えぬが二人口は食える
一人喧嘩はならぬ 一人子は国に憚る
独り自慢の褒め手なし 独り任ずるの国は労して禍多し
一人の文殊より三人のたくらだ 一人娘と春の日はくれそうでくれぬ
独り善がりの人笑わせ 人我に辛ければ、我また人に辛し
人を疑いては使う勿れ、人を使いては疑う勿れ 人を怨むより身を怨め
人を知る者は智なり、自ら知る者は明なり 人を叩いた夜は寝られぬ
人を恃むは自ら恃むに如かず 人を使うことは工の木を用うるが如くせよ
人を憎むは身を憎む 人を謀れば人に謀らる
人を以て言を廃せず 人を玩べば徳を喪い、物を玩べば志を喪う
人を傷る者は己を傷る 鄙に都あり
火に近付けば渇き易く、水に近付けば潤い易し 日に就り月に将む
火の消えた回り灯篭 檜山の火は檜より出でて檜を焼く
火箸を持つも手を焼かぬため 火は火で治まる
日は夜を知らず、月は昼を知らず 雲雀の口に鳴子
火吹竹の根は藪にあり 蚍蜉大樹を撼かす
皮膚の見 美味も喉三寸
紐と命は長いがよい 百芸達して一心足らず
百芸は一芸の精しきに如かず 百姓と油は絞る程出る
百丈の木に登って一丈の枝より落つる 百姓の去年物語
百姓の作り倒れ 百姓の万能
百姓の不作話と商人の損話 百姓百層倍
百星の明は一月の光に如かず 百川海に朝す
百川海に学んで海に至る 百戦百勝は善の善なる者に非ず
百足の虫は死して倒れず 百で買った馬のよう
百日に百杯は盛れど一日には盛られず 百日の労一日の楽
百人殺さねば良医になれぬ 百年論定まる
百様を知って一様を知らず 百里来た道は百里帰る
百里奚は、虞に居りて虞は亡びしに、秦に在りて秦は覇たり 百里の海も一夫に飲ましむる能わず
百礼の会、酒に非ざれば行われず 百貫の馬にも騺
百貫の鷹も放さねば知れぬ 冷や飯から湯気が立つ
氷壺の心 平仄が合わない
氷炭相愛す 氷炭相容れず
瓢箪から駒も出でず 瓢箪鯰
瓢箪の川流れ 氷炭は言わずして冷熱の質自ずから明らかなり
豹は死して皮を留め、人は死して名を留む 飄風は朝を終えず、驟雨は日を終えず
非力十倍欲力五倍 非理の前に道理なし
皮裏の陽秋 非理法権天
飛竜雲に乗る 昼には目あり夜には耳あり
汎く衆を愛して仁に親しむ 博く学びて篤く志し切に問いて近く思う
枇杷が黄色くなると医者が忙しくなる 火を抱いて薪に措く
火を乞うは燧を取るに若かず 火を避けて水に陥る
火を失して池を鑿る 火を吹く力も無い
火を水に言いなす 火を見たら火事と思え
火を以て火を救う 貧家には故人疎し
頻伽羅は卵の中にありて声衆鳥に勝る 牝鶏晨す
鬢糸茶烟の感 貧者に盛衰なし
貧賤の交わり忘るべからず 貧僧の重ね斎
貧の花好き 貧の楽は寝楽
貧は諸道の妨げ 貧乏柿の核沢山
貧乏怖いものなし 貧乏するほど楽をする
貧乏難儀は時の回り 貧乏に花咲く
貧乏人の子沢山 貧乏人も三年置けば用に立つ
貧ほど辛いものはなし 貧、骨に至る

【ふ】からはじまることわざ

風樹の嘆 触れなば落ちん風情
舟に刻みて剣を求む 豚もおだてりゃ木に登る
踏んだり蹴ったり 刎頸の交わり
古川に水絶えず 冬来たりなば春遠からじ
文はやりたし書く手は持たぬ 風雲急を告げる
豚に念仏猫に経 豚に真珠
武士は食わねど高楊枝 武士は相身互い
武士に二言はない 無沙汰は無事の便り
河豚は食いたし命は惜しし 故きを温ねて新しきを知る
覆水盆に返らず 深い川は静かに流れる
笛吹けども踊らず 夫婦喧嘩は犬も食わない
風前の灯火 風する馬牛も相及ばず
分別過ぐれば愚に返る 文は人なり

【へ】からはじまることわざ

ペンは剣よりも強し ぺんぺん草が生える
屁とも思わない 平気の平左
弁慶の泣き所 弁慶の立ち往生
屁を放って尻窄める 蛇を描きて足を添う
蛇は竹の筒に入れても真っすぐにならぬ 蛇の生殺し
蛇の生殺しは人を噛む 蛇の足より人の足見よ
蛇に見込まれた蛙 蛇に睨まれた蛙
蛇に噛まれて朽ち縄に怖じる 蛇に足無し魚に耳無し
蛇が蚊を呑んだよう 蛇が蛙を呑んだよう
蛇稽古 下手の横好き
下手の長談義 下手の考え休むに似たり
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる 下手があるので上手が知れる
兵は神速を尊ぶ

【ほ】からはじまることわざ

煩悩の犬は追えども去らず 星がちらちらすると雨
惚れられたが不祥 惚れた病に薬なし
ぽつぽつ三年波八年 仏も昔は凡夫なり
細き流れも大河となる 洞が峠を決め込む
菩提を弔う 坊主の不信心
望蜀の嘆 盆と正月が一緒に来たよう
惚れて通えば千里も一里 惚れた欲目
骨折り損の草臥れ儲け 仏の顔も三度まで
仏作って魂入れず 亡羊の嘆
棒ほど願って針ほど叶う 棒に振る
忙中閑あり 坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
星がちらちらすると雨

ま行のことわざ

【ま】からはじまることわざ

真綿に針を包む 満面朱を注ぐ
学びて思わざれば則ち罔し 待たれる身より待つ身はつらい
待つ間が花 先ず隗より始めよ
負け犬の遠吠え 負けるが勝ち
馬子にも衣装 的を射る
まな板の鯉 丸い卵も切りようで四角
曲がらねば世が渡られぬ 待てば海路の日和あり
蒔かぬ種は生えぬ

【み】からはじまることわざ

身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ 水に燃えたつ蛍
三度肘を折って良医となる 耳を掩うて鐘を盗む
味噌も糞も一緒 見ると聞くとは大違い
味噌を付ける 見るは法楽
身も蓋も無い 耳学問
実るほど頭の下がる稲穂かな 水は方円の器に随う
水の泡 見ざる聞かざる言わざる
右と言えば左 水清ければ魚棲まず
水を得た魚 右を踏めば左が上がる
実るほど頭を垂れる稲穂かな 水と油
三つ子の魂百まで 身から出た錆
ミイラ取りがミイラになる

【む】からはじまることわざ

無用の用 胸突き八丁
娘三人持てば身代潰す 向かう所敵なし
娘一人に婿八人 昔千里も今一里
六日の菖蒲十日の菊 昔は今の鏡
無理が通れば道理引っ込む 昔取った杵柄
無用の長物

【め】からはじまることわざ

目には目を歯には歯を 面目次第も無い
目には青葉山ほととぎす初鰹 目と鼻の先
目高も魚の内 目白押し
目から鱗が落ちる 名馬に癖あり
名人は人を謗らず 面皮を剥ぐ
目は心の鏡 目は口ほどに物を言う
目に入れても痛くない 名物に旨い物なし
目の上の瘤 目糞鼻糞を笑う

【も】からはじまることわざ

門前雀羅を張る モズの高鳴き七十五日
物種は盗むとも人種は盗まれず もんどりを打つ
諸肌を脱ぐ 勿体を付ける
持ちつ持たれつ 燃え杭には火が付きやすい
蒙を啓く 門前市を成す
諸刃の剣 物には時節
求めよ、さらば与えられん 元の鞘に収まる
本木に勝る末木なし 沐猴にして冠す
勿怪の幸い 孟母三遷の教え
盲亀の浮木 門前の小僧習わぬ経を読む
物は試し 物も言い様で角が立つ
桃栗三年柿八年 餅は餅屋
元の木阿弥 物言えば唇寒し秋の風
物は考えよう 物は相談
前門の虎、後門の狼 モズの高鳴き七十五日

や行のことわざ

【や】からはじまることわざ

やはり野に置け蓮華草 山が青く見えると晴れ、白く見えると雨
焼き餅焼くとて手を焼くな 遣らずぶったくり
矢でも鉄砲でも持って来い 役者が一枚上
焼き餅を焼く 闇夜に目あり
病は口より入り禍は口より出ず 柳は緑花は紅
柳の下の泥鰌 柳の下にいつも泥鰌はいない
柳に雪折れなし 痩せの大食い
痩せ馬の声嚇し 痩せ馬に鞭
安かろう悪かろう 焼け木杭に火がつく
焼け野の雉夜の鶴 焼きが回る
夜目遠目笠の内 山を越す
矢も盾もたまらず 山高きが故に貴からず
病は気から 藪をつついて蛇を出す
藪から棒 柳に風
焼け石に水 安物買いの銭失い
槍玉に挙げる 闇夜に鉄砲
山の芋鰻になる 病膏肓に入る
藪蛇 山が青く見えると晴れ、白く見えると雨

【ゆ】からはじまることわざ

夕立は馬の背を分ける 揺り籠から墓場まで
弓折れ矢尽きる 指一本も差させない
油断も隙もない 雄弁は銀沈黙は金
夢は逆夢 雪は豊年の瑞
雪と墨 行き大名の帰り乞食
行き掛けの駄賃 幽霊の正体見たり枯れ尾花
幽明境を異にする 勇将の下に弱卒無し
有終の美を飾る 夕立は一日降らず
雪の明日は裸虫の洗濯

【よ】からはじまることわざ

弱馬道を急ぐ 夜の鳶に雨具を貸すな
四つ晴れに傘放すな 夜上がり天気雨近し
良い仲の小いさかい 弱気が美人を得た例はない
夜を日に継ぐ 寄ると触ると
夜も日も明けない 与太を飛ばす
寄る年波には勝てぬ 善く泳ぐ者は溺る
洋の東西を問わず 輿馬を仮る者は足を労せずして千里を致す
世の中は三日見ぬ間の桜かな 横紙破り
預言者郷里に容れられず 欲の熊鷹股裂くる
欲と二人連れ 羊頭を懸けて狗肉を売る
葦の髄から天井を覗く 弱り目に祟り目
寄らば大樹の陰 宵っ張りの朝寝坊
四つ晴れに傘放すな 夜の鳶に雨具を貸すな

ら行のことわざ

【ら】からはじまることわざ

楽は苦の種、苦は楽の種 らっぱを吹く
埒が明かない 楽あれば苦あり苦あれば楽あり
来年の事を言えば鬼が笑う 落花流水の情
落花枝に返らず、破鏡再び照らさず 洛陽の紙価を高める

【り】からはじまることわざ

律義者の子沢山 流星多ければ日照り続く
悋気は女の七つ道具 悋気嫉妬も正直の心より起こる
離別の後の悋気 利は天より来たらず
梁上の君子 立錐の余地もない
理屈とこう薬はどこにでもつく 李下に冠を整さず
良薬は口に苦し 綸言汗の如し
両雄並び立たず 遼東の豕
両手に花 梁山泊
燎原の火 凌雲の志
柳眉を逆立てる 流星光底長蛇を逸す
柳絮の才 竜虎相搏つ
溜飲が下がる 理に勝って非に落ちる
律儀者の子沢山 六馬和せざれば造父も以て遠きを致す能わず
理屈と膏薬はどこへでもつく 李下に冠を正さず
流星多ければ日照り続く

【る】からはじまることわざ

類は友を呼ぶ 瑠璃の光も磨きから
坩堝と化す 瑠璃も玻璃も照らせば光る
ルビコン川を渡る 類を以て集まる
累卵の危うき

【れ】からはじまることわざ

礼も過ぎれば無礼になる 例によって例の如し
連理の枝 連木で腹を切る
歴史は繰り返す 例外のない規則はない

【ろ】からはじまることわざ

論より証拠 櫓三年に棹八年
櫓櫂の立たぬ海もなし 論陣を張る
露命を繋ぐ 労して功無し
論語読みの論語知らず 六十の手習い
ローマは一日にして成らず 労多くして功少なし
ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけではない 盧生の夢
驢事未だ去らざるに馬事到来す 廬山の真面目
魯魚の誤り 隴を得て蜀を望む
老馬の智 老婆心

わ行のことわざ

【わ】からはじまることわざ

我が身を抓って人の痛さを知れ 我を愛する者は我が犬をも愛す
我が家に勝る所無し 禍も三年経てば用に立つ
吾日に吾が身を三省す 吾十有五にして学に志す
我が田へ水を引く 若い時の辛労は買うてもせよ
若い時の苦労は買ってでもせよ 藁千本あっても柱にはならぬ
笑う門には福来たる 渡る世間に鬼はなし
禍を転じて福と為す 渡りに船
脇目も振らず 和を以て貴しとなす
割れ鍋に綴じ蓋 我思う、故に我在り
和して同ぜず 我が物と思えば軽し笠の雪
若気の至り




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